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3月6日(金)2月議会個人質問

 4月1日の政令指定都市移行を前にして、岡山市都市ビジョンを踏まえた質問を4項目いたしました。以下質疑と回答の要旨です。

1.岡山市の鳥の選定について

 2回にわたる前回までの質問に対する答弁は、市民の方々の盛り上がりをいただくことが大切であるとのことでしたので、政令市移行が目前と迫る中、市の決断を促しました。
 市長からは、民間の活動団体である「岡山市政令指定都市推進協議会」が政令指定都市移行記念共同事業として市の鳥選定に向け、広く市民アンケートをおこなうと伺っており、市民の盛りあがりを感じている。さらに政令指定都市移行を契機として本市にふさわしい市の鳥を選定することは意義のあることだと考えており、これらの動きを踏まえて市の鳥の選定向けて前向きに取り組んでいきたいとの答弁をいただきました。
 岡山市政令指定都市推進協議会では、3月28日からシンボルとなる市の鳥を募集します。推進協がアンケートで候補を選定した中からFAX、はがき、インターネットで応募してください。(推進協ホームページ 参照)

2.認知症になっても安心して暮らせる社会の実現

 認知症に対する正しい知識と適切な対応が重要であるという認識から数点質問し、答弁を求めました。

1)認知症サポーター養成講座

 現在1600人の市民が養成講座を受講し、参加してよかったとの声をいただいており、
 今後も地域包括支援センターが中心となって、さらに計画的に実施していきたいとのことでしたが、具体的な数値目標はお聞きすることができませんでした。

2)岡山市の認知症対策と認知症患者の実態把握

 平成21年度からの第4期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の中で認知症対策高齢者支援体制の構築の項目を設けています。認知症サポーターの養成講座の開催、地域包括支援サンターと地域組織との連携による高齢者を地域全体で支える体制作り、成年後見制度活用のための支援などを盛り込んでいます。岡山県の推計によりますと平成20年10月1日現在、岡山市の認知症高齢者数は12466人としています。

3)認知症サポート医とかかりつけ医の周知

 ・認知症サポート医:かかりつけ医への助言や支援を行い、地域包括支援センターと連携の推進役となる医師で、岡山大学病院等に6名。
 ・かかりつけ医:適切な認知症診断の知識識技術や家族からの悩みを聞く姿勢を習得し、認知症対応力向上研修を修了した医師で診療所を中心に197名。
どちらも岡山県のHPに掲載しているとのことでしたが、岡山市民にも知らせるべきだと要望し、市のHPから県のHPにリンクできることになりました。

 全国では、サポーターの養成を職員あげて取り組んだり、小学校や中学校の教育の中で取り上げたりして、進展する高齢社会に対応すべく行政や地域が真剣に取り組んでいる事例があります。岡山市の今後に期待します。

3.地球温暖化防止対策は一人ひとりの行動から

 家庭からの温室効果ガスの排出が増加の一途をたどる中で、斉藤環境大臣が「家庭部門における温暖化対策の切り札」と位置付けるエコ・アクション・ポイント事業が注目されております。エコ・アクション・ポイント事業とは、商品を購入すると、その店での購入に使えるポイントが得られる商店のポイント制度のように、環境に配慮して行動した人に、お金と同じ価値を持つポイントを与える制度です。たとえば「レジ袋を断る」「マイカーを使わずに公共交通機関を利用する」「省エネ家電を購入する」などの行動で地球温暖化防止に貢献できるのです。
 岡山市の所見を伺いましたところ、今後注目すべき手法と認識しており、すでに一部の地域で同趣のエコポイント活動が取り組まれているので、成果を踏まえ調査研究していくとの答弁をいただきました。
 また、家庭ごみが有料化になり、有料指定ごみ袋について、いくつか市民の方からいただいているご意見をもとに質問しました。

・中央のくくる部分がちぎれやすい・・・5月末納入の指定袋から改善
・濃い色と薄い色がある・・・・・・・・同じく5月末納入の指定袋から改善
・減免制度の介護要件の見直し・・・・・新年度実施の市民アンケートでニーズを把握
・10リットル袋より小さい袋が必要・・同様に市民アンケートの結果を見て検討する

4.食と農の未来を考える~地産地消の推進~

 一向に増えない食料自給率、国民を不安に陥れた産地偽装問題や中国餃子事件。生命をはぐくむ食と農は私たちの生き方を問う大きな問題なのです。
 今回は米飯給食の推進に的を絞って質問いたしました。食の問題は特に子どもたちの心身の健やかな成長に大きく影響するものですが、学校給食の中身を変えることによって、確実に良い方向へ転換できると考えています。
 文部科学省は米飯給食について概ね週3回が達成できたとして、次の目標として週4回に引き上げる方針を示しました。県内では美咲町が平成20年から週5回実施。新潟市は今年4月から週5回、京都市は平成19年度から週4回実施しています。いずれも日本型食生活の良さを見直し、子どもたちの健康増進に寄与する効果が大きいと評価しています。
 岡山市でもぜひ取り組んでいただきたいと求めましたが、岡山市は主食に変化を持たせ(米飯3回、パン1回、麺1回)、バランスが良い給食を提供しているとし、今後も週3回を継承していくとのことでした。
本当にバランスが良い献立とは何かを真剣に考えるべきだと思いましたが、米飯給食の効果を認めながら、さまざまな食の体験も必要と主張されました。

担当:中原淑子 2009年3月6日

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3月4日(水)2月議会個人質問

1.がん対策について

 「・・・がんは昭和56年以降、日本人の死因の第1位となっています。今や、2人に1人ががんになり、3人に1人はがんで死ぬという世界一のがん大国です。それなのに、多くの日本人は自分が、がんになるとは思っていません。それは、がんが『ひみつ』のままだからです・・・」

 2月13日、朝日高校でこんな特別授業が開催されました。講師は東大の中川恵一准教授。
「・・がん検診を受けなさいと啓発しても効果は上がりません・・・」と、中川先生はいいます。
「・・・がんがどういう病気であるかを知ること伝えることが大切です・・・」と。

 乳がんのデータで説明しましょう。DNAが傷ついて、がんが1個できて、それが1センチになるのに15年かかります。1センチのがんが10センチになるには5年です。1センチ以下のがんは発見できません。早期がんは乳がんだと2センチです。1センチが2センチになるには1年半です。この間で発見することが大事です。タレントの山田邦子さんは毎年検診を受けていたのに、忙しくて3年受けなかった。その間に乳がんが大きくなってしまった。2センチまでの早期がんでしたら、治癒率は9割以上です。
だから実際の検診も、乳がんは2年に1回、肺がんは進行が少し早いので1年に1回ということになっています。
 こう聞くと、「そうなんだ! 検診は大事だ」と、納得できますよね。

 また、昨年末に中川先生と対談された鎌田實・諏訪中央病院名誉院長は、35年前に長野県で胃がんの受診率を上げるために、ともかく「早期に見つけると助かるということを説明」して回ったそうです。
「健康づくり教室を各集落を回って年間80回ぐらいやると、受診率が上がってきた。さらに、受診しやすいようにということで、朝8時前に検診車を出すとか、日曜検診をするとか、地域の人たちの生活をみながら検診を合わせることで、検診率を上げました。」と話されています。

 ここにも大きなヒントがあります。要は、市民が受診しやすい工夫をしましょう、もっと本気で精力的にやりましょう、ということです。
学校での学習の推進、検診を受けやすい仕組みづくりについて種々提案をした中から、検討チームを組むこと、市民の要望を聞くこと、職場や地域へ行政の方から出かけて行くこと、またマンモグラフィ検診車を調達等により機動力を高めることなどを検討するとの答弁をいただきました。

2.校庭・園庭の芝生化について

 ご存じでした? 欧米では校庭は芝生が当たり前ってこと。
 いま、各地の校庭が土のグラウンドから芝生に変わってきています。注目は鳥取方式。ニュージーランドからやってきたニール・スミスさんが、「日本の砂漠、それが校庭」と驚いたのが始まりでした。
 「芝生はいいけど高い」というのが常識でしが、この鳥取方式は破格の安さです。植え付けまでの経費が1000m2で5万円以下。オプション抜きなら1校50万円あればお釣りが来ます
 喜びの声をいくつかご紹介します。
「転んだときの擦りキズが全くなくなった」「夏の気温が1、2度下がった」「子どもたちの外遊びが1.5倍に増えた」「5年生の男女とも、50メートル走の記録が1秒以上速くなった」「子どもたちはおおらかになっている」などです。
 もう少しメリットや特徴を申しあげますと、除草剤や農薬を一切使用しないので、環境と利用者に優しいことから、校庭の芝生化にはもってこいです。
 維持費は、だいたい年間で小学校なら20~30万円+水道代くらいです。環境面でも土埃や水たまりの防止、CO2やヒートアイランド対策、それに景観も良くなります。さらに、苗植えに、芝刈りにと、地域のみなさまが、「子どものためなら」と参画してくださるので、学校・子ども・地域の交流が生まれ、協働の場を提供するメリットもあります。
 いいことづくめですが、ネックは、土の校庭で育った先生方が、「校庭は土で問題ない」と思っていることだそうです。
 文科省も推進しているのですが、岡山市教育長は、「都会の事情と地方は違う。土のグラウンドで転び、傷を体験することが教育になる」と反対でした。
 全国のデータでも、芝生化した学校の方が体力が向上していますし、戸外へ子どもを誘うので、テレビゲームから子どもたちを取り戻す最終兵器との評価もあります。学校園のグラウンドを芝生化したら、なんと市内の145ヘクタールが緑のじゅうたんになるのです。
 まさにネックは大人です。実現できるよう、引き続き、6月議会で取り組んでまいります。

3.ペットの飼育について

 みなさまは、1年間に全国で何頭の犬や猫が保健所等で殺処分になっているかご存知ですか。実に34万頭を超えているのです。(助かるのは5%もいません)
 岡山市でも、猫と成犬は、ほぼノーチャンス。収容されたら、抑留されて処分されるだけです。新たな飼い主に選んでもらうステージに立てるのはセレクトされた子犬だけです。つまりそういう方針なのです。こうしたことを私たち市民は知りません。
 処分される犬の多くは元・飼い犬です。鑑札をつけていれば飼い主に連絡できます。また、むやみに咬む犬、吠える犬、なつかない犬は次の飼い主を探してもらえません。飼い主が、きちんとしつけていなかったせいです。いずれも殺されるペットの罪ではありません。
 マハトマ・ガンジーの言葉に、「国の偉大さ、道徳的発展は、その国における動物の扱い方でわかる」とあります。
 税金を、動物を殺すために使うのではなく、生かすために使えるよう、他都市の視察を基に提案をいたしました。
 その中で、成犬の譲渡を前向きに検討すること、市のホームページに迷い犬、譲渡犬の掲載をすることなどの答弁をいただきました。

担当:竹之内則夫 2009年3月4日

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3月4日(水)2月議会個人質問

2009年2月議会での取り組み

 議会では、大きく4つの質問をさせていただきました。

 1、定額給付金の給付における取り組みについて
 2、岡山市都市ビジョンについて
 3、小規模公園における防災拠点整備の推進について
 4、岡山市営墓地の管理運営と納骨堂について

以下、当局からあった答弁をご報告いたします。
定額給付金は、4月の中旬に申請書を発送することになりました。
岡山市の新しいマスコットキャラクターについても、広報誌や商店街、企業や団体など様々な場所、場面で使用できることになりました。
岡山駅南地下広場に整備している岡山観光情報センターに3人体制で常駐して観光情報の発信へ努力していきます。
関東や関西の岡山県人会の皆さんに、人脈をたより新たな企業の誘致などに取り組んでいきます。
公園の防災拠点整備は、今後、国土交通省の動向を見ながら進めていくとのことです。
岡山市営墓地の管理では、今後の墓地事業について納骨堂も含めて考えていくことが必要ではないかと問いました。
墓地での事故も多く、将来的に何百年も続く事業を自治体がきちんと経営していけるのかとの疑問がございます。
急傾斜地の墓地も危険ですし、いつ災害に見舞われるかわかりません。
納骨堂の併設も含め、今後の課題としたいとの答弁でした。

担当:松田安義 2009年3月4日

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2月6日(金)定額給付金給付等についての要望

 平成21年2月6日、公明党市議団は佐古・村手両副市長に以下の緊急要望をいたしました。

定額給付金の実施に関して

1) 景気浮揚・生活支援を目的とする定額給付金は早期実施が効果的である。年度内実施を目指すこと。
2) 年度内実施のため早急に関連事務にとりかかること。
3) 地元経済界・商店会と協力して政令指定都市移行記念のプレミアム商品券の発行を実施すること。
4) 定額給付金はその目的からホームレス・DV被害者など、早急に実態を調査し、最大限の配慮をすること。
具体的にはDV被害者を地域活性化・生活対策臨時交付金で給付措置をすること。

新年度予算関連

1) 妊産婦健康診査の14回無料にすること。
2) 政令指定都市移行記念のイベントを盛大に開催すること。

担当:高月由起枝 2009年2月6日

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12月22日(月)平成21年度予算要望

 岡山市長へ予算要望を以下のように行いました。

 平成21年4月1日より岡山市は、全国18番目の政令指定都市となり、来年度は本市にとって大変重要な年となります。
 しかしながら、昨今の世界経済・金融危機は日本にも大きなダメージを与え、円高・株価の下落に伴い景気の減速、雇用不安を引き起こしています。そのため政府・与党においては総額23兆円の緊急経済対策を講じ、一日も早い景気回復、経済の立て直しに向けて新年度の予算編成を行おうとしています。
 本市においても政令市移行後3年をホップ・ステップ・ジャンプと考え、安全・安心、住みやすい福祉のまちづくりを進めるとともに緊急事態に対応したセーフティネットの確立と景気・雇用対策も行っていかなければなりません。
 そこで、本市の来年度予算編成を前に下記の事項について要望いたします。

政令指定都市に向けたまちづくり

1. 政令指定都市としてさらなる市民サービスの向上を図るため、総合窓口や土日の開庁等を実施すること。
2. 夢のある交通戦略を立てて、吉備線のLRT化と路面電車の延伸化のための計画を策定すること。
3. 中四国の拠点都市として優位性を発揮し、トップセールスで地元雇用を創出する企業誘致を推進すること。さらに、税制や企業誘致の優遇措置策を検討すること。
4. 都市間競争に勝ち抜ける集客性を持ったコンベンション・観光事業に予算措置を行い積極的な事業を展開すること。
5. 貴重な市街地の岡山操車場跡地公園(仮称)について検討会等を設置して有効利用の計画策定に着手すること。

緊急経済・雇用創出策の推進

6. 政令指定都市移行と同時にJ2に昇格したファジアーノ岡山の支援体制を庁内に整備し、地域力で経済効果を生み出す施策を講ずること。
7. 緊急経済・雇用対策として学校施設の耐震化工事の前倒し発注を行うこと。
8. 地球温暖化の影響で夏日・真夏日が多くなっていることから、児童・生徒の健康管理も考え、小中学校の教室にクーラーの設置を推進していくこと。
9. 道路特定財源が一般化になるが、外環状線道路を含む基幹道路の整備については早期の推進をしていくこと。
10. 離職で住居を失った非正規労働者などの受け皿として、雇用促進住宅が溢れるような場合は、市営住宅などで入居の対応をすること。
11. 耐震構造偽造問題や小規模工事問題を経て手続きの厳格化が行われてきています。厳格化は担保しつつ、工事実施までの期間の短縮化をすすめること。

セーフティネットの確立と安心の福祉医療体制の確立

12. 国の補助制度に伴い妊娠時に安心できる妊産婦無料健診を14回まで拡大すること。
13. 乳幼児医療費助成制度の無料化の対象年齢を小学校3年生まで拡大すること。
14. 国民健康保険費特別会計の健全化(収納率の向上ほか歳入増加の取り組み、一般会計からの繰り入れ等)を図るとともに、強力に健康づくりを推進し保険料の上昇を抑えること。
15. 介護報酬のアップに伴う国からの特例交付金を活用し介護給付費準備基金の取り崩しにより、介護保険料の基準額の抑制を図ること。
16. 24時間365日救急患者を受け入れる(仮称)岡山総合医療センター構想の実現に向けて実施計画を策定すること。

ムダの削減と行財政改革の推進

17. 更なる事業仕分けを行い、行政のムダを廃し、行財政改革を継続すること。
18. 情報化コストの総点検実施とそのための人材育成に取り組むこと。

地球環境にやさしい施策の推進

19. 晴れの国岡山の利点を生かし太陽光発電の推進事業と助成金の拡充を図るとともに学校に太陽光発電を設置し環境教育と地域活性化を推進すること。

食の安全と新しい農業ビジョンの推進

20. 学校給食や公共施設の食堂等で市内産の農産物を積極的に活用することで、計画性のある地産地消を確立すること。
21. 農薬や化学薬品の混入など食をめぐる事件もあいついでいるため、食の安全を守るためトレーサビリティの確立を進めていくこと。
22. 岡山ブランドの推進と担い手の育成を進めるとともに農地の賃借を自由化し企業やJA、NPO法人などが農業に参入しやすいようにすること。

子どもの笑顔が輝き、育てやすい環境の整備

23. 保留児も入園できるよう保育園の定員数の増加と公立保育園の民営化を推進すること。
24. 急増する発達障がい児や障がい児を支援できる特別支援学級の拡充を図るとともに発達障がい支援センターの設置すること。
25. 義務教育の9年間を通したカリキュラムの策定を図り、小中一環教育の導入を推進すること。

