3月5日(火)2月議会個人質問
いよいよ政令市5年目の節目を迎える新年度予算が上程されました。特徴は、防災・減災、安心のまちづくりへ84億円が計上された他、学校をはじめ市有施設の耐震化に29億円、東区役所など市民サービス拠点の整備に20億円など、今までの行政改革で生み出した財源を積極活用した点です。以下、個人質問の模様をご報告します。
1.市が行う契約などの見直しについて
官製デフレが言われて久しくなります。契約や発注にあって、無駄の排除は必要条件ですが、企業の適正な利益は無駄でもなければ悪でもありません。むしろ適正な利益を十分条件として認めることを「理念」や「思想」にできるかどうかが問われるところまで、もはや来ているというのが私の率直な実感です。
そしてその元凶は、マイナスシーリング(理屈抜きに予算を一律にカットする財政手法)です。
それを毎年続けたらどうなるか。
答は、表①のとおりです。髙谷市政は平均5%のマイナスシーリングを8年間続け、対象となる事業予算を9年前の3分の2まで下げてしまいました。
これは例えば、役務で言えば、8年間で人件費を3分の2に下げた会社が受注していることを意味します。そんなはずはないだろうと思われるかもしれませんが、試しに3年間の役務契約(清掃分)の実績を調べてみたところ、表②のとおり前年の92~96%と、マイナス5%の前後で推移していました。そんなことはあるのです。しかも民間はこれが毎年掛け算(つまりスパイラル)でやってくるのです。マイナスシーリングを変えないと、まともな民間は持ちません。
→ これまでの議会答弁で「適正価格で契約締結を行うよう努めてまいります」と繰り返している間に、発注価格だけが底なしに下落してきたことを指摘し、「シーリングが対象事業に影響を与える可能性は否定できないので、その点は留意する」という答弁を引き出しました。
そこで、「留意する」ことが「適正な利益を残す」ことにつながる仕組みとして、公契約条例等の検討を要望しました。
また併せて、中小企業振興条例の見直しと支援メニューの拡充、障害者優先調達法の施行に合わせた積極的な目標の設定を求めました。 |
2.生活交通について
①250号線、宍甘交差点付近の渋滞緩和
私は250号線長岡、宍甘以東の渋滞緩和対策として、下り2車線化を、また計画中の外環状線が宍甘で交差すると更に渋滞がひどくなるため対策を講じるよう求めてきました。ちなみに記録が残っている昭和58年以降、宍甘の渋滞を改善するよう本会議で主張してきたのは山田録二郎氏(故人)を除いて私だけです。
→ 調査結果と、整備に向けた検討状況を質したところ、長岡から東の下り車線の増設と、宍甘交差点の立体化で渋滞緩和を図る方針が示されました。 |
以下は翌日(3/6)の山陽新聞26面です。
②ふれあいセンター福祉バスの停留所の増設
上道コースは、平成11年と13年に停留所が新設されて以降、10年以上が経過しておりますが、バス事業者が運航している250号線沿線には、ただの一つも停留所がなく、バス路線がない平島-西大寺間においても、新規停留所の要望が出ているものの、ゼロ回答が続いています。
この間の急速な高齢化を考えれば、事業開始当初よりもニーズの増大は明らかであり、介護予防は本市の重要課題に位置づけられています。
そこで、本来、無料の福祉バスは道路運送法の制約を受けず停留所の設置や変更については住民の要望に柔軟に対応できるはずなのに、なぜ事業目的に沿って改善しないのか質しました。
3.岡山市教育振興基本計画について
今、子どもたちの深刻な問題を突き付けられている割には、基本計画から教師(教育委員会)の側の覚悟が伝わってきません。謳われているのは「自立する子どもの育成」ばかりで、しかも共生や協調が強調され、子供に「良い子」を求めすぎている感があります。本来は、子どもの最大の教育環境たる「教師の育成」にこそ項を割くべきです。
また「基本計画」には、「教科の知識に限らず」とか「教科学力だけでなく」という表現が目立ちます。斜に構えないで真正面から鍛えていかないと、子供たちに力がつきません。その意味では、子どもにも教師にも適度な競争(すなわち切磋琢磨)は必要ですが、それを避けているのは教師(教育委員会)の側に映ります。(そこには全国学力テストの公表で教師や学校の実力差を知られることを恐れるのと同じマインドを感じます)
→ そうですね、という答弁は返ってきませんでした。そこで、管理職ではなく若手の教師によるワーキングチームで、教師と教育のあり方を検討すること、また、基本計画の3年後の見直しに向け、まずは授業の中にディベートなどいくつかの「競争」を取り入れる試みを始めるよう提案しました。 |
担当: 竹之内則夫 2013年3月5日
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12月3日(月)25年度予算編成に対する要望項目
12月3日、公明党岡山市議団は平成25年度当初予算編成を前に、髙谷茂男・岡山市長に対して平成25年度予算要望をいたしました項目の予算要望を行いました。
- 南海トラフ巨大地震が想定されるなか、災害に強い街づくりに取り組むこと。
- 世界的な景気減速の中、景気経済対策に積極的に取り組むこと。
- 超高齢社会の到来を受け、将来不安を払拭すべく従来の年金・医療・介護の充実に一層取り組むとともに、うつ、認知症、DV、児童虐待、孤独死などの新しいリスクに対応すること。
- いじめ、暴力、不登校等の教育上の諸課題の解決に取り組むこと。
- 地域の特性と課題にフレキシブルに、またスピーディに対応すること、などが主な主張です。
尚、全要望項目は以下のとおりです。
★印は新規予算要望項目
<総務委員会>
- 平成24年度における基幹業務システムの最適化と行政業務改善(BPR)の取り組みについて、市民サービスの向上、業務の効率化、コスト削減等の成果を示すとともに、25年度においては、成果を数字で示すことのできる取り組みを行うこと。
- 入札に不良不適格業者対策の強化を図るとともに入札ミスの未然防止対策及び再検証に取り組むこと。
- 後楽園、岡山城を中心にした岡山の歴史、文化の拠点となるカルチャーゾーンの整備を推進すること。
- 過疎地域の自立促進計画を着実に実施すること。
- 生涯学習に限らず、全庁的な公共施設予約システムを導入すること。
- 労使交渉を公開すること。
<保健福祉委員会>
(高齢者等への支援)
- 地域包括支援センターと安全安心ネットワーク、民間事業者などとの連携を強化し、地域全体で高齢者を支えるネットワークを強化すること。
- 人感センサー等による安否確認や食料品などの宅配業務などICT(情報通信技術)を利活用し、見守り・外出・買い物等の生活支援サービスを充実すること。
- 地域における居場所づくりとして公共施設での交流を推進し、生活関連情報など提供体制を強化すること。
- 市民後見人の育成等を通じた成年後見制度の更なる利用・促進を図ること。
- 岡山市認知症疾患医療センターの県との役割分担と連携の向上を図り、認知症コールセンターと合わせて周知を強化すること。
(自殺・うつ対策)
- 自殺予防対策の充実を図ること。★
- うつ病の改善に有効な「集団認知行動療法」をこころの健康センターにおいて取り組むとともに、復職支援を行うこと。
- 病院への通院に困難を抱えている方や、未治療の方などに対し、アウトリーチ(訪問支援)により、医療・保健・福祉サービスを包括的に提供し、きめ細やかな支援を行うための体制を確立すること。
- うつ病の早期発見・早期治療を図るため、かかりつけ医等のうつ病に対する対応力を向上させるための研修事業の対象の拡大と研修内容の充実を図ること。
(子育て支援、児童虐待防止対策)
- 保留児を解消するため保育園の定員増加と保育園の整備を推進すること。
- 保育園の耐震化を急ぐこと。
- 保育園の送迎用駐車場を整備すること。
- 児童クラブの運営に保護者の意見を反映し、受け皿の拡充を図ること。
- 児童クラブへの補助を小学校6年生まで拡充すること。
- 子育て支援の政策決定過程から、子育て家庭のニーズがしっかりと反映できるよう、子育て当事者等をメンバーとする「地方版子ども子育て会議」を設置すること。★
- 子ども医療費の無料化を段階的に推進すること。(まずは小学校3年生までの通院分を無料化すること)★
- 不育症治療費助成事業に取り組むこと。★
- 地域における児童虐待防止体制の強化を図るとともに、通報の受け入れ体制を強化すること。
- 父子家庭の支援について、情報提供とネットワークづくりに努めること。★
(がん等予防対策)
- 子宮頸がんワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンの予防接種費用に公費助成を継続して行うこと。
- がん予防対策を強化するためにがん検診の受診率の向上を図り、学校教育の中でがん教育を推進すること。
- 脳梗塞・心筋梗塞の予防対策を進めること。
(障害者支援)
- 視聴覚障害者に対する専門機能を持った特別養護老人ホームを整備すること。
- 手話通訳者や要約筆記者の要請事業を拡充すること。
- 発達障害児(者)への支援策を推進すること。
- 障害者就労支援センターを設置し、企業とのマッチングを推進すること。
- 支援ロボットの導入、普及を促進すること。
(その他)
- 市民病院等への女性専門外来設置を推進すること。
- 「介護支援ボランティアシステム」の普及、お元気ポイント制度を創設すること。
- 民生・児童委員の確保を支援し、待遇改善を進めること。
- 鍼灸マッサージの無資格対策を進めること。
- マッサージ券のPR等、事業普及に努めること。
- DV被害者保護と自立支援の体制を整備するため、基金を創設し民間シェルターへの財政的支援を強化すること。
- 岡山ERに性犯罪被害者のための総合相談窓口、緊急診察等、プライバシーを保護しつつ24時間対応が可能となるワンストップ支援センターの機能を設けること。
- 骨髄提供者(ドナー)の継続的確保に向けて、ドナーの負担を軽くする助成制度に取り組むこと。★
- 福祉用具購入費及び住宅改修費について、受領委任払い制度を導入すること。★
<経済委員会>
- 地元雇用を創出する企業誘致を推進すること。
- 若年者失業率の改善計画の策定ときめ細かい就労支援施策を講ずること。★
