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3月4日(木)2月議会個人質問

 3月4日、いつものように個人質問の初日に、12回目となります質問に立ちました。
以下、質問の要旨と当局の答弁です。

 「GoodはGreatの敵である」
これは、長年にわたって「Great Company」を研究してきたコリンズ教授の名言です。
かつて有効に機能してきた手法に甘んじると、成長が止まってしまいます。「よりよい方法を探し続けることが経営にあっては最も大切だ」との指摘を行政にも当てはめて、以下の質問をおこないました。

1.行財政改革における効率化と適正化について

(1)ゼロベースでの定員分析と中期採用計画

 私たち議員は市民相談への対応上、どこの人手が足りていないのかよく知っています。
それは、例えば、各区役所の維持管理課をはじめ、福祉事務所のケースワーカーや、地域こども相談センターの相談員や、保健センターの保健師などです。
彼らは増えた相談や対応に追われ、その後のフォローアップに手が回っていません。もしケースワーカーが一人の自立をサポートできれば、市民福祉はもとより、生活保護費の削減にもなります。
こうした予防行政に重点を置いた職員配置が重要なのですが、実際には前年踏襲がベースになっています。
「ゼロベースでの定員分析」が待たれる所以です。

その、ゼロベースで業務量を数値化するに当たっては、
ひとつは、職員の仕事を、「要る、止める、減らす」というように仕分けする必要があります。これは全庁挙げたプロジェクトとして作業中です。
もうひとつは、仕事の生産性を今のままで「良し」とするかどうかです。一日にどれだけの仕事をこなして成果を出せば「適正」なのか、いわば「世間並み、民間並み」になるのかということです。
役所の中で、果たして職員同士で、やりきれるのか?今までのモノサシを否定するのは、かなりのハードルです。
今回私が申し上げたのは、「適正な生産性」を割り出すには、一日の長がある「民間のプロ」に入ってもらった方が、客観性が担保できるんじゃないですか、ということです。
さらに、今の生産性と適正な生産性の落差を埋める措置をとらなければ、業務が停滞してしまいますから、生産性を上げるために人事評価と報酬体系を同時に一新する必要があることを指摘しました。

→ 生産性の基準については行革大綱検討委員会など民間の考え方を取り入れ策定する、また能力・実績に応じた給与体系へ抜本的な見直しを行う、という答弁でした。

(2)水道事業

 水道事業の今後はしんどくなります。水需要は拡大を見込みにくい状況です。一方、施設の老朽化に伴い、修繕や更新をするための自己資金を留保する必要があります。より厳しくなる環境で、財政基盤を、より強化しなければなりません。当然、経営改善を迫られます。
そこで、より効率的な行政のあり方として上下水道の統合へ踏み込む自治体が増えています。
上下水道統合による主な効果は、水道と下水道に共通している業務の一体化や類似業務の統合による経営コストの削減、上下水道の連携強化によるお客様サービスの向上などが生み出されることです。
私が、政令市、中核市を調査したところ、すでに過半数の自治体が統合に舵を切っていました。

  政令市・中核市の上下水道統合
  (回答いただいた都市の集計)
統合済 23
統合予定 3
検討中 4
予定なし 17
47
岡山市の
効率順位
職員一人
あたり
給水人口
職員一人
あたり
営業収益
料金収入
に占める
47都市との比較 32 36 33
統合済の
23都市との比較
18 18 19

水道局、下水道局に、上下水道の統合に関する所見をうかがいましたが、前向きとは言えませんでしたので、審議監を指名して「市の視点」で検討するように求めたところ、佐古副市長より

→ 「水道局、下水道局だけでなく、市のテーマとして関係部局も含め検討したい」
 と答弁がありました。

2.行政目的の達成と効率化について

行政目的を達成するうえでも、より効率的な経営をするうえでも、「指定管理者制度」は万能ではありません。
例えばサウスヴィレッジは、岡山県が管理料7700万円の負担に耐えられず継続を諦めました。
岡山市は2000万円に減らして事業継続を目指します。随分頑張っているように見えますが、経営の視点でいえば管理料「0円」だって可能です。今より「農業振興」という目的を高めることもできます。
同様の視点でいえば、岡山コンベンションセンターは、すでに指定管理料は「0円」ですが、これはこれで落とし穴があります。利用料は指定管理者が総取りなのです。
例えて言えば、投資をしてマンションを建てて、管理人を置くことにしたところ、管理料はただにする代わりに、家賃は全部管理人が手にするようなものです。ちょっと割が合いません。
また目的はというと、コンベンションの誘致で、観光振興や経済効果が期待されていますから、営業姿勢の強化が求められます。成果に比例した報酬というような仕組みも必要になります。
以下の課題を克服するよう求めました。

 ・ さらに本市財政に貢献すること
 ・ 事業目的であるコンベンション誘致を図ること
 ・ 十分な営業力が見込めること
 ・ 営業意欲の湧く仕組みで契約がなされること
 ・ 情報の公平性が確保されること

→ 高谷市長も、現状には大きな課題があるとの認識を示され、
 しっかりと取り組む旨答えられました。

3.保育基盤の整備推進について

政府は1月末に、「子ども・子育てビジョン」を閣議決定しました。「社会全体で子育てを支える、希望がかなえられる」というスタンスを基本にします。
保育では、3歳未満児に関する潜在的な保育需要を2017年度に44%に達すると予測し、「誰もが希望する保育サービスを受けられるように」するために、特に、3歳未満児に力点が置かれています。
このことを踏まえて、本市の3歳未満児の利用率を見てみますと、

本市の3歳未満児の保育園利用率
3歳未満児の利用率 2009年 2014年 2017年
未就学児童数 (人) 19,965 19,965 19,965
入園児童数 (人) 5,174 6,988 7,587
利用率   (%) 26% 35% 38%
2009年に比べ、増えるべき定員(人) 1,814 2,413

現在では、認可外を含めると26%ですが、国の数値目標を基準とすると、表のように2014年度で約1800人、2017年度で約2400人の定員増が必要になる計算です。
一方、本市は、2014年度までの5カ年計画で、育成プラン(案)をまとめたところですが、保育所の定員増の目標はわずかに443人です。3歳未満の数値目標はありません。
それだけじゃありません、調査もしないしデータもない、整備計画だってありません。
そして、消極的な数値目標が示され、保育整備は進まないのが本市です。
一方ほとんどの政令市は毎年、保育園の新設を進めています。

政令市、3年間の私立保育園の新設数
岡山 札幌 仙台 さいたま 千葉
2 14 8 8 13
川崎 新潟 静岡 浜松 名古屋
43 16 4 1 6
京都 大阪 神戸 広島
2 44 14 11 12
北九州 福岡
1 10
 ※回答のあった政令市のみとなっています
 ※新設数には2010年度の予定を含みます
 ※期間は2009~2011年の3年間です

どこが違うのか、両隣りの政令市で調査してきました。
まず計画の規模が違います。
次に、新設ルールは明快でシンプルです。そして、市政が違います。
本市では整備のリスクとして将来の出生率の減少が懸念材料として持ち出されますが、両市ではそんな空気はありません。
「今、目の前にあるニーズを見ているだけでは入園待ちは解消しない」ことを理解され、担当者が危機感を持って取り組んでおられました。
明らかに岡山市の停滞は、本市固有の異常事態でした。

→ 高谷市長は、時期(10年度)と財源(県の基金を活用)を示して、
 「保育ニーズを充足していない地域で整備を進める」ことを明言し、
 定員増には意欲を示されましたが、目標の見直しには

私は、今回で毎回の12回目の個人質問になりますが、うち11回で、母親への支援や女性のワーク・ライフ・バランスを推進するために、保育基盤の整備などを求めて改善提案を続けてきました。十分ではありませんが、ともあれやっと前向きな具体策を聞くことができました。

担当:竹之内則夫 2010年3月4日

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3月1日(月)2月議会代表質問

岡山市が政令指定都市に移行して早や1年が経過しました。22年度の街づくりをどのように進めていくのか、新年度予算案を中心に議論が展開された2月定例議会でした。
私は公明党岡山市議団10名を代表して、初の代表質問をさせていただきました。

《代表質問項目》

(1)(仮称)岡山総合医療センター基本構想
(2)平成22年度予算案
(3)介護総点検から 
(4)放課後児童クラブ 
(5)乳幼児医療費 
(6)家庭ごみ有料化1年の課題 
(7)太陽光発電 
(8)アユモドキの保護 
(9)農業振興対策 
(10)産業振興ビジョン 
(11)サウスヴィレッジ
(12)若者の雇用 
(13)岡山市みちづくり計画
(14)住宅施策と市民住宅供給事業 
(15)交通対策
(16)富山地域センター(仮称)
(17)スクールニューディール政策

以下主なものをご報告します。

介護総点検から

介護保険制度施行から10年を迎えましたが、現場では深刻な問題が山積しています。公明党は全国3000人を越える議員が一丸となって「介護総点検」を行い、「新・介護公明ビジョン」を発表しました。これらの調査を踏まえ、岡山市の現状と改善点をお聞きしました。
以下、各質問に対する答弁です。

【介護施設の整備】
★特別養護老人ホーム(特養)の待機者総数6,219人で、在宅で要介護4および5の方の人数は454人(平成21年6月現在)。平成23年度までに特養やグループホームなどで777床を整備し、特養はユニット型だけではなく費用が安価な多床室も検討する。
★小規模多機能型施設は現在28施設あり、平成26年度までに各中学校区1施設は整備する。
★在宅で介護されている家族の軽減を図るために特養を新設する際にショートステイの併設を義務付けている。

2025年高齢社会のピークを迎える事を考えると施設の充実は待ったなしの課題です。

【認知症予防・介護予防の政策】 認知症サポーターは現在5,000人。来年度新たに7,000人を養成する。介護支援ボランティア制度の導入については、効果の検証が必要として研究する。

【介護保険料の軽減】 保険料は21年度から10段階に増やし低所得者層の負担軽減を図った。公明党が提案しているお元気ポイント(3年間介護保険を利用しなかった高齢者にポイントを付与し保険料などの軽減に充てる)は国の動向を見守る。

【人材確保と報酬】
人材確保は重要な課題と認識している。国は報酬のプラス改訂と処遇改善交付金事業を開始したが、介護現場の声を聞くなど改善に必要なものは国へ要望する。
施設を整備には介護職員をはじめ多くの人が必要となります。交付金は現場では介護職以外には適応されず、使いづらいという声が多くあります。人材の確保と処遇改善に迅速な対応を求めます。

放課後児童クラブ

公明党岡山市議団で市内82の放課後児童クラブに対しアンケート調査を実施し、その結果に基づいて質問いたしました。
以下、各質問に対する答弁です。

【運営体制について】
現在の児童クラブは運営委員会方式で運営されているが、大規模クラブの分割、定員、施設の確保と改善、指導員の確保や質の向上など課題は山積している。今後はきちんと行政がかかわって制度を作る方向が望ましいと質したが、課題については認識している。学校・園と協力し、児童クラブ連合会と一緒に考えるとのことでした。

【定員枠の拡大】
国において放課後児童クラブの提供割合を19%から60%(10年後)の目標を掲げている。岡山市は利用児童数を4,436人(平成20年度)から5,200人(26年度)としたが、3年生までのニーズは満たすものと考えている。必要なところからクラブ室の整備を実施する。

【施設の改善】
施設が狭い、休憩するスペースがない、トイレの改善、小学校の保健室の利用などがアンケートで多く寄せられた。また大規模クラブの分割については幼稚園や保育園の活用を提案した。
基本的には安全面の問題から小学校の敷地内で実施することが望ましい。トイレの増設やカーテンの設置で休息スペースの確保なども順次整備しており、保健室の利用は実態を把握し検討する。
子育て支援策の中で放課後児童クラブをどのように位置づけどのように支援していくのかを、従来の在り方を検証し、将来にむけて制度設計すべき時であると考えています。今後保健福祉委員会でしっかり取り組んでまいります。

家庭ごみ有料化後1年の課題

可燃ごみと不燃ごみ合わせて前年比20%減、資源化物の排出量が30%増と順調なスタートとなりました。更なる減量化にむけて数点の課題を取り上げ、以下の答弁をいただきました。

○雑紙の拠点回収を6月から実施する
○食品トレイと蛍光管の拠点回収も6月から実施する。
○毎月一定の日をレジ袋を受け取らない日と定め、6月をめどに県下一斉にスタートする。
○アンケート調査で要望の多かった、5リットル袋は実施の方向で検討する。

担当:中原淑子 2010年3月1日

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12月9日(水)12月議会個人質問

 急激に進む少子高齢化に対して、本市は何をすべきなのか、何からしなければならないのか。
自治体としての課題を明確に示し具体的な解決策に言及しました。

1.社会全体での子育て支援について

 いくら家庭や地域の教育力や育児力の低下を非難しても課題は解決しません。それは都市化した日本の社会全体の変化の結果だからです。
 ところが、子育ての責任は家庭、とりわけ母親の責任との前提を改める施策は実施されていません。母親はたった一人で社会全体の問題に立ち向かわなければならないのです。
 これを解決するためには、もう一度、かつての地域共同体に代わる子育ての社会的サポートを充実させるしかないのです。
 まさにこれが、公明党が長年かけて「子育ての社会化」を政治課題に押し上げてきた所以です。
 ちなみに、現政権では、社会全体で子育てを支援していく「子育ての社会化」という言葉が、子ども手当を保護者の収入に関係なく支給することへの大義名分として用いられていますが、これは間違いです。社会化とは本来、子育てを直接担う保育園の完備を意味しているからです。
 11月18日のOECD(経済協力開発機構)の提言でも、子ども手当については、保育や就学前児童の支援により重点を置いて再検討すべきと、グリア事務総長が見直しを求めていました。

 さて、「子育ての社会化」つまり保育園の完全整備がなされると、そこからどのような流れができるのかをみておきましょう。
 現状、育児休暇だけでは長期にわたる子育てを充足できません。しかし保育園がコンビニや郵便局なみに手近にできれば、子育ての第一関門は突破できます。出産退社や育児退社が消えていきます。
 この段階で、女性の就業が継続され、男女の就業面での格差解消がテーブルに載る環境が整います。
 そこから、企業内での男女平等へのプロセスがスタートすることになります。
こうした就業形態での男女平等が進んでこそ、家庭内での役割分業が解体され、その先に、子育てへの意欲が出てくるのです。
 これが、「子育ての社会化」による少子化対策です。
私は、いままでの個人質問でも、少子化対策として、保育園整備から始まって、「日本一男性が家事・育児をする都市」を提案したこともありましたが、ボトルネックを突き止めていくと、このように保育園整備に戻り着きました。
 ワークライフバランスも男女共同参画も起点は保育園なのです。

 保育園は基本的な生活習慣の獲得から社会性の学習まで保育士が幅広い役割をこなしています。一方、幼稚園は幼児教育の場です。基本的な生活習慣の学習は親の責任、多彩な人間関係による社会性の習得は地域社会の役割です。
 ところが、これがちゃんとできていないとすると、「保育に欠ける」のは保育園児よりも幼稚園児であるというパラドックスが起こっていることになります。
 であれば、幼稚園での保育に力を入れる必要があるということになります。
先般の市のアンケートでも「長時間利用したい」という声が高まっていますし、三歳児保育のニーズも高い訳です。
 ですから幼稚園の時間と年齢の拡大へ舵を切るべきであると訴えました。

 次に、民間保育園の新設についてです。
民間事業者は総論賛成でも、各論では反対なさいます。それを、周囲の園の承認がないと認可しないのではいつまでたっても保育園は増えません。
 必要な事業が途中で潰されないためには、市長が公式に見解を発表することが最も有効です。
市長の決意をうかがいました。

→答弁では、市の保育に対する姿勢は、残念ながら後ろ向きです。来年出てくる整備計画を突破口にして、風穴を空けて行きたいと思います。

2.高齢者施策について

1)「高齢者標準」社会(シルバー・ニューディール)

 これからの日本社会の将来像を考える際には、人口の3割から4割が高齢者であるという前提が必要になります。
 一方、厚労省の調査では、70代後半で71%、80代前半では57%が介護・医療を利用しておらず、健康な高齢者(健康人口)が多いことが分かります。
となると、高齢者こそ多数派です。若者や中年層を標準に考えてきた社会の仕組みを見直し、「高齢者標準」の構造へとシフトすることが、これからの行政には求められることになります。
 また、「高齢者標準」は単に行政に止まらず、高齢者が快適と感じる新しい商品やサービスにより、需要と供給の両面から経済成長を促すことになります。これは「シルバー・ニューディール」と呼ばれ、国内での需要を創出するだけではなく、次世代の輸出産業の核になる可能性も期待されています。

 さてそこで、総合福祉の拠点都市を標榜する、わが岡山市は、高齢者福祉はもとより、高齢者を積極的に呼び込み、人口と需要と消費の拡大等を目指す戦略、題して、「日本一、高齢者に快適な街・岡山」プロジェクトを検討すべきではないでしょうか。
 岡山市には高齢者向けの「地の利」があります。温暖で、平らです。この地の利に立ってインフラを整備できれば国内で無敵の、元気な高齢者タウンも夢ではありません。
 私は、具体的に、医療、交通、成年後見人制度、行政、企業誘致についての政策を示したうえで、高齢化という課題を乗り越え、都市の発展を導く可能性を提示しました。