担当:則武宣弘 2008年12月22日

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12月12日(金)11月議会個人質問

1、感情労働について

 「感情労働」は例えば物を作るとき、心をこめればよい製品が出来上がります。看護の仕事では、患者の立場で同苦し心から励ましをすれば、治癒力が高まり、手術や治療以上の結果が出ることがあります。教師・保育士・各種相談員などその中心的存在です。しかしその評価は数値化できないので、評価の対称になりにくく、研究もされなかった領域です。しかし昨今のストレス社会で、仕事の効率を上げるためには人の心・感情・やる気に負う必要が再認識され始めました。効果とともに気をつけなければならない点は、例えば、各種相談窓口の相談員さんは共感し、心に寄り添いサポートをしますが、相談者が依存的になる、相談員が何も応えられない自分に無力を感じ、最悪バーンアウトをしかねないということです。それを防ぐ方法は、役に立っていることの実感と社会のシステムを変える原動力になっている事実を認識できることが必要です。行政は市民サービスですから市職員全てが感情労働者です。現場で聞いた声、感じたことを政策に生かし、職員のモチベーションを保つシステム構築をするとの確約をもらいました。

2、家庭内暴力対策について

 11月22・23日に開催の第11回目の全国シェルターシンポジュームに参加し、改めて暴力への戦いの気持ちを強くし、以下質問をしました。

(1)当事者支援について

 岡山市では母子生活支援施設があります。
利用者の方の自立へ向けた相談・精神的支えなど処遇面の充実も合わせて図られなければならない事業で、きめ細かな対応が必要です。時代にあった施設の利用を考える時期が来ているとの質問に、奥田子育て担当局長は立替、改修を含めた施設の安全整備と共に指定管理者制度導入また、民間委託を含め対応すると答弁でした。

(2)高齢者のDV対策について

 児童虐待に比べて潜在的なケースはかなりの件数に上ると推定される。虐待する側もされる側も虐待の事実を隠す傾向が強いことが原因となっている。また慢性化した虐待の場合、高齢者が肉体にも・精神にも加齢に伴う変化があって、発見しにくく、したがって当事者が言い逃れし易いという問題も見られる。虐待を発見するには、高齢者本人のごく自然な行為に対する極度のおびえや、立ったり座ったりという普通の日常的な生活動作での不具合などに注意する必要があるといわれています。早期発見のために保健師・介護支援専門員・ホームヘルパーなどに研修、周知を図り早期発見に努めるとともに、相談・連絡・対応・支援についてのマニュアル作成を考えてはと質問をし、実施するとの答弁を得ました。

(3)DV加害者対策について

 札幌スペースおんの代表の近藤恵子さんが言われた言葉が忘れられません。「これまで2500人の被害女性を逃がしてきた。彼女たちは住居を追われ、職を無くし、親族友人から切り離され、経済苦と孤独の中でもがいている。他方加害者は同様に苦悩していると思うが、社会的な責任は問われなくて、同じ職場で、家で生活をしている。大変虚しい。」と。DV防止は市民の安全な暮らしを守る行政として出来るところからはじめなくてはなりません。相談件数は年々増加、3日に1人が殺害されている現状は、その件数だけの加害者が存在するということです。加害者にならないための対策をどのようにされているのでしょうか。
 平成19年9月議会で質問を致しました。「市職員のDVに対して庁内規程を設けることはどうか,また採用,委嘱の前に情報を得た場合,対応が必要ではないか」と質問に対して、岡村総務局長は「家庭内暴力の加害者が配偶者に対し暴力を振るうに至る要因にはさまざまな要素があるのではないかと考えられるため,加害者となった職員を,御指摘の飲酒運転等の懲戒基準のような画一的な処分を行うことには難しさを感じているところでございます。」と答弁されました。続けて「職員の採用に際しましても,事前にDV行為の情報を得ることは個人情報でもあり,果たしてどうか,困難さがあるというふうにも感じております」と答弁されております。事情があれば飲酒運転も許され、暴力を振るうにいたる要因によっては許されると取れる答弁をされていますがどのような事情でも飲酒運転・暴力は犯罪なのです。懲戒基準を県女性相談所・市のさんかく岡山支援センター、警察・福祉事務所等に相談し、被害者がDVと認定された事例で、懲戒処分の対称にならないのか尋ねた。
 続いて「しかしながら,御指摘のように加害者がこういった行為をとるということは,まさに犯罪行為でありますので,そのような情報を仮に得ることのできた場合には,公務員としての欠格条項,または懲戒処分の基準などに照らしまして,厳正に対応してまいりたいと考えております。」と答弁でした。
 DVは犯罪なのですから、情報は積極的に取る努力をして防止に努めなければなりません。そして、DVは犯罪であると法律で決められたのですから、欠格条項又は懲戒処分の基準に入れる改正を目指さなくてはなりません。DV加害者が正に処分がされると決まっていることが抑止力になるのです。
 DVを見て育つ子どもの心に大きな影響を与えるといいながら何も策を弄さないのは理解できません。加害者の人権より被害者の人権が低く扱われる様なことがあってはなりません。

(懲戒)第29条 職員が次の各号の一に該当する場合においては、これに対し懲戒処分として戒告、減給、停職又は免職の処分をすることができる
(信用失墜行為の禁止)第33条 職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。
(降任、免職、休職等)第28条 職員が、左の各号の一に該当する場合においては、その意に反して、これを降任し、又は免職することができる

 総務局長から、岡山市懲戒処分の基準に関する要綱の公務外非行関係の違反行為、「暴力・喧嘩」に、「DVを含む」とその他の文言を加えることを検討するとの答弁を頂きました。 日本で始めての対応で、これにより全国実施になれば、行政の加害者対応が進むことになると期待している。

3、適正価格での契約推進のための、公共工事の入札及び契約の改善について

 地域産業の中核として大きな役割を果たし、多くの雇用を維持してきた地域の有力な建設業者の倒産が今年に入って相次ぎ、地域経済の疲弊が顕著です。このため、本年8月29日に経済対策閣僚会議において決定された「安心実現のための緊急総合対策」において、建設業について、「単品スライド条項」の的確な運用、適正価格での契約の推進等による経営力の強化、資金調達の円滑化を図ることとされました。岡山市では、昨年の9月12日の都道府県知事および政令市長あてに「安心実現のための緊急総合対策」の適切な実施を求める緊急要請を受け、早速実施しておりました。件数は3件と少ないものの、市のすばやい対応に市民も安心されるでしょう。適正価格での契約を推進する観点から公共工事の入札及び契約の改善を早急に行うために、(1)前払い金の適切な運用 (2)早期発注 (3)支払い手続きの迅速化 (4)最低制限価格及び低入札価格調査基準価格を算定方式の改訂等により適切に見直す (5)最新の実勢価格を予定価格に反映 についても実施をしておりました。単品スライドとは、公共工事で契約締結後に資材価格が上昇し、請負業者の経営が圧迫される事態が起きた場合、主要な工事資材のうち、急激に価格が高騰している鋼材類と燃料油を対象に、公共工事受注者からの請負代金変更請求に基づき、対象資材の価格上昇に伴う増額分のうち、対象工事費の1%を超える部分を発注者である同省が負担するものです。

4、倉安川改修と雨水対策について

 一級河川倉安川は、吉井川と旭川を結ぶ運河兼かんがい用水路として江戸時代に開削され、岡山の商業(水運)、農業に貢献してきた河川です。倉安川の氾濫防止と、市街化区域内の快適な河川環境の創造のために、岡山市により全長6.55Kmうちの5.57Kmの整備が平成元年より実施されている。倉安川の北の円山地区と南の山崎地区の一部が稲作用水・台風・豪雨・夕立などと重なると浸水をします。倉安川の護岸改修とその後の川底を掘り下げる事業と同時に二地域の浸水解消を図ってはとどうかと糾した。

5、地域における個人情報について

 平成17年4月1日より、個人情報保護法が全面施行され、国、県、市町村と事業者は共に個人情報の適正な取扱いが求められることとなりました。反面、高齢化社会を迎え、地域ぐるみで災害時の安心安全を確保するために、独居、病気、障害者などの方々の情報を掌握をしておいた方がよい状況になっています。地域で我々の個人情報はどのようになっているのかお伺いを致します。
 母子保健の向上、結核予防、生活習慣病予防、その他、地域住民の健康管理について自覚意識の向上等に頑張ってくださっています愛育委員さん場合は必要に応じて情報を持っていることは考えられる。また民生委員・児童委員は担当地域の世帯表の作成・福祉台帳は作成し保持している。市としてその記入・活用・管理について、研修、申し合わせをし、細心の注意を払って対応するとの答弁をもらいました。

担当:高月由起枝 2008年12月12日

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12月10日(水)11月議会個人質問

 景気の落ち込みなど社会情勢の変動が激しく、日常生活に厳しさが増す中で市民の皆様の厳しい目が政治に向けられています。市民の要望に少しでもお応えしたいとの思いで、日頃寄せられたお声から身近な市政の課題について4点質問いたしました。

1、普及が進まない地上デジタル放送への移行

 2011年7月24日、地上デジタル放送への完全移行まで2年半余りとなりました。
テレビは国民生活に深く浸透した情報基盤ですが、総務省が本年9月に行った最新の調査では地上デジタル放送対応の受信機の世帯普及率は46.9%で、当初目標の50%を下回り、円滑な移行に黄信号が灯りました。これまで公明党は視聴者の負担軽減を求める署名を実施、円滑な移行・経済弱者補の配慮など政府に要望してきましたが、懸念される以下の点についてお聞きしました。

(1)特に高齢者や障がい者への細やかな周知
(2)心配される悪質商法・詐欺などへの対策
(3)本市の市有施設が原因となる受信障害
(4)大量廃棄が予想されるアナログテレビの対策
(5)経済弱者対策

 地デジへの移行は国の政策ではありますが、突然期限を切って打ち切られるという不満を多くの市民が感じています。予想される上記の点について岡山市が不安解消を図ることができる事柄については、情報を提供していく必要性を訴えました。

2、安心して暮らすために地域包括支援センターの相談機能の強化を

 一人暮らし高齢者や高齢者のみの世帯、または常時注意が必要な高齢者がいる世帯等が年々増加している中で、高齢者が住み慣れた地域で安心して、できる限り自立したその人らしい生活がおくれるよう支援していくための総合機関として、地域包括支援センターが平成18年に開設され、現在岡山市では本センター、各中学校区にサブセンターを置き、活動を推進しています。
 多岐にわたる業務ですが、ますます増加・多様化するニーズにスピーディかつ的確に応えていくために、平成21年度から小学校区を単位とした地域ケア会議を開催し、地域全体で高齢者を支える体制が強化されます。岡山市では市民とって身近なサブセンターが、土・日はお休みで、土曜日に電話をかけると本センターに転送されます。第3土曜日は本センターもお休みになるので、当番に転送される仕組みになっています。
相模原市では平成19年から24時間対応の電話相談窓口を設置、家族や高齢者本人からの相談に専門家が応じています。岡山市でも実態を調べ、実施してはと提案しました。
 岡山市の相談件数をお聞きすると平成19年度実績で30,637件の相談件数の内、電話15,991件(52.2%)夜間61件(0.2%)ですが、来年度から始まる小学校区での相談実績を踏まえ、相模原市の内容を研究し、今後十分検討していきたいとのことでした。

3、思春期の子どもの健康づくり

 思春期は、自我の意識が芽生え、第二次性徴など体の成長に伴い、精神的にも不安定になりがちです。いじめ、虐待、不登校、引きこもりなど様々な形となって表れますがこの時期の悩みを早い段階で発見し、心身両面にわたってサポートできる仕組みの充実を求めました。

(1)相談体制・窓口

 現在はスクールカウンセラー、教育相談室、思春期電話相談などがあり、来年度政令市移行に伴い、子ども総合相談所や各福祉事務所に地域子ども相談センターを設置し、さらにこころの健康センターでの精神科医や心理師による専門的な相談も可能になり、相談窓口体制が総合的に整備されます。

(2)居場所づくり

 思春期の居場所として、放課後子ども教室、ジュニアリーダーの育成、子どもフリー塾などがありますが、横浜市が設置している「青少年交流センター」は申請なしで自由に利用できる部屋があり、また「野菜カフェ」(地元農家から野菜・地産地消について、プロのシェフから調理を、建築家からお店のレイアウトなどを学習し当日を迎えた)の取り組みを紹介し、さらなる居場所づくりを求めました。

(3)「思春期手帳」

 現在の学校教育では健康に関する指導は発達段階に応じて実施されていますが、思春期の子どもたちが所持でき、健康の知識や悩みの相談窓口が掲載されている例えば「思春期手帳」の作成を提案しました。

4、携帯電話リサイクルをさらに推進

 携帯電話リサイクルの促進については、岡山市議会6月定例会で意見書が採択され、政府の取り組みの推進を求めてきました。秋田県や東京都では携帯電話の回収実験をスタートさせ、「世界の環境首都」を目指す北九州市ではソニーと共同して実証実験にのりだしました。
 携帯電話リサイクルの回収は、2007年度にピーク時の約半数の644万台まで落ち込んでいます。減少の理由について約半数の人は帯電話がリサイクルされているとの認識がなく、個人情報保護のセキュリティに不安があるものの、消極的な理由で手元に置かれたままになっていることが明らかになりました。
 岡山市では携帯電話の回収についての啓発をホームページに掲載していますが、さらに資源として回収できるよう、たとえば成人式など多くの若者があつまる会場など、或いは環境月間の行事として、さまざまな機会をとらえてパネル展示することを要望し、積極的に各種イベントでのパネル展示や広報紙を利用して啓発に努めるとの答弁をいただきました。

担当:中原淑子 2008年12月10日

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12月9日(火)11月議会個人質問

 今回の議会では、3つの質問をさせていただきました。

1、舗道のインターロックレンガ工事の施工について

 レンガによる舗道の施行は、樹木などの成長によって浮き上がり、大変危険な状態になるばかりか、再三の補修工事による維持費もかかります。今後レンガによる施行をやめるとともに、ソフト加工によるバリアフリー施行を進めていくよう要請した。
 当局は、今後ソフト加工施行の強度等の情報を取りながら、検討していくとした。

2、近見視力検査の導入について

 現在、教育現場では子どもたちに対して遠見視力検査しか行っていない。近くを見る近見視力検査の重要性を訴え、検査の必要性と実施を促しました。
 当局からは、近見視力の研究者である高橋ひとみ教授による検査について、試験的にやってみたいとの答弁があった。
 重ねて、就学前健診での検査を促した。

3、岡山コンベンションシティ構想のために必要なものは

 提案型の質問にいたしました。
コンベンション誘致での評価を上げるためには、岡山の観光対策の強化が求められます。知名度の周知が第一です。そのために、古代吉備ロマンや桃太郎伝説などの物語を岡山のオリジナルとして創作する。果物王国岡山県全県の観光農園や特産品ショップ、その地元の果物を使った飲食店などの観光マップをつくる。
 岡山の豊かな自然、歴史、文化などを活かしながらのストーリー性のある観光行政を戦略的に進めていくことが大切である。
 これらの提案について高谷市長から、前向きに取り組んで行きたいとの答弁があった。

担当:松田安義 2008年12月9日

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12月9日(火)11月議会個人質問

 今議会では、政令市昇格を前に「今一度、仕組みの見直しを!」との視点で、4項目について個人質問をしました。

行政力の向上と効率化について

(1)県・市の連携と役割分担の仕組みづくり

 二重行政の解消や連携は、県・市双方にメリットがあります。
私は、まずトップ同士が「共に協議していこう!」と話し合うことが大事であると、市長に申し上げ、知事と市長の合意を基に、

「実務者レベルで行う継続的な協議機関を設置すべきである」と提案しました。
また、「今後、本市が県との間で、改善すべき項目を洗い出すよう」求めました。

(2)行政の専門力強化の仕組みづくり

 政令市となる本市にとっては、職員の自治体経営能力や政策形成能力等の専門性向上がこれまでにも増して重要です。

「専門家養成に着手するには、当然、新たな養成フレームと、到達すべき姿を描かなければ、スタートを切ることもできない」と具体化を求めました。

地域と教育の再生について

(1)教育から見た仕組みづくり

 教育の目的は「子供たちが社会で自立して生きる力を身につける」ことです。
かつてそれを担っていたのは、家庭と地域と学校でしたが、昨今は次第に学校への加重が増え、教師のオーバーワークや、追いつかない特別支援、浮きこぼれなどが指摘されています。
 こうした状況を改善するために、「杉並・和田中学」や「おおさか・まなび舎」では学校支援本部を設立し、その担い手を地域から学校に呼び込みました。

「本市でも、学校を核とした地域協働で、教育再生の地方モデルに取り組むよう」要請しました。

(2)地域から見た仕組みづくり

 この何十年かの間に、子育て・介護・地域環境の維持など、かつては家庭や地域が担っていた分野に、いつしか税金が使われるようになり、行政依存の体質を作ってきました。
 そうした反省から、高谷市長は地域自治再生の第一歩として安全安心ネットワークを立ち上げられました。
 良い取り組みではありますが、このネットワークも含め、すでに地域には縦割りの多くの構成団体があり、現実には一体的な地域づくりの阻害要因になっている面もあります。

「市民による地域分権を推進しようとすれば担うべき新しい組織に行き着かざるを得ません。発展的統合を検討していただきたい」と要望しました。

発達障害児の特別支援について

(1)特別支援学級編成の仕組みづくり

 特別支援学級はおおむね3名の目安で開設されます。
例えば一年生では、学級に3人以上在籍しているのは69校のうち7校。62校は一年生は2名以下でも上級生がいるので、学級があります。
 もし新設だったら、学級が設けられなかった可能性があった訳で、つまり新設は上級生がいない分、難易度が高いのです。

「本来一人であっても支援が行われるべきです。申請させて聞いてやるのではなく、教育委員会こそがお膳立てをするべき」と訴えました。

(2)発達障害の理解と啓発の仕組み

 本市においては、就学指導を要する情緒障害を持つ5歳児はこの5年間で2倍以上に増えておりますが、彼らの約半数は、特別支援学級ではなく通常学級に入学・在籍します。
 ですから、通常学級の先生や補助員にとっては、発達障害の理解や教育スキルは重要です。
 特に手が少ない中で円滑に学級運営をするためには、一般的な理解だけではなく、「こんなときにはこうやったら落ち着いた」といった実践的スキルが欠かせません。
 最近400にも及ぶアイデアを紹介した、通常学級の特別支援教育マニュアルが発刊されていますが、

「教育委員会は、こうした現場を助けるお助けアイテムの導入や工夫が不足している」ことを指摘し、改善を求めました。

 その一方で、小学校で年間50人程が、通常学級から特別支援学級に転籍しています。
それは、保護者の理解不足で、適切な学級選択がなされないことにも一因がある、と言われています。 子どもを持つ親の1割は当事者になる可能性がある時代ですし、当事者にならなくても地域やクラスで必ず接することになります。

「そこで、将来に備え、学生時代にこそ、学ぶ機会を提供すべきであります。教育委員会としてメニューやカリキュラムを検討していただく」よう要望しました。

(3)発達障害支援の態勢づくり

 児童相談所や発達障害支援センターの整備が画竜点睛を欠かないためには、現状圧倒的に不足している診断等の態勢整備が最重要です。

「特に、診断や人材養成などの中心的役割を担う児童精神科医を児童相談所に常勤で配置することが、間違いなく支援の一丁目一番地です。是非やっていただきたい」と申し入れました。

少子高齢化対策について

(1)子育て支援の仕組みづくり

 子育て世代の男性を取り巻く労働環境は厳しく、大きく分けて二つの課題に直面しています。
 一つは非正社員の場合は経済的、社会的に不安定だということ。
もう一つは、正社員の場合の長時間労働です。
 「男の育児」は、ワーク・ライフ・バランスとともに、すでに企業の次世代育成支援策の中でキーワードになりつつあります。

「検討の次のステップへ!市が主導して企業・団体の参加・協力を求め、働き方をどう改善するのか、その具体的取り組みを始めていただきたい」とアクションを期待しました。

(2)認知症支援の仕組みづくり

 岡山市では1万2千人の方が認知症と推計されています。
認知症者を抱える家族にとって大きな負担となっているのが、介護保険の訪問介護が適用外となっている、見守り等の問題です。
 今、企業の現場では、出産・育児と併せて、介護の必要から離職者が後を絶ちません。
もうすでに社会問題です。仕組みをつくるのは行政の仕事です。

「先進市を参考に、介護の隙間となっている認知症の方々と家族をサポートする事業を検討するよう」要請しました。

担当:竹之内則夫 2008年12月9日

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12月8日(月)11月議会代表質問

1、政令市を目前に控えて市長の政治姿勢

(1)行財政改革のあり方

・財政指標と共に市民の評価である満足度等でも他都市との比較で優位に立つという視点が必要では?

