過去の議員活動
2月議会個人質問大森市長のもと、地方中枢拠点都市として市政が大きく動き始めました。トップスピードで走りながら県や周辺市町を巻き込み、施策を打ち出しています。舌を巻くほど矢継ぎ早な政策判断が的確なのは、鳥の目、虫の目、魚の目を心掛けている賜物なのでしょう。 さて、2月定例市議会では個人質問一人目の登壇でした(3月5日)。今回は、障がい者施策や社会福祉施策に絞って論戦を行いました。 1.障がい者自立支援の推進態勢と体制整備について岡山市の昨年3月末時点での障害のある方々の人数は、3障害合計で57,000人程度と思われます。これは総人口の約8%にあたります。(ただし精神障害者数は、国の身体と精神の比率での推計です) さて、改善すべき課題は大きくふたつあります。 もうひとつの課題は現場力の強化です。役所の外にある自立支援のための機能は十分ではありません。 行政が予防的に手を入れていくという積極姿勢をとらないと、解決が困難の度を増すだけでなく、結局、多くは生活保護に、あるいは近隣トラブルや触法事件に発展することもあります。 就労に向けた自立支援の工程を見てみましょう。入口の相談支援と出口である就労支援、これには障害についての専門性と、企業とのリレーションが必要です。 また、計画相談支援も同様です。今は猶予期間ですが、平成27年4月からは障害福祉サービスの全ての支給決定に先立ち計画相談をすることとなっています。障害児を除いても対象者は約7000人ですが、本市の現時点での計画相談支援事業者の年間キャパは1500人程度で、こちらも圧倒的に不足しています。 これらの相談、就労の足りない機能を質量ともに整備・促進する必要のが本市の役割です。
2.「障害者優先調達推進法」施行初年度の取り組みについて 平成25年度に施行された障害者優先調達推進法に基づき、岡山市においても、障害者就労施設等からの「調達方針」を策定しましたが、少なくとも、岡山市の調達方針は優先調達推進法の精神を積極的に反映していません。それは岡山県をはじめ他都市のそれと比べるとはっきりわかります。
3.軽自動車税の減免について岡山市市税条例・第67条によれば、「公益のため直接専用する軽自動車等に課する軽自動車税を減免することができる」とされています。減免の対象は社会福祉法人や公益法人とのことです。
具体的には、公益事業は第2種社会福祉事業等のことです。 担当: 竹之内則夫 2014年2月
昇降機内臓バスの概要について 視察報告視察内容車いす客が乗り降りしやすい電動リフトを備えるなど、体の不自由な人に配慮したバス車両を、高速バスや観光バスに導入させようという動きが広まっている。路線バスの4割近くに低床化バスは普及したが、費用負担が重く、座席数が減るなどの理由から、観光バスなどでは3%台にとどまっている。国は購入補助金の支給などで普及を後押ししようとの考えがある。このような情報の中、広島県三原市に会社を持つ(有)メイプル交通が、このほど車両後部にエレベーターを設置し、車いすや足の不自由の方々を乗り降りできるバスの運転を始めたと聞いた。岡山市内においても都心創生まちづくり構想における観光客の増員にも力を注いでいる観点から視察を計画したもの。 吉田社長から「路線バスは、低床化が進んでいるが、観光バスとなるとバリアフリー化は進んでいない。車いすや足が不自由な方でも乗り降りがしやすいバスは作れないかと開発してきました。既存のバスを改良する方向で考えた場合、エンジンの位置や座席数を少しでも確保しようとなると、今回メイプルが開発した車両後部昇降型(エレベーター)方式がベストと考えている。」と説明があった 当方より、リフト型でなくエレベーター型にした理由を尋ねると、「リフトはそもそも人を運ぶ仕組みではない。介護などの福祉車両は、車高が低いからできる。観光バスとなると座席位置がある高さ(1m50㎝以上)まで上げないといけないため、リフト方式では安全が確保しにくい。」と回答を得た。 また、昇降機内臓バスの利用度や利用者の声を伺ったところ、「問い合わせは福祉施設関係者から数多くある。この間も広島の福祉施設から京都まで観光依頼があり対応した。流動食しか取れない方も含め車いすの方が5名ほどありましたが、問題なく対応することができました。参加された方もバスでみんなと一緒に観光地近くまで行くことができた。公共交通を利用した場合とくらべると介助する方も楽でしたと、喜んでいただけた。」と話があった。 今後の事業展開を尋ねたところ、「昇降機内臓バスは、既存の観光バスを改良するだけで、座席数の確保や多数の車いすの人を対応することができるので、新規にバス一台購入する必要はない。観光バスや高速バスを所有しているバス会社にアピールし普及していきたい。メイプルが昇降機内臓バスとして販売する考はないが、昇降機はメイプルの特許として申請している。」と回答された。