→庁内で検討の場を設け、取り組んでいくとの回答でした。

2)健康づくり(アクティブ・エイジング)

 「アクティブ・エイジング」は活力ある高齢化とも訳されますが、「高齢者は扶養されるべき」との旧来の発想から、高齢者が健康寿命を伸ばし、継続的に社会に参加していくことを目指すもので、「高齢者が長年にわたって培ってきた知識・経験を活用し、高齢者の希望や能力を活かす社会」へと転換を図ることを意味しています。

 WHOも「高齢者が健康で活動的でいられるための政策は、贅沢品ではなく必需品である」との前提に立つとともに、健康増進と疾病予防の財政的効用を説いています。
 恐らく、行政が何よりも恐れているのは、人口の急速な高齢化によって医療費と社会保障費が膨れ上がって手に負えなくなることです。
 しかし、慢性疾患の予防や健康増進プログラムによって高齢者は自立して長生きできるとともに、経済に貢献し続けることができるという訳です。
こうした財政的視点を踏まえた上で、行政が高齢者福祉政策をどのように行えばいいのか、質しました。

(1)健康増進と介護予防については、
 高齢者の三人に二人は運動習慣がありません。
 ・高齢者が活動的になるような政策やプログラム
 ・高齢者による地域活動へのアドバイスや支援
 ・介護予防のプログラムや環境の提供
 について今後どのように充実していくのか。

(2)疾病予防については、
 日本の場合、平均寿命は世界一、さらに身体機能からみた健康寿命も世界一長い。ところが、精神機能からみると、平均余命に占める認知症に罹る期間は世界一長い訳です。
 ・がん、心疾患、脳血管疾患の推進や改善
 ・認知症ケアと予防対策
 ・予防接種の推進
 への取り組みをどう加速するのか。

(3)高齢者にやさしい安全な環境については、
 高齢者が何を不満に思っていらっしゃるかを、まず聞くよう求めました。

(4)介護する人への支援では、
 在宅で介護している家族への支援として
 ・ショートステイが通常でも予約が取りにくい状況を改善すること
 ・小規模多機能型居宅介護の今後の整備と、ケアマネや市民への
  浸透について要望しました。

(5)健康づくりについての行政の狭間については、
 高齢者背策を一体的に進めるうえで、組織の見直しを求めました。

→予防に重点を置いた政策を財政面で評価していただくとともに、高齢者や介護者に対するニーズ調査やアンケート、マーケティングを行うとの回答をいただきました。また、タテ割りではなく課題解決に向け、組織のあり方を検討していただきます。

担当:竹之内則夫 2009年12月9日

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12月7日(月)12月議会代表質問

 公明党岡山市議団として29項目の質問を行いました。
この中で、「脳脊髄液減少症の対策について」の項をご報告いたします。

脳脊髄液減少症の対策について

 交通事故などの衝撃で脳と脊髄を循環する髄液が漏れ、頭痛やめまいなどを引き起こす「脳脊髄液減少症」については、診察のガイドラインが示されておらず、効果があるとされているブラッドパッチ治療には保険の適用がなされておりません。
 症状は様々で頭痛や腰痛、手足の痛みなどや耳鳴り、めまい、光がまぶしい、しびれなどやさらに倦怠感やうつ、無気力などが重複して現れることもあります。
 現在の患者の皆様の多くは、診断が下されるまで複数の病院を受診し、精神疾患やむち打ちといった誤った診断が下され、適切な治療を受けることができておりません。
 また、社会の認知度も高くありませんので、子どもは家族に病状をうまく伝える事が出来ず、不登校になるケースや、大人は見た目にはどこも悪くなさそうなので、怠けているとか根気がないと思われがちで、仕事に行けなくなることが多いといわれています。
 「どこの病院に行けば診断、治療ができるのか」このような患者の切実な声にこたえるため、公明党は患者・家族団体と共に地方自治体に治療が可能な病院を公式ホームページで公開するよう要請し、2009年10月1日現在、都道府県レベルでは32府県が公開しています。
 今まで岡山県では公開されていませんでしたが、患者・家族団体の要望を受けて12月1日より公式ホームページで公開しています。
 独立行政法人・国立病院機構福山医療センターの脳神経外科医長の守山先生によると、この治療を始めて8年目になるが、700名以上の、この疾患が疑われる方に対して検査を行い、約60%の患者を脳脊髄液減少症と診断した。
 このうち約50%の方がほぼ完治し、30%を超える方が良くなった治療実績がある。
ブラッドパッチの効果は約8割の患者に十分効果があるというデータです。
 岡山県からも約100名の患者がこられているとのことでした。
先生からは、この病気の認知度が低いのはブラッドパッチに保険の適用を認めていないことが大きいなど、現状と課題についてお聞きいたしました。
 さらにこの疾患は交通事故だけではなく、学校での体育や部活動などでの事故が原因で、児童・生徒が発症する事例があり、学校関係者の理解が求められます。
 18歳以下の子どもさんの場合、早期発見で治癒率が高いとされています。
文科省は平成19年5月31日付で、都道府県教育委員会などに対して、同症の周知と学校現場における適切な配慮を求める事務連絡を出しています。
 脳脊髄液減少症に対する厚労省研究班による診療ガイドラインが、2009年度末までに作成されることになっており、このガイドラインができれば、診断基準や治療法の確立、むち打ち症との関係性の分析などが行われ、医療関係者をはじめ社会の理解が大きく広がり、保険適用への道が開けるものと期待されています。

以上のことを踏まえて質問させていただきます。

  1. 岡山市は、この脳脊髄液減少症について実態をどのように把握されていますか。
  2. 岡山市は、平成19年文科省の事務連絡について学校現場に対してどのように対応されましたか。
  3. 岡山市は、一刻も早く、脳脊髄液減少症の診断、治療、相談ができる医療機関について情報の提供を行うべきだと考えますがいかがでしょうか、お考えをお示しください。
  4. 市民や学校関係者への正しい知識の普及と理解を促進するためには、早急な広報や研修会などが必要と思われますが、岡山市は今後どのような取り組みをされますか、ご計画をお示しください。
  5. 岡山市民病院で、診断、治療ができるように体制を整えていただきたいと思いますがいかがでしょうか、お考えをお示しください。
上記質問に対して、
当局からは、2009年度末までの診療ガイドラインの作成を受けて対応したいとの答弁がありました。

担当:松田安義 2009年12月7日

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11月27日(金)2010年度予算要望

11月27日、公明党岡山市議団は、高谷市長に、来年度の予算要望を行いました。

2010年度予算要望

 高谷市長におかれましては、二期目の当選を見事に果たされ、初の予算編成となります。 岡山市は本年4月、百年に一度という不景気の真っ只中、政令指定都市として出発をしました。その後、国政では政権交代があり、不確実な予算・課題が多い政治状況の中で、政令指定都市に相応しい岡山市構築に向けて、大変なご苦労の日々と推察します。
 日本は2005年を境に人口減少時代へと突入しました。人口減少は経済をはじめ都市の活力を減速させます。税の減収は行政サービスの低下に繋がります。コミュニティは高齢化によりリーダーがいなくなり、魅力のないコミュニティは衰退へと向かいます。市民意識の変化と市民生活重視に向けた施策の集中と選択が一層重要になってきます。不断の行政改革とムダの排除の徹底は待ったなしです。岡山市は公明党市議団の提案いたしました事業仕分けを国に先駆けて実施され、財政改革に大きな成果をあげられました。安心社会を実現するために、生活の基盤である雇用を軸とした政策の充実とあらゆる世代のセーフティネットの基盤である社会保障制度の修復がなされなくてはなりません。若者には雇用を、子育て世代には支援策の充実、高齢者には安心の医療・介護の確保を、難病や重病で苦しんでおられる方や家族に格段の配慮をしなければなりません。
 今、最優先されるべきは経済危機から市民を守り抜く決意と政策です。そして、人口減少下においても持続可能な岡山市構築に向けて、早急に準備を始める時期にあると思います。
以下の要望を致します。

<総務委員会>

1. 情報化コストの総点検を図り、専門的な知識を備えた職員の配置でBPR手法を取り入れた総合行政システムの構築を図ること。
2. 市の財政健全化に向け行財政改革大綱の実施と事業仕分けを行い、市の積立金である財政調整基金の増加を図ること。
3. 県公共事業費市町村負担金の廃止を県に求めていくこと。
4. (仮称)岡山総合医療センター構想の具体化と予算化を図り、市民病院との役割の明確化を図ること。
5. 真に要員効率化(人件費率圧縮)を成し遂げるために、人件費とアウトソーシングを合算した削減目標を定めて取り組むこと。
6. 市民生活に密着した部署の人員体制を見直し、市民ニーズに迅速かつ適確に対応できるような配置転換を図ること。
7. 開かれた市政運営を実現するため市の審議会、協議会、労使交渉等の情報公開を実施すること。
8. ドメスティックバイオレンス被害者の保護・自立支援を推進する「DV被害者自立支援センター」の設置をすること。
9. 総合評価一般競争入札制度の対象許容価格の引き下げの対象拡大を含めた改善を図ること。
10. 市営鹿田、天神町駐車場の無人化で経費の節減を図ること。
11. 岡山市独自の(仮称)犯罪被害者支援条例の制定をすること。

<保健福祉委員会>

12. 乳幼児医療費助成制度の無料化の対象年齢を小学校3年生まで拡大すること。
13. 国民健康保険費特別会計の健全化のため収納率を向上させるため口座振替を促進し、一般会計からの繰り入れを図るとともに、強力に健康づくりを推進し保険料の上昇を抑えること。
14. 障害者雇用の拡充を図るとともに触法障害者支援の拡充を推進すること。
15. 聴覚障害者施策の手話通訳・手話奉仕員の養成についてはより積極的に取り組むこと。
16. 市民病院において脳梗塞・心筋梗塞の予防推進を図ること。
17. 保留児も入園できるよう保育園の定員数の増加と公立保育園の民営化を推進すること。
18. 急増する発達障害児や障害児を支援できる特別支援教育の拡充を図るとともに、発達障害支援センターを早期に設置すること。
19. 医療機関の拡充や休日・夜間の検診などでがん検診の受診率向上に取り組むこと。
20. 子宮頸がんワクチン、肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチン、新型インフルエンザワクチンの予防接種費用に公費助成を実施すること。
21. 高齢者の健康づくり、特に介護予防を積極的に推進すること。
22. 成年後見制度利用支援事業の実施要項の改善を図ること。
23. 認知症高齢者に対し早期発見、早期治療につなげる仕組みを作ること。

<環境消防水道委員会>

24. 晴れの国おかやまの利点を活かし、住宅用太陽光発電システム設置等補助費の拡充を図るとともに学校施設にも整備を推進すること。
25. 複合的地球温暖化防止設備設置補助金要綱の改正を行い対象を拡大すること。
26. 市公用自動車を電気自動車、ハイブリット車に随時転換を図っていくこと。
27. グリーンニューディール施策として、「公共施設の木造化」と「公共工事における県産材利用」の促進を図ること。
28. 家庭ごみ袋の有料化から1年を迎えるにあたり、市民アンケートなどの調査を踏まえ減免措置等の見直しを図ること。
29. 汚水処理施設普及率の向上を図るため合併処理浄化槽の普及を進め水洗化率の向上を図ること。
30. 合併地域における生活道路網の拡充と安全で維持可能な水道施設・汚水処理施設の整備を促進すること。

<経済委員会>

31. 中四国の拠点都市として優位性を発揮し、市長のトップセールスで地元雇用を創出する企業誘致を推進すること。そのために税制や企業誘致の優遇措置策を検討すること。
32. 都市間競争に勝ち抜ける集客性を持ったコンベンション・観光事業に予算措置を行い、積極的な事業を展開すること。
33. 学校給食や公共施設の食堂等で市内産の農産物を積極的に活用することで、計画性のある地産地消を確立すること。
34. 若者の就業を支援するため農業経営を学べる「農業ビジネススクール」を作り、農の雇用の拡充をすること。
35. 第一線を退く農業者に新規就農者等の農業指導員や農業委員会協力員として従事してもらう農業・農村人材バンクを作り農業経営継承事業の推進を図ること。
36. 専門家を活用し、安全・迅速かつ効果のある鳥獣被害対策を確立すること。

<建設委員会>

37. 夢のある交通戦略で吉備線のLRT化と市内の路面電車の延伸化の計画を策定すること。
38. 貴重な市街地の岡山操車場跡地公園(仮称)について予算を付けて計画を策定すること。
39. 都市ビジョン「水と緑の都市プロジェクト」で示されている公園・緑地の整備や緑化の推進にあたっては、芝生化事業を軸に取り組むこと。
40. ガソリン税の暫定税率の廃止などが予想されるが、外環状道路を含む基幹道路の整備については計画が遅れないよう実施をすること。
41. 高齢者の居住の安定確保に向けて高齢者向けの優良賃貸住宅の供給促進を推進するため補助制度の創設をすること。
42. 新婚・若者世帯が住みやすく子育てしやすい市民住宅の推進を図ること。
43. 交通の安全確保と自転車利用の促進を目指し、自転車専用通行帯の設置や自転車道の整備を拡充すること。

<文教市民委員会>

44. 政令指定都市として更なる市民サービスの向上をはかるため、総合窓口や土日の開庁等を図ること。
45. デジタルミュージアムは、名称、常設展など積極的な見直しを図り、財政負担の縮減も考慮し博物館・美術館として再生を図ること。
46. スポーツ振興計画の策定にあたっては、ハード・ソフトにわたり官民の役割やあり方検討し、実効の上がる計画を練ること。
47. 証明書自動交付機整備事業については、市民サービスの向上と業務の効率アップを図るため、印鑑カードへの切り替え促進、交付機への誘導などの普及やアナウンス強化、利用環境の向上や設置場所の検討に取り組むこと。
48. 義務教育の9年間を通したカリキュラムの策定を図り、小中一貫教育の導入を推進すること。
49. 地産地消を強力推進する観点から、週4回以上の米飯給食に取り組むこと。
50. 学校園での脳精髄液減少症の正しい理解を図り、市民に向け情報公開に努めること。

担当:則武宣弘 2009年11月27日

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11月9日(月)・10日(火)・11日(水)浦添市・福岡市・北九州市 総務委員会の視察

 今回、総務委員会行政視察を、平成21年11月9日から11日までの3日間で行った。調査対象市は浦添市、福岡市及び北九州市の3市を選定した。
 調査事項として浦添市では平成21年3月から稼働開始の電算システム構築事業(基幹システム)について、福岡市では本市でも検討されている市税のコンビニ収納について及び福岡市地域防災計画の見直しについて、北九州市では24時間対応が可能な危機管理室の職員体制についてを主要な調査項目として調査を行った。その概要は以下のとおりである。

平成21年11月9日 【沖縄県浦添市】

第5次総合行政システム構築事業について 

(コンピュータ画面で実際業務の実演)

 1 システム構築事業の概要(基本的な考え方や、特徴)
  本市においては、電算システムの新規開発や改修、保守管理について多岐にわたり契約が行われているが、システム改修や保守管理の委託についてはシステムの構築をした業者に対して多くの場合単独随意契約がなされている。ある部局では職員による検討チームを立ち上げ2年間の検討を重ね独自の仕様書によるプロポーザルを実施し、その結果優れたシステムを安価に調達した事例もあるが、まだまだ数は少ないのが現状だ。
  契約金額の積算に対しては、各担当部署で電算システムの専門的知識を有した職員がいない中で苦心をしてシステム構築をしているのが、本市の実態と思われる。
  今回視察を行った浦添市は、平成14年NECの汎用機からオープン系の * C/Sシステムに移行したが、開発業者による閉鎖的なシステムで、システム改修費の妥当性が担保できず、また自由なカスタマイズができなかった。さらに3社以上のシステム導入でデータベースの乱立をまねいた。この状況の打開を図るため、今回のシステム構築事業は以下の条件でシステム更改の公募をおこなったとのこと。

A 予算はシステムリースの予算を超えないこと。
B 完成したシステムのプログラムソース及び設計資料は全て市へ譲渡し、市は地元企業に入札等で発注できるようにすること。
C 地元企業に適切な技術移転をおこなうこと。
D BPR(業務分析)の結果が即反映できるシステムであること。
E ABC分析(アクティビティー・ベースド・コスト:活動基準原価計算)が可能なシステムであること。
F 簡易なシステム変更は、職員でもできる仕組みを提供すること。

  特に重点を置いた3本の柱は、業務改善、セキュリティー、地元業者の参入であったとのこと。

 *C/S(クライアントサーバーシステム)では、ネットワークに接続されているパソコン(コンピュータ)が、クライアントとサーバーに役割分担されている。普段、一般のユーザーが使うパソコンをクライアントといって、ネットワークの管理や共有データの保存などを行っているコンピュータをサーバーという。

 2 システム活用による地元企業育成に関する概要と今後の予定
  システムの内容を公開し、地元企業の参入を募るために、成果物の標準化、システムモニターシステム、ソース解析システムが導入されている。
 地元企業育成のためにシステムの研修を行う予定で、概略研修はすでに終了。今後、2日程度の詳細研修とさらに2ヶ月程度の研修を行う予定とのこと。