(2)都市政策のシンクタンク設置

・政令市となる岡山市が都市政策について、技術の移転を受けた職員自身で分析・研究し課題解決や成果を出すことのできるシンクタンクが必要ではないか。

(3)情報分野の評価と人材の育成

・情報化全体の予算の0.5%~1%を使って、現状の総点検を実施し、さらには職員自ら実施できる人材を育成すべきでは。

(4)住民サービスの向上と行政への苦情・不服に対して

・住民と行政の接点である窓口サービスの充実を訴え・「育てよう!カイゼンの芽・ジッセンの木」制度については、他都市の例を見てもすぐに実行できることがたくさんあることを示し、実践力を尋ねた。

(5)企業誘致施策

・政令市を迎える今こそがチャンスであることを示し、トップセールスや優遇措置の重要性等を訴え、その推進を提案した。

(6)定額給付金と共通買い物券

・物価高、景気後退、雇用不安等で苦しむ家計に、円滑に給付できるよう定額給付金実施本部の設置を提案。さらにあわせて、政令市移行を記念し、東京都中央区などが実施したプレミアム付きの市内共通買い物券の取り組みを提案。

(7)緊急保証制度についてー中小企業を守れー

・制度の円滑な実施のため商工会議所との連携や相談窓口の強化などを求めた。

(8)証明書自動交付機と住基カードの普及

・政令市のスタートと共に導入される証明書自動交付機に必要な住基カードカードについて、現在岡山市は住基カードの発行や印鑑手帳のカード化が無料となって下り、いっそうのPRを求めた。

(9)政令市と合併地区

・政令市となって県と同等の権限を持つこととなる岡山市にあって「周辺がさびれたなー」と言われないように、しっかりとした取り組みを求めた。

2.防犯灯の整備等について

・通学路など町内会を超えるエリアの防犯灯事業について、見直しを尋ねた。

3、市民病院と(仮称)岡山総合医療センター構想について

・現在の市民病院の将来構想である岡山ER「(仮称)岡山総合医療センター」は、救急医療に加えて教育・人材育成の役割があることについて、全国のモデル事業ともなりうることに期待し、その内容を尋ねた。

4、国保会計と健康づくり

・昨年より赤字となっている国保会計の厳しさを指摘し、まずは会計の健全化のための他都市の先行事例なども紹介し、保険料を値上げしないために最大の努力を求めた。場合によっては一定額の一般会計からの繰り入れもやむなしとするが、健康づくりや行革への理解など市民に対するメッセージを求めた。

5、介護保険・介護予防

・高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画における第4期(平成21年度~23年度)の介護保険サービスについて、課題の解決や独自の負担軽減策を求めた。

6、老人福祉施設整備について

・民間任せといえる施設整備に、行政の関わりを求めた。

7、女性トータルサポート

(1)妊産婦健康無料診査の14回の実施について
・公明党が強く進めている施策であり、政府与党も予算化の合意をしておりその実現を求めた。

(2)出産育児一時金の拡充

・35万円から38万円に増額するのは、その3万円が出産時の脳性まひに対する保険料分上乗せであり、岡山市内の医療機関の産科医療補償制度への加入状況、市民への公表を尋ねた。

(3)乳幼児の医療費無料化の拡充について

・就学前まで拡大してきた無料化について、さらに9歳までの拡充を求めた。

(4)子宮頸がんワクチンの認可について

・子宮頸がんに有効とされるワクチンについて、岡山市として市民へ啓発等を求めた。

8.新型インフルエンザ対策についてお尋ねいたします。

・パンデミック(集団感染)が危惧される中、訓練等岡山市の取り組みを求めたが、まずは市民に対して、食糧、水、マスク等の備蓄など対応策の周知を求めた。

9.ゴミの有料化の進捗状況と説明会での反響等について

・説明会実施を受けて円滑な実施を求めた。さらに、公明党市議団が実施した独自アンケート調査の結果を示し、実施後改善すべき点が浮上すれば改善すべきことを質した。

10、ごみ収集コストと資源化

・ごみ収集事業は労働集約型の市民サービスの提供であり、市民満足度が重要なポイントである。正しい現状分析と正しい評価が求められており、そのためには、日常的に改善に取り組む委託業者等民間団体との研究会の充実を求めた。

また、資源化物の相場がかなり低下していることから、各地域・団体で行われてきた自主回収の取り組みへの影響や不法投棄へ懸念を質した。

11、救急体制について

・社会問題となっている、「たらい回し」を紹介し、岡山市の対応を質した。さらに、不適切な救急車の利用に対する対処についても質した。

12、農業振興ビジョン

・生産者が消費者のニーズを生産に生かしていけるような仕組み作りを提案。さらに、農業振興ビジョンについて米粉パンの学校給食への普及やわが国の食糧自給率の向上について質した

13、鳥獣被害対策と評価

・国の法改正を受けて準備中の岡山市の鳥獣害対策計画について、地域で効果的な捕獲技術や防除技術を開発されている方々を岡山市がアドバイザーとして登録し紹介できるシステム等について提案。確実な成果が上がるような取り組みを求めた。

14、ゲリラ豪雨等雨水対策

・雨水を土地に浸透させる、また貯留する対策について、積極的な推進を求めた。

15、建築確認の円滑化

・法改正による新たな「構造設計1級建築士」「設備設計1級建築士」について、円滑な実施のための岡山市の取り組みを尋ねた。さらに、建築関係団体と連携し、「構造・設備設計サポートセンター(仮称)」の整備を進め、高度な構造・設備設計について、岡山県への働きかけを提案した。

16、小中一貫教育の必要性

・義務教育9年間の「岡山市カリキュラム」を作り、全市的に小中一貫教育を推進することを訴えた。さらに小中一貫の思いを持ち、特色ある教育を作り上げていく気概を持った教員の育成を求めた。

17、足守地区の新しい学校園づくり

・このたびの3園統合を尋ね、足守地区の将来の就学前の教育について質した。

18、私学の耐震化工事

・私学に対する資金的な支援を含め、避難所としての可能性などついて質した。

担当:田尻祐二 2008年12月8日

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10月10日(金)岡山市の政令市移行へ閣議決定

 政府は10月10日の閣議で岡山市を来年4月1日より政令指定都市とすることを決定しました。岡山市の政令指定都市移行は全国で18番目となります。

 今回の閣議決定を受け、岡山市からは高谷市長をはじめ宮武市議会議長、磯野副議長、安井議運委員長、浦上総務委員長、則武政令指定都市調査特別委員長、村手副市長、岡山県からは堀井総務部長、大森企画振興部長、推進協議会からは兼松市連合町内会長、佐藤市連合婦人会長などが総務省の鳩山大臣を訪ねました。大臣室では鳩山大臣から「おめでとうございます。18番目の政令市として責任がおもくなります。」と激励を受けました。その後、総務省の関係局や県選出の国会議員などにお礼の訪問をしました。

担当:則武宣弘 2008年10月10日

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9月9日(火)9月議会質問

1、児童手当の支給手続きの変更について

 児童手当法による児童手当は、「子どもを育てている方に手当を支給することによって、家庭における生活の安定と、次代の社会を担う児童の健全な育成及び資質の向上に資する」ことを目的として制定されております。しかし、夫の暴力等で子どもを連れて別居をしている家庭が増えて、世帯主に支給される児童手当が法の主旨に添った支給、すなわち子どものために使われない例が増えています。そこで平成19年6月議会で児童手当の目的に沿った支給変更は出来ないかと質問を致しました。しかし児童手当法は国で改正をしなければなりません。そこで、厚生労働省への働きかけ、国会議員との連携で、本年5月9日付け、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4に規程する技術的な助言として、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長より、都道府県知事宛に、「児童虐待・DV事例における児童手当関係事務処理について」が出されました。子どもと一緒に生活している家庭内暴力の被害者が、いま住んでいる市町村に申し出をすれば県を通じて手続きが可能になりました。対象者の人々には大変な朗報と喜んでいただいています。県との連携・対象者・各種相談窓口・福祉事務所等関係部署への周知徹底はどのようにされているのかを尋ねました。積極的に周知徹底を図っているとの答弁でした。

2、介護保険の見直しについて

 介護保険は3年に一度改正が行われます。来年は改正の年に当たっています。第1回高齢者計画策定専門委員会が開催され、昨年暮れに実施された高齢者実態調査の結果、新計画の理念等を議題に、平成21年4月に向けて協議が始まっています。第3期高齢者計画の実施結果を尋ねながら、保険料の抑制に向けて工夫・努力を迫りました。
 地域密着型サービスは、夜間対応型訪問介護・認知症対応型通所介護・小規模多機能型居宅介護・認知症対応型共同生活介護・地域密着型特定施設入所者生活介護・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護の6種です。特養以外の施設整備が行われると症状と環境に合わせて利用が出来るのですが、保険料に跳ね返ってきます。整備状況と評価を確認いたしました。
 介護予防をし、健康寿命を延ばす新予防事業は、立証されるまでの効果が上がっていません。次期改正後は健康づくりの推進・脳卒中や認知症の予防など介護予防・健康維持の観点から効果を上げてもらわなければなりません。
 特別養護老人ホームの食費と部屋代が入所者の負担になりました。心配された利用状況への影響は無いとの事でまずは安心致しました。
 岡山市の介護保険料は、標準月額4760円と高額です。介護保険料の抑制にはどのような方法が考えられるか。

3、子どもたちの健全育成のために

 生徒・学生・青年たちの電子メディア(ケータイ・テレビ・テレビゲームなど)の依存症・いじめ・援助交際などに利用され、深刻な問題になっています。状況の悪化を防ぎ、犠牲者を出さないために早急な対策が必要です。そこで以下の質問を致しました。保護者・教師が知らない実態を述べましたので、参考にして頂くために、そのまま掲載してみます。
 「岡山市都市ビジョンの素案が示されました。本論の4で自立し自己実現できる人間力を育てるが謳われ、基本方向として、子どもたちが自立し、社会の中で自己実現できるためには、自ら学び考える力と他者と共感する心など美しい心を育てることが大切といわれています。岡山っ子育成条例が策定され、学校・地域・市民一人ひとりが責務を自覚し推進が始まっています。私は、それらを推進すると同時に、推進を阻む要因の排除がなければ成果は上がらないと思います。その要因の一つに急速な情報化の進展(テレビ・テレビゲーム・インターネット・携帯電話などの普及)が子どが子どもたちを取り巻く環境を大きく変えている事実があります。
 特に携帯電話は、保護者は、頻繁に起こる犯罪や事件から子どもを守る為に持たせているのですが、電話機能のほか、テレビ・インターネット・ゲーム等の機能が満載で、よい情報も悪い情報も、子どもたちが簡単にそして直接アクセスが出来てしまう危険があります。人間関係、特にいじめの深刻さを増しているといわれています。
 そこで、広島市で本年3月制定された「青少年と電子メディアとの健全な関係作りに関する条例」を勉強してまいりました。条例の趣旨は、「電子メディアが青少年に及ぼす影響にかんがみ、青少年と電子でメディアの健全な関係作りに付いて、取り組みの基本方針を定め、保護者、事業者、市民及び青少年の責務を明らかにし、青少年の健全な成長に寄与」するものです。取り組みの基本方針は1電子メディアに過度に依存する青少年を電子メディアから引き離す、2青少年に電子メディアをとうして有害情報の閲覧・視聴をさせないようにすること、3青少年に電子メディアを適正に利用するために必要な知識し・能力を習得させることを3本柱に、主な施作として、電子メディアに過度に依存しないように引き離すために、学校と家庭と協力してノーテレビデーの実施、有害情報の閲覧視聴防止のために啓発推進とフィルタリングの普及活動を実施しており、市・保護者、学校事業者の責務と青少年の努力を明記しています。特に事業者に対しては十八歳未満の者へパソコンなどの販売・貸与をする場合、フィルタリング機能の勧奨をしなければならない、携帯電話は、フィルタリング機能を備えた上で販売・貸与しなければならない、インターネットカフェは、フィルタリング機能を備えた上で利用をさせなければならないと規定し、遵守しない事業者に対し、市が立ち入り調査、指導、勧告を行い、指導・勧告に従わないときは事業者名を公表する罰則を明示している。メディアリテラシー(ある事象を理解し整理し活用する)のために、子どもと保護者を対象に「子どものための電子メディア安全教室」の開催をしており、同時にインストラクターの養成をしています。フィルタリングについて保護者向けのリーフレットを配布、事業者説明会を実施しポスター、リーフレットの配布をしています。
 9月2日、県主催の「ケータイ有害サイトから子どもを守る講習会」に参加いたしまして、全国webカウンセリング協議会理事長の安川雅史さんの話に驚愕いたしました。
 今の子どもたちは大人が見ていても驚くほどケータイを自由自在に使いこなします。食事のときも入浴時にもケータイを離さない。夜中に来たメールにも敏感に反応しなければならないので睡眠時間が割かれ、常に疲れが抜けない。5分間ルールというのがあって5分間以内に返事のメールがなければ無視されていると不安が襲うのだそうです。授業中もケータイが離せないし、気になって授業どころではないのです。
 メールを使ったいじめは大変陰湿、ひどいときは自殺まで追い込んでしまいます。代表的ないじめは「なりすましメール」すなわち他人のメルアドを勝手に使って嫌がらせを繰り返すというものです。先生に相談するが、教師が実態をしらないので、「そんなものは放っておけ、見ないようにしろ。」と言われて、削除しないで放置しているとその情報はいつまでも残り、真実でなくても見た人は人物評価してしまいます。メルアドが売買されていて出会い系サイトに知らない間に掲載されていて、毎日送られてくる卑猥な文章の迷惑メールに悩まされている子もいるというのです。中高生が見るファッション雑誌にファッションの詳細と購入のためにURLが付いているが、そこに送信するとメールアドレスが、他の目的に使用される危険が出ています。我々は個人情報の流出の怖さは知っていますが、ケータイからいとも簡単に個人情報が流出、利用されるということは知りません。ケータイカメラで写したトイレ内の映像などをチェーンメール(不幸の手紙)でどこまでも送り続けられるという事もあったそうでする。フィルタリングの方法は公開されています。親は自分の子供はそんなことにケータイを利用していることはないと言うが、そういう親ほど実態を知っていないとも聞きました。岡山市の学生のケータイ利用実態は、小学校1年生で6.9%、6年生で16.1%、中学1年生で33.7%と倍になり、中学3年生で59.8%の利用に、高校1年で95.8%、3年生で97.6%です。パソコンは専用のパソコンを持っている生徒は少ないが、家族と共有はおおよそ50%の家庭で、家族が居ない時に使用可であれば、対応しておかなければならないと思います。親、教師がもっと電子メディアについて知識を持ち、積極的に子どもたちに教えていかなければなりません。答弁は、広島市のような条例の制定を含めて、早急な対応を検討する・はやねはやおき朝ごはん運動を市民運動として展開し、朝食をとらずに登校する子をゼロにを目標に掲げ、学校・家庭・地域と連携した、子どもたちの生活リズムの向上に取り組むというものでした。

担当:高月由起枝 2008年9月9日

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9月9日(火)9月議会質問

 9月定例議会第5日目(9月9日)二番目として質問いたしました。今議会では「政令指定都市移行に伴う取組み状況」、「ごみ有料化」、「地域子育て支援拠点事業」について質問しました。

【政令指定都市移行に伴う取組み状況】

 政令市指定都市移行に伴う取り組み状況では、本庁、区役所、支所の事務執行体制について市民への説明や(仮称)中区と南区内にサービス拠点を整備する場合の基準について聞いた上で、その整備費用の財源、地域センターの権限・財源などについて市の方針を確認しました。
 新しく建設しようとしている北区土木農林分室(仮称)の設置理由と区の予算規模、県からの人材派遣と政令市での必要な人材像について質問しました。