担当: 福吉智徳 平成26年1月30日(木)
11月議会個人質問大森市長就任後、初となる本格的な論戦が行われました。「子育て」・「子育ち」に絞った私の個人質問の概略を以下お知らせいたします。 ◆岡山市の活力と未来のための最優先施策保育園に空きがないという理由で、岡山市でも多くの女性が仕事を辞め、そして同様の理由で出産後の復職や再就職を諦めています。 ◆あとどれだけ保育を充実すれば良いか。岡山市が行ったアンケート調査や総務省統計局「労働力調査」のデータから、今より4500人分の受け皿整備が必要です(データ処理は私が行いました)。 ◆整備にはスピードが求められています。岡山市は公立園が多いという特異なまちです。そこで単に保育定数を増やすだけではなく、今後の財政上の負担や、幼稚園の空き教室といった無駄をより抜本的に見直すため、かなり壮大な改革を行う考えです。方向は私も支持していますが、今の手順では小回りが利かずスピードが求められている「保育ニーズ」に応えられません。団塊ジュニアの子どもたちの多くが小学校に上がってしまうのは遠い先の話ではありません。早急な解決策こそが必要なのです。 ◆既存の施設と仕組みを活用すべき。 本市特有の資産である公立幼稚園に着目し、「3歳児教育」と「預かり保育」を最優先施策とするよう市長に提案しました。以下がその理由です。
◆本市はどう考えているのでしょうか? 公立幼稚園の「3歳児教育」・「預かり保育」は、「どちらもニーズが高い」「市民ニーズに対応できていない」「今後、子育て支援の観点から検討していく必要がある」、というのが岡山市の現状認識です。 ◇◇大森市長の視点と判断◇◇ 市長は少子高齢・人口減少という社会の変化を見定めながら中長期の視点をベースに今の施策を判断しようと考えているようです。極めて妥当な手法です。 ◆◆実現へのポイント(私の主張)◆◆ 一番の難点は「市民ニーズが優先されていない」ということです。誰のための市政でしょうか。 ◆そして、日本や世界の知見はどうでしょうか? 近年、コミュニケーション能力の低下、キレる子など子どもたちの心身の育ちが阻害されています。 他にも、早く保育園・幼稚園に就園することで教育的効果が高まるとの調査(文部科学省)報告や、ユニセフなど脳科学分野の資料を今回提示しました。 担当: 竹之内則夫 2013年12月
盛岡市の東日本大震災からの復興推進の取り組みについて 視察報告(1)盛岡市総務部危機管理課 東日本大震災復興推進・放射能対策本部復興推進部事務局 森田晋課長補佐(事務局副主幹)からの聞き取り調査
(2)もりおか復興サポートオフィス一般社団法人 東日本絆コーディネーションセンター 佐々木正光室長から説明を受けました。
(3)もりおか復興支援センターもりおか復興支援センター 細田玲副センター長から説明をいただく。 県内各市町村や他県からの避難者にきめ細かな支援活動を行う施設として、平成23年7月11日に開設しました。市の復興推進事業のトップに位置づけられています。 一般社団法人SAVE IWATE が業務委託を受け、センター長1名、副センター長1名、スタッフ12名で運営しています。 利用実績は平成25年10月16日現在の累計で、来館者・45,494人、窓口相談・1,286件、電話相談・425人、物資支援・11,126件、戸別訪問・7,721件となっています。 戸別訪問は平成23年8月より面接聞き取りを行っています。生活についての不安、住民票の移動、就職のこと、健康のこと、子どもの進路等必要な方にはそれぞれ行政サービスの窓口につないでいます。聞き取り調査 693世帯 1415人、未接触6名で、盛岡市から個人情報を共有し行っています。個人情報保護のことも考慮すべきですが、避難者の年齢や世帯の状況を把握することは必要なことであり、支援状況を把握するのに有効であると考えています。 訪問基準は要支援、定期訪問、通常、訪問不要、一般生活者の5種に区分され、支援内容は食糧支援、外出困難、求職者、心理的な支援となっています。 センターのイベントとして、お茶っこ飲み会、紡ぎサロン、コンサート、折り紙サロン、学習サロン、囲碁クラブ、FP・行政書士による個別相談会があります。孤立しないように寄り添った支援を行っています。 