 3 スクラッチ開発(1から全部つくる)の概要とその手法を採用した理由
  今回の公募は、パッケージ及びスクラッチ開発いずれの提案も受けられるものであったが、ソースの公開等が壁となりスクラッチ開発を提案したチームだけが応募してきた。開発にはシステムエンジニアを約50名派遣してもらい、開発業者と職員による7カ月の業務分析の総洗いを行い、システム設計してもらったとのこと。

 4 システム開発に関する著作権、使用権、改変権等のあり方に関する考え方
  開発されたシステムは、開発側と浦添市で著作権を有する。販売権は浦添市は執行せず、開発側が権利を行使し、開発側は投資に対する見返りの収益を上げることが可能。今回は業者から3億円の投資があったとのこと。浦添市は使用権、改変権を有し、地元企業が本市からシステム更改を受注した場合、システム変更であれば著作権は源著作権者に付属し、新たなシステムの追加であれば市の判断で地元企業に著作権を与えるか市が有するかを決定できるとのこと。

 5 業務ヘルプの概要と付加した理由、活用方法について
  団塊の世代の大量退職や人事異動によるノウハウ消失、及びコンピュータによる業務のブラックボックス化を解消するため、アプリケーションの使い方を示すシステムのヘルプ機能とは別に「業務ヘルプ」(例えば、この業務はどのプロセスの中で行われ、根拠の法律は何かといったもの)を付加することとした。これらを活用して、人事異動の際の事務引継および新職員研修などに活用していく予定。業務ヘルプのおかげで人事異動1年目からノウハウを受けられ業務に生かせるとのこと。

 6 ABC(アクティブ・ベースド・コスト:活動基準原価計算)分析機能の概要と付加した理由、活用方法について
  例えば、ある都市で本の貸し出しについて1冊あたりどれだけの費用がかかっているかを試算をしてみると約1,300円かかっていた。それだけのコストがかかるのであれば1冊買って必要とする人に配ったほうが安上がりである。業務についてコスト計算ができれば適正人員の配置や民間委託の可能性の検討等で活用が可能となる。市民へ発行している各種証明書の手数料は、浦添市では先例により決定されているが、分析機能によりこれらの根拠となるような資料が得られると考えているとのこと。

 7 システムの導入と自動交付機手数料の値下げの関連
  現在、自動交付機手数料の値下げは行っていないが、今後のコスト分析の結果に基づき適正な手数料を算定する予定であるとのこと。

 8 業務分析による成果物の公開の理由と活用方法
  業務についてはマニュアルが存在しておらず職員は何をどう仕事をしているか不明な点が多い。今回、業務分析の成果物を公開することにより、我々が気づかない無駄、不合理な業務形態を市民及び他自治体から指摘を受けることにより、更なるBPR(業務分析)を進めBPRをPDCAサイクルに乗せ、常にBPRを進める自治体をつくることが目的とのこと。

 9 システム開発から稼動までのスケジュール、開発体制、手法等
   平成20年4月~6月 基本設計
       7月~9月 詳細設計
       10月~12月 プログラム作成
  平成21年1月~3月 テスト及びプログラム修正
    3月16日 システム稼動開始

 10 システム導入経費の概要
  今までの情報担当課長は通常3年程度の異動となるために業者の申し出に対して反発ができない状態であった。また、システムに関しては人口規模が倍になるからといってシステムに要する費用が倍にはならない。コスト意識が大切だとのこと。
 職員はインターネット接続用と個人の業務のパソコンについて、2枚のカード(キャッシュカードの大きさ)により切り替えを行うため、それまで2台のパソコンを机上においていたものが1台になり、パソコン台数が減ったとのこと。

   住民記録、税、国保、年金 501,480,000円(10年間の賃借料総額)
   福祉システム       320,000,000円(10年間の賃借料総額)
   サーバ等機器       301,644,000円(5年間の賃借料総額)
   クライアント機器300台   65,406,600円(5年間の賃借料総額)
   基幹系システム予算総額  10年で16億円円(1.6億円/年)以下を財政と約束。

 11 今後の予定や課題
   平成21年度~22年度 総合福祉システム開発
   平成22年度     人事給与、財務会計システム更改

 課題 : これまで、浦添市においてはシンクライアントの導入、第5次総合行政システムの構築等、庁舎内の業務の合理化を中心にIT化を進めてきた。
 平成20年度から3年間の予定で「健康情報活用基盤実証事業」を厚生労働省、経済産業省、総務省の3省連携で行っている。この事業は市役所、市内の病院、診療所、歯科医院、投薬薬局、スポーツクラブをネットワークで結び市民の健康情報を提供するシステムである。
  この事業を皮切りに多くの市民サービスの提供を計画中で、今までにない電子民主主義システム(パブリックコメントシステム、簡易アンケートシステム、情報公開システム)を構築し、市民への行政参加を促していくような施策の展開を目指しているとのこと。

[浦添市視察所感]

 まず、今回説明をしていただいた担当者の熱のこもった説明がすごく印象的であった。土木技術者として民間勤務の経験があり、土木工事で工事費の積算をしてきた経験から、情報政策担当としてIT現場でのブラックボックスで中身の見えにくい電算業務委託の積算に疑問を抱き、IT業者や職員からの反発も受けながらもシステムの構築に尽力をされ、システム間の機能連携を図ることで業務の効率化を図り、大きなコスト削減につながっていった状況のようだ。
 本市においても、電算業務委託料は、各局にわたり多額の金額が支出されており、その積算内容や費用算出については委員会審査の中でもよく議論となるところである。そういった中で、一つの試みとして今回の視察先のような手法を取られている状況を目の当たりでき担当者の話を聞けたのは、大変い興味深いものであった。
 今回特に注目すべき点は、
 (1)沖縄は産業自体があまりなく、就職率がよくなくそのためにも地元企業へ仕事を回すためこのシステム構築事業で地元業者が参入しやすい状況をつくり地元業者の育成に心がけている
 (2)国の補助事業として補助金を受けるよう国の各省庁へ働きかけを行っている
 (3)IT業者から不安になるようなことを言われたり職員から反発も受けながらも、強い信念を持ち適正な価格を求めパッケージを使わず、スクラッチで開発したこと
 (4)テスト期間を含め開発期間が非常に短期間であること
 (5)システムは、開発側とで著作権を有し販売権は市は執行せず、開発側が権利を行使する。市は使用権、改変権を有する点
 (6)簡易なシステム変更については各課担当職員が容易にシステム変更を行える
 などが挙げられる。

 以上が浦添市の状況であるが、プログラムの内容を開発業者に公開させ、市が所有権と改変する権利を有するなど、電算システムの構築や改修に当たりIT専門業者の言われるままではなく市としての意見が反映できる工夫がされているのが印象的であった。
 またこれを進めることにより従来に比べ業務の効率化とコスト削減が行われたが、ただ単に例えば窓口業務の効率化による人員削減を行うのではなく、職員が今までより多くの時間をかけて市民に対し丁寧にやりとりができるなど市民サービス向上につながるとのことであった。
 今後の本市の電算業務委託やシステム導入の際の参考としたい。

平成21年11月10日 【福岡県福岡市】

I 市税のコンビニ収納導入について

 1 導入目的
 (1)コンビニエンスストアは、そのほとんどが24時間365日休みなしで開いており、また全国の利便性の高い場所で営業しており、納付のための時間的及び地理的な制約が緩和され、納税機会が拡大することから、市民サービス向上に大きく寄与する。

 ※コンビニエンスストアは全国で約43,000店舗が営業しており、現在の収納機関数(約28,000箇所)が2倍以上の71,000箇所となった。

 (2)住民税に関する大幅な税制改正(平成18年度からの老年者控除廃止等、平成19年度からの定率減税廃止と税源委譲等)に伴う、納税義務者と課税額の増加が見込まれる中、納税環境の整備の重要性が高まっていたこと。

 2 導入時期及び税目

   H18年度 軽自動車税(口座振替不能納付書は6月) 5月開始
   H19年度 固定資産税・都市計画税(償却資産を含む) 4月開始
  市県民税(普通徴収) 6月開始

 3 導入スケジュール
   平成17年6月21日 収納代行業者選定委員会立ち上げ
   平成17年7月14日 収納代行業者提案協議(9社に案内、3社辞退)
   平成17年7月15日 収納代行業者決定

  ※ 平成17年7月16目から平成18年3月末までに、収納代行業者との協議、電算システム改修、テストなどを行い、軽自動車税について平成18年5月から開始し、平成19年度には、固定資産税・都市計画税及び市県民税(普通徴収)に拡大した。

 4 必要経費(導入時とランニングの経費)
                       (単位=千円)
区分 17年度 18年度 19年度 20年度以降
経費合計 8,000 44,823 68,965 77,905
(1)初期費用 8,000 36,737
(2)運用費用 8,086   68,965 77,905
     (1)は、導入前のシステム改修とそれに伴うテストに要した費用
手数料が1件あたり55円で契約している。

 5 平成20年度の対象税目、課税件数、収納実績
   市県民税(普通徴収)では、総納付数957,212件の内コンビニでは318,334件、33%
   税額41,973,527千円の内コンビニでは6,755,062千円、税額で16%
   固定資産税では件数では13%、税額で4%
   軽自動車税では件数で48%、税額で47%
  コンビニ納付のうち約6割は、金融機関の営業時間外の利用であるとのこと。

 6 想定された課題など
(1)納付書がブッキングできないこと
市県民税(普通徴収)及び固定資産税・都市計画税は、納期が年4回に分かれているため、納税通知書は、従来、4期分の納付書などを取りまとめ、左端をホッチキスで止めて冊子の形にしていたが、コンビニ業界の事情により、納める期の納付書のみをコンビニに持ち込んで納付してもらうことになるため、納税通知書を冊子として送付することができなくなった。
  このため、納税通知書送付用の封筒に注意書きを記載しているが、初年度の平成19年度には、納税者の方から、「納付書がバラバラで紛失する」「納付の順番を間違える」などの苦情があったものの、翌年度以降はほとんどなくなった。

 (2)契約上使用期限があること
 収納代行業者の変更等に対応するため、契約終了日などを納付書の使用期限(納付書に印字するバーコード上に表示)を設けなければならない。
 使用期限後にコンビニで納付しようとした納税者の方からの苦情は今でも若干受けているが、すぐに使用可能な納付書を再送付するか、銀行などの金融機関での納付をお願いすることで対処している。

 (3)収納金額の上限が30万円であること
 コンビニで取り扱いが可能な金額は、コンビニ業界の事情により、納付書1枚当たり30万円以下とされているので、30万円を超える場合はコンビニでは収納できない(30万円を超える納付書には「バーコード」を印字しない。この点に関しては、現在まで苦情は1件も受けていない。

 (4)延滞金が収納できないこと
 納期限を経過し延滞金が加算されるときは、銀行などではその日現在の延滞金を計算して同時に収納するが、コンビニでは、バーコードに表示された金額しか収納しない。
   このため、延滞金が加算される場合は、後日、区役所から『延滞金のみの納付書』を改めて送付している。

 7 今後の予定
 利用件数も増加しているので、今後も継続していくが、新たな収納方法の導入などについて検討を行っていく必要がある。

II 福岡市地域防災計画について

 1 見直しの経緯
【福岡県西方沖地震以降について】
 平成18年度改訂の際は、17年3月の「福岡県西方沖地震」を踏まえて、震災対策編の大幅な見直しを行ったが、当時は、新しい被害想定が発表されていなかったため、従来の古い被害想定で見直しを行った。
【平成20年度以降について】
  ○H19年3月19日文部科学省地震調査研究推進本部において警固断層長期評価公表
  ○H19年6月9日福岡県より警固断層被害想定報告書受領
   平成20年度の地域防災計画の修正については、文部科学省地震調査研究推進本部による警固断層帯の長期評価や福岡県から公表された警固断層帯の被害想定を踏まえて、震災対策編を中心に見直しを行うほか、各防災関係機関が相互連携のもと、本計画の有効な活用を図るため、必要な修正を行った。
【平成22年度の見直しについて】
   7月の豪雨災害を受け、現在、風水害対策編を中心に見直し作業を行っている。

 2 主な見直し項目

 3 職員参集システム配信の概要

 4 今後の課題
  (1)情報通信機能の拡充
   ・福岡市防災・危機管理ホームページのサーバー容量の拡充
   ・福岡市災害対応支援システムの機能強化
  (2)職員の配備態勢や支援態勢の見直し
   ・気象状況や災害状況の変化に即応できる態勢づくり
  (3)地域・各区・本庁の連携体制の再整備
   ・自治協議会や自主防災組織との連携による被災状況等の把握
   ・災害情報や防災情報の迅速力・的確な相互伝達を図るため連絡体制の再整備
  (4)災害状況等に応じた適切な避難所の開設
   ・災害状況、施設の被害状況や地域の状況等に応じた避難所の開設と市民への周知
  (5)洪水ハザードマップの改善
   ・浸水しやすい地域の周知と水害時の対応により一層役立つマップヘの改善

○ 福岡市緊急時職員参集システム

 1 システム概要
  福岡市緊急時職員参集システムは、福岡市災害対策本部設置時の職員配備計画に基づく職員を参集するために、携帯電話のメール機能を利用した参集システムで、職員各人が自ら、本システムに「氏名」、「所属」、「参集グループ」を登録することにより、災害対策本部設置時に配備計画に基づいた参集メールを配信し、職員からの返信により参集状況等を把握するものである。

 2 導入経緯
  以前は、「おつたえ君」という電話回線を利用したシステムにより、参集連絡を行っていたが、参集連絡に40分以上かかることや大規模災害時に通信が途絶することが想定されることから、迅速な初動体制を実現するため、後継システムとして携帯電話のメール機能を利用した参集システムを構築した。

 3 現状や課題
  福岡市緊急時職員参集システムは、職員各人が自ら、本システムに登録することにより、災害対策本部設置時に配備計画に基づいた参集メールを配信し、職員が安否及び参集の可否を返信することにより参集状況等を確認するものであり、職員個人の携帯電話のメール受信及び返信時に通信料の費用負担が発生するため、職員の協力のうえに成り立つものである。
  大規模災害時に迅速な初動対応を実現するため、全職員(携帯電話のメールを利用することができない職員を除く)が登録する必要がある。また、携帯電話のメールを利用することができない職員については、他の手段により必ず連絡が取れるよう体制を整備する必要がある。
  ※職員数に対する参集システム登録者割合約65%

 4 課題に対する取組内容
  大規模災害時に迅速な初動対応を実現するため、全職員に本システムの導入目的を理解してもらい全職員(携帯電話のメールを利用することができない職員を除く)登録となるよう、各局、区、室総務担当課の協力により登録斡旋を行っている。
  また、職員が本システムの運用方法を習熟するために運用訓練等を定期的に実施している。さらに、災害対策本部設置時に迅速な初動対応を実現するために、本システムが利便性の高いシステムとなるよう見直しを行っていく。

 5 費用
 (1) 構築費用約300万円
 (2) 運用・維持管理費用約100万円

[福岡市視察所感]

 市税のコンビニエンスストアによる収納について、本市においてはまだ実施されていないが、導入に至るには、収納代行業者のコンビニエンスストアを決定するための評価方法、支払う手数料と徴収率などの費用対効果の検証、また各コンビニやコンビニ本部でデータの管理や個人情報保護の問題、コンビニでは納期内収納しかできないなどの課題があることがわかった。
 福岡市では、市税のコンビニエンスストアによる収納導入により市税の徴収率の上昇ががはっきり見られるわけではないが、納期内収納の向上は見られているとのことで、取扱金融機関の閉店後の時間帯にコンビニで収納がされている実態からして、現実的には利便性が図られ市民サービス向上につながっていると考えられる。
 最近では全国的に金融機関の統廃合などにより、納付窓口である金融機関の店舗が郵便局を含め減少していることから、本市においても、市民(納税者)の利便性の向上を図る上からも24時間対応可能なコンビニでの収納は大いに参考としたい。
 福岡市地域防災計画の見直しについては、平成17年3月の「福岡県西方沖地震」を踏まえて、震災対策編の見直しに重点をおかれてなされているが、7月の豪雨災害を受け、来年度に向け現在は風水害対策編を中心に見直し作業を行っている。その中で今回特に福岡市緊急時職員参集システムは本市にも応用できるものと感じた。気象台の情報と連携をした携帯電話のメール配信機能を利用したもので、職員各人が自ら登録するものだ。今までの電話連絡による参集に比べると、簡単な作業で連絡が可能という利点はあるが、返信メールで参集状況を把握するために費用発生の問題や、登録が各自任意のため現在市職員の65%程度の登録となっている点は課題であると感じた。
 本市においても政令市で区割りがなされ、避難場所などについても地域防災計画見直しの中で検討が必要とされている。そうした中でぜひこういったものも検討していただきたい。

 

平成21年11月11日 【福岡県北九州市】

危機管理室の体制について

 1 危機管理室の行政機構、所管事項、職員配置の概要
  北九州市消防局の会議室において説明を受けた。危機管理室は総合調整・計画調整部門であり、実際に実働部分となるのは消防や区役所の担当課。
  災害は非日常的で本来業務ではなく実際の経験があまりないので訓練が必要。
  18政令市中6市を除いて、危機管理室は消防局にあるとのこと。

 2 24時間体制の運用の仕方
 平成21年4月、消防局危機管理室となり、防災機能と危機管理の一元化が行われ、資材機材の活用、24時間365日夜間を含めて迅速な対応が可能となったとのこと。