【ごみ有料化について】

 2月、6月定例議会で継続審議になっている家庭系ごみ処理手数料の有料化については、2月、6月での継続審査になった理由の改善と解消がなされたのか、市の現在までの取組みと市民への説明状況を確認しました。
 なかでもごみステーション施設の設置補助金交付制度は、補助の充実を評価した上で実際にステーションが整備できない地域に法律の改正をするのか、戸別収集を行うのか、市の考え方を質問しました。
 また、最後に残っている課題として、最近の原油価格の高騰に伴い物価も高騰してきており、今、市民生活に負担をかけるのが適切な時期であるのかということを述べて、市民負担の軽減を何らか考えていくべきではないかと改善を主張しました。
 生産者側の責務としてリサイクルが容易で長期の使用に耐えられる製品の開発等や拡大生産者責任の強化について述べ、レジ袋の有料化とマイバック運動についての検討状況と本市の取り組みついて聞きました。  続いて生ごみの資源化は家庭用の生ごみ処理機の補助金のみではなく、集合住宅での大型生ごみ処理機の普及について提案し、公共施設の保育園、学校、老人施設等の給食などの生ごみ処理の現状について言及し、市民への負担ばかりでなく、市の生ごみの対応方針について質問した。
 最後にごみに関する広報や情報提供、政策評価を行い、市民説明会での有料化の徹底をお願いした。

【地域子育て支援拠点事業】

 地域子育て支援拠点事業は、少子化や核家族化の進行する中、地域社会の変化など、子どもや子育てをめぐる環境が大きく変化し、家庭や地域における子育て機能の低下や子育て中の親の孤独感や不安感の増大等といった問題が起きています。このような状況の中、地域において子育て親子の交流等を促進する子育て支援拠点の設置を推進することにより、地域の子育て支援機能の充実を図り、子育ての不安感を緩和し、子どもの健やかな育ちを促進することを目的とするものであります。
 子育て支援センターは平成7年の1月からスタートして従来型が6園。小規模型が12園が実施され、公立も含めると現在まで21園で実施されています。国の方針としては支援センターの適正配置はおおむね中学校区に1箇所と考えられており、平成16年を最後に設置されておらず、その理由と中学校区1箇所の設置計画について聞きました。
 平成21年度中に現在の小規模型の支援センターをひろば型、センター型へ移行が決まっているが、ひろば型とセンター型の基準について質問した。

担当:則武宣弘 2008年9月9日

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9月8日(月)9月議会質問

1、高齢者対策

 今後ますます高齢者が増えることから、今後の高齢者福祉政策について、岡山市はどのような展望を持っておられるのかをお聞きします。今年3月に発表された平成19年度岡山市市民意識調査によると、「高齢者福祉」は重要課題項目になっております。この結果の評価と現在実施されているサービスについての評価、今後の方向などお考えがありましたらお聞かせください。

1)ひとり暮らし高齢者福祉政策

 ひとり暮らしの方が、住み慣れた地域で安心して生活ができるような施策が必要と考えます。今までの施策だけでは十分とはいえません。必要としている施策についてニーズの調査をしたことはありますか。
 認知症対策について、国は「たとえ認知症になっても安心して生活できる社会を早期に構築する」ことが必要として緊急プロジェクトを設置し、(1)実態の把握 (2)研究開発の加速 (3)早期診断の推進と適切な医療の提供 (4)適切なケアの普及及び本人・家族支援 (5)若年認知症対策という5つの基本方針を出しました。地域の住民の相談窓口として地域包括支援センターに相談機能を持たせていただきたい。早期発見、早期治療という面から何らかの形で健康診査の項目に加えることが有効だと考えますが、ご所見を伺います。

2)ユニバーサルデザインの推進

 「介護保険の認定結果通知書の文字が小さくて読めないのでぜひ文字を大きくしてもらいたい」「窓口で申請書を書くときに、記入する欄が小さくて、その中に納まりません。本人が窓口まで来ているのですから、書かなくても済むようになりませんか」とひとり暮らしの高齢者の方からお声を頂戴いたしました。対応をお願いします。

⇒ひとり暮らし高齢者施策として、配食サービスの際の安否確認などを行っていますが、今後は地域包括支援センターの活動基盤を小学校区単位とし、地域組織とのネットワーク化を推進していく。災害時要援護者支援台帳を避難支援に加えて、日頃の見守りに活用していくことや、文字を大きくすること等も改善方法を考えるとの前向きな答弁がありました。

2、自転車の利用促進

1)都市交通戦略

  現在策定中の「岡山市都市交通戦略」の中で自転車道の整備・自転車の利用促進についての位置付け。

2)社会実験の結果から

  国土交通省岡山国道事務所が今年1月に実施した社会実験の結果を踏まえての整備について。

3)レンタサイクル

  東口地下自転車駐車場でのレンタサイクルは多くの利用があるので、今後は駅西口や他の地域への設置を要望。

4)ノーカーデーの実施、自転車通勤の推奨

  原油高騰による家計の自衛手段、また健康や環境に良いことから、自動車から公共交通や自転車に切り替える人が増えているとの新聞報道があります。自転車通勤の広がりについては健康や環境に対する意識の高まりとともに、豊かさに対する価値観の変化があるとする意見もあります。このような考えから、ノーカーデーの実施と自転車通勤の推奨を提案。

5)安全対策

  増加する自転車事故の対策として、マナー向上のために交通安全講習会と免許証の交付、さらに整備不良自転車や欠陥自転車をなくすために車検制度の導入を要望。

⇒都市交通戦略で岡山市は起伏の少ない地形から自転車利用に最適であることから都心における主要な交通手段の一つと位置付け、駐輪場の配置や自転車道・自転車レーンを設置し、利用促進が必要と考えているとのことでした。安全対策として自転車の免許証制度は一つの方策かと考えている。秋の交通安全週間でも重点的に取り組んでいくとのことでしたが、広く利用されている自転車の利用促進についての計画性が乏しく、安全対策も真剣に取り組む必要性をさらに感じました。

3、ノーテレビデーの推進

 急速に進む少子高齢社会、高度に進んだ情報社会の影響を、否が応でも私たちは受けていかなければなりません。特に未来を託する子どもたちへの影響を心配しています。
 教育の面でも、家庭、地域、学校の連携が図られていますが、生活習慣、生活リズムの改善のことも、家庭だけに任せるのではなく、学校から情報を発信して、保護者の啓発をしていくことが大事だと考えます。
 さいたま市では、保護者や地域の理解を得て、毎月23日をノーテレビ・ノーゲームデーとして推進しています。取り組んだ子どもたちは「家族との会話が増えた」「宿題が進んだ」保護者から「静かな時間が流れ会話が弾んだ」という感想が寄せられています。
 私たちの一日の生活の中で、テレビなしの生活は考えられません。テレビの時間を減らし話し合いの時間を持つことで親子が向き合う時間は確実に増えると考えられます。岡山市では、ノーテレビデーの推進も含めて、子どもたちの基本的生活習慣や生活リズムの改善について、どのような取り組みがなされているのでしょうか。具体的にお示しください。

⇒6月議会に続き質問いたしました。睡眠や食事、テレビなどが心や体に及ぼす影響について直接子どもたちに指導している。保護者への啓発も行っており、PTAなど関係機関や市民とともに子供たちの心身の健康づくりを進めていきたいとのことでした。生活習慣の改善の取り組みはなされていますが、ノーテレビデーの推進について、はっきりした答弁はいただけませんでした。今後の取り組みをさらに促していきたいと思います。

担当:中原淑子 2008年9月8日

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9月5日(金)9月議会質問

 今回は、(1)赤ちゃんの駅」(仮称)について、(2)岡山市の「うつ病」・「自殺予防」対策について、(3)旭川堤防の危険箇所の修復について、この3点について質問をさせていただきました。

(1)「赤ちゃんの駅」(仮称)の設置について

 赤ちゃんを連れて外出した場合に大変なのは、おむつ替えや授乳などができる場所を見つけることです。そこで、安心して赤ちゃんと一緒に外出できるようにと、おむつ替えや授乳の際に立ち寄って利用できる「赤ちゃんの駅」などを設置する自治体があります。
 埼玉県本庄市、東京都板橋区、東京都などであります。こうしたアイデアの導入を、岡山市においても実行してはいかがでしょうか。
 埼玉県本庄市と東京都板橋区では「赤ちゃんの駅」事業、東京都では「赤ちゃん・ふらっと」事業として運用されております。
 それぞれの取り組みをご紹介させていただきますと、

  • 埼玉県本庄市では今年5月から、公民館や保育所など、市の施設35箇所に「赤ちゃんの駅」を設置し、乳幼児のおむつ替えや授乳などができるスペースを提供しています。
    親が子どもと一緒に安心して外出できるように配慮するとともに、子育て家庭の孤立化を防ぐことを目的としています。
    同市は今後、税務署や県民センターなどの公共施設、商店や私立保育園などの民間施設合わせて70ヶ所以上に設置する予定です。
  • 東京都板橋区では、乳幼児を抱える保護者の子育てを支援する取り組みの一環として、実施施設で「赤ちゃんの駅」に指定しているのは、123ヶ所です。
    この施設の内訳を見ますと、各児童館37館、区立各保育園45園、親子交流サロン「0・1・2(おいっちに)ひろば」2ヶ所、公設民営保育園1園、私立保育園24園、区立幼稚園2園、私立幼稚園12園となっています。
  • 東京都では、昨年12月に策定した「『10年後の東京』への実行プログラム」のひとつとして、授乳やおむつ替えなどができるスペースの設置を推進することにしています。
    そのスペースの愛称を「赤ちゃん・ふらっと」とし、保育所、児童館、公民館、図書館およびその他不特定多数の者が利用する施設等、民間を含む事業者を対象とする任意の届出制度を創設しています。
    平成22年度までに600ヶ所整備することを目標としており、今年6月から事業者を募集しています。
    答弁では、前向きに検討するということです。

(2)岡山市の「うつ病」・「自殺予防」対策について

 わが国のうつ病を主とした気分障害の患者数の推移について、厚労省患者調査によりますと、平成8年に43万人だった患者数は、平成17年では92万人にも達し、10年間で約2.1倍の増加になっております。
 我が国におけるうつ病の生涯有病率は6.3%と、国民15人に1人が経験する、いわば国民病となってきていると言えます。
 WHOの将来予測では、うつ病は2020年には総疾病で生活に支障をきたす病気の第2位になるとされています。
 また、わが国の自殺者の年次推移を見てみますと、平成10年から3万人台を推移し、平成18年は32155名、今年6月に警察庁から発表になった「平成19年中における自殺の概要資料」によれば、33093名と高水準で推移しており、このうち「うつ病」が原因・動機とみられる人が最も多く、うつ対策は喫緊の課題となっております。
 自殺とうつ病の関係については、自殺者の45%から70%にはうつ病があり、うつ病の15%は自殺につながると言われています。
 国においては、平成19年6月8日に自殺対策基本法に基づき、自殺総合対策大綱が閣議決定されており、この中では、うつ病対策に重点が置かれています。
 もはや、自殺は、個人的な問題としてのみとらえるべきものではなく、その背景に、様々な社会的な要因が横たわっていることを踏まえた上で、総合的な対策を出来るだけ早く確立すべき時期にあると思います。
 しかしながら、我が国のうつ病に対する医療体制は、内科医におけるプライマリーケアが十分でないとともに、専門医においても薬物療法に比べ、精神療法が十分ではなく、慢性のうつ病に対する有効性が認められている認知行動療法についても、臨床現場での研修を含めた研修制度が十分ではありません。
 うつ病を対象とした労働災害の認定、その職場復帰支援策等については近年拡大してきているものの、うつ患者全体の中ではいまだ不十分であります。
 職場においてもストレス等を感じている労働者の割合は高く、企業におけるメンタルヘルス対策も大きな課題です。
 企業在職者の2%程度はメンタル不調者とも言われています。
 メンタルヘルス不調者の早期発見・早期治療のため、またメンタル不調により休業した労働者に対する職場復帰支援のためには、事業者からの職場復帰における労務管理に関する相談等の支援の強化も必要です。
 先般、沖縄県立総合精神保健センターで、所長の仲本晴男ドクターから、うつ病の現状とデイケアによる社会復帰をとげている例をお聞かせいただきました。
 うつ病にかかっている人たちの中には、たいへん優秀な人がたくさんいらっしゃり、これらの人たちが社会に復帰をして仕事をしていくことで社会に活力を取り戻すことの一役を担うことができます。
 通常はなおらないと思われているこの病気は、きちんとしたケアをなすことで回復することができます。
 また、先生のお話から、うつ病に対して間違った理解がある。患者に対しては、対処の仕方・デイケアの場所・その方法・ケアのできるスタッフの要請など多くの課題があることがわかりました。
 そして先生は、現在は、国がうつ病に対してきちんとした認識と知識を持つべきであり、デイケアは国策で対応していくべきであるとおっしゃられています。
 岡山市は、政令指定都市をめざし「岡山市精神保健福祉センター」構想(素案)を策定されております。
 構想(素案)の中を見ますと、センターは、精神医療審査会の審査に関する事務ならびに障害者自立支援医療費公費負担および精神障害者保健福祉手帳の交付判定など法定業務に加え、地域の実情に応じた精神保健福祉の分野における技術的中枢として、必要な業務を行うべきであると考えているとあります。
 また、精神障害者が地域で安定した生活と医療が確保できるよう社会的入院者の退院および社会復帰のために、住まいの確保、福祉サービスの充実、自立・就労支援のための人材の育成等社会復帰対策に重点的に取り組むべきであると考えるとあります。
 そして、自殺者の動向については岡山市において年間130人余りの自殺者がおり、特に中高年の男性の自殺者が最も多くなっている。
 平成15年に策定した「健康市民おかやま21」においても、「ストレスをよく感じる人の割合」を10年間で37%から14%に減少させるという目標値を設定している。
 うつ予防対策をはじめ職場復帰支援など産業保険と連携した対策や、自死遺族への支援など、自殺予防対策は社会的課題である、とあります。
 質問では、「うつ病」と「自殺」の関係についての認識と・対策・現状。うつ病デイケアの必要性。
 メンタル不調者についての相談体制。企業への職場復帰支援のための事業者からの相談体制・現状。
 学校現場においてのスクールカウンセラーの取り組みと現状。産後うつ等に対する相談。
 「岡山市精神保健福祉センター構想(素案)の中での計画。について質問いたしました。

(3)旭川堤防の危険箇所の修復について

 旭川の堤防を歩いておりますと、西川の堤防で、榊原病院の北で鶴見橋の南側の堤防が極端に低くなっております。
 この事につきましては、多くの市民の皆様から危険で怖いので早く直してほしいとのご相談をいただいておりますが、このままで堤防の嵩上げを行わないと、いつ大きな被害が出ないとも限りません。
 私は、今後、旭川の流域で豪雨が発生した場合に、現在のままの堤防の高さでは対応できないような状況も予測されるのではないかと心配です。
 普段から準備をきちんとしておかないと流水量が増してきてしまってからでは土嚢などではとても対応できないだろうと思います。
 もしもこの部分が決壊しますと、岡山市に与える被害は甚大なものになると予想できます。 明治25、26年の大洪水、また昭和9年(1934年)9月の室戸台風の猛威による大洪水の教訓を忘れることなく、危険箇所については何よりも早急な対応が必要であると思います。

 質問では、今後、早急に嵩上げの修復工事を行うべきと考えますが、岡山市としての計画を示すように要請いたしました。国に対して強く要望する旨の答弁がありました。

担当:松田安義 2008年9月5日

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9月4日(木)個人質問

 福田総理の辞任発表の衝撃が覚めやらぬ9月2日、高谷市長らは総務省へ要望に出向き、増田大臣の意向が示されたことで、政令市移行がほぼ確定しました。
 その翌々日は9月議会の個人質問初日、私は、岡山県を反面教師としながら、政令市に相応しい財政基盤と行政サービスの整備を目指し、全力で取り組む決意を新たに登壇させていただきました。

1.市民サービスの向上

 先日視察に伺った自治体では、職員は「市庁舎を週末に開庁する必要はないだろう」と考えていたそうです。ところが、市長の指示でアンケートをとってみたら、「市民の要望は非常に多いことが判って」驚いたそうであります。私はその鈍感さに驚きました。

(1)窓口サービスについて

 さてそのアンケートを、私はこの夏実施しました。
仕事を早退したり休まないと窓口を利用できない市民は26%と、ほぼ4人に1人、また、半数以上の市民が週末の開庁を希望されています。
 そして週末開庁の選択肢からは、約4割の市民が土日とも半日の開庁を希望されています。
 サービスにコストがかかることを注意書きしておきましたから、半日というのは市民のコスト意識の表れではないかと思われます。
 また、その他回答から特徴的なことは、もっともっと便利にしてくれ、工夫して節約してコストかけずにやれ、というご意見が多かったことでした。

市長も市民の声に応え、サービスを拡大したい旨、回答してくださいました。【△】

(2)岡山市Webサイトについて

 岡山市のWebサイトにアクセスしてイライラされた方は多いことでしょう。私もその一人です。知りたいこと、困ったこと、その回答になかなか辿り着けない、そもそもどこを探しても回答がない。市民からの目線で設計されてないからです。
 今、岡山市は改善に向けてサイトの診断をしていますので、役所の組織ごとに情報を発信するのではなく、市民がサイトを訪問する理由(FAQと呼びます)で検索できるよう改善を求めました。

市の回答も前向きでした。【○】

2.行革(岡山県の財政危機宣言に連動して)

 岡山県は先月27日に財政構造改革プランの素案を発表いたしました。尻に火がつかないと腰を上げないというのは、経営者ではなく管理者の発想ですし、県民に対する責任感のある仕事ぶりとはいえない、と思いますが、さて岡山市はどうでしょうか。