- 若者を支援する総合的な雇用施策の充実を図ること。★
○ インターンシップ制度の充実、社会人講師の招聘推進。
○ 若年者の職場体験事業やきめ細やかな相談事業(キャリアカウンセリング)の推進。
○ 「おかやま若者就職支援センター」「おかやま新卒応援ハローワーク」の積極的活用。
- 次代を担う若者をはじめとした「就職に向けた支援が必要な人」に対して、区役所での無料による職業相談・紹介事業を講ずること。★
- 次代を担う経営者の育成や創業促進のための支援策を講ずること。★
- 中小企業の経営基盤を強化する為に、中小会計要領のチェックリストを活用した低利融資制度を創設し、支援の安定化を図ること。
- 中小企業における安定的な雇用が創出されるよう、中小企業の経営力強化のために、経営者塾などの経営者育成事業を講ずること。
- ビジネスマッチングによる販路拡大や事業連携など、新事業創出・経営革新のための施策の充実に努めること。
- 集客性を持ったコンベンション・観光事業に予算措置を行い、積極的な事業を展開すること。
- 商業集積エリアのにぎわい創出の為に、まちづくり活動の支援策を積極的に推進すること。
- 岡山駅周辺と表町地区について、回遊性と連携を高めること。
- 岡山市の安全性などの特色と、本市で国連関連会議が行われることを国内外にアピールするため、シティプロモーションの拡大と充実に努めること。
- 安全・安心な農作物が市民に提供されるよう各種施策に取り組むこと。
- 岡山市の米を積極的にPRするとともに、米粉製品の普及等を通じて、米の消費拡大につなげること。
- 子どもたちが、農作物体験を通じて食料や農業に関する理解を深めるため、学童農業体験など、食農教育を推進すること。
- 農作物への鳥獣被害を防止するための対策について、従来の取り組みを拡充するとともに、猟友会任せにしないためにも、被害地域農林業者等への技術移転や迅速かつ的確に捕獲するためのアドバイザーの派遣等、適切かつ効果的な実施を図り、併せてその成果の検証を行うこと。
- 有害鳥獣を利用した商品開発と販路の開拓・拡大に取り組むこと。
- 牧山クラインガルテン、おかやまファーマーズマーケット・サウスビレッジの有効活用策を講ずること。★
- 老朽化が進む農業施設に対し、適切な維持管理と修繕・更新を計画的・継続的に実施するための財源を確保し、長寿命化を図る対策を推進すること。
- 速やかな樋門の開閉操作を図るため、また農業委員の負担軽減のため、樋門の機械化、電動化に取り組むこと。★
- 観光施策・地域活性化策としてフィルムコミッションに取り組むこと。
- 耕作放棄地対策の推進やセイタカアワダチソウの駆除に取り組むこと。★
- 住宅の耐震化に向けた補助制度を拡充すること。
- 防災対策として沿岸に防災林を整備すること。★
<環境消防水道委員会>
(環境)
- 「生物多様性保全活動促進法」を受けて、岡山市として具体的な活動計画を策定し、さらに生物多様性の保全と地域の活性化を図っていくこと。
- 2014年開催の国連ESDの最終年会合に向けて実効あるものにするため、県や関係市町および関係団体との体制を整え、観光、教育、経済等の分野と連携して未来の岡山市を担う人材を育成するとともに、市民参加のワールドカフェ等の手法により、広く市民や地域が主体者として参画できる取り組みを実施すること。
- 民地におけるスズメバチ駆除への補助等、対策を推進すること。
- ヌートリア等、特定外来生物の駆除対策を強化すること。
- 合併処理浄化槽の普及を強力に推進すること。
- 自然エネルギーの普及拡大を図り、太陽光発電、小水力発電、バイオマスなどの産業化を推進すること。
- 産業廃棄物処理施設の設置に関しては、環境保全に留意し、許可手続きを厳格化することなど住民の安全安心に配慮すること。
(消防)
- 自衛消防団等、地域消防活動の支援を推進すること。
- すべての消火栓の点検整備を行うこと。
- 消防団機庫の整備および機材、装備の充実を図ること。
- 消防団予備車両の導入をおこなうこと。
- 消防新入団員の増員を促進すること。(女性団員を含む)
- 消防女性団員の職場環境の整備を図ること。
(防災)
- ゲリラ的集中豪雨から地域住民の生活を守るため、ハザードマップを抜本的に見直し、雨水貯留浸透事業の推進、急傾斜地居住対策の取り組み、災害に強いまちづくりを推進すること。
- 民地ではあっても、斜面や耕作放置畑の崩落や土砂の流出を防止する対策を検討すること。
- 岡山市危機管理基本指針と岡山市地域防災計画に、住民の心構えと行動、地域住民の相互の助け合い体制を推進することを明記し、出前講座などで周知徹底を図り、訓練を実施すること。
- 岡山市地域防災計画に女性の視点を取り入れ、防災、復興に積極的に参画できるようにすること。
- 地域住民が安心して防災訓練に参加できるよう防災訓練用保険を導入すること。★
- 総合防災対策局(仮称)を設置すること。
- 児島湾対策について、県、倉敷市、玉野市、早島町等と連携し推進すること。
- 東北(被災地)支援を継続して行うこと。
- 災害時にも機能する幹線道路の整備など必要な道路整備を着実に推進すること。
- 市民の貴重な財産を守るため、また安全・安心の確保の観点から、特に市街地の雨水排水対策を図ること。
- 自主防災組織設立のため、地域の中に入り、その地域の特徴に応じた具体的なアドバイスをするなど、住民起点の積極的な取り組みを行うこと。また、既設組織については、地域内においてDIGや防災訓練などの定期的な実施により持続可能な取り組みの支援を行うこと。★
- 災害時要援護者避難支援台帳を有効に活用するため、その必要性、有効性等の十分な周知を図るとともに、直接地域に入り、持続可能な取り組みの支援を行うこと。★
- 市民の防災意識の啓発と人事育成の拠点機能を果たす市民防災センターの設置★
(水道)
- 水道管の耐震化と更新を計画的かつ早急に図ること。
<建設委員会>
- 都市交通戦略の柱である公共交通の重要性を市民に広く周知を図るとともに、地域住民の足の確保に向けた取り組みを実施すること。
- 外環状線等の基幹と道路の整備については、計画が遅れないように実施すること。
- 都市交通戦略の推進に向けて吉備線のLRT化、及び路面電車の岡山駅への乗り入れ、延伸と環状化を早期に実現すること。
- 「自転車先進都市おかやま」を目指し、コミュニティサイクルの本格導入とともに、自転車専用通行帯の設置や自転車道の整備をさらに郊外へ向け拡充すること。
- 道路・橋梁の計画的修繕や照明整備に必要な維持管理費を確保するとともに拡充に努めること。★
- 街路や公園などで緑化を進め、緑のボリュームアップを推進すること。
- ビジョン「水と緑の都市プロジェクト」で示されている公園・緑地の貴重な資源を生かし、魅力あふれる中心市街地の形成に努めること。
- 水と緑の貴重な空間である西川緑道公園を中心として、魅力づくりとにぎわい創出 を図ること。
- 地域の公園・緑地の配置について、見直しを含め、不足している地域の解消に努めること。
- 市営住宅の建て替え計画を再策定し、入居停止状態が長期にわたり多くの空き部屋が発生したまま放置されている住宅の建て替えが、着実に前進する取り組みを行うこと。★
- 新婚・若者世帯が住みやすく子育てしやすい市民住宅の推進を図ること。
- 空き家対策条例を制定し、事故や環境悪化を防止すること。
- 突然の失業や生活困窮等による住宅喪失者に対する一時的な住宅として(仮称)セーフティネット住宅を市営住宅の空き室等で整備すること。
- 高齢者の居住の安定確保に向けて高齢者向けのサービス付高齢者住宅の供給促進を引き続き図ること。
- 汚水排水処理対策について、公共下水道汚水整備の格段の措置を図ること。
<市民文教委員会>
<市民局>
- プロスポーツを通して、全国的に岡山市をPRする仕組みをつくり、市民と連動する基本方針(条例)等を推進すること。
- より一層の市民サービスの向上を図るため、地域窓口の役割を拡充させ、人員配置、予算措置の充実をさせること。
- 各区役所においては、窓口のワンストップ化や土日・夜間のサービスなど身近で便利な市民サービスに努めること。
- 政策決定分野に女性の登用をはかり、男女共同参画社会の実現に向けて全庁的に取り組むこと。
- 市民の墓地・納骨の希望に対応した納骨堂の整備を進めること。
- 墓地参道の整備を計画的に推進すること。★
- 町内会の負担に馴染まない通学路など、市民の安全に留意した防犯灯設置を推進すること。
- 消費生活、無料法律相談、多重債務等各種相談窓口業務を拡充すること。
- 各種証明書のコンビニ交付の推進を図ること。
- 交通安全施設については、その可否の判断を住民判断に任せるばかりではなく、専門機関としての行政が積極的に関わり、安全安心のまちづくり実現に資すること。★
- 維持管理課の人員を増員すること。
<安全安心ネットワーク>
- 町内会の防犯活動や防災活動において、補助金の拡充を進め、組織率の向上を図るとともに、申請条件等も簡素化にすること。
<教育委員会>
- 体育館へのテレビ、ラジオ、電話、ファクスの環境整備を進めること。
- 非常用発電設備、体育館の洋式トイレの設置と学校施設内に災害用トイレシステムなどの生活用インフラを整備すること。
- 備蓄倉庫の整備(飲料、水、常備薬、炊き出し用具、毛布等)を進めること。
- 災害時の学校運営体制を明確にすること。
- 競技から生涯スポーツまで、市民がスポーツに親しむための環境整備の充実に取り組むこと。
- 義務教育の9年間を通じたカリキュラムを策定し、小中一貫教育の導入を進めること。
- 学校へのエアコンの設置や校庭・園庭の芝生化を進めること。
- 学校給食を原則米飯にすること。
- 私立幼稚園の就園奨励補助金を国基準に見直しをすること。
- 学校飼育動物サポート事業を実施すること。
- 学校支援員の体制を強化すること。
- 学校トイレ総点検で明るいトイレの整備を推進すること。
- ALTの講師派遣を通年化すること。
- 幼稚園の耐震化を急ぐこと。
- 幼稚園の送迎用駐車場を整備すること。
- 発達障害児の支援対策について、就学前に児童全員が受診できる体制を作り、保育園、幼稚園、小中学校の環境整備と教職員の増員、体制の強化を図ること。