【所感】盛岡市は内陸部なので震災、津波の影響は大きくはありませんでした。沿岸地消村から避難してこられた方々の支援に、市の予算や、国や県からの補助金があるとはいえ、税金を投入することに市民の反発はなかったのかとお聞きしたところ、宮沢賢治のことを真っ先に述べられました。郷土の偉人の生き方、思想が深く岩手県民、盛岡市民に定着していることをうかがわせるものでした。ことさらそれを前面に打ち出して復興支援、まちづくりに活かしていこうということではないかもしれませんが、そこに生きる、生きていくための知恵、歴史の重みを感じた視察でした。 今回説明をしていただいた3人の男性職員の息のあったやり取りを見て、復興支援という非常事態だからか、いやそうとは思えない息の合った連係プレイの見事さと役割分担、どうしたら支援につながるかという創意工夫など、学ぶべき視点はたくさんありました。残念ながら岡山市の防災計画の中に復興という視点はほとんど入っていないこと、南海トラフ地震がいつ起きてもおかしくない状況下を考えると、盛岡市の取り組みを参考に非常時に備えておくべき視点と施策を岡山市に活かしていこうと思いました。
担当: 中原淑子 平成25年10月25日
公共施設マネジメント調査特別委員会 視察報告当選以来、施設管理から脱皮し資産経営を行うよう何度となく議会で提案してまいりましたが、いくつかの改善を別にすれば、岡山市は現在も施設情報の一元化に手間取っており、その先の行程も明らかではありません。 こうした課題を突破すべく、議会ではこの5月、新たに公共施設マネジメント調査特別委員会が設置されました。その一員として、8月6日~8日の3日間、名古屋、浜松、新潟を視察させていただきました。 ○類似性客観状況から見て、岡山市に近い(最も参考になる)のは新潟市。 ○調査対象各市に共通しているのは公共施設の調査対象に学校園、市営住宅を含んでいること(岡山市は調査から外している)
○調査項目維持管理(長寿命化)だけでなく、統廃合を視野に入れている。
○庁内体制
○各論対策
9月議会でしっかり議論してまいります。 担当: 竹之内則夫 2013年8月 6月議会個人質問 2期目の折り返しに当たり、経済委員会委員長を務めさせていただくこととなりました。微力ではございますが、5年目を迎えた政令市・岡山の発展に全力で取り組んでまいります。 ◆国立社会保障・人口問題研究所の推計によりますと、2025年の本市の人口は2010年と較べて、15年間に2%減少しますが、75歳以上の高齢者は逆に50%増加します。 ◆直面する最大の課題のひとつは介護です。 在宅では独居や老夫婦世帯が増加し、家族介護者不足が一層深刻です(2025年には不在率7割とも言われています)。 また施設は現在でも不足が顕在化しており、5割増への対応は人材の確保と併せ計画的に行う必要があり、今の抑制的な政策では追いつきません。急増する高齢者へのサービス提供体制をどうつくるかが喫緊の課題です。 ◆もうひとつの課題は、高齢者人口の急増に伴う財政負担の増加にどう対応するかです。まず、高齢者人口の急増と財政負担の増加の相関関係をみておきます。 これは、あくまでも便宜的に算出した参考値ですが、75歳以上の高齢者や要介護者が1人増えるごとに、30万円、あるいは50万円以上の歳出が増え、しかもその額が毎年増加していることを示しています。そして、2025年には、1人当たりの支出増加を見込まない場合でさえ(つまりどんなに少なく見積もっても)、2010年に比べ、75歳以上の主な医療・介護費だけで85億円から121億円ほどの増加となります。 ◆一方、税収面では、生産年齢人口が7%減であれば、本市の歳入はかなり厳しい数値になると思われます。 これらは私の手にできる限られたデータでの試算に過ぎませんが、今の行政は、漠然としたリスクに経験値だけで立ち向かおうとしているように映ります。未来のリスクを明らかに示し、全庁で共有しないと責任ある対策は打てないと質しました。 しかし残念ながら(手厳しく言えば)誰も2025年の姿を具体的に示せないのが今の岡山市です。本来必要な備えが足りないということへの認識が足りないことほどの不幸はありません。 逆説的に言えば、庁内で認識を共有するためにも2025年の姿を共有する必要があるのです。 ◆ひとつ目は、生産年齢人口を誘致するためのサービスの充実と都市ブランドを上げる戦略です。 私たちが行ってきたまちづくり調査では、市民の約半数は岡山市で生まれ育っていない方々でした。一方、ほぼ同数の岡山で生まれ育った方々が転出されていると推測されます。従って、持続可能性の最大の要件とは、これからまちを担う世代を引き付けることに他なりません。 そこで、充実すべきサービスですが、私が議員活動で多く声をいただく最も切実なサービスは保育の充実であり、関心の高いサービスは子ども医療費の充実です。他都市と比較してしょっちゅう指摘を受けます。 持続可能なまちづくりとは都市間競合を制することでもあります。 ◆また、都市に人が移り住むのはそこに仕事があるからです。若い世代を誘引する施策や産業の活性化施策にも戦略的位置付けが必要です。