(1)市有財産の活用について

 私は大阪府に倣い、自動販売機の契約を見直すよう6月に提案しました。しばらくして岡山県も財政危機宣言で同様の見直しを盛り込みましたが、市は9月になってもまだ実態調査の域で、スピード感が全くありません。
 所管は、この春できた(私が申し入れた)財産管理課ですが、大阪府の財産活用課と何が違うのか。名は体を表すといいます。私自身、管理から経営へと訴えながら、こんな盲点を見落としていました。
 そこで、収入増対策に積極的に取り組む姿勢を示す意思を込めて活用課とネーミングを変更し、攻めの経営をしていたくよう申し入れました。

名前はそのままでも、仕事の中身を充実するとの答弁でした。「管理」は役所仕事の象徴です。そして管理は目的ではなく、市民に活かすための手段です。役所の意識改革はまだまだこれからです。【△】

(2)啓発イベントと予算の見直しについて

 啓発イベントは岡山県も見直しを検討しています。私も「○○週間」と銘打った開催現場を長年見てきましたが、正直ウンザリしていました。啓発イベントは人もお金もかける割には、現場での啓発効果は薄く、マスコミが報道することで露出が高まる構図です。
 調べてみたら、岡山市の啓発イベントの年間コストは前年踏襲的なもので約3千3百万円です。惰性のように毎年行われてきたものも見受けられますので、ゼロから見直すよう求めました。

庁内事業仕分けで早急に検討しますとの回答をいただきました。【○】

3.子育てと教育

 福祉と教育が縦割りで、さらに市長部局と教育委員会とに分断されている弊害は以前から指摘してきました。例えば、学校側から見ると、保育園で最低限やって欲しいカリキュラムがある。親からみると子育ての先に学校がある。たかだか組織の都合が、大事な子どもたちの育ちにとって障害になっているのですが、それでも当局は「連携」で乗り切ると言い張ります。
 打開策に悩んでいたときに、豊岡市や大阪狭山市の事例を見つけました。
分かれているからうまくいかないのだったら一緒にしてしまおう、というのです。
 視察した豊岡市はこれまで市長部局の福祉部門に配置していた子育て支援業務を教育委員会の所管とし、また新たに子ども関係を総括する教育次長を置きました。その手ごたえについて伺いましたところ、「所管替えを行って生じた問題は何もありません。」とのことです。一方、多くのメリットを紹介してくださいました。いいことずくめなのです。
今のままでもできるという意見と、今よりもっとよくできるという意見のどちらを採用するのかと、選択を求めました。

地方が一体化しても国が分かれたままだと不都合が解消されないので、現状で取り組むとの回答、残念です。【×】

4.発達障害、虐待について

 発達障害については、2005年末の中央教育審議会による「6.3%」の発表以来、行政は一段と対応に追われていますが、あらゆる分野で大きな遅れを見せています。
しかしそれらは対症療法であり、発生抑制への対策はさらに深刻です。
例えば、発達障害先進国アメリカでは母体や胎児の化学物質等による暴露が問題となっています。
 ある調査では、母親から臍帯を通して胎児に送られる化学物質は287種類検出され、一人平均して約200種類。検出された287種類の化学物質のうち180種類は発癌性の疑いがあり、217種類は脳や神経系に有害であり、208種類は動物実験で発達異常や先天異常に関連がありました。
 私には、発達障害は、命と社会が蝕まれ損なわれていく悲鳴でありサインであると思われてなりません。元を断たなければ解決はありません。しっかりと、調査・対策を国へ要望するよう申し入れました。
 次に、目の前の発達障害への対応事例を挙げ、いずれも行政対応の遅れを浮かび上がらせていることを訴えた上で、専門家の意見をしっかり聞いて、施策の重要度・優先度をはっきりさせる必要性を指摘しました。
 また、早期発見と支援の在り方について、他の自治体の事例を紹介し、できることから早く本気で始め、子どもと未来を守るよう求めました。
 そして、こうした様々な課題に対して包括的に支援するためには、核となる「発達障害支援センター」を早急に設置しなければならないと訴えました。

高谷市長より、政令市移行後の早い時期に設置すると発表がありました。【○】

 最後に、特別支援教育が不十分である点については、学校が、今日、好むと好まざるに関わらず、子育て支援のための最前線基地であり、家庭に恵まれなかった子どもたちの子育てに積極的に関与することは避けることのできない時代になっていることから、教師の研修の強化を教育委員会要望しました。

担当:竹之内則夫 2008年9月4日

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8月20日(水)~22日(金)新潟・佐渡・富山を視察

 2008年8月20日~22日、藤井、酒見、松田の3名で新潟・佐渡・富山を視察しました。

1、新潟市ごみ袋有料化事業について

詳細資料は別添のとおり
新潟市清掃審議会は、平成17年10月18日に「政令市移行後のごみ減量施策のあり方」について新潟市長から諮問をうけた。
14市町村の合併の際の「合併協定書」により、合併後も同一自治体にありながら、家庭系ごみの分別区分や有料・無料、事業系ごみの排出方法・手数料が地域毎に異なっていることから、これらを統一すべく、審議会への諮問が行われた。
岡山市でも同様のことがあり、参考にすべく視察した。
市民間での不公平感が募るため、早期の制度統一を図るように努めた。
そのため、中学校区単位で58回の市民意見交換会を開催している。
平成17年3月の合併から、平成19年6月29日の2年3か月の間、アンケートをしたりパブリックコメントを取ったりして準備をし、「新潟市廃棄物の適正処理等に関する条例の一部を改正する条例」を議会で議決している。
岡山市は、先に議案を提出しているので、まったく逆の方向になっている。
住民説明会は2025回開催し、103426人の参加をみている。
審議の進め方として参考にしなければならないと思います。
詳細については、資料の通りである。

2、佐渡市レジ袋ゼロ運動について

詳細資料は別添のとおり
佐渡市では、レジ袋ゼロ運動を行っており、新潟県のモデル地域として行われているので視察しました。
詳細は、資料の通りですが、2007年から実施している。
佐渡市では、年間およそ2000万枚の「レジ袋」が利用されており、これをごみにすると約200トンに相当します。
この膨大な無駄を、運動の結果として約1400万枚の減少にもっていっている。
すばらしい成果だと思います。
「レジ袋」製造にかかる原油は1枚当たり18CC、全国では年間で約55万8千キロリットルとなります。
環境のことを考えると、岡山市でも必ず取り組んでいかなければならないと考えます。たいへん参考になりました。
また、商店の皆さんも協力していただいていることに感銘しました。
皆で、環境対策に取り組むべきです。

3、富山市まちづくり事業について、グランドプラザ(現地視察)

詳細資料は別添のとおり。
富山市はライトレールをはじめ、先進的なまちづくりを進められています。
そうした中で、このたび再開発によりできたグランドプラザを視察いたしました。
商店街の中にできているグランドプラザですが、地権者などとの交渉に12年間かかっています。
それでも諦めず、粘り強く交渉にあたってきた当局の皆様に頭が下がる思いでした。
完成したグランドプラザは、文字通り床だけしかありませんが、雨にも濡れない、また様々なイベントのできる広場として、町中のオアシスになっています。
市道を拡張して広場にした手法は参考にするべきところがたくさんありました。
グランドプラザオープン後の交通量の変化を見てもこれが受け入れられているという結果が出ています。
商店街の人々も喜んでいるようです。
人の集まるところでないと商売も成り立ちません。
現在も含め、富山市では再開発が21か所。
つぎつぎと新しい街が再生しています。
岡山市としても、まちづくりの一つのモデルとして参考にしたいと思います。

担当:松田安義 2008年8月22日

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8月13日(水)秋田県大潟村を視察


 8月12日~8月13日、秋田県大潟村の先進の農業とその取り組みについて、藤井義人、酒見寛の両名で視察した。
 秋田県大潟村は、言うまでもなく「八郎潟」を干拓してできた村である。表敬訪問した黒瀬喜多大潟村長によると、同村は、開村41年、入植39年とのこと。生産性の高い大型農業を目指し、様々な課題も含め、同村の取組みには、日本農業の未来がかかっている。主な視察先は以下の通り。

まず、有限会社ライスランド大潟へ。
 同社の山田照雄社長は、入植39年、岡山県北の勝山出身(奥様は湯原出身)。入植後、国の減反政策や食管法と戦い、様々な苦労をされ、見事に勝利して今日の地歩を築かれた。大規模な精米、保管倉庫を視察させていただいた。工場内は1000トンのもみ貯蔵庫、100石の乾燥機が2機、コンピューター制御の米選別機、大型精米機、発芽玄米製造機など実に大規模であった。またインターネットによる全国ネット販売が特徴であるが、『自分の米は自分で販売する』という行政やJAなどの大組織に頼らず、自立した開拓者魂を見た思いである。『役人が考えたこと以上を考える』という山田社長の言葉は印象的である。同氏の米作りへの情熱、秋田という米作りに適した風土への愛情、「生産と販売」の、特に販売面に関して、行政やJAという大組織から自立した哲学、姿勢、これまでの歩みと歴史に驚嘆する想いである。

次に、大潟村役場へ黒瀬村長を表敬訪問し懇談。農業にかける情熱を強く感じさせる村長。やはりトップが大事だと感じた。

続いて、大潟村カントリーエレベーター公社
 ここは、収穫後の乾燥、調整、貯蔵、精米、出荷という一貫作業ができる東洋一の大規模設備を備えている。藤田勉代表取締役に様々な角度から、お話をいただいた。

次は、大潟村農業協同組合(JA大潟村)
 農村の再生と課題等について、代表理事・組合長の宮崎定芳氏と種々懇談した。宮崎組合長から、「JAという組織と農家のあり方」についてお話があり、未来の農業のあり方をめぐり、例えばJAという組織の破壊も必要ではないかなどのご意見を承った。

最後に、実際の圃場と用水路の現地視察
 リスク分散でミルキークイーンとあきた小町という種類の違う稲が隣同士で植えられていた。稲の背丈が伸びているため台風の襲来を真剣に心配されていた。また用水路が稲の穂よりも高いところにあるのに驚いた。これは大雨時の給排水を考えた画期的設備であり、感心した。

 今回の視察を岡山市の農業の発展と市政に活かしたい。

担当:酒見寛 2008年8月13日

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8月6日(水)大阪府「自動販売機の使用料の見直し」について

 岡山市の市有施設(公民館や学校や公園や市営住宅などです)は、それぞれの担当部局が財産管理者となってその本来の目的や用途に応じて管理しています。ですから、自動販売機を市の施設に設置するのは、行政財産の「目的外使用」といって、本来の目的ではないので、業者との設置契約は無料だったり、ものすごく安いわけです。
 市民のために、もっと経営の視点が必要です。私は6月議会で、その点の改善を指摘し、当局には現在見直しに着手していただいているところですが、積極性が見えてきませんでした。そうこうするうちに、岡山県が財政危機宣言による見直しの中で、「県有施設内の自動販売機等の設置にかかる使用料の適正化」を盛り込みました。そこで改善を推進するチャンス到来と、先例都市である大阪府に伺いました。

 平成19年度の実績で大阪府は、自動販売機の使用許可を558件(約1100台)行っていました。
このうち半分の約550台は府立高校の食堂を経営する事業者が併せて許可を受けており、多くの食堂が単体では赤字となっていることから、ひとまず見直しを保留にしたそうですが、それ以外の半数については「例外なく」見直すことを決めていました。(説明してくださった担当者も、とても歯切れが良かったです。)
 実施に当たっては、上記した「例外なく」が抑えになっていて、各財産管理者が「できない」というところは、総務部長に言って来なさい。「その理由を世間にお知らせして納得してもらえるだけのものならみとめましょう。」と、財産管理者任せではなく、総務部との協議事項にして縛ってありました。しかもあくまで市民視点です。
 こうして、役所の組織が動く仕組みにしておいて、19年度は約6割の332台を公募し、前年の540万円から、なんと年間約3億円の増収を達成していました。
 そして既存の自販機だけではなく、行政財産の活用にも踏み込む予定だそうです。例えば、府営住宅については今秋くらいから、また公園についても、年明けくらいには公募を予定しているとのことでした。

 仕組み作りが大変参考になりましたが、なにより、この前向きさを見習いたいと思った視察でした。

担当:竹之内則夫 2008年8月6日

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8月6日(水)ノーテレビ・ノーゲームデーについて さいたま市 視察報告

なぜ ノーテレビ・ノーゲームデーを取り組むことになったのか。

 さいたま市教育委員会では、子どもたちの確かな学力の向上を願って「学びの向上さいたまプラン」を平成18年3月に策定しました。学力向上には、生活習慣を改善することが大切である認識し、学校・地域・家庭が連携して取り組むことになりました。特に家庭への呼びかけとして
 (1)お子さんの元気の素をつくりましょう
 (2)お子さんの学びの時間をつくりましょう
 (3)お子さんとの会話を大切にしましょう
の3点の協力をお願いしました。これらの内容は首都圏の8都県市(さいたま市、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、横浜市、川崎市、千葉市)サミットで提言され、18年11月に合意が形成されました。平成19年から3カ年、8都県市共同「すくすく のびのび 子どもの生活習慣改善キャンペーン」を推進し「今 大切なのは 家族で 元気・学び・会話」のキャッチフレーズとロゴマークを作成、全家庭へ配布し、7~8月を強化月間として啓発活動を行っています。

さいたま市の取り組み

 生活習慣の乱れは深刻な状態であり、生活習慣の改善が確実に学力の向上につながるデータがあるので、毎月23日をノーテレビ・ノーゲームデーとして推進することに決めました。テレビやゲームを否定するのではなく、目的は家族ふれあいの時間を増やすとの位置づけです。テレビ局にも協賛してもらっています。予算がない分、広報に力を入れ、全家庭へのチラシ配布、市のHPに掲載、行政機関や出先機関(市役所・区役所・図書館・公民館など)に卓上のぼり旗設置、町内会掲示板にポスターを掲示、小中学校の校長会、市PTA協議会への周知、市私立幼稚園・保育園協会、同PTA協議会、マスコミ関係と巾広く動かれていました。さいたま市教育委員会独自の広報紙(スポンサー付き、年3回発行)でもPRしています。
 キャンペーン1年目のアンケート調査では子どもたちの「家族との会話が増えた」「外で遊んで楽しかった」、保護者の「静かな時間が流れ、会話がはずんだ」「家族の協力が大切」といった感想が寄せられました。
 ノーテレビ・ノーゲームデーは旧市時代から実施している地域もあり、キャンペーンは3カ年で終わりますが、「学びの向上さいたまプラン」に基き、引き続いて実施していくとのことでした。
 全国で様々な形で実施されているこのノーテレビ・ノーゲームデーの運動ですが、さいたま市は、子どもたちの現場にいる学校の先生たちの危機感が根底にあり、教育委員会と学校の先生との共通認識の下で、取り組まれていることがよく理解できました。わが岡山市もまず危機感を持って子どもたちを取り巻く生活習慣の乱れを改善するという共通認識から出発したいと思いました。

担当:中原淑子 2008年8月6日

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7月23日(火)~25日(金)福祉部会 視察報告

 7/23~25、松岡、藤井、中原、竹之内、(最終日のみ高月議員)で以下の視察をしてまいりました。

7月23日、世田谷区「発達・発育センター」

 世田谷区では、3障害と併せて発達障害についても、区内に1か所ある総合福祉センターにおいて相談や支援を行っていますが、相談につながるまでが3か月待ちと、すでに物理的にも対応が限界にきていることや、学齢時への支援を実施しておらず、学校入学後は支援が途切れてしまうことなどから、新たな「発達・発育センター」の来春開設を目指して準備にあたっています。
 「発達・発育センター」は「配慮を要する子どもへの支援」を行うために、一貫して「早期発見の仕組みづくり」に取り組み、療育や医療につなげます。(大いに参考にしたい仕組みです。)
 また、「発達・発育センター」は、発達障害についての研修、人材育成についての機能を大きな柱として盛り込んでいます。
 岡山市でも同様ですが、教師・幼稚園教諭・保育士・福祉施設職員、あるいは保護者の関心は高いものの、現状は、現場の研鑽に委ねられており、発達障害に対する理解の支援は、早急な対応課題であるからです。
 運営費に年間2億円をかけるこの事業、キャパが十分であるかどうかまだ不明ですが、子どもの自立を支援すると共に、将来の義務的経費の増加も勘案すれば、高い支出ではないように思われます。

7月24日、独立行政法人「農林水産消費安全技術センター」

 揺らぐ「食の安全」を一方で支えるFAMIC。「化学を用いて不正を暴く」との冒頭の説明に、こういう機関を大事にして支えなければ、日本という国がもたなくなってしまったんだなと、倫理の後退にやるせない思いがしました。
 和牛もクロマグロもアジやサバも、また野菜の産地や、飼料や肥料、はたまた建材に至るまで、偽装・ウソとの戦いが続いていることが、よく分かりました。
 各検査室で地味な作業に黙々と取り組んでおられるスタッフ(ほとんど公務員ではありません)に感謝するとともに、厚労省や農水省で決められた基準かどうかの検査のその向こうにある、「基準そのものの信用性」について、政治はもっと懐疑的でなければ国民を守れないとの思いが強烈に湧き上がりました。今、食の安全はその入口でドタバタしていますが、その奥の1重立ち入った取り組みを、求めていきたいと思います。

7月24日、さいたま市「市民起点の行政サービス」

 市民の利便性向上を図る施策を多角的に展開されている「さいたま市」において6つの事業を視察しました。ポイントは以下のとおりです。

(1)さいたまコールセンター「さいコール」
ちょうど1年経過したところですが、件数から見て、普及の仕方に課題がありそうな気がしましたが詳しくはわかりませんでした。もしこのボリュームで運営するのなら、年間コストが(未分化ではっきりしませんが)トータル4000万円とすれば、1人当たり千円のコストでサービスを行っていることになり、これはちょっといかがかと考えてしまいます。
 普及に注力しつつ、一方でコストパフォーマンスを高める検討が重要だと感じました。