 3 災害発生時における職員の災害対応体制

 4 災害時における区役所との連携方法
 区ごとで災害の程度や状況が違うために、区ごとに見合った応援が必要で役割分担をしながら、情報の分類、精査し判断していくことが必要とのこと。

 5 防災公園の有無

 6 防災対策関係課の組織再編成の時期、経緯
  平成8年4月組織改正
 風水害を中心とした想定から、阪神・淡路大震災を教訓に、地震対策に比重を置く必要があり、地震災害は予知が困難であることから、24時間対応可能な初動体制が確立されている消防局において防災業務を担当することになり、担当部局が市民局(行政部門)から消防局へ変わった。

  平成17年4月組織改正
 頻発する自然災害や大規模な事故(H13.7明石市の花火大会事故、H16.10新潟県中越地震、H17.3福岡西方沖地震)、これまで想定していなかった事案発生(H13.9 BSE問題、H16.1鳥インフルエンザ)、国民保護法の制定(H16.9施行)
 総務市民局安全・安心部(行政部門)⇒危機管理ライン新設(課長職・係長職・係員の3名)

  平成21年4月組織改正
 市役所組織の危機管理体制を強化し、市民生活の更なる安全・安心感の向上を図るため、自然災害、大規模な事故等の防災を所管する「消防局防災対策部」と武力攻撃やテロ等国民保護、その他の危機管理を総括する「総務市民局安全・安心部の危機管理ライン」を統合し、「消防局危機管理室」を設置した。

 7 新体制での問題点、今後の課題
 危機管理体制の強化(防災と危機管理の一元化)により24時間、365日の体制となり指令課(消防指令センター)を活用した情報収集、伝達の強化で消防署と連携した初動体制の迅速化が図れた。全庁的な訓練を通じて、職員自身が自分の役割を初めて認識したりするが、経験があれば災害時に行動はできる。地域の方々を含めた訓練と市役所内部の訓練の充実が必要。
 実際に災害の状況を把握しているのは、現場の職員であるので、その情報が早く伝達されることが必要。


防災対策部

災害対策本部室
(大規模災害発生時の対応活動拠点)

[北九州市視察所感]

 本市は、比較的温暖な気候で晴れの日も多く、災害も少ないとされているが、異常気象による都市部での豪雨災害などはいつ起きても大丈夫なように備えが必要である。
 今回、視察先の北九州市においては、平成21年4月組織改正により危機管理体制を強化し、総務市民局安全・安心部の危機管理ラインと消防局防災対策部を統合して消防局危機管理室を設置した。防災と危機管理の一元化により消防指令センターを活用し24時間、365日の体制としたことは、市民の安全・安心の推進に役立っていると感じられる。
 市民からの災害等の直接連絡は区役所の担当課や消防へなされるため、迅速な初動体制が取れるようになったことがメリットだという。ただ統合されたことで、消防局が本庁舎から離れたところにあるために、会議などでの各関係課との意志の疎通や情報の共有を図ることが大変であったり、他局との調整や連絡に温度差が出ている状況も見受けられた。
 ただこれらの事柄は、組織の改正があれば少なからず起こるものと考えられ、それよりも今回の改正で初動体制の充実など、市民に対して安全・安心な生活につながる備えとしてのメリットのほうがより大きいと感じられた。
 岡山市も政令市となり市域も広がったので、万が一の災害が起こったときに迅速な対応をするためにも大いに参考としていきたい。

担当:則武宣弘 2009年11月11日

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11月9日(月)・10日(火)・11日(水)2009市民文教常任委員会 視察報告

 岡山市市民文教常任委員会には公明党岡山市議団から松田安義委員長と私・竹之内の2名が所属しています。
 今回は、安全安心ネットワーク担当局、市民局、教育委員会に関連する項目について以下のとおり視察を行いました。

11月9日 我孫子市

「提案型公共サービス民営化制度」について

 福島前市長の発案で、平成18年3月に始まった当制度は、官が選定した事業を民営化や委託化するのではなく、例外なくすべての事業を公表して民間からの提案を募集する点に特徴があり革新性があります。(私も昨年1月に行われた「地方行革をともに考えるシンポジウムin広島」で学びました)
 しかし、1次募集79件、2次募集6件で採用37件、うち実施17件という実績と推移から見えることは、提案者に旨みがない、提案者の熱意等が反映(実行)されにくいという課題です。
 例えば、平成19~20年度実施分17件のうち随意契約は3件で他14件は競争入札になっています。提案し、当局と何度も協議や検討を重ねても(この間、かなりの時間と労力が要るのですが)アドバンテージがないのでは、レスポンスが落ちるのも致し方ないのでしょう。
 我孫子市では本年(21年)、3次募集にかかるようですが、このあたりの課題がどうクリアされたのかが不透明に感じられました。
 また一方で、財政事情が悪化しており、サービス向上や民間活用という目標をコツコツ積み上げること以上に、大胆な事業仕分けで健全化へ早急に舵を切らなければならなくなったという事情も影響しているようでした。
 ともあれ、ともすれば消極的でリスクを避けたがる行政にあって、トライアンドエラーを繰り返すチャレンジングな姿勢は評価されるべきですし、民間の視点で事業を点検し、民間の力を活用するとともに、サービスそのものを向上しようという立ち位置を標準に据えられたことは、見習いたいところです。

「NPOとの協働」について

 最も力を注いでおられる点は職員の側の意識改革にあると感じました。
ひとつには、協働を実りあるものとするには、行政(職員)がどのようなスタンスで関わっていく(対応する)べきなのか、そのルール(指針)づくりと教育に取り組んでおられました。
 また、その過程で、若手職員の研修だけでなく、管理職へのアプローチが欠けていた点について修正をかけようとしておられました。
 岡山市にも同様の課題があるのではないかと感じます。

11月10日 磐田市

「多文化共生の取り組み」について

 磐田市の多文化共生には前提としての特徴がある。
(1)ニューカマーが多い、(2)ブラジル人が圧倒的に多い
 彼らは製造業の補完労働力として急増した外国人登録者であり、磐田市での多文化共生に対する取り組みも、発端となったのは、彼らによるゴミ問題と夜間の騒音問題であった。
 一方、受け入れ企業や人工集住地区がクッキリと色分けできることから企業や自治体もそれぞれ(あるいは連携した)取り組みを行ってきている。
 まず、行政の取り組みで優れているのは、

  1. 外国人登録の際に、外国人情報窓口を設置し、丁寧なオリエンテーションを行っている。
  2. 多文化交流センターを2カ所設け、支援や交流を行っている。
  3. 窓口だけでなく、乳幼児健診等に通訳を配置している。

 いずれにしても、言葉の問題の解決が1丁目1番地であることは間違いない。
しかしながら企業の経営悪化が深刻な中、行政の対応も従来から方向転換を模索している。
 それは、日本語が解らなくても生活できてしまうというのが却ってよくないのではないかという主題である(景気悪化の影響をまともに浴びることになるから)。フルメニューのサービスを用意するよりも日本語を習得し自立する方向へ誘導しようと考えておられるようだった。
 岡山市へこれらの取り組みをそのまま持ち込めないものもあるが、積極的な対応は見習わなければならないと感じた。

11月11日 京都市

「不登校対策」について

 京都市の不登校への対応は充実している。
不登校児は1000人弱、在籍校以外での学習(通学)を希望する場合は相談窓口が一本化されており、そこからその子に合った支援へと繋いでいる。
 また、カウンセリング機能(パトナ)の充実も目立つ。年間、延べ17000人を40名を超えるカウンセラーが相談対応しており支援が厚い。
 こうした相談機能とともに、受け皿施設が開設されていることも見習いたい特徴だ。
不登校になった子が登校できる中学校2校は進学希望に対応でき(学習保障)、実際に進学を可能にしている。

 一方、児童相談所との連携強化策として本年度から教育相談総合センター(パトナ)との兼務辞令を出しており(1名)、縦割りのミゾの解消を意識している。
 統合で空いた学校を利用している点も、岡山市の課題に符号する点を感じる。
まさに、深柢小学校跡地の活用策として(1)「不登校対応の中学校」と「教育相談総合センター」、(2)それに私が提案している「発達障害者支援センター」と「療育施設」、(3)さらに先般豊橋で視察した「こども未来館」を複合したワンストップ施設が望ましいのではないだろうか。

担当:竹之内則夫 2009年11月11日

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11月5日(木)・6日(金)岐阜市・大府市・豊橋市 視察報告

1.岐阜市

 11月5日・6日の両日、則武・中原・竹之内の3人で、改革派の細江岐阜市長が掲げる「市長と市民の皆様との4年間の約束」のうち、以下の6課が行う事業について、視察させていただいた。

(1)視察項目

 日本一心と体が健康な岐阜!「だれもが住みたい安全・快適の岐阜の実現」
 日本一元気な岐阜市のシルバー・ルネッサンス!「高齢者パワーみなぎる岐阜市宣言!」
 日本一元気な岐阜市役所! 「行政改革の継続で洗練された市役所への転換」

(2)視察内容及び所見(以下は現地での調査順にそのポイントをまとめたもの)
◆行財政改革

 何といっても民間(三井物産)出身の細江市長が「迷いなく民営化」と、方針を明確に打ち出したことで一定のコンセンサスが生まれている。職員組合も、反対の立場ではあっても一定の理解がある。
 見渡してみて感じるのは、ひとつひとつの改革が飛び抜けてすごいというよりも、満遍なくできることは何でも取り組んでいる結果が、中核市NO.1の行革につながっている点である。(以前訪問した福岡市が、トップランナーではなくても「先例市を見て、改良して取り入れていく」のを強みと位置付けて取り組んでおられたのを思い出した。)
 個々の取り組み事例は割愛するが、直営事業の民営化・委託化、外郭団体、補助金と、随分推進していた。

◆高齢者の健康づくり活動

 岐阜市の健康づくり活動の特徴は、保健師が核になって担っている。
彼ら(彼女ら)は拠点に閉じこもらないで地域に密着、待ちではなく出向いて住民の中へ入っていく。(例えば地域のウォーキングにも参加している。)
 市内10か所のふれあい保健センターを比較すると、高齢者割合をはじめそれぞれ特徴がある。
 そこでまず、自治会や社会福祉協議会などでつくる地域会議(50の小学校区で、小学校区単位)が地域の健康課題を話し合い、それぞれの地域ごとの健康計画を3年かけてつくっている。(そこに保健師がアドバイスに入っている。)
 また、健康づくりにおける関係各課のコーディネイトは健康増進課がリードしており、縦割りになりがちな隙間を埋めている。
 一方、保健師だけではなく、地域リーダーを積極的に養成しており、筋トレサポーターは平成17年以降400人が講座を修了している。そして、そのサポーター同士の協議会も本年立ち上げ、連携も強化している。

◆市民と協働のまちづくり

 50の小学校区には自治会連合会があるが、市民による地域の主体的なまちづくりを目指し「まちづくり協議会」の設置を推進(現在13の区に設置)。
 その中のひとつ「本荘まちづくり協議会」は、多くの協議会が各種団体の代表で構成される中、ユニークな取り組みを行っている。
 地域の各種団体と保育所、幼稚園、小中高校、介護・福祉事業者、スーパーマーケット、コンビニ、新聞販売店、病院、企業など68団体が構成員となって安全安心なまちづくりに取り組んでいる。
効果は次のとおり。

  1. それぞれのプロが得意分野で協力することで財政支援と同等の効果を発揮している。
  2. 協議会員の多さ・多様さが事業展開のボリュームと多様さを支えている。

 このように地域自治のひとつのモデルとして成功している。
本市では、協働の形態として職員派遣や各種補助(金)制度からのアプローチも考えられるが、参考にすべき事例であると思われる。

◆公立保育所の民営化

 第1次民営化(平成14~16年)を推進するにあたって、どこの都市でもあるように一定の反対運動は起こっているが、結果として、そうした反対の根拠は、民営化園の努力もあり、保育の内容・運営が市立以上の評価を受けた(アンケート結果)ことで、第2次民営化を推進することを可能にしている。
 公立は良くて私立はダメという、反対は、実態のない批判だということがここでも証明されている。
 また、サービスの向上だけでなく、1か所あたり3000~4000万円のコスト縮減を果たしており、成果を上げたといえる。
 ちなみに、発表から移管までを2年で行っているが混乱も起こっておらず、岡山市の腰の引け方が目立つように思われる。
 条件面を見ると、建物は無償譲渡、土地は無償貸与(5年更新)としており、市内事業者などの縛りはない。むしろ受ける社会福祉法人に対して市がいかに魅力ある条件を提示するかが多くの園を民営化する際には必要だと思われる。

◆職員の意識改革

 民間企業等から職務経験者を7年間に143人と積極的に採用している(全体の8.8%)姿勢については見習うべきであるが、それ以外については、出来映えが良くないということではないが、新たな触発・ヒントになる事例がなかった。
 岡山市と同様に、伸びる人材を伸ばすメニューは工夫されているが、要するにやる気を失った職員の意欲ややる気を高める手法や仕組みが残念ながら確立されていない。

◆市民協働の手作りコミュニティバス

 「全国のコミュニティバス事業でどこか参考にされた事例がありますか」とお聞きしたら、「ありません、自分たちで考えました」とのこと。
 行政と地域(市民協働)との距離感が大いに参考になる事例だと思う。
バス事業者は通勤・通学を軸に効率化するため、日常生活における交通空白地域や不便地域ができており、一番困っているのは高齢者---。
そこで、その困り感に応じて、

  1. 地域と運行事業者、市で「運営協議会」を設置し、運行計画を立案。2年間のトアイアル。
  2. 2年間の試行期間に客観的な基準(高齢者密度に応じた補助基準15~40%あり)をクリアしないと本格運行へ進めない。

 要するに、収支基準が設定されているので、自分たちで自分たちの足を確保する努力と工夫に地域をあげて取り組まざるを得ないということ。
 乗車率アップには、細かく回る、停留所の間隔を短くするという要素と、目的地に早く着けるという要素を整理する必要があるし、収支にも1日何回の周回運行にするかという調整があるし、告知媒体や広告料など出ると入るの関係も。住民対行政なら収拾が着きにくいのだろうが、地域でまとめて折り合いをつけなければ運航が継続できないので、どこかで効率化のルールが働いている。
 また、地域と言ってもあらかじめ決まった地域というものはなく、店舗や病院、福祉施設などを目的地とした生活圏(結果として多くは中学校区のようだが)に収斂している。

 調査に行く前は周辺の過疎地対策をイメージしていたが、この事例の優れて参考になった点は、岐阜のコミュニティバスはどちらかというと都市型だということ。
 つまり、岐阜市の行政がコミュニティバスの補助限度(10ルートで10億円/年)を上記基準で決めた際、それを下回る効率しか出ない地域は、別の手法で支援することになるとジャッジしている。
 岐阜市の事例はこのように、新たな挑戦として基準を示した点で、参考にし、研究すべきである。

2.大府市と豊橋市

 岐阜市に続いて、11月6日は、愛知県大府市にある「JAあぐりタウンげんきの郷」と豊橋市の「こども未来館ココニコ」を視察した。
 これらはどちらも「おかやまファーマーズ・マーケット サウスヴィレッジ」や「デジタルミュージアム岡山」、「深柢小学校跡地」などの活用という本市の課題対応を視野に入れたもの。

◆「JAあぐりタウンげんきの郷」

 運営ノウハウや実績は素晴らしいが、問題は「おかやまファーマーズ・マーケット サウスヴィレッジ」に置き換えたときに、行政として可能なのかという点。(げんきの郷は株式会社)
 反面、農家が生き残る、将来のモデルのひとつとしての魅力や、年商37億円・年間200万人の集客装置としての魅力は行政として取り組むべき事例ではないかと考える。
 また、本市の特徴である農家戸数の多さや恵まれた交通アクセスを思えば、JAとの共同研究を始める手もあるのではないか。

◆「こども未来館ココニコ」

 初年度(1年間)の利用者が約60万人、まったく申し分ない成功例だ。
また、市外からの来訪者が4割というから、潜在的な需要が多いことが推測される。
 運営は直営+1部指定管理+ボランティア(170人登録あり)、年間コストは2.4億円。
なぜか本市にはこうした施設はない。中心市街地の活性化にも奏功しているようだが、もし本市に導入するとすれば、岡山駅から東西南北にそれぞれ1駅程度ズレた方が機能しやすいような気がする。
 余談だが、子育て支援は現金給付よりも保育をはじめとしたインフラ整備が大事だと改めて感じさせられた次第だ。
 子育てや教育部局はもとより、企画局あたりが視察することをお勧めしたい。

 ちなみに、岐阜市のコミュニティバスでもお聞きしたが、「JAあぐりタウンげんきの郷」も「こども未来館ココニコ」も模倣モデルはなくオリジナルの成功例。しかし良いものは福岡市のように積極的に取り込むべきであろうと思う。

担当:竹之内則夫 2009年11月6日

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10月30日(金)・31日(土)「日本女性会議2009さかい」参加報告書

 10月30日と31日の2日間、高月、中原、竹之内の3名「日本女性会議2009さかい」に参加しました。全体会も分科会もいくつかの中から選択して参加できるようになっていましたので、各自の関心や調査テーマに合わせて受講しました。
 今回は、私・竹之内が参加した講演の模様を報告いたします。