- 通学路の安全確保について、先に実施された総点検結果を重視し、その実現に最大限に取り組むこと。★
- 脳脊髄液減少症の正しい理解と適切な支援に取り組むこと★
- 性同一性障害の正しい理解と適切な支援に取り組み、相談体制を整備すること★
(いじめ対策)
- 「いじめは、いじめた側が100%悪い」「いじめは犯罪」との理念の浸透に取り組むこと。★
- 学校現場において、教職員、児童、生徒が、いじめの認識や定義を明確にすること。★
- 学校全体で いじめの予兆を早期に発見できる体制を構築すること。★
- 学校・教育委員会・外部有識者による「いじめ対策チーム」を設置し、いじめの情報や判断を共有し、解決に向けて対策を講ずること。★
- 被害者の保護、加害者への措置、両者の心のケア、再発防止といったいじめ対処の原則を再度徹底すること。★
- いじめ防止条例(仮称)の制定に取り組むこと。★
担当: 竹之内則夫 2012年12月3日
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11月21日(水)豊かな循環型社会構築調査特別委員会にて、松江市を視察。
美しい街です。松江は何度か訪れていますが、環境施策について訪問していたからでしょうか、「水の都」たる豊かな水資源と多くの緑を再認識する視察となりました。
市役所では「世界に誇る環境主都まつえ ~リサイクル都市日本一~ 」について松江市環境保全課から取り組み状況について説明を受けました。
取り組みでユニークというか、「なるほどな」と感じたのは、市民の環境意識が日本一高いまちを目指したというくだりです。そして成果もそれに見合うものでした。
まず、レジ袋の有料化ですが、有料化前にすでに地域団体(婦人会等)の活動によりマイバッグ率が4割程度あったというからなかなかのものです。半年の周知期間を経て有料化して後は約9割まで進んでいます。すでにマックス状態です。実施にあたってはコンビニやドラッグストア業界の協力が得られていませんが、岡山県のようにここの調整に手間取らず、イオンをはじめとするスーパー、量販店等で合意したらさっさとスタートしたのは見事です。(見習いたいですね)
次にゴミ袋有料化とその値上げについてです。岡山市同様、周辺市町村との合併で統一化するスッテプを踏んだのち、45?袋を18円から40円へと、倍以上の値上げへ舵を切られるのですが、当局は市民から反対の嵐に晒される覚悟を決めて800を超える自治会へと説明会に出掛けられます(実施は約9割だったそうです)。しかし、まさに「市民意識が高いまち」を目指した真骨頂でしょう、ほとんど反対らしい反対はなかったそうです。たいしたものです。
もう1点学んだのは、グリーンニューディール基金を使って防災拠点(公民館)に5kwの太陽光発電と7kwの蓄電池を整備されていることです。もちろん照明はLEDに替えて。岡山市は全部売電か、学校のように学校教育に使途を限定したりと、地域での「防災」という視点が欠けています。今後の課題としてまいりたいと思います。
担当: 竹之内則夫 2012年11月21日
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11月11日(日)・18日(日)11月の週末は各地で区づくり事業が活発に。
各学区が趣向を凝らして取り組んでおられる「区づくり事業」に参加させていただきました。
11日は、今年で2回目の開催となる「朝日パンプキンまつり」にはじめてうかがいました。当地区は古くからかぼちゃの産地ですが、岡山市の区づくり事業に「巨大カボチャの品評会」を切り口にした地域活性化イベントとして応募・開催されたものです。
当日はあいにくのお天気で、会場を急きょ体育館に移しての開催となりましたが、みなさん明るく意気軒昂でいらっしゃいました。
中身も手づくり感が強く個性が際立つ内容で、山南中学校区内の近隣小学校区からの参加もあり、今後の一層の広がりに期待をしたところです。
18日は、3回目となる「角山振興まつり~食と芸術の文化祭~」に。
副題は「クウ アンド マイアート フェスティバル」なんだかちゃんぽんなところがおかしみがあって良いです。まさに厳しい少子高齢化に晒されている地域ですが、その分、みなさまが一生懸命取り組まれ活気あふれる内容でした。
どちらも晩秋の深まりに合い呼応する素敵なひと時を過ごさせていただきました。
関係者のみなさまお疲れ様でした。
担当: 竹之内則夫 2012年11月18日
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11月13日(火)~15日(木)保健福祉委員会で行政視察を行いました。
11月13日~15日、保健福祉委員会で行政視察を行いました。概要は以下のとおりです。
11月13日は、うつ病デイケアと認知行動療法について沖縄県立総合精神保健福祉センターを訪れました。
センターの仲本晴男所長とは、以前岡山で一度お目にかかっており、公明党岡山市議団としても、全国の議員ネットワークを通じて集団認知行動療法の普及・推進を目指しておりましたので、今回の視察を楽しみにしておりました。
所長の講義は、まず、うつ病の特徴からでした。
- わが国の気分障害の8割は「うつ」で、WHOの将来予測では、うつ病は2020年に総疾病の第2位になると予測されていること。
- うつ病は病期に応じた援助が必要なこと。すなわち急性期は「ムリをさせないで心的エネルギーを蓄える」精神療法が必要だが、慢性期になっても「ムリをしない」ことを主眼にすると治療につながらず却って悪化すること。
- うつ病は気分と行動と思考の改善が相関している心の生活習慣病なので、薬だけでは治らないこと。
そして、集団認知行動療法(CBT)について次のような取り組みや成果を話してくださいました。
- ここでのうつ病デイケアは、働きたいのに働けない人に着目して30~55歳の慢性期のうつ(主治医がいる人)を対象として設定したこと。
- 成果の出る治療であっても、待ち(受け身)では患者は来ない(知らない)ので企業を回って「営業」をしたこと。
- 集団認知行動療法(CBT)はなかなか儲けにならないので民間では広まりにくいことから、「公」が引き受けないと「うつ」に悩み苦しむ方の援助ができないということ。
- うつ病デイケアの修了者の統計から、開始前に無職(会社を辞めた人を含む)の33人のうち10人が就労(33%)、4人が求職中(12%)。全体でも開始前には終了中の方は16%だったが54%に改善されたこと。
すごい成果を出していらっしゃいます。
私は、障害者の就労支援に一貫して取り組んでまいりましたが、障害を持っていても働けるという支援とともに、障害を治して働くという、もうひとつの選択肢が可能になる取り組みです。
(※注、うつ病の方の多くは障害者の認定を受けていませんが、それは働くうえで精神障害者保健福祉手帳を取得するメリットがほとんど見当たらなく、デメリットが大きいためです。多くの方は、自立支援医療(精神通院医療)の支給認定を受けると受給者証が交付されますので、自己負担割合が1割になります。)
本市においても、こころの健康センター(精神保健福祉センター)において、集団認知行動療法に積極的に取り組むべきであると従前より申し上げてまいりましたが、開設に向け是非とも沖縄県へ研修に行く態勢がとれるよう後押ししてまいりたいと思います。
11月14日は、那覇市立病院の地方独立行政法人化の取り組みを視察いたしました。
岡山市においても市民病院の地方独立行政法人化に向けて準備が進んでいる最中であり、組合対策を含め開設直前までの奮闘の様子をつぶさにうかがうことが出来ました。
職員待遇の基本は民間より高く公務員より安いという設定で極めて妥当と感じました。結果として人材確保のみならず職員の労働環境の改善が進み、またそうした人的基盤により、収入構造も同時に改善し好循環が生まれています。大いに参考になった訪問でした。
11月15日は福岡県「子どもの村福岡」を訪れました。
今年2月の代表質問で私は、この福岡の取り組みを例に挙げて里親施策を前進させるよう求めましたが、現地ははじめてでした。
何よりも本気の一人がいてこそ事業が立ち上がる好例です。特に印象に残ったのは、「行政は市政だよりや民生委員のアナウンスをしているというが、それでは里親は増えない」と。これは里親が「里親体験」を語ることで、共感が広がった事例の説明の中で話された言葉です。行政がやらない運営の工夫を、市民のネットワークで成し遂げてこられています。また一方で、「行政ができないことを市民がしなければ」と。これは行政の課題から市民の課題にするとこの大切さ、主体性について触れられた言葉です。そしてもうひとつ。「小児科医は、多くの虐待を受けた子どもたちを汽車に乗せたが、その汽車がどこに行ったか、子どもは、どこで降りたかについては、関心がなかった」と。これは今、「この子どもの村福岡」を支援する小児科医の会会長の言葉です。
国連から3度勧告を受けている日本の子どもたちの現状を変える取り組みを岡山市においても前進させてまいります。
担当: 竹之内則夫 2012年11月15日
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10月26日(金)27日(土)日本女性会議2012仙台「決める、動く、東北(ここ)から
2012年10月26・27日
仙台国際センター
日程(別紙)
10月26日
開会式
奥山仙台市長 挨拶
災害対応に追われた日々であり、大きな災害には法の整備が必要であることを痛感した。非常時であるにもかかわらず、現行では継ぎはぎ、継ぎ足しの整備しかできないことや、大きな広域的な被害に対応できていない。
しかし、阪神大震災での3つの大きな成果(1)ボランティア元年 (2)孤立死の課題 (3)個人資産への支援(生活再建支援法)を得たことを教訓に、東日本大震災を経験したことが復興の支援に大きく寄与することを願っている。
男女共同参画政策の現状と課題
内閣府男女共同参画局
第3次男女共同参画基本計画の概要(平成22年10月)
重点分野(新設された重点分野)
第3分野 男性・子どもにとっての男女共同参画
第7分野 貧困など生活上の困難に直面する男女への支援
第8分野 高齢者、障害者、外国人等が安心して暮らせる環境の整備
第12分野 科学技術・学術分野における男女共同参画