◆もうひとつは予防施策に光を当てることです(介護認定を受ける前に、です)。 健康づくりというと、とかく個人の努力の問題とみなされやすい現実がありますが、例えば、メタボも糖尿病も要介護者も、実は低所得者や社会的孤立者に多いのです。この事実を見逃してきた、あるいは無視してきたために、これまでの生活習慣病対策は成果につながらなかったと指摘しました。健康の多くは社会環境で決まる。つまり、所得により医療アクセスに格差がある。社会的ネットワークが多い人ほど、長生きで、要介護になりにくいなど、その人が置かれた社会的に不利益な状況により、不健康となってしまうという健康格差が生じているのです。 ◆そこでまずは、本市がすでに保有している保険や税に関するデータを活用し、健康状態が地域の中でどのように分布しているのかを把握する必要があります。健康格差を社会経済格差や地域格差の視点で把握し、政策が最重要ターゲットとすべき人々を見つけ出さなければ、次の一手が見えてこないからです。 ◆次に、社会的ネットワークを育成することで、運動機能低下、認知症、低栄養、うつ、閉じこもり、口腔機能低下のリスクを回避できる、すなわち介護予防につながることを思う時、健康・介護対策として、コミュニティのなかで人と人とがつながる仕組みを再構築することが重要になります。まちづくりが健康対策そのものなのです。
◆シンクタンクが要ります。
他にも以下の項目を質しました。 ●マイナンバー法案成立を受けて
●胃がん対策~ピロリ菌除菌について
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改革風土作り、長期計画立案 最重要だが時間が掛かる |
■経費
・既存システムのリース残(1-5年分)
・新システムの構築費/データ移行/教育・訓練
・移行期間(3年程度) 新旧システム併行稼動
現行でまず削減;簡素化 目途をつけ、本格取組み着手 |
■人材不足
・既存システム運用・改善に忙殺
・情報化全域を鳥瞰する人材の払底
現行システムの簡素化 人事交流、相互支援、民間人活用、切磋琢磨 |
■硬直化したシステム(構成要素の密結合)
・業務ユニットとサーバ等コンピュータ
・端末とネットワーク
・業務ユニット間
サーバ統合、仮想化 シンクラ化、業務ユニット見直し 地域情報PFに準拠した連携 |
○自治体が環境変化に対応できる仕組みをうかがいました。
(1)自治体クラウドに参加する・・・小さい自治体向け
(2)情報システムの構造を整理整頓(簡素化・近代化)する・・・大きい自治体向け
具体的には、
◆(1)、(2)いずれもナケは掛からない、むしろ節約できる。(共同利用はワリカン)
◆マイナンバー法対応には地域情報PF準拠が前提とされている。
業脊事務の処理において、個人又は法人その他の団体に関する情報の管理を一層効率化するとともに、当該事務の対象となる者を特定する簡素な手続きを設けることによって、行政運営の効率化及び国民の利便性の向上に資すること。
平たく言えば、
というところです。
→圧倒的な市民サービスと行財政改革が期待できる。
まずは岡山市の情報システム担当に、町田に行って情報交換をしていただきたい(あるいは学んできていただきたい)と伝えました。
担当: 竹之内則夫 2013年4月25日
横浜市の「市民参加の仕組み」と「町内会のあり方」について視察させていただきました(横浜市役所にて)。概要は以下のとおりです。
議員提案で作ったこの条例は岡山市にとって、その成り立ちがとても参考になります。それが端的に出ているのが、以下の特徴とポイントですのでそのまま引用します。
1)条例案の特徴
【1】横浜コードに基づく条例
※1 「市民協働の定義が不明確である」・「契約が市民協働の原則に基づいていない」・
「行政の役割分担が不明確である」・「行政主導で対等ではない」など。
※2 共創事業が市民協働事業に含まれていない。
【2】横浜市市民活動推進条例の全部改正