 私にはジェンダーについての充分な見識はありませんでしたので、男女共同参画・次世代育成調査特別委員長をさせていただくこの機に、まずはじっくりと現状について学び、国において、また市においての課題を形成するために、日本女性会議に参加しました。

 参加したコマは次の3つです。
   (1)全体会(女性差別撤廃条約と国際社会の役割)
   (2)分科会(ジェンダー平等教育を考える)
   (3)全体会(ワーク・ライフ・バランスはすてきな経済対策)

 まず、与謝野晶子の詩から100年の時を経て、「山の動く日きたる」を大会テーマとした堺市が、ジェンダー平等に対して日本では最も早くから取り組んだ先進都市であることを知りました。


(オープニングでの大筆によるパフォーマンス)

 次に、今回の学びについて、以下ポイントを要約して列記します。

◆固定的性別役割意識

 日本は、男女の固定的性別役割意識が、実は最も根強い国です。私は指摘としては知っていましたが、今回、育児休業率が女性90.6%、男性1.23%というデータをその端的な事例として再認識することで、その根強さ根深さを理解することができました。
 また、結局その意識が、就業や家事における役割分業をいびつに特徴づけてしまっていることも再認識しました。

◆学校教育の現状と男女共同参画社会に向けた課題

(1)学校教育の現状

 兵庫県が中学2年生を対象に行っている「トライやる・ウィーク」は、生徒が学習先として選ぶ企業はジェンダーバイアスがかかっているということ、「選択に違い」が起こっているという事例でした。(私は、1週間にわたる職場学習そのものにも興味を持ちましたが)
 これは、風景やロールモデル(お手本)が、ジェンダー差別を再生産してしまっているという指摘です。
 幼稚園から大学まで、校長・園長などのトップも職員も女性比率には特徴があります。また、大学の職位別(教授~助手)にみても、専攻科目(人文科学、理学、工学・・・)でみても女性の比率には同様に著しい特徴があります。男性はテクノロジー系へ、女性はケア系へといった具合です。例えば研究者に占める女性割合の国際比較をしてみても、日本は女性の能力が最も活かされていない国になっています。
 バイアスを見て育つ流れを断ち切るためには性に中立な環境を作る必要がありますが、すでに社会にバイアスがかかっている以上、教育の課題として取り組むしかありません。
 また教育だけでなく、「トライやる・ウィーク」の事例で学んだのですが、行政や企業などがバイアスを是正するためのメッセージを出す必要があります。例えば女性が選択しそうにない場合「男女」双方に呼びかけるなど意図的なアプローチが、改善のためには重要となります。
 次に、いわゆる「進路」の問題ですが、卒業したら多くの男女の人生はまるで違うということを生徒は教わりません(私も習いませんでした)。例えば労働3法は教えても(習ったはずだけど覚えていません)、M字カーブについては知らないままです。私自身、学生時代は男女ともにテストの点数で性差なく絶対評価でしたから、男女は対等というのが肌間隔ですけれども、その延長で進路指導が行われますから、女性にしてみれば、社会に出てどう生きるのかを教えてはもらえないし、触れられもしない、というのが現実であり(教育の)課題でもあります。

(2)ジェンダー教育

 一方、男性も男が家族を養うという意識を背負わされていますので、経済的役割を果たす十字架を背負って社会に出ます。この「当たり前」が立ち行かなくなると、自信喪失、うつ、自殺などとして社会問題化することになります。
 また、役割に忠実に働く一方で、仕事以外の生活の自立ができなかったり、地域生活や子育てに関わらなかったことが、定年後の生き甲斐喪失や暮らしにくさとして顕在化することになります。
 そこで、男らしさとか、役割期待の生き辛さから男性を開放するのもジェンダー教育の役割です。
 さらに、今「女性の側に起こっている」問題は、女性の側に問題があるのではなく、男性の側の問題、つまり男性が女性の問題をつくる原因になっている(女性問題=実は男性問題)ことについても、男の子を将来加害者にしないために教育が率先して取り組むべき課題です。

(3)政治的課題

 今から15年ほど前、1990年代の半ばまでは、「自分は定職につけない・つかない」、あるいは「自分は結婚できない・しない」ことを想定している男性はほとんどいませんでした。しかし今は、男性の自立や男女の格差を言う以前の状態です(限られた雇用のパイ)。
 ちょうど同じ15年ほど前、経済界が、1995年の「新時代の日本的経営」という日経連の提言に沿う形で雇用の3分化を図り、非正規雇用を拡大してきたことについては政治が一定の役割を果たしてきたことを考えれば、雇用に関する法整備についても一定の検討が必要になると思われます。

◆その他の学び

(1)多文化共生社会について

 日本在留外国人220万人、海外在留邦人110万人、まずデータでその人数の多さを認識、そして日本では16組に1組が国際結婚です。
 結果、日本に暮らすマイノリティ女性やその子どもは様々なハイリスクに直面していることを知りました。ここは行政の役割です。

(2)CEDAW(女性差別撤廃委員会)

 選択議定書批准については、国内における法的判断が国際スタンダードに照らしてどういう位置にあるのか。つまり、自分の権利が国際的にどういう位置に置かれているのかを判断できるようにするには、批准が不可欠であることを理解しました。

(3)無防備な性教育

 2000年以降、性教育へのバッシング(ジェンダーバックラッシュ)があってから、日本の先生は憶病になっているとの指摘がありました。しかし、先進国でHIV感染者数が増えているのは日本だけです。また若者の15人に1人は性感染症です。こちらも対策が急務です。
 北欧では、地域で子どもたちが無料で相談できるのセクシャルヘルスクリニックが開設されており、市営病院の一角がアドバイスセンターになっているといった環境整備についても比較がありました。性教育のあり方と併せ、行政として対応のあり方を検討する必要があると感じました。

担当:竹之内則夫 2009年10月31日

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10月27日(火)「脳脊髄液減少症」の普及啓蒙と更なる支援の拡充を!

 10月27日患者・家族支援協会の中井宏代表理事から要望をお聞きしました。

 公明党岡山市議団則武団長、高月政調会長、中原保健福祉委員と吉田県議、増川県議の5名で、市役所にてNPO法人脳脊髄液減少症患者・家族支援協会の中井宏代表理事から、「脳脊髄液減少症」の患者支援に対する要望をお聞きしました。
 患者・家族支援協会は交通事故などの衝撃で髄液が漏れ、頭痛やめまいなどを引き起こす「脳脊髄液減少症」の普及啓蒙に力を注いでこられました。行政や教育現場での理解が着実に広がり、本年10月1日現在、全国では32府県の公式ホームページで治療可能病院を公開するまでになりました。しかし患者数が多いとされる岡山県ではまだ公開しておりません。
 また、学校での体育や部活動などでの事故が原因で、児童・生徒が発症する事例があり、学校関係者の理解が求められます。18歳以下の子どもさんの場合、早期発見で治癒率が高いとされています。2006年11月、池坊文部科学副大臣(当時)が患者・家族団体から(1)児童・生徒の健康状態の確認 (2)脳脊髄液減少症の学校関係者への研修――などの要望を受け、文科省は2007年5月31日付で、都道府県教育委員会などに対して、同症の周知と学校現場における適切な配慮を求める事務連絡を出しています。
 脳脊髄液減少症に対する厚労省研究班による診療ガイドラインが2009年度末までに作成されることになっており、このガイドラインができれば、診断基準や治療法の確立、むち打ち症との関係性の分析などが行われ、医療関係者をはじめ社会の理解が大きく広がり、保険適用への道が開けるものと期待されています。
 中井代表理事は、岡山県でも公式ホームページで治療可能病院を公開すること、学校関係者への研修、治療現場への視察などを要望しました。
 患者・家族支援協会が製作されたDVDを視聴しましたが、中学生で発症、診断されるまで多くの病院を受診し、治療開始後も病気と格闘しながら家族や友人をはじめ多くの理解者や支援者に支えられて高校を卒業したYさんの姿に接し、同症の正しい理解と普及啓蒙が大切であると認識をいたしました。11月13日に独立行政法人・国立病院機構福山医療センターに視察に行く予定です。

担当:中原淑子 2009年10月27日

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10月21日(水)「子育て応援特別手当の執行停止」に関しての緊急申し入れ

 平成21年10月15日付け厚生労働省雇用均等・児童家庭局長名で「子育て応援特別手当(平成21年度版)の執行停止について」の通達が地方自治体宛てに出され、併せて長妻厚生労働大臣名で都道府県知事、市区町村長および支給対象者に対し「お詫び」の文章が出された。
 しかしながら、「子育て応援特別手当」は、平成21年度補正予算で事務費を含め1,254億円の予算を盛り込んだもので、対象者は全国で330万人にのぼり、幼児教育の無償化に結び付けるため2か年度にわたって連続的に行う位置づけのものであった。
 本市における対象者は約21,000人で、すでに予算額7億5,600万円についても議決されており、システム改修委託契約がなされ、10月1日を基準日として対応を考えていたところである。
 このように多くの地方自治体において、すでに具体的な手続きを進めている状況のなかで、政府における一方的な執行停止の決定は、対象者の期待を裏切るものである。また、このことで地方自治体の混乱を招き、全国知事会など地方6団体も「地域主権をうたう新政権への期待を損なうものだ」と抗議する声明を出している。こうした状況を鑑み、下記の事項について申し入れる。

  1. 政府に対し、一方的な「子育て応援特別手当」の執行停止について厳重に抗議をすること。
  2. 市民および対象者に対し、政府の一方的な「子育て応援特別手当」の執行停止について丁寧に説明をすること。
  3. 本市独自において、「子育て応援特別手当」の支給を検討すること。

担当:則武宣弘 2009年10月21日

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9月29日(火)9月議会個人質問

(1)乳がん・子宮頸がん検診を開始して

 去る7月31日、乳がん子宮頸がん無料検診が始まりました。世界の各国が癌による死亡者数が減少している中で日本は、罹患者、死亡数とも増加しています。そこで検診による早期発見で、特に若い女性の死亡を抑えるために実施された政策です。60歳でクーポン券が届き、受診した女性の乳がんが発見されました。早期発見が出来たことを大変喜んでおられます。実施から約2ヶ月が経ちましたが、受診状況と来年1月まで実施される今年度の受診を、もれなく受けていただけるように、中間での受診状況の把握と受診勧奨啓蒙をお願いいたしました。

(2)男女共同さんかく社会の実現へ向けて

 政権が変わり、消費者・食品安全・男女共同参画・少子化対策担当大臣として、福島みずほ議員が就任されました。「女子差別撤廃条約」の女子差別撤廃委員会が7月下旬、日本政府の審査を行い、「戸籍制度及び相続に関する諸規定において差別が継続している」として、「婚外子及びその母親を差別する民法及び戸籍法の差別を廃止するよう要請する」という勧告を、下しました。少し長くなりますが女性差別撤廃条約について述べておきます。1979年12月18日に、国際連合第34回総会で採択され、1981年に発効されました。政治的・経済的・社会的・文化的・市民的その他のあらゆる分野における男女平等を達成するため必要な措置を定められています。この条約の特徴は、法令上だけでなく、事実上、慣行上の差別も、条約の定める差別に含まれると規定している点であります。また、私人間及び私的分野も含めた差別撤廃義務を締約国に課しているものです。署名国は98 締約国は185 (2006・11・2現在)。日本は1980年デンマーク国連婦人の10年中間年世界会議で署名、1985年6月25日条約批准しています。批准に際しては国内法整備を行わなければならないため、「勤労婦人福祉法」を改正し、「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等女子労働者の福祉の増進に関する法律(男女雇用機会均等法)」に改題しました。国籍法の改正と高校家庭科を女子のみの必修から、男女必修として普通教科としました。女子差別撤廃条約の選択議定書を批准するとさらに男女平等が前進いたします。岡山市においても厳しい対応と政策実施、評価がなされ、効果が上がる施策が求められる時期が近いので、改めて、岡山市の男女共同参画推進についてお尋ねいたしました。
 岡山市のさんかく条例で謳われている推進体制の強化ために、また多岐にわたる男女共同参画推進のために、課体制から推進室体制が望ましいこと、女性総合相談窓口の周知・強化徹底に必要、公募により民間からの館長を決定してさんかく岡山の活性化を図るよう提案を致しました。

(3)新型インフルエンザ対策について

 本格的な流行が予想より早く始まった新型インフルエンザに甘い予見は通用しません。感染の早期発見や急拡大の防止に自治体がどのように取り組むのか、想定外をなくし、冷静な対応が求められています。市民が安心できる取り組みが急がれます。そこで以下の質問を致しました。岡山市での患者数の把握と感染防止対策は。岡山市おける国、県や医療機関と連携した情報共有や機動的連携体制について、重症化しやすい高齢者や妊婦、乳幼児ら高リスク者対策について、高齢者の多い介護・福祉施設での集団感染を防ぐ対策の取り組みについて、学校現場、保育現場での予防策や対策マニュアル、岡山市で集団感染が起こった場合の入院数の想定について保健福祉局長の答弁を求めました。

担当:高月由起枝 2009年9月29日

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9月24日(木)9月議会個人質問

 高谷市政が実質2期目のスタートとなる9月定例市議会が閉会しました。住みよい「政令市・岡山」を築くため、市民の皆さまのご意見を反映し、以下の通り個人質問を行いました。

生きる力を育む教育の推進を!

キャリア教育の推進

 少子高齢社会、雇用の多様化などが進む中、子どもたちの進路をめぐる環境は大きく変化しています。学校から就職という形でスムーズに職業生活に入っていかない人の比率は近年急激に増加しています。私は義務教育の入り口となる小学校におけるキャリア教育は大変重要であると考え、現状と今後の方向について質問しました。

【答弁】
 現在、各教科の学習などを通して相互理解や自己肯定感を育んでいる。小学校の職場見学、中学校での職場体験学習、高等学校でのインターンシップ等のキャリア教育につながっていくものと考えている。今後、個々の取り組みをキャリア教育の視点からとらえ直し、子どもたちの認識や視野を広げていく指導が大切と考えている。

キャリア教育とは?
 児童一人一人の勤労観、職業観を育てる教育。  詳しくは文部科学省のホームページを参照してください。

ユネスコ・スクールへの参加

 持続発展教育(ESD)を学校現場へ普及・推進するための有効な手段の一つとして、ユネスコ・スクールへの参加、活用を提案しました。世界の活動報告など、定期的に最新の情報を知ることができ、日本国内だけでなく 世界中のユネスコ・スクールと交流を行う機会などが得られます。

【答弁】
 本年度、市内23の小中学校を含む88の各種組織がおかやまESD推進協議会から重点取り組み組織の指定を受け、58の小学校区において実践を進めている。新学習指導要領においては、持続発展教育が明確に位置付けられており、今後一層充実させるとともに、ユネスコ・スクールについて周知をはかっていきたい。

★☆ ユネスコ・スクールについて ★☆
 1953年、ユネスコの理想を学校現場で実現するため発足しました。現在、世界178ヵ国約8500校が加盟し、日本からは2009年6月現在、79校の幼稚園、小・中・高等学校及び教員養成学校が参加しています。
 ≪基本テーマ≫
(1)地球規模の問題に対する国連システムの理解
(2)人権、民主主義の理解と促進
(3)異文化理解
(4)環境教育


災害時要援護者の避難支援について

以下質問項目と答弁内容です。

災害時要援護者避難支援台帳の整備状況と今後の活用について

 学区毎に編集し、8月26日に安全・安心ネットワークの会長に渡している。非常時の避難支援、平常時の見守り活動について話し合っていただくようお願いしている。

地域防災マップの作成

 自主防災会で作成し、今年度からICTを活用した学区ごとの「地域避難計画基盤図」を作成し配布を行っている。この基盤図を基に町内会単位でICTを活用した地域マップ作成の支援をしている。

要援護者参加の避難訓練の実施

 今年度1学区において合同訓練の実施を協議している。

西宮市が開発した「被災者支援システム」の導入

 今後内容について情報収集し検討する。


子育て支援について

ファミリーサポートセンターの充実

 ここ2年ほど利用件数が急増し、今後も増加が予想され、対象者の拡大など更なる充実策を求めました。また依頼会員、提供会員、両方会員それぞれ人数は少ないけれども男性会員もいるので、企業なども広報の対象とすることを求めました。

ファミリーサポートセンター
育児の応援をしてほしい方(依頼会員)と応援したい方(提供会員)が相互援助活動を行うシステムです。
  市役所分庁舎6階 子ども福祉課内
  TEL:086-227-2525

休日夜間急患診療所に授乳室の設置を

 子育てにやさしい街づくり・・・乳幼児連れでの外出で最も気になることが、トイレと授乳です。最近では多くのスーパーやレジャー施設でも授乳室が設けられています。特に休日夜間急患診療所(岡山市民病院別館1階 086-225-2225)では緊急で子ども連れで訪れる場合が多いので、設置を求めました。
現在はスペースがない状況で、今後、診療所内の配置を検討する中で授乳室の設置を検討していきたいとの答弁でした。

担当:中原淑子 2009年9月24日

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9月24日(木)9月議会個人質問

 今回の個人質問は、1、岡山市への企業誘致について 2、「建設業と地域の元気回復事業」について 3、「改正農地法」の成立についての3点について質問させていただきました。