第14分野 地域、防災、環境その他の分野における男女共同参画の推進
政策・方針決定過程への女性の参画の拡大
指導的地位等に女性が占める割合
特に低い分野 本省課室長相当職以上の国家公務員 2,5%
農業委員 4,9%
女性の参画指数の国際比較
HDI(人間開発指数) 12位/187カ国
GII(ジェンダー不平等指数) 14位/146位
GGI(ジェンダー・ギャップ指数) 98位/135カ国
ポジティブ・アクション
クォータ制:一定の比率を割り当てる
ゴールド・アンド・タイムテーブル方式:一定目標と達成までの期間の目安を示す
研修、環境整備
両立支援、子育て支援
M字カーブ問題の解消
男女雇用均等、待遇の確保
固定的性別役割分担意識の解消
長時間労働の抑制や子育て支援等による仕事と生活の調和
野田内閣総理大臣施政方針演説(平成24年1月)
「女性」はこれからの日本の潜在力の最たるものです。
社会のあらゆる場面に女性が参加し、その能力を発揮していただくことは、社会全体の多様性を高め、元気な日本を取り戻す重要な鍵です。
国家戦略会議総理発言(平成24年4月)
関係閣僚による、女性の活躍を推進する会議を設け、6月までに重点課題を整理し、年内に工程表を策定してほしい。
女性の活躍促進による経済活性化行動計画 働くなでしこ大作戦 を受けた検討体制
防災復興と女性の参画
東日本大震災発災後、浮かび上がった問題点
・平時における防災の検討や避難所運営等災害現場での意思決定に女性が参画していない。
・防災・震災対応に女性の視点が入らず、配慮が足りない。
・震災が起き、固定的性別役割分担がさらに強化された。
内閣府から、女性や子育てニーズを踏まえた災害対応事例について発信。
・生理用品、オムツ、粉ミルク、哺乳瓶、離乳食の提供
・女性用更衣室や男女別トイレなど、女性や子育てに配慮した避難所の設計
・女性のニーズ等を反映した避難所の運営体制
・女性に対する暴力を防ぐための措置等
・仮設住宅の利用、コミュニティ運営体制、心の
担当: 中原淑子 2012年10月26日
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9月13日(木)9月議会個人質問
9月議会では6月に続き、一問一答での個人質問を行いました。
個人質問日の初日(9月13日)は、公明党議員にとっては「大衆とともに」との立党精神の宣言からちょうど50周年のメモリアルデーでした。不滅の原点を胸に、決意も新たに質問戦に臨みました。
以下、概要をお知らせいたします。
1.公共インフラの行方と防災・減災対策について
地方自治体が所有・管理する各施設、道路橋、上下水道など社会資本の多くが、建設後30~50年と改築期を迎えています。
しかしながら、国交省によれば、老朽化のための補修が必要な全国およそ6万の橋のうち89%が補修されないままになっているなど、近年の自治体財政の悪化から、耐震改修はおろか、計画的修繕や改築すら進まない状況にあります。
また、総務省は自治体管理の道路橋にかかる50年間の費用の試算として、従来の「対症療法型」維持管理に比べ、計画的に修繕する「予防保全型」では4割以上もコストが削減できるとの試算を発表しています。
一方、内閣府が南海トラフ沿いで巨大地震が発生した場合の被害想定を発表しましたが、ポイントは、対策を講ずることで被害を2割に抑えられるという点です。いかに先手を打つかです。
こうしたことから、国も県も防災・減災のための「住民の命を守る公共投資」を集中的に行い、景気・経済の回復を同時に図る方針を打ち出しています。
そこで私は、岡山市も同様に舵を切るべきだと訴え、市の方針を質しました。
髙谷市長は、本市の防災・減災対策は「全国的にみても遅れている」と、答弁されましたが、そこから先がありません。
遅れている、つまり他都市よりもツケが大きい分、当然、巻き返しが必要なはずです。事業規模を拡大するだけ、「命が守られ」、「景気が回復し」、「結局、安くつく」、一石三鳥で優れた政策です。財源が気になる財政局長は「積立」を頑張ると答弁されましたが、私は地方債を発行してでも、どんと前倒しでやるべきだと、トップ(市長)の決断を迫りました。これはトップの戦略、行政経営の問題です。
岡山市内で9000を超える15m未満の橋は修繕どころか調査さえ未着手の状態です。市民の安全を守るには、やり過ごすとか、いつまでも先送りするという訳にはどの道いかないのです。しっかり検討いただくよう強く要望しました。 |
2.再生可能エネルギーについて
命と健康と未来を守るために、「原発ゼロ」の日本を目指さなければなりません。しかし今すぐ全廃という極論ではなく実現可能な手順をしっかりと踏むことが大事です。なかでも、電気代の値上げなど弱者にしわ寄せが及ぶ「副作用」の最小化や、原発の穴をカバーする再生可能エネルギーの推進は欠かせません。
当然、本市においても地域の資源を活用し、エネルギーの「地産地消」を進めていく必要があります。これまでは「晴れの国」らしく太陽光発電を推進してきたところですが、今後、水力、風力、地熱など更に多様な「再エネ」利用にどう取り組むかをうかがいました。
答は太陽光。穏当な答弁ですが、意欲や情熱は感じられません。原発と違って再エネは分散ネットワーク型の発電ですから、手数が重要になります。本市での向き不向きはあるでしょうが、もう少し積極性が欲しいところです。特に小水力は「落差と流量」があれば可能です。取水排水は検討のターゲットにしていただくよう申し上げました。 |
3.行財政改革の行方について
髙谷市長は「行財政改革を市政の最重要課題と位置づけ、全庁一丸となって精力的に取り組んでいく」と。新任の橋本副市長も就任の記者会見で行財政改革への決意を語られました。
しかし行政の組織が後に続いていません。
「事業仕分け」は蓮舫さんで有名になりましたから皆様もご存知と思います。岡山市は国より前に始めていましたが、ここへきて停滞が顕著です。どんな具合かといいますと「事業ごとに課題を抽出して○○年までに改善します」と宣言しているのですが、47事業のうち40事業の改革目標年度が「22年度には目標年度を22年度末としながら、23年度には23年度末となり、24年度には24年度末」と毎年毎年、公然と年度の先送りをしています。行政の「目標」、あるいは役所の「目標」の軽さに驚きます。
また、改革終了年度もひどい。「昨年版では23年度末を目標年次としながら、24年度版には遡って22年度末終了」となっている事業がいくつもあります。明らかに後退、まるで店じまいです。
やる気がなくても是認する、あるいはやるべきことをやり過ごせる組織風土なら問題です。
統制が効かないと本当の行革もトップの方針も実行されないからです。市長にこうした実態を把握しているのかうかがいました。
なんとノーコメント。
個別の改善はもとより、改革を絶えず進めることのできる人と組織を作ることが行革の本来の目的のはずですが、これでは市長のおっしゃる「最重要課題」は骨抜き同然です。
そしてもっとはっきり判ったことがあります。新岡山市行財政改革大綱(長期計画編)が改訂され、3年半が経過したのを受け「これまでに何を達成し、今後何に取り組むのか」現時点での行政評価を求めたところ、「やったこと」は事例が挙がりましたが、「やること」は何一つ具体的に示されませんでした。課題を明確にしていないということは「ジ・エンド」以外の何物でもありません。
私は結局、人事評価制度が更に変わらないと難しいと感じていますが、この議論は時間の都合で後日に譲りました。 |
4.生きる力を育む教育と広報について
子どもが社会で自立する(生きていく)ための教育に光が当たりはじめました。
本年6月8日に「新・がん対策推進基本計画」が閣議決定され、「がん教育」が新たに盛り込まれました。市民への「がん啓発」を進めると同時に、義務教育段階から「がん教育」をどのように実施していくのか、改めて問われることになります。また、先月10日には消費者教育推進法が成立しました。「今後、学校の授業において適切かつ体系的な消費者教育の機会を確保するため、必要な施策を推進しなければならない。」とされています。
一番の懸念は、いままでカリキュラムになかったものが、学校の現場でできるのだろうか、ということです。
教育長からは、現場の先生の負担感が大きく、新たなメニューにまで手が回らないとの所見が示されましたが、見当違いをされているようです。教育長の役割は、大変なんですと訴えることではありません。教師の負担解消と子どもの未来のために仁王立ちになって、市長や県と戦うことです。「人を要求する」、そして「要員が増えないのなら仕事を効率化しなければなりません」。 |
次に、子どもたちに必要な教育は大人にとっても必要な教育です。防災教育しかり、がん教育しかり、消費者教育しかりであります。
有名な釜石の防災教育は、子どもだけでなく大人たちに伝わり多くの命を救いました。
これはがん教育にも通じます。何度かご紹介した東大の中川准教授は、がんの仕組みを理解した生徒たちが、お父さんにタバコをやめてくれるように、お母さんに検診に行くように、つまり必要な人に生きた必要な情報が届くのが学校でのがん教育だとおっしゃっておられました。
私は、子どもたちが親を啓発するという広報のあり方を真剣に考えるべきだと思うのです。「先生が子どもに教えるだけじゃなく、親の暮らしや命を守り、ひいては地域社会のオピニオンリーダーになる」
紙ではなく人が伝える力を活かす。その中核に先生がなれるかも知れません。私は、これも教育の可能性のひとつだと思っています。「この着想を市長や教育長はどう思われますか」と、おうかがいし、これからの取り組みに期待して質問を終わりました。 |
担当: 竹之内則夫 2012年9月13日
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9月12日(水)9月議会代表質問
代表質問では、公明党岡山市議団の「岡山のまちづくり」に関するアンケート調査から、本市のまちづくり課題について質問を行いました。
本調査の説明の部分を抜粋して以下掲載いたします。
「岡山のまちづくり」に関する調査について
私たち公明党岡山市議団では、ちょうど1年前より、静岡大学の馬居教授に政策アドバイザーをお引き受けいただき、「岡山市のまちづくり」について、政務調査を行ってきました。