2)条例案の主なポイント
【1】「市民協働」を定義付け
【2】NPOだけでなく町内会・各種法人も実施主体
【3】民間側からも提案できる制度
【4】市の財政支援を明確化
【5】協働契約を締結
【6】自主事業を保障
【7】中間支援機関の育成
【8】第三者機関で制度の充実
協働について条例制定前から、市の基本政策の中で局を超えて明確な位置付け(課題と事業)がなされているのは当たり前ですが、すごいです。
1)現状と課題
2)目標達成に向けた主な事業
■要チェック1
「横浜コード」で有名な横浜市でさえ、「市民と行政のための協働ハンドブック」を平成22年4月に発行していました。こちらは冊子もモノクロで簡素なつくりです(明らかに職員向け)。肝は、行政職員の理解からはじめたということです。市民向けにはもっと立派なカラーの入門冊子ができていました。
■要チェック2
地域運営補助金(区づくり推進費)
■要チェック3
横浜市には、市民活動等への支援制度(メニュー)がびっくりするほどたくさんあります。一覧をいただいて驚きました。上記の地域運営補助金だけではないのです。
■要チェック4
町内会
岡山市において、公益的な活動を行う主体(様々な団体)に対して行政が果たすべき責任(負担)を明確にする必要を痛感しました。 |
担当: 竹之内則夫 2013年4月13日
訪問したのは「岡山白ゆり発達支援センター」、市議団から則武、福吉、竹之内の3人でお邪魔いたしました。当所は2年前に岡山県から障害児福祉事業者として指定を受け、今年4月には岡山市から障害児通所支援事業者として指定を受けています。
利用者の多くはダウン症のお子さんと保護者で、近隣のみならず広域から通っておられるとのこと。所長の石原忍氏いわく、子どもさんの発達支援といっても、親を育てるのと子どもを育てるのとフィフティフィフティなんです。保護者ケアをしないと子どもは変わらないし、子どもが変わらない(成長しない)と親の信頼は得られないですから。
今の課題は何かと尋ねると、行政に関しては、診断をとるのに何か月もかかること。誰でも診断という訳にはいかないにしても、基準を担保しながら、もう少し「待ち」を減らす努力が必要、と。
またご自身のことについては、今の形態では十分な受け入れができない(施設面でも人数においても)ので、児童発達支援センターへの移行が必要になってきており、認可の課題に直面しているとのこと。
ちなみに、児童発達支援センターというのは、地域の障害のある児童を通所させて、日常生活における基本的動作の指導、自活に必要な知識や技能の付与または集団生活への適応のための訓練を行う施設です。
福祉サービスを行う「福祉型」と、福祉サービスに併せて治療を行う「医療型」があります。
障害児に対する通所施設は、以前は障害種別ごとに分かれていましたが、複数の障害に対応できるよう平成24年度より一元化が行われました。ただし、これまで同様に障害の特性に応じたサービス提供も認められています。
対象者はというと、・身体に障害のある児童、知的障害のある児童または精神に障害のある児童(発達障害児を含む)
・医療型については、上肢、下肢または体幹機能に障害のある児童
・児童相談所、市町村保健センター、医師等により療育の必要性が認められた児童
ただし手帳の有無は問いません。
また、福祉型の児童発達支援センターというのは、
・日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与、集団生活への適応訓練など(児童発達支援)
・授業の終了後又は休業日に、通所により、生活能力の向上のための必要な訓練、社会との交流の促進等を行う(放課後等デイサービス)
・保育所など児童が集団生活を営む施設等に通う障害児につき、その施設を訪問し、その施設における障害児以外の児童との集団生活への適応のための専門的な支援などを行う(保育所等訪問支援)
があります。
訪問している間、何組もの親子が独歩にむけて指導員にサポートを受けていました(赤ちゃん体操と呼ばれています。ダウン症のお子さんは歩行もしゃべりも一般的な平均よりも遅れがちです。それは体と脳の関係において、独歩できることとしゃべることがつながっているからだそうです。ダウン症に限らず歩けるようになったらしゃべれる(歩けるようにならないとしゃべれない)、そんな願い(目標)に向けたお母さんの優しくも真剣な表情に接し、福祉の充実を決意した視察となりました。
担当: 竹之内則夫 2013年4月9日