 岡山市への企業誘致につきましては、今までにも質問をしてきておりますが、企業側の岡山市への進出意欲を満たすためのメリットを何か作らなければいけないのではないか、また、岡山市にすでに進出してきている企業に対して、なぜ来たのかをアンケートでも取って調査してはどうかと提案させていただきました。そうすることによって我々の気づかない岡山市のいい面が再発見できるかもしれません。
 建設業と地域の元気回復事業については、せっかくメニューとして1協議会あたり2500万円の予算があるわけですから、うまく使うことができれば少しでも景気回復につながるのではないかと思います。
 行政がコーディネーター役をうまく果たして言ってほしいと要望いたしました。
改正農地法の成立に伴って、多くの事務処理が発生することと、現場での混乱が予想されますので、準備を怠りなく進めておくことが大切だと提言しておきました。

担当:松田安義 2009年9月24日

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9月24日(木)9月議会個人質問

 2期目の高谷市政のスタートにあたり、1期目に申し上げた提案の、その後の経過を点検しつつ、市政改善に向けた9月議会の個人質問を報告いたします。

1.行政改革について

 行政改革は、市長同様に、私が一貫して取り組んできた課題でもあります。今回も個々の事例を入口として、その奥にある問題点を共有し、また対策を提案しました。

(1)市民本位が優先されにくい組織風土

 6月議会で、取り組みを表明された、行政の匿名性の打破は、まるでアナウンス行政の見本のようで、ホームページはピクリとも変わりません。市民の皆さまに、「私が責任者ですので遠慮なくお申し付けください」と、名前をオープンにすること、たったこれだけのことに、抵抗する役職者がいるのです。

市長に、課題や指示に対する、職員のレスポンス、各組織の反応を「見える化」しないと、組織を刷新できないことを訴え、仕組みづくりを求めました。
→○市長は「徹底的にやる」と。ホームページも市民視点に変わります。

(2)全市的視点で意思決定する仕組み

 タテ割りの弊害への対応です。市庁舎内の意思決定を全体最適へと着地するための仕組みについては、何度も提案してきましたが、いつも「連携して取り組んでいく」との答弁が繰り返されてきました。一方で、審議監制による試行がスタートしましたが、まだまだ機能するには至っていません。

結局、責任者を指名し、やり抜くルールが整っていないからです。副市長に改善を求めました。
→△審議監会議で責任者を決めて取り組みます。

(3)日常のムダに気づきにくい体質

 お役所の日常では、気づきの網から漏れてしまっているムダに気づくためには、市民に聞くのが近道です。

例えば職員の家族のご協力をいただけば5000人分の声が集まります。また、市政に関連する情報の収集・調査、いわゆるマーケティング業務を秘書広報室に集約するよう求めました。
→△検討していただきます。

(4)市民の求める業務改善

 行政サービスを受ける側・使う側から見ると、ここが困る、こうさせて欲しいという要望がたくさんあります。しかし窓口では、条例、規則で「それはできません」との答えは日常茶飯ですが、残念なのは、そこで終わっていることです。これからは、条例を守ったこと以上に、市民のためにどれだけ変えたかが評価される行政にならなければなりません。

「ムダを無くす」手法と同様に、市民に、聞くこと。また、聞いたことを具体化する統括組織をつくるよう求めました。
→△前向きな答弁でしたが、具体的な解決手法は示されませんでした。

さらに、実態とのズレの見直しについて、市民相談から、小学校のトイレの洋式化を取り上げました。
「関東や関西で、小学校の女子トイレの比率は洋式3~4に対し和式1の学校が大半ですが、本市では、洋式が1つで残り4つは和式という構成で、全国平均をかなり下回った整備の推移となっています。

そこで、「トイレルームに、もう1つ洋式を増やす」整備計画を提案し、6年かけて集中的に整備するよう求めました。
→△取り組む方向ですが集中的には難しい模様。

2.安全対策について

(1)豪雨時の避難場所

 佐用町では、川を挟んだ避難場所へ向かう途中で死者がでています。地元の公民館も似かよった立地のため、不安の声が寄せられています。

本市の約400ヵ所の避難場所のうち、避難経路に危険がないかどうか、今一度、地元地域への聴取を求めました。
→○地域へ出向いて承ります、とのこと。

(2)アスベスト対策

 アスベストによる健康被害の認定を受けた方のうち、約3割が、どこで暴露したか特定できないことが、環境省の全国調査で判明しました。一方、国交省の調査によれば、アスベストが使われている可能性がある民間建築物は、全国に280万棟。本市でも1万棟を超えると思われます。

除去の遅れはさらなる健康被害につながりかねず、まずは実態調査に乗り出すよう求めました。
→△調査のための台帳整備にとりかかります。
(3)空き家対策

 総務省の調査によると、住宅の空き家率は岡山県で14.8%、しかも高齢者世帯が多いため、ますます増加傾向にあります。空き家の増加は地域環境の悪化を招くため、無料で撤去する事業を始めた自治体もあります。

危険度に応じて、対応できるよう制度を整える準備をすること。まずは、空き家調査行うことを求めました。
→◎調査手法を検討します。ちなみに、バンク事業は、本年度末を目途に実施予定です。
(4)蛍光管の回収

 本市では蛍光管は埋め立てゴミとして回収されていますが、回収時に破砕され蒸気となって飛散する水銀の健康被害や、埋め立てによる土壌汚染の懸念があります。

そこで、人体への安全性や環境保全を優先し、蛍光管のリサイクル事業に早急に取り組むよう求めました。
→◎来年度の早い時期に実施します。

3.高谷市長の「お約束」より

 高谷市長の2期目の「お約束」から、私がいままで提案・要望してきた項目を中心に6点うかがいました。

(1)地区担当員の配置

 地域には、子育てや介護などの分野で、行政サービスから漏れた様々な課題があります。これらを、地域の皆さまが交流し、協力することで解決する仕組みをつくるには、気軽に集まりやすい拠点や居場所をつくることです。

人を配置すると同時に拠点整備が必要であることを申し上げました。
→△これから制度設計に入るようです。

(2)保育環境の整備

 今回のアンケートでも、家庭等でお子さんをみている保護者の54.3%が、保育所の利用を希望しています。また、約3割の保護者が、空きがない・通えない等の理由で保育園や幼稚園に預けていないと答えています。私は、積極的でスピーディな町田市の事例を通して、

ただちに保育所整備に予算をつけるべきであることを市長に訴えました。
→×相変わらず「私立園の取り組み待ち」で、強い意思表示は引き出せませんでした。

(3)発達障害者支援センターの創設

 今春オープンした、こども総合相談所に児童精神科医を常勤配置できたことで、さまざまなメリットが発揮されている一方、発達障害や虐待等について、一貫した医療支援体制が手薄だという課題が浮き彫りになりました。

支援センターの創設にあたっては、この点を、是非とも考慮に入れるよう要望しました。
→△できるだけ早い時期に創設します。ただし内容は総合政策審議会の答申待ちのようです。

(4)乳幼児医療費の助成拡大

 公明党岡山市議団が継続して申し入れてきた助成拡大がお約束に入りました。

具体案とともに、来年度からの拡充を求めました。
→△国の子育て事業を見極めたいのでしょう。来年度当初は難しいようです。

(5)農山漁村での宿泊体験事業

 この事業は、過疎化と高齢化が進む農山漁村に子どもたちを呼び込むことで地方を活性化する狙いがあり、経済効果も見込まれていますが、相互にハードルがあり、調整ができていません。

まずは、市内で1ヵ所整備すべく、住民が乗れるプランを協議するよう求めました。
→△暗礁に乗り上げていたフシがあります。再度、制度設計から検討していただきます。

(6)操車場跡地

 日常は市民の憩いの場、災害時は防災拠点となる総合公園として整備する旨方針が出ましたが、詳細はこれからです。

是非とも芝生化を検討するよう申し添えました。

担当:竹之内則夫 2009年9月24日

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6月23日(火)6月議会個人質問

(1)女性の健康 乳がん・子宮頸がん検診について

 6月議会の補正予算に公明党の強い主張で実現した、乳がん・子宮がん検診の無料実施の予算が組まれています。私達の2人に1人が癌になり、3人に1人が癌で命を落としています。65歳以上では2人に1人が癌で亡くなっていいます。この割り合いは世界一で、日本が世界一の癌大国といわれている由縁だ。こんな世界一は早く返上しなくてはなりません。事業内容は、乳がん検診は40歳から5歳刻みに60歳まで、子宮頸がんは20歳から5歳刻みに40歳までの女性を対象の本人に乳がん受診無料クーポン券と子宮頸がん検診無料クーポン券と「女性のための癌検診手帳」が対象者に送付されます。
 乳癌は、女性のがんで一番多く4万人の女性が発症しています。日本女性の20人に1人が発病することになります。年間4万人がかかる乳がんは唯一自分で発見できる癌です。早期であれば乳房温存が十分可能です。
 子宮癌には子宮体癌と頚癌があり、体癌はホルモンの関係で発症するといわれています。子宮頸癌は子宮にできる癌の7割を占めるがんで、性体験によるHPV(ヒトパピローマウイルス)感染により、発症し、約5年を経過して癌化するといわれています。子宮頸癌は、癌そのものが増加しているとともに20代、30代の若年層での増加が著しい傾向にあります。乳がんと子宮がんで年間約2万人の女性が亡くなっています。
 浸潤がんで子宮全摘出になった場合、出産は望めず、少子化がさらに進むことが懸念されています。癌が発見されても、早期であれば簡単な手術ですみ、体への負担も少ないのです。
 岡山市は、「クーポン券の有効期限は6ヶ月間にする。癌の正しい情報と早期発見で90%以上治る病気であることも知らせ、あらゆる機会を捉えて啓発に努め受診率を上げる。岡山市医師会と懇談をし、学生・仕事をしている人のために利用しやすい診療時間の延長、夜間・土日の診療につとめる。8月上旬には検診開始ができるよう努力する。」と推進について答弁をしました。過日出雲県立中央病院を訪ね、岩成治産婦人科・医学博士と懇談をした。島根県はHPVウイルス検査を細胞診と併用実施している。併用検診は100%陰性が分かるので、陰性であれば3年に一度の検診で十分なので費用の軽減に繋がっています。WHOはこのエヴィデンスにより、5年から6年に一度の検診を進めているのが世界の動きで、今後岡山市での実施を考えないかとお尋ねをした。わが党は子宮頸がんワクチンの認可を求めて運動を展開しています。

(2)住宅改修委費の1割を払う(委任払い)を実現

 介護保険による住宅改修費支給制度を償還払い制度を採用して実施しているが、市民の声は償還払いによる支出は一時的ではあるが、年金など限られた収入で暮らす市民には負担感が大きいので、自己負担額のみを業者に払い、差額は市に請求がいく委任払いに出来ないかときいた。倉敷市・津山市は実施しており、岡山市での実施を求めた。早急に実施するとの答弁であった。

(3)学校給食費の未納について

 景気の低迷もあり、学校給食の未納が増える傾向にある。市立小中学校の給食費の未納の現状は、平成19年度滞納者は639人、滞納額1363万円で、この傾向は数年続いている。集金に関して、未納保護者への督促に、先生方の負担が重くのしかかっている。未納解消のために、納金の方法を工夫して対応しているが、他の子ども達が未納の生徒の給食費の負担をしているのであれば、栄養の問題もあり、健康・成長への影響が懸念される。安い食材を使って工夫したり、年度末に調味料などで調整を取って対応している状況は理解できたが、給食費は学校納付金だが、他都市では、徴収を税等の職員に依頼、差し押さえまで対応をしているところもあると聞きく。岡山市の今後の未納、特に払えるのに払わないケースの対応策についてたずねた。

(4)男女共同参画社会と少子化対策について

 男女共同参画基本法とは、男女の人権の平等、男女の全ての分野での格差是正、家庭における男女の責任の均等を実現するために、女性の積極的訓練と登用機会を与えるなどのアファーマティブアクションをして、20年前から始まっていた人口減少を止める、すなわち少子化対策のために制定された法律といっても過言ではない。市のすべての政策を男女共同参画の視点で見直さなくてはならない。そこで以下の質問をした。

1.岡山市男女共同参画推進本部について

 岡山市における男女共同参画は推進本部を立ち上げ、市長を本部長に、全庁で取り組み、全ての政策を男女共同参画の視点で見直し少子化解消に繋がる施策を実施することになっている。推進本部の議論協議の内容と、推進課の男女共同参画課が十分機能しているか、市民意識の変革の推進の位置付けになり、そのための予算は十分配分されているかを正した。

2.出生数の増加のために

 岡山市の平成特殊合計出生率は、全国平均、県平均より高く平成18年度ですが1.4だ。しかし全国的な傾向で少子化は続いている。
昨年は若者の出会いの場を設けた、また、岡山市婦人会などボランティアで出会いの場を作っているが成果はどうか。日本の女性は結婚していなければ出産をしない傾向にあるので、晩婚、非婚の原因を明確にしなければならない。結婚は経済活動、住居の問題など影響することなので、学生・若者、親、企業、人等と直接会い、実情を把握しなければならない。実施を促した。

3.教育

 教育では性教育が大切。東京都渋谷区では命の大切さを知る「誕生学」を助産師・母親らが小中学校で出前講座をしている。誕生学とは健全な自尊感情を育む、ライフスキル教育プログラムで、性教育に反対する人がまだまだ折られる。そこでストレートな性教育ではなく、自分がどんな風にお母さんのお腹の中で成長してきたのか、どんな力を使って生まれてきたのかをそれぞれの年齢に合わせた表現と内容で伝えたり、赤ちゃんを抱っこするなどの貴重な体験を通して、自己肯定感を高められると大変好評な、誕生学を実施に向けて、研究してはどうかと提案した。

4.育児と仕事の両立支援

 景気の低迷で、妊娠出産リストラが起こっていると聞いてる。また、少子高齢化で企業は女性の労働がほしいし、女性も働きたいが、育児と仕事の両立に悩む女性が増えてる。NTTはメンターといわれるアドヴァイザーを置いて相談に乗っているとお聞きしている。広島県、愛媛県など女性総合相談センターで、心身の悩み、仕事上の問題、人間関係の悩みなど相談に乗っているが、岡山市女性センター「さんかく岡山」に総合相談センターを設けてはどうか提案した。

5.不妊治療助成事業について

 不妊治療の補助額が1回10万円から15万円に増額(1年に2回)、通算5年間利用(150万円)可能になった。不妊治療は自己負担が大きく治療を断念する夫婦が多いといわれているだけに、同治療に対し助成金の増額は朗報だ。日本産婦人科学会によると、2006年誕生の赤ちゃんの2%が不妊治療により生まれている。岡山市では21年4月1日から事業開始をしている。

6.男女共同参画を阻む要因の排除、防止に努めなければならない

 岡山市職員倫理規定内に、職員が児童虐待、パワーハラスメント、DV加害行為を行った場合の処分を明記することを前議会で提案していたが、改正の時期を今年度内に実施と明確にした。全国で初の実績。

7.街角ウォッチング

 岡山女性フォーラムが市内の公園などに置かれている銅像を、男女共同参画の観点で点検をされた。女性の裸像、親子の像であっても不自然な姿勢の像も多く、性の対象と見えると指摘をしている。寄付を受ける・設置についての条件等規定しているのかを尋ねた。

担当:高月由起枝 2009年6月23日

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6月19日(金)6月議会個人質問

政令指定都市・岡山の発展を願い4点にわたり質問いたしました。

ワーク・ライフ・バランスの推進について

働く女性が増え、共働き世帯が過半数を超えるなど、ライフスタイルや価値観は多様化しています。また子育てに限らず、生活を重視し、仕事と生活を両立できる働き方を望む人も増えています。しかし現実の働きかたは、男性は仕事、女性は家庭という、かつての役割り分担を前提としたものが残っており、両立できていない状況です。仕事と生活を両立させるには、男性も女性も今までの働き方を見直し、バランスのとれたライフスタイルを可能にすることが重要です。
平成19年、関係閣僚、経済界、労働界、地方公共団体の代表からなる「官民トップ会議」において、「仕事と生活の調和(ワークライフバランス)憲章」及び「仕事と生活の調和促進のための行動指針」が策定され、さまざまな取組みがなされております。
今後の施策にはワーク・ライフ・バランスの視点が重要と考え、岡山市の推進状況について質問いたしました。
WRBの推進について男女共同参画推進計画の新参画プランの中で両立を重点目標にかかげ、さまざまな施策を実施してきたとし、今後も岡山市子育てアクションプラン・後期プランでも重要な柱と位置付け、策定していくとの答弁でした。また、内閣府ワーク・ライフ・バランス推進室が提唱する「カエルジャパン!キャンペーン」に参加することを求めました。

岡山市の鳥の選定について

この項目につきましては過去、平成15年に山田勇議員が岡山市の鳥と魚の指定について平成18年には新風会の三木議員から政令市を目指す岡山市の鳥にタンチョウを指定してはどうかという提案がなされ、平成19年から21年にかけて私も3回質問をさせていただきました。岡山市の鳥にタンチョウを指定する意義については、日中友好のシンボルであり、友好都市である釧路市との縁、後楽園のタンチョウとしての風物詩、そして何より政令指定都市移行を契機に市民の一体感を醸成し、全国に向けて岡山市をアピールできることを主張してまいりました。
岡山市政令指定都市推進協議会が岡山市の鳥選定にむけて実施したアンケート結果がまとまり、市長に要望書を提出されました。このアンケート結果について市の対応をお聞きしました。
岡山市の政令指定都市移行に尽力をいただいた岡山市政令指定都市推進協議会からタンチョウを市の鳥にという要望書をいただきました。アンケートには1万人以上の市民の皆様からの意見が寄せられ市の鳥について市民の皆様の盛り上がりを得ていると感じています。今後、市議会をはじめ総合政策審議会などの意見を踏まえ総合的に判断し、市民の皆様に喜んでいただける形で取り組んでいきたいとの答弁でした。