第一のステップでは聞き取り調査を中心に岡山市の持つ社会的資源等の評価を行い、それを基に第二ステップとして25歳から74歳までの1万人の市民にアンケートを実施しました。
今回の調査は、「市民のために・市政発展のために」とのわが市議団の強い想いで実行させていただきました。
市民の目線はどこにあるのか、しっかりと裏づける結果をいただきました。
政党名での調査であったにもかかわらず、4割近い皆様からご回答いただいたことに対して、この場をお借りして心から感謝申し上げます。
私たちはこのデータを市民のため、市政発展のため、岡山市の未来へ向かって、しっかりと活用してまいります。今後ともこの資料を基にご指導ご鞭撻を賜りますようよろしくお願いいたします。
第三ステップはその集計と分析ですが、今般、集計結果の一部を概要として取りまとめたところです。
そして第四ステップは今後の対応策としての政策提言の取りまとめを行う予定です。
今回の質問では、概要に掲載した集計データを基に、今までの調査で積み上げてきた論点を示しながら当局のご見解をうかがってまいりたいと思います。
ではまず、第一ステップである調査研究によって得たまとめを紹介します。
これは岡山市の特色と、その特色が今後のまちづくりにどう関係するのかという調査です。
この街に暮らしていると当たり前で気付かなかったのですが、他都市と比べて顕著な岡山市の特色のひとつは、市民の日常を支える社会的資源が豊かだということです。
岡山市には、公民館を代表とする教育・学習システム、ふれあいセンターや地域包括支援センターを代表とする医療福祉システム、そして安全・安心ネットワークやコミュニティハウスなどの地域自治支援システムの三つの社会システムが、施設とともに行政職員を含めた担い手とセットで重層的に配置されています。
またこの三つは、少子高齢・人口減少社会にあって、岡山市の行政が今後の担うことになる重い課題に応える上で必要なインフラと見なすことができます。
しかし、この三つの社会的資源と資本のシステムは、いずれも居住地という地域(学区)を単位に、人、予算、施設が配置され、居住地域(学区)で概ね日常の生活が完結する暮らし方をしている市民(つまり、主に子どもたちや高齢者)に向けて機能するように組み立てられているため、岡山市全体、あるいは他市、他県、他国との関係を含んだ場を単位に活動する人たち(つまり、多くの現役世代)にとっては、社会的な資本や資源として機能することが困難なインフラとも見なせます。
またこれとは別の特色として、いくつかのインフラを挙げることができます。
一つめは関西、中国、九州、四国を結ぶ交通網とその結節点となる岡山駅と、この岡山駅を核とするヒト、モノ、情報が集約・分散するようにできあがっているシステム。
二つめは岡山城、後楽園に代表される城下町としての歴史と文化というインフラの蓄積です。
そして三つめは市内全域に広がっている消費・生産・遊び・表現の場などのインフラです。
これらは新たなまちづくりの、まさに貴重な資源や資本になる潜在力とみなすことができる一方で、同時に負の側面を合わせ持っています。
例えば、城下町の伝統は、市民の交流を妨げる壁にもなり得えます。岡山市で代々生まれ育ってきた人と他市、他県、他国から移り住む人たちとの共生の文化が育ちにくいとの指摘は以前からあります。
特に、関西・中国・九州の結節点となる岡山市という位置は、広島市にもまして、20代、30代の男女を吸引するポテンシャルが高いといえます。
しかし、行動と判断の基準を仕事、趣味、社会的活動、消費、遊びに好みにおく世代にとっては、居住の場に根差したヒト、モノ、コトを優先するシステムが、自分たちが求めるまちづくりを阻む、あるいは参画を阻害するインフラに変貌していることを私たちは理解する必要があります。
そして、行政が政令市として岡山市の発展を目指すのなら、それは集う人の広がりと活動する場の広がりによって可能となることを念頭に施策に向かわねばなりません。
今でも岡山市は、市の外、県の外、国の外で生まれ育った人たちが、さまざまな理由で移り住む自治体です。
その人たちにとっての住みやすさ、働きやすさ、遊びやすさが、まちづくりの基準に組み込まれているかどうか、居住の場という地域に依存する現状の社会ステムを広域化、多様化、多元化へと改編する必要を認識する必要があります。
さて、本市の特色とその功罪両面を申し上げましたが、調査結果を踏まえて、第二ステップとなる市民アンケートの調査票を作成するに当たり、次の五つの課題を仮説としてまとめました。
- 岡山市の新たな自己認識の必要性
- 市民のための行政への転換
- 移り住む人によって担われるまちへの変貌過程の解析
- 岡山市だけで岡山市を維持できない現実への醒めた認識と施策の展開
- 関西、四国、九州を結ぶ中心都市としての自負と責任に耐えるインフラの再構築
さらに、この課題の解決のために必要な対応として、次の三点を加えました。
- 最大の人口集合体であるアラ30、アラ40の男女に適合した施策の創造
- 2013年から3年かけて順次65歳以上の高齢期に移行する団塊の世代の活性化
- 豊富な社会的資源と社会的資本の活用システムの再構築
特に 6. と 7. は、本市での調査研究の前提となっている私たちの課題意識を反映したものです。
自治体の課題とは何か。いうまでもなく、少子高齢・人口減少の進行に伴って生じる問題への準備です。
20代後半から40代前半に広がる現役世代が、自らの人生を豊かに創ることができなければ、日本の未来は土台を失うことになります。まさに高齢世代の安心の基盤は、アラ30・アラ40の元気度であり、それは職と育児の支援が最重要ポイントになるはずです。
では、私たちの行った、「『岡山のまちづくり』に関するアンケート調査」の概要を紹介いたします。
調査票は大きく次の 5 種の領域と 33 種の問いによって構成しました。
- 領域 1 :あなたご自身のことについてうかがいます
- 領域 2 :健康についてうかがいます
- 領域 3 :就労についてうかがいます
- 領域 4 :あなたの考えと、市の制度や政策について
- 領域 5 :最後に全員にうかがいます
この構成が端的に示すように、「基本属性」(領域1)に加えて、市民の「健康」(領域2)と「就労」(領域3 )の状況を「まちづくり」の基本におくことが、第一ステップの調査結果の結論です。
言い換えれば、目指すべきまちづくりの基本コンセプトは、健康と就労の現実をより良い方向に誘引する政策展開によって、市民一人ひとりの現在と未来の安心を構築することにあります。
データを示しながら、質問を行いました。
担当: 松田安義 2012年9月12日
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8月5日(日)・6日(月)静岡視察報告
公明党市議団の4名(松田議員、中原議員、林議員、私・竹之内)で、いくつかのテーマを調査するために静岡県へ視察に行きました。
今回4人で行程を組んだのは、テーマのひとつである防災が、市議団としてチーム戦で臨むべき重要課題に位置付けていたためであり、また昨年から取り組んでいる「岡山のまちづくり」調査が第4コーナーに差し掛かってきたところで、馬居教授との日程調整の結果、こちらから出向いてでも日程を確保した方がよいとの判断によるものでした。また岡山市のまちづくりを考えるに当たり、政令市・静岡の中心市街地での市の事業を2項調査しました。
以下、視察の概要です。
◆静岡市美術館(8月5日)
静岡市は静岡アートギャラリー(平成9年の開館)において様々な展示活動に取り組んできたが、低い天井や手狭なバックヤードなど、施設面での制約から十分な美術館活動が困難な状況にあったことから、静岡アートギャラリーに代わる「都市型美術館」として新たに静岡市美術館の開館に至った。(平成22年5月)
コンセプトは静岡駅前に位置する「都市型美術館」。「ロダン」をはじめ収蔵品に利のある県立美術館に対し、収蔵品を持たないがゆえに市の伝統工芸作品から現代美術まで、幅広いジャンルの展示に取り組むことが可能であり、また、「都市型美術館」という立地環境を最大限活用すべく、近隣文化施設や商業施設との連携を図るとともに、誰もが気軽に来館し、触れ、憩い、寛ぐことのできる空間整備と事業展開を目指しているとのこと。
確かに後発の美術館ができることを考えるとき、限られた事業費を作品の収集に費やすよりは企画展を増やすほうが市民にとって価値が高いことは想像に難くない。
また、フロアは展示室と交流ゾーンにほぼ2分されており、交流ゾーンはエントランスからカフェ、多目的室、ワークショップ室が配されていることと併せ、開館前から今日の運営に至るまで市民参加の仕組みを織り込んでいることは特筆ものと言える。
そして、見落としてはならないのは、指定管理者である(公益財団法人)静岡市文化振興財団。この財団はなかなかのプロフェッショナルで、美術館を2館、他には音楽館に科学館、文学記念館に文化会館や文化センターなど多くの文化芸術施設、それに生涯学習センター(岡山市の公民館に当たる)を11館運営している。当日ご説明いただいた学芸員さんの情熱と造詣の深さから「こりゃ、ものが違う」と感心した次第(随意契約への批判もあるとうかがいましたが、淀みは感じられませんでしたので今のままで良いのではというのが正直な感想)。
岡山市デジタルミュージアムは2012年10月1日から岡山シティミュージアムに名称が変更になるが、名称だけでなくコンセプトや運営のあり方として大変示唆に富んでいる。
◆静岡県地震防災センター(8月5日)
基本的には地震防災についての自助・共助の啓発を行う施設だが、特に防災リーダーの育成をはじめとした人材育成研修のメニューの充実が目を引いた。研修講座は定員を上回る受講応募が続いており、小中高校生も県教委が防災協力推進校を決めて計画的に行うことで裾野の広がりに取り組んでいた。
印象的だったのは以下の3点
(1)早くから指摘されていた東海地震への備えが進んでいる、いわば「先進市」においてさえ市民の備えにはかなり温度差があること。(約5000の自主防災組織が整備されているにも関わらずということは、組織率の低い岡山市においては言わずもがなということでもある)