2013年6月に改正された災害対策基本法に基づき、この4月から要援護者の名簿づくりが市町村の義務となる。平常時には本人の同意を得て、災害時には同意がなくても名簿を避難支援者に提供できるようになった。自力での避難が難しい障害者や高齢者などの災害弱者は今後増えていくことが想定されるが、その一方で、避難を支援する人の確保が急務である。そのためには、平常時から民生委員などの関係者だけではなく、住民の助け合いの関係がなくては、災害時の対応はできない。
これについて先進自治体である三条市や横浜市の状況説明を、さらには法制面からの説明を学術的な立場から聞き本市の施策に活かそうとするもの。
全体時間10:00~15:40
10:00~11:30 三条市における災害対策と「避難行動要支援者」及び「情報伝達要支援者」の名簿作成、外部提供について
講師:新潟・三条市行政課防災対策室主査/石塚衛(まもる)氏
三条市は金物の街コメリ、コロナの本社あり
平成16年7月13日経験のない大災害だった。21.9%しか避難勧告伝わらなかった。
広報はスピーカー積んだ車一台のみ。しかし、平成23年7.29前回の二倍の降雨量だったが被害は少なかった。
(平成16年の状況)
7.13 五十嵐川(いからしがわ)上流にダムが二つあって安心感もあった。
しかし、7.13 の13:15に堤防が決壊した。
一日の水害で1年分のゴミが出た。ハード整備は五年かけて整備。
(市のソフト事業)
介護認定を受けていればという暫定基準では対象者が多く、パンクした。一人で30人への連絡など無理。
そんな中、平成23年の災害が起きた。前回の倍の降雨量。河川改修は効果があった。さらに上流側で決壊発生。土砂災害。しかし、被害については、住宅地は前回より少なかった。他市の住民が堤防を自動車で走行中、川に流されたのが1名。
平成23年4月ガイドマップを配布したタイミングで7月の災害が発生。多くは、自宅にとどまった。「二階以上の建物は二階へ避難してください」と防災無線で呼びかけた。
(災害時要援護者について)
地域や民間を巻き込んだ避難所の見直しを行い、避難所検討委員会の設置をした。
緊急避難場所は公共施設でなくともよいだろう。ホテル、料亭、複合商業施設など、民間の施設を地域の自治会等が自ら選定。そこへステッカーを貼る。暮らしをささえる避難所としての取り組みも準備検討した。
(質問)消防団にも情報伝達を依頼したことに対する消防団の側の反応?そもそも災害現場に行くのが使命であり、そこまではできないということはないのか?
(答)消防団員のうち1~2名のみなので問題ない。そもそも水防活動が始まるより早いタイミングで情報伝達するので問題ない。消防団の側からも、そのような声はない。
(質問)一人一人の貼り付けは行政が把握しているのか?
(答)個人名は不要。誰が支援の主体か決めるところまでをお願いしている。国のプランでは個人個人のカルテを作ることとなっているが、それでは、市の仕事を自治会が代わってどんどんやることになるので問題あり。事細かく決めていても、支援者が旅行中とか不在のケースもある。とにかく支援の穴を開けないようにお願いしている。現状は、地域はまだら模様です。
(質問)危険行動の回避について、自分の安全と相反するところがある。地元地域の理解は?
(答)そもそも、市役所だけではできないことも説明。避難準備情報発令準備の水位は、あまり危ないことはない。その段階で避難支援していただくので、余裕がある段階。
平成23年に問題があったのは、内水に非常に弱くて、時間がなければ二階にあげるだけでもいいと。基本は危なくない時点で実施。
(質問)町内会加入について?
(答)ほぼ100%加入。まして要援護者が自治会に入っていないことはない。自治会がないところもない。
(質問)名簿掲載について、町内会の支援が必要な場合は、町内会判断でオッケーとなっているが増えすぎるとどうなるか?
(答)自治会サイドの判断なので、自治会ができる範囲で名簿化している。市からは、最初にかなり絞った。それに付け加えるにも自分たちの余力がないとできないので。
(質問)名簿不同意者のフォローは?
(答)不同意者名簿作成している。地域別に10個の地域に分ける。災害時に自治会長に安否確認だけお願いしている。できなければ市がやる。不同意者には、支援者が行かないので、自ら早めの情報収集、避難をお願いしている。
(質問)名簿登録を絞り込んだことへの不満は?
(答)ほとんどなかった。逆に苦情が来たのは、一生懸命やっている自主防災組織から。やっちゃいけないのかと。
(質問)逃げどきマップをどのようにして基準を決めたのか?