(2)さいたま子育てWEBサイト
 「子育てするならさいたま市」と力を入れて発信する市長のもとで、子育て家庭や子育て支援関係者にとって、最も高いニーズは「いつ、どこで、だれが、どんな事を行っているのか」がわかる情報であるとの報告を受けて構築されています。
 非常に良いサイトです。ここのあとに続いた自治体のサイトを調査するとさらに参考度が増しそうです。
今回の視察でWEB関連をいくつか入れたのは、岡山市で来春の政令市移行に合わせてHPの一新を計画しているからです。システム整備には多額のコストが必要になりますが、後で単発でやると割高になってしまうので、できるだけ市民サービスに資するメニューを漏れなく盛り込みたいと考えているからです。次の項目もそうです。

(3)公共施設予約システム

(4)生涯学習情報システム
 岡山市でも「マナビネット岡山」で抽選や予約を受け付けることのできる施設はありますが、市として公共施設を一括するには遠く及びません。
さいたま市でも、合併による差異、各館の従来のやり方の調整、所管課のミゾに、難航し苦労をされたようです。
 それでも「じょうほう快適都市・さいたま市」の実現に向け、それらを乗り越えて統一まで漕ぎ着けています。岡山市でもこうしたシステムは実現させていただきたいと思います。

(5)証明書自動交付機
 コストダウンと利用の促進、どこも同じ課題に直面しているが、利用促進が窓口業務の軽減につながることを考えれば、価格面のインセンティブなども含め、積極的な活用のための施策とPRが足りてないように感じられれました。

(6)平日の時間延長
 導入の経緯も事業の評価も不明で、すでに今あることをちゃんとやっているという状況の確認で終わってしまった。(そうは言っても、ずっと以前から事業をされており、岡山市よりはずっと前を走っているのですが)
 この7月に10の自治体を訪問し、どこも一様ではない取り組みをされているのですが、結局のところ、基本は市民に聞いて制度設計し、課題があれば修正する、これしかないと思われます。

7月25日、新宿区「一人暮らしの高齢者への情報紙の訪問配布事業」

 今回、視察させていただいたのは、高齢者の孤独死対策あるいは見守り事業のうち、配布対象が約4500世帯と規模の大きな事業です。
 プライバシーの問題、不信、個々の意向、帳面上では見えてこない実態などに丁寧に対応しながら、官・民・地域を上手に活かしながら組み立ててある、良い仕組みです。見守りといっても訪ねて行くには何かツールが要ります。コストを抑えてぬくもりを届ける。関わった方たちの心が形になった事業だと思いました。

担当:竹之内則夫 2008年7月25日

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7月18日(金)・19日(土)市民窓口サービス調査のための視察

7月18日、市川市「自動交付機」

 人口471千人の市川市は、本庁・支所・全公民館(14館)はもとより、大型商業施設・主要駅合わせて29台の自動交付機を設置しています。市川市における自動交付機は、市民対象のITサービスの一環として位置付けられています。
 というのも、千葉光行市長のトップダウンにより、市川市は日本経済新聞社が実施した「電子自治体ランキング」で総合ランキング4年連続1位を獲得しているとおり、電子自治体として「市民が来なくてもよい市役所を目指して」改革を進めており、(それは、行財政改革や組織改革、人事制度改革と一体の表裏をなしている訳ですが)ITの活用で市民生活が本当に便利になったと実感できる自治体を目指しています。
 ともすれば経費対効果に目が行きがちですが(悪いことではありません)、お聞きしたところ、千葉市長からは、「まずサービスをしようじゃないか」「行政はできないこと以外は全部やりなさい」「要るか要らないかは市民に判断していただこう」と言われているそうです。
 ですから、平成18年には電子申請システムを36手続き68業務でスタートしたときも、市長からは「話にならん、もっとやれ」と檄を受けたそうで、2010年までに50%の手続きを電子申請にのっける計画に向け取り組んでおられます。
今年の4月からは自動交付機による電子交付するサービスもスタートされていますが、これらはすべて同様の文脈で行われています。すなわち、住基カードさえ持っていれば、わざわざ庁舎に来なくても、自宅や会社から、あるいは近隣の公民館や駅でサービスを受けることができる自治体を目指した取り組みを重点的にされています。
また、サービスに限らず市民とのITコミュニケーションがなされており、平成13年には早くも「市民ニーズシステム」が始まり(意見・苦情が多い)、その後も、「Webアンケートシステム」や「E-市政モニターシステム」などが稼動を始め、昨年は「インターネット放送局」を設立し、例えば千葉商大の学生に市長室から講義を行うなど積極的です。
肝心の交付機については、住基カードの普及とメニューの多様さが決め手になるので、窓口とは50円の価格差を設けることでインセンティブをつけるとともに、今年の3月まで、カード発行手数料を無料にした動機付け作戦で、普及に力を入れています。
また、メニューにつきましては、住民票の写しと印鑑登録証明に加え、昨年1月から税関系証明書6種類に合わせ、はり・きゅう・マッサージ券や福祉タクシー利用券などのサービスを追加するとともに、上記電子交付がラインナップされています。
こうした取り組みは窓口の待ち時間を緩和するだけでなく、時間外や週末の開庁などの人的サービス拡大を踏み止まらせるなど、行政改革へも有効に作用しているようです。(恐らく、望ましいかどうかは市民が判断するんでしょうね。)

7月18日、川崎市「窓口サービスの多様化」

 (1)区役所窓口の土曜日開設について
 川崎市は、昨年度半年間の試行を経て、本年度より土曜日開設の本実施を始めています。
開設は第2第4土曜日の8:30~12:30とコンパクトです。
 これは、自動交付機によるサービスメニューがある程度整備され、夜間や土日に各種証明書等が取得できる環境整備ができているのを前提としながら、転入・転出をはじめ市民要望が強くなってきていたのと、月曜日の混雑や待ち時間の緩和を図るための措置として導入したためです。
 また、来庁者アンケートから、経費を増額せずに土曜日開庁を望む声が多く、効率的運営が求められていたのに加え、近隣の自治体も第2第4土曜日を開庁しており、連絡等をとり易いことも日時決定の要因となりました。
 月に2回、しかもほぼ午前中だけの開庁ですが、4月からの3ヵ月間、区民課(岡山市の市民課に当たる)だけでも毎月2000人を超える来庁者があり5・6月をみても各700件程度の転出入届を受け付けている(他にも保険料の納付や国保年金等の業務を行っている)のを見ても、ジャッジ(や対応)が早過ぎたとは言えないでしょうし、一方ではローコストでうまく滑り出したと言えるのではないかと思います。
 職員の負担も比較的少ないようですし、岡山市においても導入し易いモデルケースであると思います。
(2)自動交付機
 川崎市の自動交付機は昨年の6月に20台、今年の4月に8台設置され、当然ながら土日はもちろん夜間も午後7時まで稼働しています。
 川崎市は市川市とは逆に、市民カードによる普及を目指していて(一番の理由はコストが安い≒50円)、昨年度(10か月間)の発行枚数は約5万枚です。ちなみに印鑑カードは75万枚発行されていたようですから、発行枚数の増加(切り替え)対策が当面の課題と思われます。(※各自治体で聞いてみてアレッと思ったのは、印鑑カードや市民カードは発行手数料はどこも無料です。岡山市は新規有料といわれていた記憶ですが、検討の余地がありますね。)
 また、川崎市の特徴は、交付機のリース代が1台当たり約100万円/年と安いことです。(川崎市以後、メーカーが廉価機種を導入したため、買い取りだと400万円/台程度の機種を採用するところが増えてきています。)
 川崎市が自動交付機でサービスを始めた事業のうち、初年度のALL証明書発行シェアは2%をきっていますが、これがどの程度に収斂していくのが望ましいかどうかは別として、費用対効果をどうみるのか、という判断については、現時点ではお聞きできませんでした。
 この点については、岡山市についても検討しなければならなくなると思いますが、私は、自動交付機でのサービスだけをコストで比較するべきではないと考えています。つまり、市民に公平なサービスを提供するという、もっともベーシックな前提のもと、近年の核家族化の進行や単身世帯の増加、男女共同参画社会の進展など急速な社会状況の変化に伴い、平日に市役所へ来庁することが困難な市民が増加している以上、職員が行うか、民間委託するか、設置した機械で行うか、電子申請・電子交付まで行き着くか、(あるいは証明書がなくても良い社会慣行に変えるか)いずれにしても行政ができる方法でしなければならないと考えています。その上で、職員が対応する場合のコストや負担を基準にして、それをどの程度、代替手法でやり繰りするかをコストバランスも考慮しながら考えるべきだと思っています。
その点では川崎市は総合的にバランスのとれた施策となっているように感じました。

7月19日、羽村市「土日開庁」

 羽村市は人口6万人弱の小さな自治体ですが、自治体はサービス業であるという明確なスタンスで行政運営を行っています。先頭はやはり市長で、平成13年度から庁内に「行政サービス向上検討委員会」を設置し、公共施設の開館日や時間延長などを、パブリック・サービスアップ作戦として進めてきています。
 15年度から市民部(市民課・課税課・納税課・保険年金課)のみの試行でスタートした土日開庁は、7月には福祉相談の試行も開始し、翌年よりさらに業務を拡大して本格実施となるわけですが、土日を開けながら、原則職員増を伴わず、コストを最小限に抑えるよう留意しながら導入したそうです。(例えば、平日と違って、お昼時間は窓口を1時間閉めています。)
 5年間やってきて、年間受付件数を拝見する限りでは、ほぼ巡航速度に入ってきているように見受けられましたので、検証結果や今後の課題をお聞きしたところ、

  • 月、金の山が低くなり、お待たせしなくなっている。
  • 平日手が足りないところはパート増で対応している。
  • 転出入は、他都市が閉まっているので不都合が生じないかと
    危惧していたが、ほとんど問題ない。
  • やはり平日の方が来庁者は多く、土曜日は午前中が多い。

とのことでした。そして、
「やっていく中で、意識を変える」という効果を期待していた、その職員の意識は、「役所はサービス機関だ」と定着してきたそうです(5年間の継続が力)。また、土日をフルにやると、平日の時間延長のリクエストはなくなった、とのことです。
ちなみに、ここも自動交付機を導入し(平成13年から)、夜8時までサービスが受けられることも関係しているのでしょう。
次に課題については、

  • さらなる平準化を図るには、土日開庁についての市民へのPRをもう1重しっかりやって、利用促進をしていくこと。
  • 庁舎内のセキュリティ、要するに、設計上フリーになっている、本来市民の方に利用していただくエリアに制限を設けるとこになるので、悪意の侵入等についてガードが十分ではないこと。(ただし問題は起こっていない)
  • 昼間の切れ目をどう確保するか。

といった案件とともに、逆に、システム改修などで臨時閉庁する場合のアナウンスに気を遣うのだそうです。
 土曜日に視察を受け入れていただけるところを探して訪問してみて、週末の混雑具合(思った以上に少なかったのですが)を目で見させていただけたのは大変ありがたかったですし、「お隣の福生市は、土曜日開庁と水曜の夜の延長をパート増もなしでやってるよ。」とか、「うち(羽村市)が市民カードでやってるのは、住基カードは金がかかるからね。小平さんなんかは住基だけどね。」と近隣の情報をいただけたのも参考になりました。


担当:竹之内則夫 2008年7月19日

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7月15日(火)~17日(木)建設委員会 視察報告

政令指定都市移行後の道路行政・・・・・・浜松市

 浜松市は平成17年に12市町村が合併、平成19年4月に全国17番目、7区を持つ人口82万人の政令指定都市となりました。
(1)国県道の権限移譲に伴う事務移管に係る県との引き継ぎ
 1年以上前に事務レベルの連絡会を設置。並行して作業部会を設置し、路線ごとの詳細な引き継ぎを行い、県と市の担当者が道路を実際に通って確認するなど、具体的かつ丁寧な作業が行われていました。
(2)政令指定都市移行後における道路行政の執行状況
 技術職員の確保については、即戦力として民間から中途採用し、団塊の世代の職員を再任、民間への業務委託化を推進していました。
 道路維持管理の体制は本課(道路保全課)=計画・企画・調査・予算総括など、7区役所(まちづくり課)=生活道路の修繕・道路パトロール・市民からの要望など、4土木事務所=計画的な事業の実施・設計書の作成・用地買収などそれぞれ役割分担をしています。
(3)財政状況
 当初予算(単位百万円)
平成18年度 9,457  平成19年度 26,001  平成20年度 24,949
 全体を通じて特に感じたことは、急激に増大する業務の量と質にどう対応できるか、政令市への移行が成功か否かは、職員の意識が決め手となるとの話に、気を引き締めて取り組まなければと決意も新たにいたしました。

花のまちづくり・・・・・・恵庭市

 恵庭市は人口68,000人、豊かな自然に囲まれ、道都・札幌や空の玄関・新千歳空港に近く、道央圏に位置し、「水・緑・花 人がふれあう生活都市 えにわ」をめざしたまちづくりをすすめています。
 街中の花壇はボランティアの市民が管理し、どの花を植えるかを3月に決定し、4月からは自分たちの花壇に花を植える姿がいたるところでみることができるそうです。町内会・商店街・企業・各種ボランティアグループで、花の植栽・水やり・除草などを4月から10月の間実施し、花による観光の推進を図っています。
 花の街並みモデル地区を視察いたしましたが、家の造りについては、敷地の面積、屋根や塀の形、駐車場の様式などの規制があり、ここは日本かと思うくらいそれは美しい街並みでした。オープンガーデンのお宅が何軒もあり、県外から訪れた方々と花や緑を介して楽しい会話がはずんでいました。私たちを案内していただいたのも、花いっぱい文化協会のボランティア・ガイドさんで、わかりやすい丁寧なご案内をしていただきました。

下水道施設及び下水汚泥処理・・・・・・苫小牧市

 苫小牧市の下水道は、昭和27年年度に中心市街地を中心に合流式下水道として整備を開始し、現在まで約824haが合流区域として共用されていますが、雨天時の未処理放流が公共用水域の水質や生態系を損ない、公衆衛生上の影響を与える恐れがあるため、緊急改善計画を平成17年に、また平成20年には計画の変更を行い、事業を進めています。
 苫小牧市は水洗化率98.7%、管渠総延長は1,353kmに達しています。早期に埋設された管渠の維持管理に劣化状況調査を実施し、延命化を図るとともに計画的に事業の平準化をすすめています。
 その後、西町下水処理センターを現地視察しました。濃縮汚泥の濃度を高くする新技術(みずみち棒の原理)の採用で導入時に投入した費用を約2年半で回収することができ、年間2200万円を削減、さらにガス発電機導入による電力削減効果により年間1000万円を削減、施設の維持管理費を大幅に低減していることを学びました。

さっぽろ都市交通計画・・・・・・札幌市

 札幌市は人口180万人を擁する大都会です。さまざまなワークショップや社会実験を実施し平成15年度に都市交通計画を策定しました。都心の再生に向け 1、公共交通を軸とした交通システムの充実 2、適正な自動車等の利用による交通の円滑化 3、道路空間の再配分による都心再生の具体化 4、社会実験の継続と市民との協働によるプロジェクトの展開 の4つの方針を示しています。札幌市は冬季対策(堆雪スペースの確保や地下に車道を設ける)が必要ですが、計画策定以降も市民とともに検討を進めていくことが重要と位置づけられています。
 この中で、路面電車が平成17年2月に存続が決定されました。現状は、ループ化されていない、利用人数の減少で経営悪化、老朽化で多額の費用が必要ですが、人や環境にやさしい特性がまちづくりにプラスになることが支持されました。今後はまちづくりと一体になった延伸ルートの検討が課題で、高齢者や観光客が使いやすいこと、新幹線延伸等他の交通機関との連携などを整理し平成21年度に基本計画を策定することになっています。
 さっぽろ都市交通計画は10年後にむけて交通問題の解消をめざしていますが、社会情勢の変化などに対応するためには、もっと短い期間での見直し・改善も必要との現場担当者の意見に、現在都市交通戦略を策定中のわが岡山市も課題を明確にしてしっかり検討すべきだと思いました。

担当:中原淑子 2008年7月17日

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7月16日(水)文教委員会 視察報告

 東京都視察で品川区日野学園と仙台市立鶴谷特別支援学校・仙台市博物館、埼玉県志木市立いろは遊学館の視察を行いました。
 まず、品川区では、平成12年度より教育改革「プラン21」をスタートさせ教育改革に取り組んでいる。平成12年度小学校で、平成13年度には中学校で学校選択性を実施し、平成18年度には全小・中学校(58校)で、小中一貫教育を実施し、教員の意識改革と学校教育の質的転換を果たしている。9年間を4,3,2のまとまりとして4年生までは学級担任制で基礎・基本の定着を図る学習を、5,6,7年生は教科担任制で基礎・基本の定着と8,9年生は自学自習を重視した教育内容になっている。人格形成と人間形成を図る「市民科」を創設し、独自の教科書を作成使用している。さらに英語教育は1年生からとりいれて、音声を中心にした教育を実施している。日野学園は小中一体施設の学校で平成18年4月開校。敷地は10,178m2。地下2階から地上1階は学校の体育館と区民の施設、地上2階から6階が学校で、屋上は農園になっている。生徒数935人30クラスの都会型の学校。
 次に仙台市立鶴谷特別支援学校を訪ねた。説明を聞く前に、スクールバスで登校する生徒さんを玄関で迎え、説明学校内の見学をさせてもらった。前身は養護学校として昭和53年開校され、平成19年、市立心身障害相談センター設立の趣旨に基づき、療育と保育と授産施設が隣接する特別支援学校として設置されている。中度・重度の知的障害児や重複障害児を中心に指導、生涯学習を目指している。
午後青葉城三の丸跡に位置し、深い緑に囲まれた仙台市博物館の伊達藩からの寄贈品の展覧会を見学した。
 最期に、埼玉県志木市の地域活動の拠点のいろは遊学館といろは図書館に市立志木小学校が一体で運用されている複合施設を視察した。受付を通ると、図書館と公民館施設利用の大人たちと生徒たちの行き交う風景にここは一体どこなのかと不思議な感覚に戸惑う。1階はいろは遊学館と小学校、2階にいろは図書館と小学校、3階は遊学館の研修室などと小学校、屋上にビオトープになっている。施設の案内は子供たちがしてくれた。
 今回視察をした3校は、いずれも新しい施設と独自の教育目標を掲げ、子どもたちの全人格形成に大きく配慮をした教育内容を持つ学校ばかりであった。もう一つの共通点は、校長先生はじめ、先生方が地域と一体になって、子どもの未来のために全力で行動している点である。大変参考になるよい視察であった。