(2)「百聞は一見にしかず」のとおり地震体験コーナーで地震を体感して理解したのは、住宅の耐震化の必要性。例えば我が家は新耐震基準(S56)以後の建築ではあるが、3連動の新想定(震度6)に耐えられるとは思えなかった。住宅の耐震化が進まない現状を変えるには体験が一番有効。
(3)静岡県の地震防災の要の施設であるにも関わらず、事業仕分けに掛かったとの説明を受けた。啓発が広報だけなら市町村でという考え方もあるだろうが、この施設をよくぞ掛けたものだ。(実際には、重要性が認識されたとのこと。当然でしょう)
ちなみに、閉館日が月曜日なのも利用者目線で好感した。
岡山市においても岡山県との様々な機会に必要性を訴えるべきだと感じた。
◆岡山市のまちづくりPartⅠ(8月5日、静岡大学)
いままでは単純集計とクロス集計により「岡山市のまちづくり」に関するアンケートの分析に取り組んできたが、さらに踏み込んだ多変量解析についての馬居教授の講義を、今回静岡市の視察日程に組み込でいただいた。
手順は、(1)等質性分析、(2)ラスタ分析、(3)判別分析、(4)クロス集計
脳みそがよじれるほど難解だったが、この日は手順に続いて解析の概要説明まで。翌日はこの解析による詳細なデータの講義が予定されており、脳みそは一回転してしまうかもしれない。
それにしても、この大学の研究室はびっくりするくらい年代ものでした。(ちなみに教授の親切で静岡の街並みを車で巡っていただきましたが、静岡県立大学は比較にならないほど立派で美しい外観でした)
◆静岡県の地震防災対策(8月6日、静岡県庁)
昨日の地震防災センターに続き、本庁で危機管理部理事から説明を受けた。「東海地震」対策は35年間、一貫して強化に取り組んできた組織と、多角的重層的な施策ともに執念さえ感じる取り組み内容となっている。
また、担当の理事がその権化ともいうべき人物であることも、こうした推進の原動力になってきたのだろうと推察される。
説明では、啓発では「自助×共助×公助=地域防災力」。足し算じゃなく掛け算。一つが「ゼロ」になったら地域防災は成り立たない(ゼロ)との危機意識。そして「静岡県の防災は追手町(庁舎)で指示するのではなく現場に入ること」という徹底した現場主義が印象に残った。
また、基礎自治体として特に参考にしたいのは、地震防災月間と地域防災訓練を連動させている点。地域任せではなく命を守る「訓練」が根付く取り組みを推進していきたい。
◆静岡市駅前商店街を中心にしたまちづくり(8月6日、静岡市役所、中心市街地商店街から新静岡セノバまでの街歩き)
静岡市中心市街地活性化基本計画の説明では、特に商店街の現状と課題、また再開発事業について多くの時間を割いていただいた。
静岡市は岡山市と同様に「商都」であり、静岡駅北口を中心に商業ゾーンが形成されているが、一番の違いは行政ゾーンや文化歴史ゾーン(駿府公園)が商業ゾーンと隣接してコンパクトに一体的に形成されている点。
例えば、再開発の新静岡セノバは既存の大型商業施設を越える商業床での出店にも関わらず、エリア内の競合(潰し合い)よりも、広域からの集客効果を上げており、商業集積に成功している。
岡山市の場合は商業が二極になっており同様には論じられ内面もあるが、2014年のイオン出店を集積力アップと捉えまちづくりに活かす視点がより重要になると感じた。
またそれぞれの商店街がシャッター街にならず特徴を活かして生き残っているのも、奉還町や千日前の今後を考える上で参考になると思われる。
◆岡山市のまちづくりPartⅡ(8月6日、ホテルシティオ静岡)
新静岡セノバ近くのホテルシティオ静岡の会議室を借り、株式会社サーベイリサーチセンター(岡山市議団が調査・分析を契約している会社)による現時点での分析結果の説明、馬居教授の講義。
岡山市の施設と施策が岡山市民に「知られているか」、「利用されているか」をマトリックスにした上で、市民の属性を新たな座標軸で起き直すことで、個々の施設や施策の課題とともに、これからのまちづくりにおいて、本市が抱える最も大きな課題は何なのか、解決するにはどの位置にいる市民のグループ(クラスタ)に対してどのようなアプローチが必要なのか、などが主な内容で、最後に質疑と併せ、市民に向けて、今回の政務調査の広報媒体についての意見交換も行った。
担当: 竹之内則夫 2012年8月6日
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8月3日(金)地方議員のための決算審議のポイント
地方議員のための決算審議のポイント
平成24年8月3日 10:00~16:00
NHK名古屋放送センタービル8階第一教室
講師:(社)大阪自治体問題研究所理事・研究員 初村尤而(はつむらゆうじ)氏
議員、議会に期待すること。
◇首長に対しては与党や野党という立場ではなく、議会としての機能を果たすことが求められている。
◇2元代表制のもとでの、議会の機能を自覚し議員の働きに期待する。
◇議会の役割が軽視されている状況下で、住民の目も同様のものがある。
世論に振り回されるのではなく、世論をリードすることが大事である。
(たとえば議会の召集権が議長ではなく首長にあること、専決処分ができること、
予算の編成権など首長の権限は議会よりはるかに強大なことなどは知られていない。)
1、予算・決算システム
(1)予算の編成過程
10月 新年度当初予算編成方針の通知
11月 予算要求書作成、財政当局へ要求書提出
予算要求締め切り
査定作業
2月 議会へ当初予算案提出
3月 議決
3月31日 旧年度終了
4月 新年度開始
5月31日 旧年度出納閉鎖
8月31日 旧年度決算の調整(会計管理者)
決算の審査(監査委員)
決算認定(議会)
◆決算の重要性
決算の意義は予算に対する実績の数値を確定し、財務上の責任を明らかにすることであり、
議会や住民が行政を監視し評価する重要な機会といえる。
決算で審議したことが予算に反映すべきだが、実際は次次年度予算にしか反映できない。
(2)会計区分
一般会計
特別会計 |
|
官庁会計方式・・・特別会計 |
|
企業会計・・・地方公営企業会計 |
自治体により様々な特別会計がある。
一般財源の使い方
例)民生費が多い自治体は福祉行政が進んでいると解釈できるか。
50%超の民生費は何に使われるか。
生活保護費、子ども手当、国保会計への繰り出し等義務的性質の強いものが多い・・・これは義務的性質の強いもので決して福祉が進んでいるとは言えない。
(3)一般会計の決算審議
予算原則と比較・・・予算化されたものは反映されているか。
総計予算主義:一切の収入と支出を計上、相殺はしない。
単一予算主義:一会計年度1回 例外 多数の特別会計、補正予算
単年度主義:4/1~3/31 長期の事業には不都合が多い。
予算公開の原則:公開の方法は自治体によって異なる。
◆決算書において「主要な施策の成果の関する説明書」は必ず出さなけ
ればならないものだが、お粗末なものが多い。議会、住民が要求すること。
収支の見方
「実質収支に関する調書」から
4、翌年度へ繰り越すべき財源
(1)継続費逓次繰越額:2年以上の会計年度にわたって事業を施行する場合
定額給付金など
(2)繰越明許費繰越額:年度内に支出を終わらない見込みのものについて翌年度に
繰り越して使用できる。
(3)事故繰越繰越額:避けがたい事故のために年度内に支出を終わらなかったものを
繰越して使用する。
6、基金繰入額:余剰金の内で繰り入れ。2年間の猶予期間があり、計算上産
できない。
予算書=議決
決算書=認定
(4)特別会計の決算審議
◆国民健康保険特別会計…非常に複雑になっている。
本当に国保財政が厳しくなっているのか。後期高齢者が出ていき収納率が悪くなって
それで保険料を引き上げる口実になっていないかを見極める。
◇国保の実質収支(累積)が赤字の市町村が相当ある。しかし単年度でみると改善した
ところもあるので、確認すること。
◇その要因は、国保料の引き上げ、積立金の取り崩しなど。後期高齢者医療制度の影響、
国保被保険者や国保財政に与えた影響について考察すること。
◇一般会計からの繰り入れは負担を緩和し、国保財政を改善させる効果がある。
目いっぱいかまだ余裕があるのかを調べること。「地方財政状況調査票」
(5)地方公営企業会計の決算審議
官庁会計との違い
◆地方自治体の経営、次の2点を踏まえるが並立させるのが厳しい
・企業の経済性を発揮
・公共の福祉の増進
病院事業は経営が厳しく廃止が議論されるが、公共の福祉の側面を考えると
廃止が妥当かの議論は必要。
発生主義と現金主義
(6)税金とは
改めて税金とは?と問われると返答に困る・・・
◆なぜ税を納めるのか。
社会全体で、必要な公共サービスを賄うために支払うもの。
税金で賄うサービスは無償である。税金を払っているのだから、それに見合うサービスが受けられるかという性質のものではない。
支払わないと犯罪になる。言葉は適切ではないが『合法的なサギ』
◇従って公営企業に関しては税ではなく企業会計方式で対価を支払うことになる。
商品に対して値段をつける、等価交換する。
バス=バス料金
水道=水道料金
2、決算を財政運営に活かす工夫
(1)決算審議と行政評価
平成23年度の決算審議の改善点は平成24年度ではなく平成25年度に反映するし
かない。
これを改善するには、決算時期を早める、中間決算を行うなどの見直しが考えら
れるが、実施は厳しい。
これを改めるには現金主義ではなく、発生主義的な視点が必要である。
(2)決算カード
他自治体との比較するために統一基準を用いた。
23年度の決算カードができている時期
(3)地方交付税
◇国税5税(所得税、法人税、酒税、消費税、たばこ税)の一定割合とされている
地方交付税は、地方公共団体間の財政の不均衡を調整し、どの地域に住む国民に
も一定の行政サービスを提供できるよう財源を保証するためにもので、地方の固
有財源である。
財政調整機能と財源保障機能の2つの機能がある。
◇三位一体改革の時に地方交付税が減少し、地方は苦しくなったことがあった。国
税の形をとっているが、地方税である。橋下大阪市長は地方交付税をなくし消費
税を地方にまわせといっているが、財政力の弱い自治体はどうなるのか。
(4)新しい公会計による財務書類の分析
◇現金主義の自治体財政を企業会計に類似した決算書類を作成して資産や債務を
明確にしようとする動きがある。
貸借対照表(バランスシート)BS
行政コスト計算書 PL
純資産変動計算書 NWM