(答)群馬大学の片田教授にアドバイザーお願いした。作り方としては、元データは浸水状況マップ、流速、浸水時間など、細かい計算をして作った。
12:30~14:00 「横浜市震災対策条例」に基づく災害時要援護者の個人情報の提供について
横浜市健康福祉局福祉保健課福祉保健センター担当課長/黒岩清隆氏
他都市からの視察の中に、どこが担当するのか役所の中の部所が決まらないということをよくお聞きする。幸いに、横浜市は大きな災害はない。
(災害時要援護者支援事業の目的)
日頃からの関係づくり、支え合いが重要。横浜市は370万人。18区ある港北区で34万人、西区は10万人で、三条市と同じ人口が狭いエリアにいる。
連合町内会が230くらい。その中に1万4千人程度の平均人口がある。要介護認定者は534人。団地によっては40%を超える高齢化率もある。
平成16年からスタートした要援護者リスト作成してきた。民生委員の訪問で把握していたが、 精度が低かった。金庫にしまったままで、平常時に共有ができない。
平成18年3月国のガイドラインできた。それを受けて19年に横浜市の手引きを作成した。モデル実施から拡大。
平成22年から、関係情報共有方式庁内で検討開始。
平成24年パブリックコメント
平成25年条例全部改正。
平成19年スタートの手あげ方式では10%20%しか把握できない。同意方式は郵便が30%40%帰ってきた。その併用方式とした。
(主管課について)
防災担当、福祉担当が考えられるが、防災担当、福祉担当は18区でも違う。
(取り組み方式)
平成25年4月1日現在の条例改正前は、同意方式19区、手上げ方式15区。
(新方式の概要)
横浜市では情報共有方式と呼ぶ。拒否の意思表示は見込みで1割と思う。他都市の例を見ても1割前後だろう。9割が同意するということだ。
手上げ方式で一割程度の把握。同意方式で三割から五割の捕捉。情報共有方式で9割の捕捉だ。さらに横浜市では平常時の名簿提供ができないかと検討開始。
・個人情報保護条例に例外規定を設けた。第10条(1)
・団体からの要望により精神障害者は除いた。
・災害対策基本法第二条の2に自主防災組織を謳う
・自主防災組織の結論として、具体的には規則で市長が認めるものとした。区長が認める。
・横浜市の特徴として、平素からの取り組みがある。
横浜市震災対策条例第12条で、「平素から地域の自主的な支え合いの取り組みを支援するものとする。」とある。
(個人情報保護について)
災害対策基本法の改正で、7つの情報が必要となった。それまでは必要最低限とし、4つの情報だった。
罰則規定は、検討の結果、設けないこととした。
災害対策基本法改正後の運用に関する通達で、善意に基づく無償の避難支援にかかる民間人については、過度な心理的負担を課し、共助の裾野が限定的とならないようにとうたわれている。
(今後の課題として)
1.個別支援計画の作成
頭を痛めている。取り組み事例集の配布
2.支援者の確保
3.事業者との連携
4.地域見守り事業と連携
5.その他
我が国の保護法は、分権的な手法をとっている。国の持っている情報のみ対象としている。自治体はそれぞれ情報を整備している。外国では、国の法律は自治体にも適用される。我が国では、国が情報提供を言っても、自治体で決めなければならない。したがって、要援護者名簿は、個人情報保護法ではなくて、個人情報保護条例にもとづく。
本来的に個人情報は特定された目的で使うもの。しかし、目的外適用もあり得る。例外を書いている。本人の同意があればオッケー。いくら国が技術的助言しても、関係機関情報共有方式は条例か法律で決められなければならない。ガイドラインの限界だ。
全国の七割の自治体が個人情報保護条例に審議会の意見を聞くこととしている。関係機関共有方式を採用している自治体は36.4%
災害対策基本法の改正により、4月から支援者名簿が義務付けられた。
バックアップ機能が必要。庁舎の損壊の可能性有り
個人情報の管理は非常に重要。しかし、目的の範囲内なら秘密保持義務違反にならない。過度に気にする必要はない。
あくまで本来の目的との関係で、ある地域だけに避難勧告が出ている時に、無関係のところに出すことは認められない。
(避難行動要支援者名簿について)
要配慮者>避難行動要支援者だ。
(番号法について)
92条限定列挙の例外がある。社会保障と
・孤立ゼロプロジェクト
・箕面市ふれあい安心条例名簿
(質問)関係機関情報共有方式は8割か?10割ではないのか?