地区図書館の整備計画について

現在の岡山市立図書館の整備は平成14年5月「岡山市立図書館整備実施計画」~建設計画および情報化についての見直し~に基づいて整備されると考えていますが、その後の合併による市域の広がりや政令市の区割りなどの要件により、整備実施計画を見直すことも検討するとしています。岡山市立図書館の現在の課題と今後の整備計画、さらに公民館などの図書コーナーの充実について質問しました。
【地区図書館】
まずは現在ある地区館や分館、移動図書館の充実、公共施設などで市民ニーズにこたえていくこととし、その上でハードの整備について方向性を出すことになります。
【移動図書館】
現在合併地区までは行っていません。運用の見直しは今後の課題であります。
【公民館図書コーナー】
身近な施設として広く利用されています。1か月に1度図書館による図書に入れ替えをしています。
【児童館・児童センター】
身近に本に触れる場所として有効に活用できるように工夫するとともに、図書の充実を図っていきたい。
【ふれあいセンター】
中央図書館の本をふれあいセンターでも貸出しができるように、運用方法を含め現在調整を進めています。
これまでも見直しの方向は出されていましたが、既存の施設の充実の上に、ハード面の整備を考えると明言されましたので、時期を含め今後の行方に注目したいと思います。

脳梗塞・心筋梗塞を予知する新検査法

脳梗塞も心筋梗塞も血管の狭窄や閉塞が原因ですが、それには動脈硬化や堆積した『血管プラーク』が大きく関係しています。血管プラークとは、血管内膜にこびりついた脂肪などの塊です。これらが血液の流れを悪くし、時にはがれ落ちて血栓となり、細い血管を塞いで脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすものであります。
福岡県久留米市の真島消化器クリニック院長の真島康雄先生が詳しいデータに基づき発表されています。超音波(エコー)検査により、(1)血管内を直接見ることができて、その血管プラークの堆積状況がわかる。(2)従来検査対象となっていた頸動脈ではなくて、まったく知られていなかった右鎖骨下動脈等特定の部分において堆積が見られ、脳梗塞や心筋梗塞等の疾病との因果関係が確認されています。
4月に、会派の先輩議員が久留米市の真島消化器クリニックを視察してまいりました。
自治体病院の技師が右鎖骨下動脈等のエコー検査のスキルを習得するだけでよいといわれましたので、技師の派遣を求めましたが、市民病院では、エコー検査やMRI、CTなどを併用し最新かつ精度の高い検査を行っていますので、ご案内の検査方法については、今後研究していきたいとのことでした。

担当:中原淑子 2009年6月19日

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6月18日(木)6月議会個人質問

今議会では、市民の皆様の収納時の利便性向上を図るため、「電子収納、コンビニ収納等の岡山市への導入とその取り組みについて」、この度認可になる「3人乗り子ども乗せ自転車への補助について」、地球環境保護のための「地域グリーンニューディル基金の創設について」、福祉、医療現場の充実のため「ヘルパー2級・認知症のサポーターのリーダー養成講座について」、環境政策に関して「岡山市のごみ袋の値段について」、政令指定都市を市民皆で祝うため「政令指定都市岡山のシンボルとしての記念植樹について」の6点について、提言・要請をさせていただきました。
特に、ヘルパーの2級資格は、給与や身分に直接関係してくるため、有資格者をたくさん養成するように強く要望させていただきました。
また、地域で要望の多い認知症サポーターとリーダーの養成についても、今後力を入れて人数を増やしていく答弁がありました。
また、斉藤鉄夫環境大臣の推進する環境政策については、今後とも岡山市において、様々なメニューを強力に推進していくつもりです。
コンビニ収納については、実施を要望される声が大変多いため、引き続き強力に要望していきます。

担当:松田安義 2009年6月18日

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6月18日(木)6月議会個人質問

 6月18日 個人質問のご報告を申しあげます。

1.政令市の行政改革と行政のあり方

(1)人事・評価制度について

 高谷市長は1期4年の間、真正面からブレることなく行革を断行され一定の成果を収められましたが、それでも岡山市は向こう5年間で188億円もの歳入不足との収支見通しです。改革の本丸は、どこかと言えば、それは「お役所仕事」です。
それを裏付けるように、包括外部監査においては、効率的な組織編成と職員の意欲に応えられる人事・給与制度にしなさい、と指摘されました。
今は、給与が下がる仕組みはありません。等級が上がればそれに対応する職務(ポスト)と給与が保障されます(等級=ポスト=給与)。
こんなお手盛りの制度では、仕事の能率は上がりませんし、意欲や能力も腐ってしまいます。
私は、組織編成と評価制度と給与制度を一体で改革(等級≠ポスト≠給与)できる民間ベースの具体案を提案しました。

総務局長から「議員がお考えの職員の意欲や成長に好影響を与えるような人事・給与制度にしてまいりたい」と答弁がありました。

スタンスはありがたいのですが、中身がこれからになりますので、労使でオープンにして議論していただくよう申し入れました。

(2)行政の匿名性について

 市民との協働が今後の行政のあり方です。
しかし、市民の側から見ると、判りにくく、コミュニケーションしづらいのが行政です。
それは、行政が組織を表に立て、人をその後ろに隠してしまうからです。
岡山市のホームページを見ても、市長以外には、市の組織にも、市の施設にも責任者の名前すらありません。(ごく一部を除く)
市民協働といっても開かれた学校づくりといっても、行政の責任者や窓口の顔は見えないままなのです。
世間で、代表者の氏名も載せない企業や団体がどこにあるでしょうか。
まずは全部署で、責任者の「見える化」に取り組むよう求めました。

行政改革担当局長から、全部書での責任者の「見える化」」に取り組む、と返答がありました。

(3)市のホームページについて

 2年間みてきて、岡山市はニーズ調査、マーケティングが全く不得手だと分かりました。
そこでインターネットで市民ニーズを把握し政策立案に活用できるよう、アンケート機能を備えるよう求めました。
また、その刷新に際して、市民の利便性や、観光等市外・国外への情報発信のコンテンツが見えてこないのは画竜点睛を欠いている旨、指摘しました。

企画局長から、今年度のウェブ刷新に当たり前向きな検討をする。また、コンテンツの充実を関係局と連携して検討する旨、表明がありました。

(4)行政手続きの簡素化について

 市民は、行政が必要とする書類を、行政窓口に申請に行って発行してもらわねばなりません。
定額給付金の時にも、証明書の添付で市民の方から多くのお叱りをいただいたところです。
市民にも行政にも余分な負担ですから、「市役所で発行する証明書は役所へは添付不要にする」など、手続き全般を見直すよう改善を求めました。

行政改革担当局長から「先進都市の事例を研究し全庁的に取り組みます」と返答がありました。

2.検診・予防の充実

(1)がん検診について

 検診率が、OECD各国の中で最低のわが国ですが、公明党の主張が実り、今回やっと「補正予算」に、無料クーポン等、女性のがん検診対策が盛り込まれました。
国が受診のきっかけをつくりましたが、岡山市の受け皿は全く検診キャパが足りません。
そこで
 ・休日・早朝・夜間における検診の実施
 ・マンモグラフィ車の活用等
 ・女性専門の「日帰りがんドック」や「土曜がん検診」
 ・企業に対する「職域がん検診」への支援
などを提案したところ、

保健福祉局長は、医師会との調整もあり、健診率50%はすぐには難しい、と消極的な答弁でしたが、

だからこそ、行政主導で集中的に取り組むために、「がん対策推進室」の設置を、と要望しました。

(2)予防医療について

 日本は先進主要国から、はしかの輸出国と批判されているように、予防接種後進国です。
同様に、岡山市も予防行政が遅れています。
そこで、予防の成功体験をすることで、予防重視へと政策をシフトするキッカケをつくり、前例踏襲の消極行政を転換するために、国に先駆けて、予防接種の助成を求めました。
ひとつは高齢者への肺炎球菌ワクチン、もう一つは髄膜炎から乳幼児を守るヒブワクチンです。

こちらも他の自治体の動向を含め研究する、との消極的な答弁でした。

 市民を守り、財政負担が結局軽いのは予防です。前進するまで訴えてまいります。

3.芝生化事業

 校舎への太陽光発電パネル設置など、環境と経済と教育に光を当てたスクールニューディール政策に、校庭の芝生化が盛り込まれました。
私は、その推進を腹に決めて、「NPO法人グリーンスポーツ鳥取」代表のニール・スミスさんが手掛けた芝生化の視察に行ってまいりました。
視察地の芝生で裸足になってビックリ!チクチクしません。柔らかく弾力のある感触に、参加者一同声をあげて驚きました。
破格の低コストに目が行っていた私も、子どもたちが外に出たくなる訳を実感しました。
次に訪問した鳥取市立のぞみ保育園では、「園庭を芝生にする以前は、3時半にお母さんがお迎えに来ていましたが、最近は5時頃になりました。どうしてでしょう。それは子どもたちが遊びたがってなかなか帰らないからです」と教えてくれました。そして、保護者の83%が芝生化に「満足」と回答しています。
環境面でも芝生はすぐれものです。各種調査においても、土から芝生に変えることで、夏場の校庭の温度は、2℃から8℃低下との冷却効果が報告されています。
また、鳥取市布勢運動公園の球技場は、以前は高麗芝で、使用回数が年に20回未満だったのを、需要に対応するために改修したそうです。いまではなんと年間500回使用されています。生育が早くダメージに強いティフトンだから可能なのです。
これは、つまり多くの潜在需要を、いままでは行政が潰していたということです。
私は、世界の子どもたちが芝生の上でやっていることを、いつまでも日本の子どもたちに固い土のグラウンドでやらせてはならない。
また、市民視点から岡山市の公園事業を再検討していきましょう、と訴えました。

教育長は、モデル事業として検討すると答えてくださいましたし、都市整備局長も、運動公園のあり方について研究する旨、答弁されました。

まず、先進市である鳥取市や明石市を視察すること。そして、実際に芝生化した現場の声を大事にして具体化に取り組んでいただくよう重ねて要望しました。

担当:竹之内則夫 2009年6月18日

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6月17日(水)岡山市医師会と懇談

岡山市医師会事務所にて

 景山県議と岡山市議(磯野・高月・酒見・中原)の4名は、市医師会長の丹治康弘医師と懇談し、子宮頸がん・乳がんの検診受診率向上について意見交換を行った。女性の健康に強い関心を持つ公明党は、女性特有のがんの増加と低年齢化、死亡率の高さに、5年間で、受診率を対象者の50%までアップし、予防に努める。今年は事業の初年度となる。
 そこで、(1)医師会として受診体制は十分か(2)受診率アップに向けてネックになる課題は(3)学生・働く女性が検診できるように診療時間の延長が可能か等についてたずねた。丹治会長は、「公明党の政策には敬意を払っている。岡山市の産婦人科病院・医院で充分検診に対応できる。無料はインパクトが大きい。さらに受診率を上げるには、産婦人科に行くことに抵抗感がある20歳代の女性の受診にかかっている。」と話された。8月から始まる予定の今事業推進に、公明党市議団として、全力で取り組んでいきたい。

担当:高月由起枝 2009年6月17日

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5月19日(火)新型インフルエンザ国内感染者発生に関する緊急申し入れ

5月19日(火)、公明党岡山市議団10名は、高谷茂男岡山市長に、新型インフルエンザ対策についての緊急申し入れを行いました。
内容は以下のとおりです。
特に、市民への情報提供については、岡山市として、毎日定例的に記者発表を行うなど、大きな動きがあるないに関わらず、細やかで丁寧な対応を要請いたしました。
また、検査体制についても、現在岡山県のみの体制であり、キャパとして不安があることから、(強毒性インフルの懸念もあり)今後の充実に向け県と協議を行うよう求めました。

 

高谷市長におかれましては、政令市移行後、安全・安心の岡山市構築に向けて、日夜ご尽力をいただき、心から敬意を表するものであります。
さて、5月16日、厚生労働省は遺伝子検査で新型インフルエンザの陽性となっていた神戸市の高校生について、国内で初の感染を確認した後、18日現在で163人まで拡大をしています。兵庫県、大阪府での隣県発生により、市内での発生も予断を許さない状況になっていると認識しています。
この新型インフルエンザは弱毒性といわれていますが、早期にタミフル、リレンザの投与をすれば改善するといわれていますが、糖尿病などの慢性疾患の方については重篤化する恐れも指摘されています。
本市においても新型インフルエンザ対策本部を設置し、17日には第2回目の会議を行ったと聞いておりますが、発生時に適切な対応が取れるように下記の事項を申し入れします。

  1. 市内での発生を想定した感染予防策を徹底すること
  2. 市民に安心を与える正確な情報に基づき広報に努めること
  3. 発熱相談センターの連絡先について、全世帯に徹底を図ること
  4. 新型のインフルエンザの陽性確認の検査体制の充実を図ること
  5. 小中学校・幼稚園・保育園、福祉施設などに対し関係者と連携し、万全な対応を図ること
  6. 県とも連携を図り、保健所、医師会など関係機関との連携を密接にすること
  7. 本市の新型インフルエンザ対策の行動計画を策定すること

担当:則武宣弘 2009年5月19日

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5月12日(火)鳥取方式の芝生化を視察

5月12日(火)、中原議員と「NPO法人 グリーンスポーツ鳥取」代表のニール・スミスさんが手掛けた芝生化の視察に、鳥取市湖山池北岸のグリーンフィールドを訪れました。

◆グリーンフィールド

「芝も草も英語ではgrassです」「芝生に求められる品質は目的に応じて違います。ここは2種類の芝と17種類の草ですが、週に2回4センチに刈るだけで、(草が混ざっていることは)何の差し支えもありません」とニールさん。
まず、新潟、浦安など全国から集まった参加者21名は裸足になりました。チクチクしません。柔らかく粘り(弾力感)がある感触に、一同声をあげて驚きました。
破格の低コストに目が行っていた私も、子どもたちが外に出たくなる訳を実感しました。
グリーンフィールドでのこうしたカルチャーショックののち、私たちはいくつかの芝生化施設を視察に回りました。
なんとしても子どもたちのために「芝生化」を推進するためにとの鳥取訪問は、早くも大収穫の予感です。
グリーンフィールドをスタートに、合わせて6か所の芝生を視察しました。

◆鳥取大学付属小中学校

ここは最初の実験地だそうで、芝生とベアグラウンドが並んでいます(一部を芝生化した)。
遊んでいるのは、大多数が芝生の上。
また、校舎からグラウンドに降りる階段下を指差して、ここが大丈夫ならOKなんです、と少し薄くなった芝生を指差してくれました。
ニールさんがそれぞれの施設の芝生化で実験的に得たデータによれば、
グラウンドと児童数の関係では、小学校では20m2/人以上、入学前では10m2/人(ただし4歳児以上)あれば芝を維持できるとの結論に至ったそうです。
帰り際、『何でここの芝生が剥げているかわかりますか?』そう言うとニールさんは芝のはげている鉄棒の下を指差します。『よく使う場所だからです。でもそれでいいのです。はげているなら、別の場所で遊べばいい。大事なのは芝生ではなく、芝生があることなのです。』

◆鳥取市布勢運動公園の球技場

ここはポップアップ式の自動散水設備があります。デモで散水の様子を見せていただきました。
芝生化を失敗する原因の9割は散水不足、とニールさん。

以前は高麗芝で、使用回数が年に20回未満の球技場だったのを、需要に対応するために改修したそうです。いまではなんと年間500回使用されています。生育が早くダメージに強いティフトンだから可能なのです。
それと、自動散水装置。これは朝5時から稼働します。
人が水やりをすれば午前中は使用できません。ニーズから逆算すれば自動のほうが適しているのです。維持管理費を500回分で割り算すれば、コストパフォーマンスの高さも分かります。ちなみに横浜マリノスもここで練習したそうです。

◆湖山池東岸のお花畑ゾーン
◆八千代橋付近の河川敷

この2か所では「刈る」回数と行政課題について学びました。
お花畑ゾーンは鳥取市が管理し、月に1回の芝刈りをしています。
芝刈りといっても生えているのは自然の草です。そこの一部をグリーンスポーツ鳥取が週1回芝刈りし、比較実験をしていました。
生えているのは「ただの草」ですが、週1回芝刈りしているエリアは裸足で歩いても柔らかくて心地よいのですが、月1回のゾーンはチクチクと痛いのです。
ニールさんは「利用者が求めているニーズに合わせて整備する」んだとおっしゃっていましたが、確かに、寛いだり寝転んだり遊んだりスポーツをしたり、公園としてのニーズを満たすには刈り込む回数が重要なポイントだと感じました。