担当:高月由起枝 2008年7月16日

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7月16日(水)総務委員会 視察報告

7月14日、広島市「広島市消費生活センター」

 開館時間が午前10時から午後7時まで、休館日は火曜日と12/29~1/3、概要の冒頭を見ただけで、広島市が市民視点で行政運営をしていることが如実でした。
政令市移行に絡む行政サービスのあり方について公明党市議団が主張していたとおり、相談の80%は電話によるものだそうですから、区制を敷いても分散させない方が効率的だということがはっきり出ていました。
運営コストが年々削減されて苦労されていましたが、実際に減っているのは啓発イベントです。岡山県がここに至って同様の対応をしているように、私の認識では、それ自体はムダ金な訳です。お役所の広報にマスコミが反応して露出が高まる構図ですから、本市においても、折角市長の定例記者会見を始めたのですから、啓発イベントの経費をカットして、順次市長がプレス発表すれば済むように思います。
また、若年者と高齢者が多く被害にあっているのをみるにつけ思うのは、学校でもっと教えていかないとダメだろうということです。内閣府が3年前に教育委員会に学校教育において消費者教育の具体化を図るよう指示をしていますが、まったく取り扱う素振りもないようです。教育は子供を自立させるために行うのですから、被害の構図をきちんと教えるのは当然です。「カリキュラムに組めない」というのは「他所」の事業だと思っているからです。自らしっかりと組み立てるべきだと思います。もちろん他にも、性教育や発達障害に対する啓蒙なども、子供たちの近未来の不幸を未然に防ぐ上で重要です。生きていく上で大事なことをカリキュラムとして洗い出していくよう、しっかりと働き掛けていきたいと思います。

7月15日、熊本市コールセンター「ひごまるコール」

 先例市を参考にできる後発組の利点を活かし、セキュリティも含め、コールセンターの民間委託としてはとても出来映えの良い仕上がりになっているように感じました。(後発といっても岡山市より先行されていらっしゃるのですが・・・)
 ただ、詳しくはお聞きできませんでしたが、普及のやり方がいま一つだったのかも知れません。立ち上がり期間とはいえ、思ったよりも利用件数が低調でした。前日の空き時間に市内の知り合いを訪ねて聞いてみましたが、「ひごまるコール」では通じず、内容を話すと「ああ、それなら知ってる」ということでした。この点、コールセンターの導入に限らず肝に銘じておく必要がありそうです。
 また、代表電話交換室はそのままにされていました。市民から見たときに境界がどうなのかなと疑問を持ちましたが、こういう立ち上がり方も選択肢なのだろうと理解して後にしました。

7月15日、大野城市「週末窓口サービス」

 市民窓口サービスについては、私が「これだけはやれる自治体でありたい」と考えていたこと3つを全部効率的に実施されていました。素晴らしい!
 それはワンストップサービスと週末開庁と機械化による時間外対応です。しかしこれらの事業は市職員から自発的に生まれた訳ではありません。ズバリお伺いしてみたところ、「コミュニティセンター(公民館みたいなところですが、市長部局です)で簡単な証明事務を週末していたので、職員は市庁舎を週末に開庁する必要はないだろう」と考えていたそうです。
 しかし、市長のマニフェストで指示が出たのでアンケートをとってみたら、「市民の要望は非常に多いことが判った。」そうであります。
実は私が調べたところでは意外とアンケートをやっていないところが多いんです。ですから、土曜日の午前中というニーズはやや意外でしたが(なにせ昔の役所の土曜半ドン)、納得せざるを得ません。
まあここは、ホントに行政が本気で考えて動いていると感じさせられましたが、その大元は市長さんです。井本市長の掲げるテーマの中に、「仕組みを変えて次代に備える」という1項があります。「最小の経費で最大の効果を揚げ、地域の宝である子どもを育てる支援、男女共同参画社会の実現、介護予防事業と自立支援事業の充実を図る。」との表現に政策の方向性が明確に出ています。ホントに素晴らしい。大いに見習わせていただきます。

7月16日、福岡市「共同事業提案制度」

 熊本市のコールセンターでもそうでしたが、トップランナーではない強み、つまり後発の強みを活かして、導入する制度を精査されていました。(福岡市がさらに素晴らしいのは、「先例市を見て、改良して取り入れていくのが福岡市の特徴的な強みなんです。」とそれを良く自覚されていている点です。)
 この提案制度の特徴は、①最大8割しか行政が補助しない(2割はNPO自らが負担する)点(敢えて「協働」ではなく「共働」と表記しておられるスタンスを具現)。②行政側から気合の入ったモデルプランを事例として発信しており、恐らく課題形成されながら予算がつかなかったり、啓発止まりだったりしたものを、市民と一緒に何とか事業化しようという意欲が出ている点です。
そして、共働の隠れた果実は職員の意識改革(「今はまだ、共働への理解は低いんです。」とおっしゃっていました。)だそうです。安全安心の川野局長、頑張りましょう!
また、さすが政令市と思ったのは、共同事業提案制度の担当係長が、ごみ袋有料化の収益を環境ファンドにしている(この方が、本市の泥縄サービスよりイケてる)とか、今ある施設をどううまく使うか(アセットマネジメント)など、担当外の事業についてもすらすら説明できることです。委員会答弁ではないけれど見習っていただきたいと多くの議員が思ったようです。

最後に、

 九州3市を訪問して、「やっぱりこれだよ!」を思ったのは、それぞれ「日本一」を標榜されていることです。妥協なき改善のバックボーンには「日本一、No.1」が必要なのです。ちなみに、

  • 熊本市:「日本一住みやすく暮らしやすいまち」
  • 大野城市:「日本一ご利益あるコミュニティ都市」
    「自治体仕事宣言、実力、サービスNo.1が目標」
  • 福岡市:「日本一子育てしやすいまちづくり」
本市もアナウンス効果が内外ともに見込まれる「No.1」宣言をしていきたいものです。

担当:竹之内則夫 2008年7月16日

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7月10日(木)・11日(金)下関市ごみ袋有料化について

則武、磯野、高月、藤井、酒見、松田の6名で、ごみ袋有料化についての視察を行いました。(ただし磯野、高月は下関のみ)

【下関市】2008年7月10日

 下関市では人口が減少しているが世帯数は増加をしており、ごみが排出量が増大をしていた。平成9年に燃やせないごみ・粗大ごみの有料化を実施して、その折は燃やせるごみ等の指定袋による有料化は見送った。一定期間排出内容を調査して効果がなければ指定袋の検討を行う予定としていた。
 平成13年に「下関市廃棄物減量等推進審議会」にごみ袋の指定や資源化ごみの分別収集方法の変更等について諮問を行い、翌年、指定袋が望ましいとする答申をいただき、条例改正を議会で議決した。平成15年からは住民説明会を実施し、その年の6月30日より有料化を実施した。
 住民説明会は総説明回数665回、総参加者は46678人で旧下関市全世帯の43.4%にわたり、有料化の説明のみなならずごみ減量をどのようにしていくかがが説明された。
 有料化の評価としては、ごみ減量が約2割減少をし、住民のごみ問題に対する意識が向上をした。その後もリバウンドは見られていない。負の効果としてはごみ行政に対する感情が悪化したが現在では定着してきた。不法投棄に対する通報件数もあがった。

 さて、有料化を考えていくとき、まずは動機がどの都市でもある。下関市においてもごみ排出量の増大が顕著となった時から考えはじめ、ごみ袋の有料化を実施するまでには実態の調査と市民への説明が必要であり、下関市では平成9年に燃えないごみと粗大の有料化に取り組みごみが減らなければ指定袋の導入を考えたところが手順を踏んでて市民にも分かりやすい。住民説明会も世帯の43%を超える人を対象にしており、きめ細かに開催をしている。
 一方、岡山市では今なぜ有料化に取り組むのか、その動機がハッキリせず、考えてみれば合併地域の有料化に合わせようというぐらいのことしか見つからない。ただここ数年ごみ減量の取り組みが遅れており、ごみ排出量が横ばいであることは問題であり、抑制に向けての取り組みは必要である。市民説明会は有料化の実施をすることを説明したのみであり、市民に減量の取り組みを説明していないのは問題がある。
 注目のリバウンドは起こってなく成果が出ていた。不法投棄については下関市では心配するほどの状況も出てなく大きな効果をあげている。
指定袋に点字をつけたり、ごみ袋の金額の見直しをしたり工夫や改善を図っているところは重要であると思う。
 少し納得を得なかったのは、燃えるごみを有料化するのは資源化ごみに分別したりするためにインセンティブを働かせるためと考えているが、資源化ごみも有料化しているとどちらに出して経済的負担がかかるのであれば、効果があるのかと疑問に思ったが、下関の担当者によると、ごみについてはどれも処理に費用がかかっているので市民に一定の負担をお願いするとの回答であった。

【宮崎市】2008年7月11日

 宮崎市は平成14年の6月から家庭ごみ有料化を導入した。導入の経緯はごみ減量の市民意識の向上、リサイクルの推進、費用負担の公平化を図ることで実施をした。
 平成13年5月に先進地事例を調査し7月に宮崎市廃棄物減量等推進審議会へ諮問、9月に議会で条例の議決とスケジュールはタイトに進めている。
 有料化後の効果の分析としてはごみ量の減少、リサイクルの推進ともに順調に推移しており効果が出ていると判断している。
 有料化後のごみ処理手数料の使途は充当先を限定して環境美化活動補助や不法投棄対策などの環境施策に運用している。

 宮崎市で印象的だったのは、平成17年に「エコクリーンプラザみやざき」を整備して、ごみ減量を分別収集の徹底を図り環境教育にも力をいれ啓発啓蒙を進めており、ごみ・資源物収集日程表も作成して住民の適切なごみ出しの徹底も図っている点であった。岡山市においてもどのごみが燃えるごみなのか、不燃ごみなのかはっきりわかる様な物を作る必要があると思う。

担当:則武宣弘 2008年7月11日

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7月7日(月)「クールアース・デー」七夕ダウンライトを全市で

7月7日、西川沿いの下石井公園。
 蒸れた照り返しの名残りで汗だくになりながら、キャンドルの準備をする方々は、この日初めて袖を通したブルーの“政令市Tシャツ”を体に貼り付けている岡山市環境局の面々。
目を引くグリーンのTシャツで参戦してくださった岡山青年会議所のみなさま。
そして、日頃より環境や温暖化防止に熱心に取り組んでおられるボランティアのみなさま。

 梅雨の後期でもあり、当日の空模様を心配していましたが、諸天も味方して西の空にはすでに美しい三日月が浮かび、お集まりの市民のみなさまは、七夕にちなんで、願い事を書いた短冊を笹につるしながら開会を待っています。

 午後7時7分、岡山市主催の「2008キャンドルナイトin下石井park」の始まりです。
ビジネスマン、主婦、学生、地元町内など多士済々に続いて、宮武議長、高谷市長が「環境宣言」を行った後、ステージのメインキャンドルに点火。
 そしてカウントダウンで迎えた午後8時に、西川アイプラザをはじめ周辺マンションなどのライトが次々に消え、あたりは柔らかい明りに照らされました。
 来賓挨拶にはクールアース・デーの創設を福田総理に提案した“張本人”地元参議院議員の谷合正明さんが登壇。岡山市の取り組みに謝辞を述べるとともに、ライトダウンに全国で7万社以上が協力しスタートを切ることができたクールアース・デーが、来年以降も大きく広がることを願い挨拶をされました。

 また、当日は、これに先立ち午後4時半から岡山駅前にて、高谷市長を先頭に夜のライトダウンを呼びかける啓発活動を行い、通行客のみなさまに協力をお願いするとともに、夕方のニュースを通じて多くの市民への周知を図ることができました。

 尚、両イベントには、6月議会で積極的なライトダウン活動を行うよう提案してきた公明党の議員が多数参加しました。

担当:竹之内則夫 2008年7月7日

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6月18日(水) 6月議会個人質問

1)アレルギー対策について

 文部科学省が監修し学校保健会が作成した「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」が今年4月以降、全国の教育委員会、学校などに配布され、「アレルギー疾患のある子どもたちを学校や園でどう支えるか」という視点での取り組みを現場に促しています。アレルギー患者の視点から見ると、医療機関の情報もなく、受診した医師の資質によって治療やその後の生活が大きく左右され、学校生活などで著しいQOL(生活の質)の格差を生んでいます。学校でも、体力強化、学力低下をきたさないように、いじめにつながらないように配慮が必要です。食物アレルギーで食べられるものがほとんどない、食物アレルギーで重い症状、アナフィラキシーを繰り返すなど、適切とは言えない医療を受けている子どもたちを専門医療機関につなげるシステムを構築する必要があります。そこでまず岡山市の実態をたずねました。
 岡山市におけるアレルギー疾患の有病率の実態と、中でも重い症状であるアナフィラキシーを起こす子どもたちの人数を尋ねました。

2)消費生活相談室の充実

 我が党の提唱を受けて消費者庁の来年度創設が決定いたしました。岡山市では来春、消費者センターの設置が決まっています。岡山市の平成19年度実施事業概要を見ますと、消費者の集い、消費者大学、生活講演会、産地見学会、出前講座実施、毎年市民アンケートの実施、消費生活展、岡山市消費生活協議会を設置し消費者の育成を尽力しています。どれも大事な事業ですが、年1回の事業で、参加人数も限られています。
 生活安全の目標は、こよなく被害を0に近づけることです。そのために未然防止が何より望まれます。生徒、若者への消費者教育の実施のため、教育委員会、各種相談口などとの連携が必要です。例えば中学校入学時、消費生活センター連絡先を記入したカードを作成配布してはどうか、多くの人の利用がある施設においてはどうかと提案を致しました。民間と情報共有し被害を未然に防止をする消費者リーダーの養成の必要性、出前講座の充実も併せて質問いたしました。振り込め詐欺の被害は県で404件、被害額は約5億と甚大な被害です。年間約1万件の市民からの相談に速やかに応じ、解決できるセンターになるように体制の強化を求めました。

3)発達障害について

 滋賀県湖南市に特別支援教育の勉強にいってきました。湖南市では平成11年国の調査研究協力者会議報告を受けて平成12年から3ヵ年、文科省の委託を受けて「LDの児童生徒に対する指導体制充実事業」を実施しました。平成15年の国の「特別支援教育推進体制モデル事業」を小中学校に拡大して実施、同じく平成15年就学前教育では「幼稚園における障害のある幼児の受け入れや指導に関する調査研究」を実施、17年には合併した全湖南市で拡大実施し加えて平成18年には文科省の「新教育システム開発プログラム」により、特別支援教室に関する研究も実施しております。議会では平成18年6月議会で「障害のある人が地域でいきいきと生活できるための自立支援に関する湖南市条例」が成立し施行されています。この条例で、早期発見・保育・教育・就労支援・生活支援について各期間が横断的に又縦断的に施策実施が肯定されています。支援の必要な人に対し乳幼児期から学齢期、就労期まで教育・福祉・保健・就労・医療の関係機関の横の連携による支援と、個別指導計画によるたての連携による支援システムです。発達支援室は個別指導計画に基づく機関内のコーディネートと、個のニーズに応じ長期にわたる一貫した支援を統括する部署です。発達支援センターは親子教室・療育教室・早期療育発達相談室・言葉の教室を包括し、これらの発達支援事業と発達支援相談事業を担当しています。発達支援システムは就労や家庭生活を支援しています。文科省の調査では発達障害の傾向を持っている子どもたちは6.3%といわれています。虐待や不登校などの支援を必要とする子どもを加えると10%以上子どもが対称になるかもしれない。成長の過程でしっかり係わっておくことが、将来の湖南市にとって重要と捕らえ、就労までの支援体制がほぼ確立されています。中島洋子精神科医のよると、岡山市では、乳幼児の健診などで約6%発見されていると岡山市の対応を評価されていましたが、支援体制についてはこれからという感がいたします。避けては考えられない重大な状況です。今後どのように支援システムを実施していかれるのか御所件を尋ねました。

4)男女共同参画社会の推進

1.岡山市では全国に先駆けて市の相談支援センターを設置しています。しかし、一時保護所が民間シェルター2箇所しかありません。公営住宅利用も条件があり誰でも入居できません。仮に住居を定め仕事をはじめて経済的に安定しても、精神的サポートは長期間必要です。24時間対応の可能な公設民営のシェルター設置し細やかに、長期にわたる当事者支援が可能なシェルター設置を考えてはどうかと質問を致しました。
2.男性DV被害者の相談窓口の設置を考える時期が来ています。実施の予定を尋ねました。
3.高齢者の虐待の対応は地域包括支援センターが窓口になっています。高齢者の虐待は、高齢者に、暴力が人権侵害・犯罪という認識が薄いこと、経済的心理的に切り離すだけが解決でない事を前提に対応、解決をしていかなければなりません。センターの職員は立ち入り権限がなく、高齢者福祉課の職員と同行しなければなりませんが、緊急を要するときの権限を考慮しなければならないのではないか尋ねました。

5)地球温暖化防止対策の観点から、省エネサービス事業として、ESCO事業が期待されています。

 ESCOとは、Energy Service Companyの頭文字をとった名称で、この事業はビルや工場など現在稼働している設備の省エネルギー改善に必要な技術、設備、人材、資金などを包括的に提供するなど民間のノウハウを活用し、それまでの環境を損なうことなく省エネルギーを実現し、その効果を保証する事業です。ESCO事業に必要な費用は、光熱水費の削減分で対応しますので、新たな費用負担は発生しません。岡山県では今年度実施と聞いています。岡山市でも市有施設についてESCO事業の導入をする考えを聞き、来年度全市有施設で調査をするとの答弁を戴きました。