(答)福祉部局の情報を防災部局が利用すると100%だが、他の自治体が持っている情報あり。例えば、難病情報は県になる。
NHK受信料について、中野区で問題になった。被災者台帳作成。被災事項。
【所 感】
今回は、原点から見つめ直すことができた。そもそも、要援護者名簿がなくても地域が稼働できれば、それがベストであるということ。もう一つは、本市では、現在は希望者全員を名簿化しているが、かなりお元気な方は多い。逆に支援する側になることが間違いない方々まで登録している現状がある。三条市のように、支え手の側から見直して、支えられない人数まで登録することは止めて、ハードルを上げた形で名簿を作り直したことは、大変示唆に富んでいる。実際に支えられない実態に目をつむることはできないはずであり、この視点からも本市の取り組みは見直す必要があると思う。
担当: 田尻祐二 3月25日
岡山市は都市ビジョンとしてコンベンションシティを目指している。昨年、1500名から2000名を収容できるコンベンション施設の整備に組合施行の再開発で整備することを検討している。そこでこのたび先進地である福岡のコンベンションを視察した。
福岡市は港、空港、新幹線と交通の便がよく、なおかつ東アジアを含む国際的なコンベンション誘致をしている。コンベンション施設では展示場と宿泊、食事、アフターコンベンションが揃っていないと誘致の条件にはならない。また。3000人を越えるコンベンションは福岡でもそんなに多くはないが、年間5件ほどある。その誘致ができるかできないかが信用・安心のコンベンションシティになるかどうかでもあると感じた。福岡市でも可動式の1000名固定、2000名は増設できる会場を見せていただいたが、素晴らしいものであった。本市でも現在の計画でよいのかどうか検討をする必要がある。
担当: 則武宣弘 平成25年1月31日
・検討経緯
元々、福岡市内では、福岡国際マラソン、福岡シティマラソン(ハーフ・24回開催)の2大会が開催されており、市内でのフルマラソンの開催を目指し、平成23年6月、市議会議員有志による「開催を検討する職員有志の会」が立ち上がり、議会62名中54名が賛同し検討が始まった。同年12月には、市長宛にアジアが誇る福岡マラソンをつくる会より53,356名の署名が提出され、翌24年4月には、市民局スポーツ推進部に担当課が設置された。同年5月福岡国際マラソンとの連携についての検討会・WGが設置され、県警からは市内での2大会の開催は難しいとの話しが出た。8月には更に45,467名の署名が提出され、10月マラソンコース試走会が実施、福岡マラソン祭りも11月に開催され、周辺の機運は盛り上がっていった。この間、県警からの市内のみでの開催は難しいとのことから、周辺自治体との共同開催の探っていたところ、25年2月西隣りの糸島市に共同開催を提案、糸島市も定住化策を促進していたことから開催による効果が期待できるとして、4月糸島市との共同開催が決まった。因みに24年度までマラソン関連の予算は無く、25年度より4000万が予算化され、25年5月より4回の準備委員会の開催、10月からは実行員会事務局も設置され、実行員会も開催された。そして26年1月には、医療救護部会、競技運営部会が開催され、現在はコース周辺の住民・事業者等へ理解・協力を求めて戸別に説明を行っている。
27年11月に開催予定とされる本市マラソン大会についてのこれまでの経緯と比較しながら説明を聞いた。福岡市も糸島市との共同開催であり、県と共同開催となる本市も行政間の連携について課題があるが、福岡市については、予算面・人材面についても福岡市がイニシアチブを執っており、スムーズに進められているように感じる。
県警との協議(2大会開催への課題、交通問題、拘束時間、)に対しても積極的な働きかけを行っており、熟慮の結果、糸島市との共同開催によって打開し、コースも往復型ではなくワンウェイ型として開催することにしている。因みに往復型よりワンウェイ型の方が、予算面・人材面においても負担が大きい。2月末にはコース周辺の住民・事業者への説明も終わる予定だが100%の理解は難しいようだが、それでも進めていくとのこと。これは他のマラソン大会についても同様のものと思う。その他、参加対象やテロ対策、関連事業などについても現在検討中とのことだが、丁寧に進めている印象を受けた。予算についてはコース未定時ではあるが、約33,000万でみている。
盛り上がる大会の要素を伺ったところ、①アクセスの良さ、②沿道の応援、③完走後のおもてなし、の3点を挙げられており、本市も配慮の必要を感じた。
本市もいよいよ開催日とされる日が来年に迫っているが、市議会としても県議会との連携のもと、おかやま市民マラソンに対する態度を早めに出すべきであると感じる。
担当: 則武宣弘 平成25年1月31日