資金収支計算書 CF
基準モデルと総務省方式改定モデル
◇活用の事例
奈良市:市民グループの報告書で一人あたりの資産・負債の額に注目して、中
核市平均に比べ、奈良市は「負債の数値が高いのに資産が少ないのは、
資産形成に結びつかない行政サービスに費やされたとみるのが腹式簿
記の仕組みからの見方だ。従って、支出された費用に見合う高い水準
の住民サービスが実施されたのかどうか、検証が必要だ」としている。
大阪府内6都市の有形固定資産行政目的別割合:
公共投資を何に使ってきたのかがわかる。住民の要望によって異なる。
B市:生活インフラ=人口増が遅い。丘陵地が多い。私鉄中心、駅前広場の整備。
A市:教育、福祉=保育高齢者福祉を充実。バス停密集地帯。
(6)財政の善し悪しの判断
◇何を持って財政の善し悪しを判断するのか。議員や住民の関心が強く、よくある質
問だ。財政がよければ要求してもいいが、悪ければ控えるという姿勢はいいのだろ
うか。
◆どこの自治体でも善し悪しが併存している。善し悪しを決めるデジタル思考は間違
いではないのか。財政を多方面から分析して、全体を評価し て必要な行政は何か、
健全化のために何をすべきかを考える。
「名誉の赤字・不名誉の黒字」という言葉がある。「許容できる赤字」はないかとの
視点で判断すべきではないだろうか。
【所感】
決算の時期を迎え財政状況の把握と判断基準を学び、決算審議に臨みたいと考えて受講した。決算の重要性のところでは、いかにして決算を次の予算に反映していくべきか。実際は次年度予算に反映するのは難しく現金主義ではなく発生主義の視点が必要と指摘された。
決算書の内容については「主要な施策の成果に関する説明書」を充実させることが重要と聞いたので、岡山市もこの点は議会で質問したいと思った。
基本的な話として「税金はなぜ納めるのか」との話は興味深かった。正面切ってのこの手の話は聞いたことがなかった。また自分でも瞬時に答えることができなかった。税金を払っているのだからそれに見合うサービスが受けられるかという性質のものではないと聞いて、私が考えていた税金の考え方と違っていたので、少し驚いた。考察を重ねていきたいと思った。
最期に財政の善し悪しの判断についての講義は、これからの施策を展開する上で参考になる内容だった。財政の健全化は手段であり、目的ではない。住民の暮らしを支えるのが行政の目的であり、これが行政評価の中心とならなければならない。さらに「名誉の赤字、不名誉の黒字」という言葉がある。自治体財政は福祉・教育・環境などの住民向けサービスを拡充したために仮に赤字が生じたとしても、それは名誉の赤字といえるのではないか。また反対に、住民サービスを切り下げて黒字となったとしても不名誉の黒字となったのでは、本末転倒といえるとの指摘はうなずけるものである。
財政は非常に理解しづらい分野の一つであるがまた機会をとらえて学んでいきたいと思う。今回の学習を生かして今後の岡山市の市民サービスの充実に取り組んでいきたい。
担当: 中原淑子 2012年8月3日
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7月30日(月)いじめ防止対策を高谷市長、山脇教育長に要望
滋賀県大津市で昨年10月、市立中学二年生の男子生徒が飛び降り自殺した問題で、学校側が実施したアンケートの中に、「自殺の練習をさせられていた」といった回答が複数寄せられていたことが明らかになりました。
これについて、市教委は「事実として確証が得られなかった」として公表しておらず、十分な検証を行うことはありませんでした。当初、市教委は、いじめと自殺との因果関係を不明であるとしていましたが、その後、いじめが自殺の一因であるとの見解を示すようになっています。
あくまで過失の有無にこだわり、真相解明に誠実な姿勢を示さない学校や市教委の対応は、遺族の心情に応えるものとは大きくかけ離れたもので、不都合なことを隠そうとする姿勢、意図的な組織防衛とも思える対応を見せる市教委に、社会全体が不信感を強めています。
いじめの撲滅にあたっては、教育委員会が毅然とした態度で臨み、学校を指導・監督することが必要不可欠です。また、最悪の事態を回避するために、学校現場がいじめを察知した際には、それを隠すことなく、速やかに事実を確認し、報告する仕組みを築く必要があります。
本市においても、将来を担う子ども達の健全育成のため、また、保護者が最愛の子どもを安心して学校へ通わせることができる環境を形成するため、下記項目について実行されるよう強く求めます。
- 一、「いじめは、いじめた側が100%悪い」「いじめは犯罪」との理念の浸透に取り組むこと。
- 一、学校現場において、教職員、児童、生徒が、いじめの認識や定義を明確にすること。
- 一、学校全体で いじめの予兆を早期に発見できる体制を構築すること。
- 一、学校・教育委員会・外部有識者による「いじめ対策チーム」を設置し、
いじめの情報や判断を共有し、解決に向けて対策を講ずること。
- 一、被害者の保護、加害者への措置、両者の心のケア、再発防止といった
いじめ対処の原則を再度徹底すること。
- 一、いじめ防止条例(仮称)の制定に取り組むこと。
担当: 磯野昌郎 2012年7月30日
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6月15日(金)6月議会個人質問
今、自治体の課題は何か。言うまでもなく少子高齢・人口減少の進行に伴って生じる問題への準備です。
ひとつは、「孤立する市民」の直接的なお世話、支え手をどう確保するのか。
もうひとつは、間接的な支え手、つまり持続可能な税収をどう確保するのか、ということです。
さて、その具体策ですが、まず市民のことを知らないと、市民のための施策は打てません。
私は、6月議会で、データを基に現役世代や高齢世代の実態を浮き彫りにし、行政が新たな(正しい)認識に基づいて役割を果たすよう求めました。
岡山市のまちづくりにおける行政の役割
(1)まちをかたちづくる市民について
岡山市の世帯数の推移をみると単身世帯が約36%を占め10万世帯を突破しました。そのうち高齢者の単身世帯は15年間で2倍に増加しています。また高齢夫婦のみの世帯が全世帯数の1割近くを占めています(単身世帯予備軍です)。
単身化と高齢化が進行していることがわかります。
次に、5年の間に晩婚化・未婚化が進み、離婚が増加しています。結果、35歳から64歳まででは配偶者がいない方が、男女とも4人に1人を超えました。
岡山市の未婚化が進んでおり、現役世代においても孤立化が進行してます。
また、25~44歳の市民は5年間に約2割の市民が入れ替わっています。20年経つとどうなるのでしょう。
恐らく転入転出により地元岡山で生まれ育った市民は半数程度になっているでしょう。世代間に親子関係がない市民が増加することは、家族によるセーフティネットの崩壊を意味します。孤立の進む高齢世代、また子育て世代を、今後誰が支えるのでしょうか。
さて、岡山市民意識調査では、77%の方が岡山市に住み続けたいと回答しています。住み続けたい理由のトップは、「気候など自然環境がよい」です。本市はこうした強みを活かして、市外・県外から移り住むこと、働きに来ること、遊びに来ることなどを選択していただくまちを目指さなければなりません。
しかし一方、住みたくない理由の上位には「人情・人間関係がよくない(排他的)」が挙がり30%を超えています。
本市の発展にとって人口増加は重要なファクターだからこそ、このマイナスに作用する岡山市民気質には留意しておかなくてはなりません。
また別の調査によりますと、地縁(地域)活動への参加は低調で、条件が合っても参加しないという割合が多いことから、地域での人間関係の希薄化がみてとれます。
さらに、ストレスを強く感じたときに相談できる人や場所があるかどうかへの回答では、男性の約半数が相談できる家族がなく、4人に1人は誰もいないなど、特に男性の孤立化が進んでいます。
また、「高齢社会白書」によりますと、困ったときに頼れる友人、近所の人が17~18%と国際比較においても低い数値で、日本の高齢者の社会的つながりは大変弱いことが分かります。
このように、現役世代、高齢世代とも孤立化は深刻です。
(2)まちを担う世代について
これからまちを担う世代の実態はどうでしょうか。
男女別の生涯未婚率をみると、男性は30年間で8倍、女性は2倍に増え、5人に1人の男性が生涯未婚となっています。
その一方で、「いずれは結婚しよう」と考えている未婚者の割合の調査では、男性86.3%、女性89.4%と、いずれも高い水準にあります。希望と現実のギャップを生む原因は何でしょうか。最も大きいのは経済的な要因です。実際に男性の年収と既婚者の割合を較べてみると、300万円を境に大きな差がみられます。
また、男性の就労形態別配偶者のいる割合においても、正社員とそれ以外では各年代で倍以上の開きが鮮明です。
これらのことから、結婚に対する個人の希望を実現できる社会に向け、若者に対する就労支援と、その前提として経済活性化策の必要性が見て取れます。
次に就労については、子育て中の妻の86%が、「正社員やパートで働きたい」と就労を希望しています。しかし、この20年間、出産を機に6割以上が退職を選択しています。
これは、保育園の不足や、男性の育児参加が進んでいないことが一因とみられています。
また、岡山市が1歳6ヵ月児健診で行った調査によると、主に子どもの世話をしている人(95%以上が母親ですが)の4人に3人が就労を希望し、保育園と雇用の不足がその障害となっていました。
これらのことから、これからの岡山市のまちづくりにおける行政の課題は、結婚・就労・子育ての環境整備だといってよいでしょう。まず何と言っても、結婚し家族を持つことができるまちにしなければなりません。
もし、団塊ジュニアとそれに続く世代が、希望ある豊かな暮らしを築くことができなければ、岡山市は未来を失うことになります。まさに高齢世代の安心の基盤は、現役世代であるといえます。
これを行政にきちんと認識してもらうことこそが、私の議会質問の目的でした。
◇結婚し家庭を持ちやすいまちですか。
◇子どもを産み育てやすいまちですか。
◇仕事があり働きやすいまちですか。
◇人間関係を育みやすいまちですか。 |
ここから岡山市のまちづくりをはじめてまいります!