また、八千代橋付近の河川敷(ここも自然に生える草)では、国交省が管理しているエリアは定めに従って年に2回刈り込み。一方グリーンスポーツ鳥取が2週間に1度芝刈り。
どう違うかといいますと、国交省エリアはとても裸足では踏み込めない雑草が茂った状態。年に2回だとかなり草の茎も太く高くなるので下は草が育たず、刈った時は地面がむき出しの所が多いそうです。
ところが2週間に1度刈ると育つ草が変わってきて、だんだんと横の伸びる草が増えていました。
しかも、コストがサプライズ。
年間コストで2週間に1度刈る方が、年2回刈る半額で済んでいます。(1回当たりだとなんと1/12以下です。)
こまめなメンテナンスは安上がりで景観面でも利用においても優れていることが判りました。
ちなみに、業務委託上の手続きから、国交省は、高いコストの草刈を選択する傾向にあるそうです。

◆鳥取市立のぞみ保育園

ここは、昨年の6月にポット苗を植えた園庭(1100m2)です。ここもポップアップ式の散水設備を導入していました。施工費用は110万円(千円/m2)で、年間の維持管理費は11万円(百円/m2)です。
園の子どもたちが窓から「ニ~~ルさ~ん」と声をかけてきます。
ニールさんはそれに応じながら、「園庭を芝生にした保育園は、以前は3時半にお母さんがお迎えに行っていましたが、最近は5時頃になりました。どうしてでしょう。それは子どもたちが遊びたがってなかなか帰らないからです」と教えてくれました。
また、ちょうど通路と園庭の境目に足跡サイズで芝がないところの土を触りながら、「今見ると、ここだけ荒れた土ですが、1年前までは、ここも、その土の園庭でした」と言われて、すでに芝生の園庭が当たり前になっていた(良さを実感していた)私たち参加者は、感慨を新たにしました。

【終わりに】

私は3月の議会でも、芝生化のメリットのひとつに、地域と学校・園の連携が深まることを挙げました。しかしながら、地域の協力が得られなくなった時の先生の負担増を危惧する心理が導入にブレーキをかけているのが見え隠れしていました。
今回の視察では、グリーンフィールドの維持管理はシルバー人材センター(1080円/時間)に委託していましたが、21000m2のグラウンドを年間50~60回芝刈りする人件費は20万円/年で済んでいます。しかも現下の経済状況、今後の高齢化社会を考えたときの雇用対策としてなかなか有効です。
こういうアプローチも検討しなければならないと思います。

担当:竹之内則夫 2009年5月12日

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5月8日(金)県立出雲中央病院にて

 島根県女性局三浦局長のお誘いを受けて、勇躍参加をし、岩成治産婦人科・医学博士と懇談をさせていただきました。

子宮頸がん検診受診率の向上について

女性特有の癌として、乳癌と子宮癌があります。乳癌は食の欧米化、出産経験の減少などの女性ホルモンの影響(エストロゲン依存性)が要因で、増加傾向にあります。乳がんは、自分で発見できる唯一の癌なので、日々の触診で早期発見を目指したいものです。
子宮癌には子宮体癌と頚癌があり、体癌はホルモンの関係で発症するといわれています。
一方子宮頸癌はHPV(ヒトパピローマウイルス)感染により、5年を経過して癌化するといわれています。HPVは誰でも感染するので、誰でも癌になる可能性があります。感染しても90%は自然に消えるので、PHV検査で陽性の人は、陰性になるまで毎年検査を受けるだけで良いのです。検査方法には細胞診とHPV検査があり、併用で陰性反応の的中率は100%といわれています。
癌が発見されても、早期であれば円錐切除するだけの簡単な手術ですみます。体への負担も少ないのです。米国産婦人科学会とWHOは、細胞診とHPV検査で陰性ならば次回検診は3年後でよいとしており、英国やオランダのようにエビデンスを基に検診を5年又は6年後に延長した国もあります。大きな経費の軽減につながります。
子宮頸癌は、癌そのものが増加しているとともに20代、30代の若年層での増加が著しい傾向にあります。浸潤がんで子宮全摘出になった場合、出産は望めず、少子化がさらに進むことが懸念されます。
公費検診の受信者は高齢者のリピーターが多く、若年層の早期発見、早期治療につながっていないので、新規受診者の発掘を如何にするのか、費用の無駄を省くのはどうすればよいのか、実態把握と対応で、効率のよい検診を早急に実施しなければなりません。
島根県は県立出雲中央病院を推進拠点に、細胞診とHPV検査を併用して、身近な医療機関での検診を可能にすることで、検診受診率を1.5倍に上げています。

担当:高月由起枝 2009年5月8日

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4月30日(木)脳梗塞・心筋梗塞を予知する新検査法

日経ビジネスの4月13日号「心と体」のページを読んで衝撃が走りました

「脳梗塞も心筋梗塞も血管の狭窄や閉塞が原因だが、それには動脈硬化や堆積した『血管プラーク』が大きく関係している。血管プラークとは、血管内幕にこびりついた脂肪などの塊だ。これらが血液の流れを悪くし、時にはがれ落ちて血栓となり、細い血管を塞いで脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす。」(引用)
この程度のお話は誰でも聞いたことがあると思います。

私が驚いたのは血管内を超音波(エコー)検査により、(1)直接見ることができて、その血管プラークの堆積状況がわかる(2)従来検査対象となっていた頸動脈ではなくて、まったく知られていなかった右鎖骨下動脈等特定の部分において堆積が見られ、脳梗塞や心筋梗塞等の疾病との因果関係も確認された(3)脳梗塞や心筋梗塞は予知が可能、ということです。

真島消化器クリニック(福岡県久留米市)院長の真島康雄先生が詳しいデータに基づき主張されています。であるならば、(1)日常的に私たちの身近な方々に起こっていますが、突然にやってくる脳梗塞・心筋梗塞をほぼ完璧に防ぐことができるのではないか(2)医療費の削減ということでは大変な効果があることになる(3)こりゃ凄いことだと、驚いたわけです。

昨年、学会に論文を発表されたようですが、専門家・関係者の反応は鈍いようです。それで、一般市民向けに今春「脳梗塞・心筋梗塞は予知できる」を出版されたとのこと。

健康日本21が叫ばれて久しく、全国の自治体でも同様の取組みが始まり、メタボ対策も始まりました。しかし、期待されただけの成果があるかと言えば、やはり疑問符が付くのです。成果の出せる健康づくりに強い関心を持ち続けている私は、すぐにアマゾンで「脳梗塞・心筋梗塞は予知できる」を購入しました。血管プラークの堆積は肥満(皮下脂肪)であるかどうかではなく、過去からの食生活(食べ物の傾向性:肉と糖分)との強い因果関係を明らかにされています。したがって、予知もできれば、改善も可能なわけです。私はさらに真島先生に直接取材を申し込みました。ついでにその手法を体験すればいいなと考えました。

先月、久留米市の真島消化器クリニックを取材してきたところです。そこはバラに囲まれた普通の民家のようでもありました。真島先生はバラの完全無農薬栽培を実践するなど、バラ栽培の世界でも著名な方でした。先生からはわかりやすく「タイヤの磨り減った状況を直接見ることができるのと同じなのです」「秋田県ではクモ膜下で倒れる人が全国一。健診はよく受けているにもかかわらず。塩分は制限するが糖分は野放し。テレビで県民なんとかという番組で見たが、納豆や茶碗蒸しに砂糖を入れ、醤油にも砂糖を入れている。原因は砂糖です」「疫学調査も一面はナンセンス。いくら追跡調査をしても病気になってからなんぼ。何人が病気になりましたと言われても。(脳梗塞・心筋梗塞では)明日倒れるかもしれない人も『健康』の分類に入る。血管エコーでは(直接見て)脂肪が何ミリたまったら体が悪い人なのですということ」等のコメントをいただきました。

で、私の診察体験は・・?結果が即出ました。右鎖骨下動脈にプラークの堆積がありました。実際に映像で堆積具合を見るわけですから、インパクトがあります。驚くべきことにこの手法に賛同し実践している医院が「全国にただ一つ、岡山にあります」と。しかも市役所の近くです。

自治体としてできることは?

「自治体病院があれば、市長が技師をうちに派遣すればいいでしょう」と。
スキルも肝臓を見るより易しいとか。さっそくその可能性を探ります。

これは国レベルで調査すべきではないのでしょうか。

まずは皆さん「脳梗塞・心筋梗塞は予知できる」をご一読あれ。

写真はバラの花の無農薬栽培で有名な真島先生らしく、バラの花に囲まれたクリニックと待合室。失礼して真島先生を一枚撮影させていただいた。快くご了解いただいた真島先生に心から感謝申し上げたい。


担当:田尻祐二 2009年4月30日

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4月23日(木)・24日(金)東京都文京区、神奈川県藤沢市を視察

東京都文京区、コミュニティバス「B-ぐる」について

岡山市は平成21年4月より全国18番目となる政令指定都市となり、4区体制となったが、公共交通は岡山市の課題のひとつである。
そこで文京区が交通不便地域の解消を目的として運営しているコミュニティバス「B-ぐる」を視察した。
愛称「B-ぐる」は、ビーグル犬をイメージキャラクターとし、文京(Bunkyo)のBと、区内を“ぐるっと”めぐるコミュニティバスの意味。
当初利用者を21万人(年間)と見込んでいたが、平成19年度実績で38万人を超えた。
運営形態は運行委託、運行支援、自主運行と3つあり、それぞれ、メリット・デメリットがあるが、文京区の場合、は運行支援であり、大きな成功を収めている。
運営については、運行経費に対する市の補助金の割合は約27%。
この他、当局より約1時間、先進の取組みをお伺いし、その後、実際に、「B-ぐる」の視察乗車(所要時間65分)を行った。
今回の視察を今後の市政に生かしたい。

神奈川県藤沢市、藤沢市湘南台文化センター(子育て支援センター)

藤沢市は、人口約40万都市であるが、子ども、子育ての分野に力を入れており、その中核をなすのが湘南台文化センターと、そのなかの一施設(組織)の、「藤沢市子育て支援センター」である。
藤沢市湘南台文化センターは、こども館、市民センター、市民シアター、ファミリーサポートセンター、子育て支援センター等が複合的に配置され、子どもから大人まで幅広く市民に利用されている施設である。
市民シアターは600席の劇場として、こども館はプラネタリウムと展示ホールを併せ持つ人気スポット。また外観が大変に独創的で市民に人気を呼んでいる。
湘南台文化センターについては、丸センター長から、子育て支援については脇田子育て支援課長から話を伺った。
子育て支援については次世代育成対策交付金(国の補助金)を使って、ファミリーサポート(援助活動)を行っている。同市の取組みを今後の岡山市政にしっかりと生かしていきたい。


担当:酒見寛 2009年4月24日

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4月22日(水)墨田区と杉並区を視察

 4月21日、22日両日で東京都の墨田区の太陽光発電装置等の助成事業と杉並区の子育て応援券について視察をした。本市もこの4月より太陽光発電装置の助成を行います。墨田区は平成20年度の7月から始めているので、その取り組みについて聞いた。
 墨田区では平成18年に環境基本条例を施行し、環境基本計画を策定した。その中で地球温暖化対策として太陽光発電装置等への助成事業の取り組みを入れた。
 平成20年の7月から区内にある建築物の所有者(個人、マンションの管理組合、中小企業者、学校法人、社会福祉法人、医療法人等)に対して温暖化防止設備を導入する費用の一部を助成している。予算は当初で1千万円を計上したが、補正でもう1千万円の計2千万円であった。21年度は当初で1,942万円を計上している。
 助成対象設備としては「墨田区地球温暖化防止設備導入助成制度」としてあるので、太陽光発電システムのほか、遮熱断熱塗装、断熱リフォーム、太陽光温水器、高効率給湯器(エコキュート、エコジョーズ)高効率給湯器(ネファーム、エコウイル)です。
 太陽光発電は1kw当たり10万円か工事費用のいずれか少ない額、21年からは設置に要する経費の30%として、限度額はいずれも50万円です。
 20年度の事業実績は太陽光18件、潜熱回収型給油機111件、ヒートポンプ給湯器14件、断熱回収14件、遮熱断熱塗装2件、太陽熱温水器1件でした。
今年の4月から墨田区に住んでいるか、所有物を持っている人は、1kw当たり区として10万円、東京都が10万円、国が7万円の計27万円の助成を受けることになった。
 岡山市では1kw当たり市が3万円、国が7万円の計10万円である。あまりにも環境政策で助成額の違いに愕然とした。墨田区では地球温暖化対策として上記のような太陽光発電以外の防止策にも助成をしており、取り組みの違いにも驚いた。
 国もグリーンニューディール政策として環境対策と景気対策を合わせて取り組んでいる。本市においても積極的な取組みが必要である。

 次に子育て応援事業について報告する。少子化社会の中で子育ての経済的負担も大きいことが、子供を産み育てない原因となっている。杉並区の子育て応援券は、子育ての経済的負担の援助、子育て相談、子育て支援、教育支援など幅広く使える応援券を発行しているので調査をした。
 子育て応援券事業は杉並子ども・子育て行動計画の中に組み込まれ、すべての子育て家庭を対象に有料の子育て支援サービスに利用を限定したチケットを交付し、サービスを利用しやすくすることで、子育て家庭が地域の中でいろいろな人と関わりながら子育てができるような仕組みをつくり、安心して、ゆとりを持って子育てできる地域を作ることを目的としている。
 応援券の種類として0歳から2歳までが6万円の120枚で2年間の有効期間。3、4歳が3万円で60枚の2年間。5歳児が3万円で60枚の1年間となっている。その受けられるサービスとして親子参加のプログラムとして(1)コンサート・観劇など親子での鑑賞事業。(2)ふれあい遊び・料理などの親子で体験講座。(3)つどいの広場など親子の集いの場。(4)遠足、バスハイクなど親子参加のイベントなど。親子サポートプログラムとして(1)産後のフィットネス、ベビーマッサージなど産後のお母さんを中心にしたサポート。(2)家事援助。(3)子育て相談。(4)子育て講座。子どもを預かるサービスとして(1)ひととき保育。(2)自宅での託児サービス。(3)イベントなどの託児サービス。その他インフルエンザ予防接種。などに利用できる。
 応援券の利用できるサービス事業者は区の方に登録するようになっているが、事業者も区民の利用者から利用できるように登録を促されるようなことも多いようである。
 この応援券は20年度で8億円の決算見込みだそうであります。利用券の交付率は97.7%で多くの方が申請をしており、有効に利用している実態があった。子育て支援の経済的な負担の解消となるばかりか、区民がみんなで利用できるサービスを探したり創ったり、バリエーションある利用をしている。よくあるひも付き補助金とは全然違いすばららしい。本市にも子育て支援としてこれだけの予算をとり取り組みをしていきたいものだ。


担当:則武宣弘 2009年4月22日

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4月12日(日)女性議員サミット(平成21年4月11日~12日)

 群馬県高崎市で、「全国女性議員サミット」が開催されました。1998年から始まり、今年は第5回目。私はちなみに初参加。上州はかかぁ天下に空っ風と評されますが、活発な議論を期待して参加しました。

11日は、600人近くの参加者を前に、「女性の政治参画を推進するために」という全体会がありました。与野党から7人の女性国会議員が、他国に比べて、あまりに少ない日本の女性議員数を増やすために、どうするべきかを話し合いました。公明党からは古屋範子議員が参加され、女性のライフステージに沿った施策、子育て応援、環境・経済・雇用対策政策などを詳しく話されました。
 国連から日本政府に勧告された「クオーター(割り当て)制」の推進に対してどういう方向性が出るか注目しましたが、議論の中心にはなりませんでした。比例区に女性候補を持ってくるとか、女性の政治文化を政治に入れようなどの呼びかけはありました。女性国会議員が超党派で、所属党派に強力に働きかけ、クオーター制の実現を目指すのが地方議員の私には早道と感じました。早急に何らかの行動を起こしていただきたいと切望しますが、女性議員の多くが所属する政党の意向に影響されていることと、各政党の女性議員の少なさが、推進力にならない原因と感じました。翌日の分科会とあわせて議論になった項目を以下に記しておきます。
 わが国の現状は、県会議員221人・市議会議員2755人・町村議員1066人が女性ですが、スエーデンの主要政策は女性議員を増やすことであり、労働の面でも、80%の女性が働き、男女の給与格差は90%である。
 日本復帰後、4000件を越す事件が基地関係でおきているが大きな女性問題である。少子化問題、男女共同参画も女性問題と捉えている間は解決できない、国の課題と捉えなければならない。2020年までに審議会委員の割合を30%以上にする目標達成を目指している。10年前男女共同参画基本法が制定されたが、日本社会で女性の能力が評価されていない。政治参加を増すことは男女ともに、ゆとりの有る働き方を実現することになる。女性議員が増えると政策の優先課題が変わる。党則にクウオーター制を入れていくことが大切であり、女性が女性の支援をすることと教育を受けた女性が広く各分野でより深く学び活動することで目的に近ずける。箱物行政から人を中心にする時代になっている。これをヒューマンニューディールという。子どもを産む、産まないは個人の自由だが、育てるのは社会。切れ目のない支援が重要。児童手当の充実と就学前教育費の無償を目標にしたい。税の集め方と使い方を転換すること。女性と貧困問題を解決すること。(女性労働者の54%が非正規社員)。女性力こそが社会を変える時代です。女性議員の多くが、非自民に属しています。政府のアファーマティブアクションを強く望みます。


担当:高月由起枝 2009年4月12日

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