担当: 竹之内則夫 2012年6月15日
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5月18日(金)おかやま新卒応援ハローワークを視察。
15日に、今春卒業した大学生の就職率が4月1日時点で、93.6%だったことが厚労省、文科省の調査により判明し、1996年の調査開始以降で最低だった前年から2.6%アップし、4年ぶりに改善されたと報道されたので、18日(金)おかやま新卒応援ハローワークに行って、担当者に話しを伺ってきました。
報道によると、岡山県内の大学生の就職率は、91.1%で前年を3.4%上回り、3年ぶりに90%を超え、卒業前の最終盤で一気に上昇に転じたという。その背景には、ジョブサポーターの方々の奮闘があったということだ。
そこで、おかやま新卒ハローワークに行き、雇用指導官の瀧下肇さんにお話しを伺いました。
ジョブサポーターには、民間出身者の方や、年齢も上の方から若い方まで、幅広い人が待機しており、様々な相談(時には就職以外のことも)を個別に親身にしているとのこと。現在は、ジョブサポーターも16人に増員され、施設も増床して、個人のプライバシーに配慮して、相談が受けやすくなっていました。岡山地区は、雇用の受け皿は全国でも高い方らしく、「問題は学生とのマッチングだ」と、課題を言われていました。
瀧下さん自身もとても気さくな方で、ここの雰囲気の良さが伝わってきました。
私が帰るとき、ちょうど相談を終えた方が席を立って離れる場面に遭遇したのですが、ジョブサポーターの方が、励ますように、元気に見送っている姿がとても印象的でした。
就職活動で悩む多くの学生や若者に、是非一度訪れて、熱心なジョブサポーターの方々に会って、就職を勝ち取ってもらいたいと願うと同時に、就職率が上昇したとはいえ、若者を取り巻く雇用環境は、依然厳しい状況のなかにある。これからを担う世代の問題を放っておいてはならないと改めて感じた。
担当: 林敏宏 2012年5月18日
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5月14日(月)「地方議員のための地域福祉の政策と実践」を名古屋で受講
平成24年度NOMA行政管理講座に名古屋へ出かけました。テーマは「地域福祉」。講師は日本福祉大学社会福祉学部教授 野口定久氏。
冒頭、「地域課題への「応戦」として地域福祉を考察していく講義です」と、講義の位置づけを話され、期待感が高まりました。
時間配分には幾分難がありましたが、興味深く、また実践的な気付きのある内容で、収穫ありです。
概要は以下の通り(箇条書きですみません)。
◆現代日本が抱える3つの危機
- 人口構造の危機
- 経済危機
- 自然環境エネルギー危機
◆地域福祉の概念
社会福祉と違い、地域福祉はもともと行政の政策からは抜け落ちていた。
◆これからの高齢者政策の方向と対応システム
このままでは介護保険の第6期はパンクする。
健康状態の推移を3段階に分けると
1)健康かつ就労が期待されるゾーン
2)介護予防が期待されるゾ-ン
3)要支援・要介護のゾーン
このうち
1)健康と就労について、「健康」は個人の自己責任、「就労」は企業や市場すなわち民間の問題と行政は言ってきた。しかしこう言っててはダメ。健康と就労に積極的に政策を打ち出していくことが重要。
2)介護予防を介護保険を使ってやらない。包括の専門職はこっちに手を取られないこと。ここは一般行政施策でやる。
つまり行政が、1)と2)を強化して対応すべき。
3)を介護保険でやる。専門職は相談を受けるだけ聞くだけでなく対応まできちんとすること。
◆地域福祉の目標
福祉コミュニティをつくるという意思が要る。
福祉コミュニティの拠点形成=居場所をつくる
次に出番を作ることが大事・・・このプログラムがない
どういう場所にどういうプログラムを用意するのか。
サービスを供給していく側からは、中学校区が単位としてちょうど良い
◆コンパクトシティ
コンパクトシティで本当に良いのか?
集落がなくなったときの日本の社会はどうなるのか?
集落を残し自然を守る政策も同時に必要ではないか?
集落を守れば都市が守られる(自然生態系と人間社会システムは共生している。再生が必要である)。
自然生態系を守っているのは集落、集落に住んでいる人。
「水を守るには山を守るしかない。そしてその山を守るには山を守っている人を守るしかない。」(宮崎日日新聞『ふるさとを忘れた都市への手紙』より)
◆地域福祉計画の相関図
- 高齢者保健福祉計画、障碍者福祉計画、健康21、次世代育成支援計画などは数値目標を持ち個別に計画されているが、それらの個々の計画の中で地域でやったほうが良い部分を地域福祉計画にまとめることで繋げていくことができる。
- 地域福祉計画は、保健福祉の領域(タテ割り)を超えて、総合計画、防災計画、地域再生計画、まちづくり計画などと連携できる。・・・地域福祉計画は広がりを持つことができる。
※総合計画と地域福祉計画の範域と関係が紛らわしくなる
これは、行政と住民の間の役割分担の違い。行政は公助のウエイトが高く、住民は自助のウエイトが高い(だから市民がつくる)
◆地域福祉計画の構図
第1部 市民計画
第2部 行政計画・・・市民が作った計画の基盤整備を行政がしていく
第3部 社会福祉協議会活動計画・・・市民の活動を専門的な立場で組織化し支えていく。
市民会議を作っていく。とてもうまくできているところはどこの自治体・・・桑名市
◆ソーシャルキャピタル
ソーシャルキャピタルの指数が高いところは刑法犯罪率が低い(近所つきあい、相互扶助、社会活動への参加)。
ソーシャルキャピタルの指数が高いところは合計特殊出生率が高い
◆ソーシャルキャピタル親密圏の再編
町内会(旧住民層)と、NPO、あるいは新しい住民層が、集う、一緒に活動をすることが大事。
ビジネスの手法で社会的課題を解決する。
できれば桑名市へ出かけていきたいです。
担当: 竹之内則夫 2012年5月14日
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5月10日(木)全天候フォレストベンチ工法(糸島市)視察報告
5月 10日 、福岡県糸島市役所で開催されました「全天候フォレストベンチ工法説明会」に参加させていただきました。
コンクリートに寄らない、階段状の土砂擁壁は昨年の東日本大震災による地震、津波にも耐えた優れものです。気仙沼市ではこれまでも三陸南地震など5度の地震でも損傷なしの実証を示していましたが、東日本大震災で津波は幾度も擁壁を襲いましたが、引き波にも耐え、効果を実証しました。
コンクリート擁壁との違いは斜面に平面を作る、引っ張り力を使う、斜面の土を呼吸させることです。
これにより、表面の間伐材が自然と調和し、水平面に植えた木が成長することで、森が再生し、景観上も優れたものになります。
天然の素材である土砂を使用することで、安価で施工も短時間で、難しい技術も要らないといいことづくめです。
栗原先生は3回講義を受けないと理解できないと、柔らかい口調で述べられましたが、技術的なことや理論的なことは理解できませんが、この工法が防災、環境に優れていることはよくわかりました。先生の夢の実現が、日本の再建につながっていくと確信しました。
(注)栗原光二工学博士(土木工学者)が開発した全天候フォレストベンチ工法は、日本の土地の7割を占める斜面を安全にし安定させるとともに緑化するための画期的技術です。フォレストベンチ工法の歴史は約20年。この間、東日本大震災で大津波にも耐えた気仙沼市の事例をはじめ、斜面の安定化と緑化に大きな成果を上げています。
担当:中原淑子 2012年5月10日
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5月9日(水)・10日(木)千葉市で開催された市町村議会議員特別セミナーに。
5月9日~10日、平成24年度第1回「市町村議会議員特別セミナー」(千葉県、市町村職員中央研修所)に行ってきました。講師陣の顔ぶれが良く、実りの多いセミナーでした。
田﨑史郎氏(時事通信社解説委員)の講演では、原発再稼働と防災対策を巡る世論について、「安全の問題が「1」か「0」かの問題になってきている。例えば最大津波高でも確率は低くても高知での最大は34.4メートル。では海岸線にそれだけの防潮堤を作れるのか、費用対効果はどうなのか。90%安全にといった視点がなくなってきている」と、指摘があり、「政治の劣化が言われるが、今、国民(有権者)が劣化している。」と、憂慮されていました。
財部誠一氏(経済ジャーナリスト)は、企業活動も、農業もサプライチェーンの一部からバリューチェーン全体を考えたビジネスモデルへの転換を訴えられました。特に、「日本の地方経済は、農業の活性化なしには成立しない。農業は儲かるんです。」と、土づくりで勝負する農業事例として紹介のあったエーザイ生科研株式会社、富士食品工業株式会社の話は、地元・岡山で土づくり(堆肥)で頑張っておられる農家と日頃から懇談させていただいている私にとって勇気をいただいた思いでした。ちなみに財部氏とは大学の同期で、活躍をうれしく思います。
江藤俊昭氏(山梨学院大学法学部教授)の講演はテンポが良く内容は盛りだくさんで、特に議会基本条例の制定に向けこの1年取り組んでいる私にとっては(自分の勉強不足を反省しつつ)、多くの示唆をいただきました。議会は議事機関(討議して議決する)、この意味するところ。そして説明責任との関連など。
その裏返しとして、議会が執行機関への質問の場になっていることで、議員(会派)同士の討議が分断されている現実は執行機関に有利といえる。ここに気付くべきだとご指摘をいただきました。そして最後に、行政改革の視点は効率性重視だが、議会改革の視点は地域民主主義の実現、住民自治の実現であり、まったく別物。削減ではなく、住民自治のための制度をどう創っていくのかをまず考えなければならないと。
担当: 竹之内則夫 2012年5月9日
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5月1日(火)島根原子力発電所を視察。
初めて中国電力(株)の島根原子力発電所へ視察に行きました。
説明をいただいたのち、視察服に着替え(安全靴とヘルメット着用)、ゲートのセキュリティチェックを受けてトンネルをくぐると、間近に原子力発電所が見える高台に。そこには日本ではいち早く設置したという緊急用のガスタービン発電機が2台(昨年12月に運用開始)、また15メートルの防潮堤をはじめ津波や地震対策に現時点で約400億円を投入していますとの説明を受け、ウラン燃料と制御棒をセットするだけになっている3号機の施設に入らせていただきました。総工費は約4600億円だそうです。
入り口をはじめ万が一に備えて電源喪失を回避するために、3.11後設置したという水密扉を至る所で見かけました。理論的には幾重にもリスクヘッジがなされていることを確認することができました。また、1号機2号機についても経年化への対処と長寿命化の手立てが万全になされているとの説明は偽りのないところだと思います。あとは地元の理解と政府の判断ということなのでしょう。
しかし、まだ稼働していない3号機の原子炉建屋や中央制御室を見学した正直な感想を言えば、まったく個人的な反応で申し訳ないのですが、生理的に受け付けない感覚に支配されました。人や自然の営みに比べると禍禍(まがまが)し過ぎるのです。
要塞のようなコンクリートと鋼鉄に覆われ、こんなに念入りに重層的に警戒態勢をとっていることの安心感よりも、とらなければならない代物だという不気味さが勝るのです。
もちろんこれは政治的発言でも科学的発言でもありません。島根原子力発電所はいままでも安全でしたし、これからも恐らく安全なのでしょう。「恐らく」です。
より政治的に言えば、代替エネルギーとの文脈の話になるでしょうから、方向は「脱原発」で当座は慎重に継続せざるを得ないというのが妥当な落としどころになるのでしょう。社会的リスクと安全性のリスクを睨みながら、ソフトランディングへと英知を結集するしかありません。中央制御室のガラスの前でネクタイの結び目を急に息苦しく感じた以上に正直気の重い話です。
担当: 竹之内則夫 2012年5月1日
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