担当:高月由起枝 2008年6月18日

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6月17日(火) 6月議会個人質問


今議会では、2点について質問させていただきました。

1、機構改革について(消費者行政の体制・整備の強化と人員増員)について

 近年、耐震偽装問題、食品の不正表示、冷凍餃子による中毒事件、先日廃業した船場吉兆などの悪質事業者による消費者被害の拡大など、国民に大きな不安を感じさせる事件が数多く発生しております。
 こうした問題は、一過性のものとして決して見過ごされるものではなく、消費者・生活者の信頼を根底から裏切るという点で、もはや国内で構造的に常態化された看過できない大変重要な問題であると考えられます。そうした中で、平成21年度に政令指定都市となる岡山市において、消費者行政の体制を強化していくために、生活安全課内に設置されようとしている「消費生活センター」の機構面の一層の強化と人員の増員、そして「消費生活センター」を課内室ではなく、課相当以上のものにしていくように要請させていただきました。
 生活者・消費者が、安全で安心して暮らすことのできる岡山市の構築、それを持続可能なものとし、将来にわたって実現させていくことが必要です。

2、災害時要援護者支援台帳の作成・整備について

 一段と高齢化社会が進んでいく中で、岡山市は、災害時の災害時要援護者支援台帳の作成については、各連合町内会へのお願いを含めて、民生委員さんのご協力を含めて、進めていっている状況ですが、個人情報保護法の下で、支援台帳の作成・整備が極めて困難になるなどの事態が各所で起こっています。
 昨今、プライバシー意識の高まりや個人情報を取り扱う上での戸惑い等の様々な要因から、社会的な必要性があるにもかかわらず、法の定め以上に個人情報の提供を控えたり、運用上作成可能な名簿の作成を取り止めたりするなど、いわゆる「過剰反応」が生じています。
 こうした「過剰反応」が生じる背景には、個人情報によって識別される特定の個人が自らの個人情報の取扱いに不安を感じていることも一因としてあると考えられることから、法の適切な運用等により、個人情報の適切な取扱いを図っていく必要があります。
 条例の解釈と運用の見直しを併せて、住民や事業者向けに「過剰反応」への適切な対応をしていくように、現場に接する岡山市に強く要請させていただきました。

担当:松田安義 2008年6月17日

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6月17日(火) 6月議会個人質問

I 岡山市の財政状況(第10版)ついて

 岡山県が財政危機宣言を出した。市民の関心は高い。同じ町内にお住まいの大学の先生からは「県は大変ですね。しかし県会議員でもわからなかったのですか?」と。また、コンビニで出会ったエプロン姿のご婦人からは「岡山市は頑張っていますね」と。私は何のことかわからず黙っていると、「県の方は財政が大変ですね。県会議員は何をしとったんですか!議員にもわからないということが私たちにはショックです。」と。県の突然ともいえる財政危機宣言に、おそらく多くの市民も驚かれたと思うが、同時に、議会・議員の責任の大きさも改めて痛感。
 さて、3月だったと思うが、NHKのクローズアップ現代、題して「大返済時代」~借金200兆円 始まった住民負担~は」非常に興味深いものだった。
 熊本県長洲町の事例。問題となったのは公営事業の一つ下水道事業。下水道普及率は全国トップクラスの94%。ここに年間の税収に匹敵する20億円の赤字が累積。町本体の会計はおよそ2億円の黒字だが下水道事業の赤字を加えると一転して破綻と判断される。町は職員の数や給与を減らすだけでは破綻を回避できず、住民にも負担を求めると説明。法人町民税増税。住民票発行手数料値上げ、下水道料金の値上げ、高齢者の福祉や教育の補助金もカット。給食センターを廃止し、隣の市に委託。さらに、国民健康保険税を平均で年間2万3千円の増額など。
 これは、かつて国の下水道普及特別対策で「借金の半分を国が持つ」とのいわば国策で下水道に積極的に取り組んだ結果でもある。
 下水道事業の優良団体ともなった長洲町。当事の町長は「皆私も含めてそろばん勘定が出来なかったということ。シュミレーションをしたことがなかった」。当時の町議であった現町長も「景気を回復させるとか、住民の暮らしを良くするんだということで、借金に対しては意識が薄かった」と。議会も歯止めをかけず。住民の多くも借金に関心を払うことはなかった。そして、資金の調達は公営企業金融公庫。自治体は破綻することはないという前提で、無審査で自治体への融資が続けられてきた。当時の国の総務事務次官。「全体として国が景気対策を進め意味から国にも責任があった」と。
 これらからわかることは、(1)正しい将来予測(2)正しい情報の開示(3)市民との情報共有、が重要であるということ。岡山市の財政状況(第10版)に扶助費の推移実績がある。平成9年304億円であったものが平成18年には411億円。10年間で100億円もの増額という状況に驚くばかり。ではこれから先はどうなるのか?将来予測こそが重要。
 本日の資料は、当局も持ち合わせていないとのことだったので、当方で作った。高齢化率の推移はこの場所で何度もお示ししてきたが、岡山県においても65歳以上の高齢化率2007年23.6%ですが、2020年には30.8%。団塊の世代が75歳を迎える2025年(ほぼ15年後)には後期高齢者が19.4%になると予測されている。財政への影響はけっして小さくはないと思う。岡山市においても人口構造の変化は間違いなく進行しているわけで医療・介護を中心に推計値を出してみた。((1)後期高齢者医療費(2)国民健康保険医療費(3)介護保険費の平成30年までの予測グラフを示した。)人口構造が変わるゆえに、10年間で少なくとも345億円、多く見積もると979億円は増えるという結果となった。これらのデータを基に、日常的な市民へのわかりやすい財政資料の提供、説明が必要であると考えるがどうか等を問うた。

II 包括外部監査と委託契約

 包括外部監査については、導入の経緯やその実績から、私は高く評価してきた。その気持ちは現在も変わっていないが、07年度の包括外部監査テーマは委託契約事務の執行について「随意契約の運用をより厳格に行うことが求められる」との指摘があった。そのすべてを受け入れることが果たして正しいのかどうか。4月7日放送のNHKのクローズアップ現代のタイトル「官から民へ~揺れる委託の現場」では、「税金の無駄遣いを減らし、効率的に行政サービスを提供することはいうまでもなくとても大切なこと。コスト削減、効率化が求められる中で、現場で働く人たちの賃金の大幅な低下や解雇への不安、雇用環境の悪化が広がっていることや、最低賃金で入札に応じても取れない実態や低賃金から発生する貧困や雇用不安。このことについて自治体の中からは、委託先の働く環境の改善が必要だとの声も出てきた」と。トータルコストが自治体にとって本当に安くなるのかどうか。最低賃金レベルと生活保護水準の比較から働かないほうが良いと、働く意欲がなくなることは自治体にとっては問題。国分寺市や豊中市に見られる行政サービスの質や適正な労働条件の確保までを総合的に判断しようとする取組みについての所見等を問うた。

III 御津虎倉産廃処分場建設計画について

 住民の皆さんが初めからずっと疑問に思っていることだが、今日まで、まったく納得がいかないことが残念でならない。そこで生まれ育ち、地域を愛し、これからもそこで生きていこうとする方々がいて、その方々の意思というものがまったく反映されないシステムであることに大きな疑問を抱く。法律に不備があるのではないかとも思う。御津地域は合併後、住民投票さえ不可能となった。当局はその住民の心をきちんと受け止めていかなければならない。市議会で、陳情・請願は採択されてきた。宇甘西地区住民の95%を超える反対署名、御津地域全区長会長の反対など、住民の意思は明らか。オオタカの生息が確認されるなど豊かな自然をもつこの地域。本来は対象地域の選定に行政が関わるべきではないか。この地域は若い農業後継者が育ち椎茸栽培などに情熱を注いでいる。若い方々が安心して希望の持てる地域を守らなければならない。決してその夢を打ち砕くことがあってはならない。自治体に裁量権がないといわれるが、そのこと自体が時代に逆行するものではないか等を中心に問うた。 以上

担当:田尻祐二 2008年6月17日

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6月16日(月) 6月議会個人質問

1、岡山市の鳥にタンチョウを

 岡山市は来年4月の政令指定都市に向けて区名案「北」「中」「東」「南」を発表し、市民の皆様に政令市の輪郭が見える形になってきました。岡山市の花などが制定されていますが、市の鳥は制定されていないので、政令市となるのを記念して市の鳥にタンチョウを指定するよう再度、質問します。昨年11月議会以降、市民の皆様から、賛同のお声を多くいただいております。後楽園のタンチョウの由来、タンチョウが縁となった釧路市との交流などをふまえ、合併して新しくなった岡山市として一体感の醸成と、中国地方2番目の政令市としての発信力が増大すると考えます。市長の考えをお聞かせください。

2、携帯電話のリサイクル推進について

 携帯電話のリサイクルを推進する大きな目的は、日本の産業競争力のかなめとも言われるレアメタルが携帯電話に含まれ、回収と再資源化を図ることが期待されております。しかし使用済み携帯電話の回収実績は減少傾向が続いており、2006年にはピーク時と比べ、半減しています。
 岡山市として、ゴミの減量化、リサイクル化の推進のために、次のことを検討すべきです。
 1)携帯電話を「捨ててはいけないもの」とゴミ分別案内に記載する。
 2)廃棄する場合は購入したショップで回収することを促す。
 3)回収箱を市役所等に設置する。もしくは委託して事業者が回収するシステムをつくる。
 4)国に対して回収促進の法整備や携帯電話ユーザーに対する啓発など必要な施策を推進するよう働きかける。
個人情報の消去が難しいので市役所での回収は困難ですが、ホームページや広報誌などで周知し、国に対してもユーザーの啓発を働きかけるとのことでした。

3、ユニバーサルデザインに基づいた政令市づくりを

 政令市に向けて区名案が示され、いよいよ次のステップへと動き出しました。
特にB-1区(仮称)の区役所(RSKメディア・コム)について、ユニバーサルデザインに基づいた整備計画となっているのでしょうか。
 ユニバーサルデザインとは、障害の有無や年齢、性別、国籍などにかかわらず、はじめから、誰にでも利用可能であるようにデザインする「すべての人のためのデザイン」という考え方です。
特に高齢者や障害者、外国人の方などが、目的の場所まで迷わず行けるよう、庁舎内の案内表示について、高さ、文字の大きさ、読みやすい色やデザインなどを考えて整備すべきです。駐車場に関しては、障害者用駐車場の車いすマークに加えて内部障害者のためにハートプラス・マークを表示していただきたいと思います。「市民サービス向上を図るための指針、ガイドライン」を定めた堺市に習い、岡山市もガイドラインを策定してはいかがでしょうか。
 岡山市くらしやすい福祉のまちづくり条例を制定し、ユニバーサルデザインの個別の取組はやっているが、ガイドラインの策定については先進市の事例を調査研究するとのことでした。

4、子どもたちと情報メディアについて

 現代社会は高度に進んだ情報社会であり、子どもたちの日常生活の中に大きく入り込んで来ているのが、テレビやビデオ、インターネット、ゲーム、携帯電話など情報メディア、映像メディアといわれているものです。岡山市は、メディアの子供たちに与える影響をどのように考えていますか。
 (社)日本小児科医会では子どもとメディアの問題を提起し、「2歳までのテレビ・ビデオ視聴は控えましょう」など5項目の具体的提言を提示しています。テレビの視聴時間を短くすることは、全国のさまざまな取り組みから見ると可能です。今年3月に策定された「第2次岡山県こども読書活動推進計画」の中で「ノーテレビ・ノーゲーム」の日や週間などの生活リズム向上をめざした取り組みを支援するとあり、岡山市でもノーテレビ運動に取り組んでみてはいかがでしょう。また、メディアリテラシーについての教育はなされているのでしょうか。全国の様々な例から、保護者に対する啓発活動が大事と考えますが、岡山市が実施していることがあればおしめしください。
 岡山市では非常に問題意識を持っており、(1)岡山っ子育成条例の中に親子が話し合う時間を持つということを盛り込んでいる(2)地域協働学校の取り組みとしてテレビのスイッチをきり、ふれあいの時間を取ろうということを提案する冊子を作成(3)保健福祉局と連携して生徒指導対策連絡会議を設置し、子ども、教職員、保護者を対象とした資料づくり(4)学校や学年に応じたメディアリテラシー教育の実施という答弁がありました。

担当:中原淑子 2008年6月16日

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6月16日(月) 6月議会個人質問

 多くの市民相談から以下何点か質問します。

1) 岡山市学校園の耐震化対策について

 中国・四川大地震では多くの学校がもろくも倒壊し、多くの子供たちが犠牲になりました。災害時、地域の防災拠点としての大切な役割も担う学校の耐震化は、待ったなしです。
 (1) 中国とは耐震の考え方の違いがあると聞きますが、日本でも新耐震基準以前の学校は同様な被害が起きるのか。
 (2) 現在までの耐震診断・改修の現況と耐震対策の実情と今後の耐震対策の計画と方針を示せ。
 (3) 課題が山積し財政事情も厳しいとのことですが、国も市民の生命・安全のために議員立法で今国会成立に向け頑張っています。これを受けての岡山市はどう対応するのか。

2) 地域農業振興施策について

 先月12日(月)に、JA岡山・藤田タマネギ部会、会長の茅原 彰さんの、タマネギ栽培の視察をしてまいりました。
課題としては、
 (1) 機械化は後継者対策としても避けては通れず、設備投資が過重ではあること。
 (2) 特産品としてブランド化するには1億円の売上へと規模の拡大が必要なこと。
 (3) 年間を通じて出荷するためには保存用の冷凍庫を整備する必要があること。
などです。
反面、
 (1) 反当り収穫高が米の3~4倍・しかも糖度が9~12度とスイカ並に甘いこと。
 (2) 農薬の使用頻度が3~4回と低農薬(他の地域では14~18回)で済むこと。
 (3) 早生の品種では、生のままかじれる(スライスで水にさらさずに食べれる)こと。
など、干拓地に合った作物の一つとして今、注目されています。
以下4点質問。
 (1) 新・農業振興ビジョンの策定において、藤田のタマネギの扱いはどうか。
 (2) 岡山ブランド農産物育成事業の具体的な施策と目標は
 (3) 今国会で成立すると思われる「農商工連携促進法案」が地域活性化・農業活性化に期待が高まるが、これからの本市農業にとっての考えはどうか
 (4) 機械化・冷凍庫等への支援を検討できないか。

3)米の消費拡大と本市自給率向上施策について

 日本の米消費量が減少し続ける中、米消費拡大について質問。
 (1) 本市における米消費拡大対策の現状と目標を示せ。
 (2) 学校給食における、食育と米飯給食の取り組みについて現状と目標を示せ
 (3) 岡山市の食料安全保障と農業振興ビジョンへの反映をどう考えるか。

4)地域農業用水とパイプライン化・土地改良区について

 藤田地域の用水パイプライン化事業に関連して以下質問。
 (1) 現在、共用開始している、都6区地区の運用状況はどうか。
 (2) 藤田、全地区が共用開始となると、運用はどうなるのか。特に田植は時期が限られているだけに配水計画は大丈夫か。
 (3) 先日、岡山県が財政の非常事態宣言をしたが、残っている工事の実施は大丈夫か。
 (4) 団地化で増えた生活雑排水や合併浄化槽等の排水に対する水質改善・悪臭対策はどうするのか。
 (5) 今、藤田・興除地区での改良区賦課金の値上げ(1000円/反から2000円/反に)が農家の大きな負担となっている。対策をとれないか。

5)市役所の名称について

 市役所とは「地方公共団体である市の市長・職員が、市の行政事務を取り扱う役所。市庁」と、辞書にあります。
 私は以前から思っていたのですが、日本の社会制度には儒教の教えが6世紀頃渡来してより、江戸時代を中心に広まり、社会生活の制度の根幹にあるように感じます。役所の名称もそのように思われます。
 「礼節を重んじ、親を大切に、親孝行・年上の人を敬い大切に」と、良い面が、たくさんある反面、問題もあるのではと思われます。その一つに、官尊民卑の捉え方、官が上で民が下、いわゆるお上の考え方です。
 今は、民主主義・主権在民です・民が主人です。
鎌倉時代の文献にも、国の漢字が、普通は、くにがまえに王・玉と書きますが、中に民と書かれた字がありました。まさに、民で国ができ・民のために国があるとの思想です。
 英語でも、市役所はシテイーオフィスで、岡山市事務所となります。
地方自治法でも、第4条の文言では、その事務所とあります。
 そこで、提案ですが、岡山市は政令市・「水と緑が魅せる心豊かな庭園都市」に向け大きく飛躍するこの時に・市民の目線で、市役所から「岡山市事務所」とされてはいかがでしょうか。
 また、市民に親しまれる愛称にされたら良いと思いますが、市長のお考えはいかがでしょうか。

担当:藤井義人 2008年6月16日

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6月16日(月)武蔵野市・杉並区ごみ施策を訪ねて


視察を基に質問

 去る5月29、30日の両日に藤井議員と一緒にごみ袋の有料化と個別収集を導入した武蔵野市とレジ袋の有料化を進めた杉並区を視察して参りました。
 武蔵野市は人口密度が全国2位。住民より昼間人口のほうが多いところです。それは事業所が多いことになります。また、市に直接かかわる町内会がないのですが、行政への市民の参加意識が高いといった特徴があります。武蔵野市は町内会がないため市報で広報を行い、市民説明会、出前説明会で116回の6284人でありました。この参加人数は世帯に一人が参加した数になるそうです。この説明会を市の職員が取り仕切ってするのではなく、住民側に司会や運営をお願いし、職員も事務職だけではなく技能職、クリーンセンター職員も役割分担し、分別の仕方、減量に向けての取り組みなどを説明し、どうやって住民に協力を得て減量を進めていくのかを行ったそうであります。
 平成14年当時、多摩地域は25市1町で二ツ塚最終処分場を利用しており、ごみを減量せずそのままにしておくと、処分場が数年で一杯になることが予想され、また他に処分場を建設するのは容易でなく、市として逼迫した大きな問題になっていました。武蔵野市は多摩地区でワースト2の搬入量で当時そのままにしておくことができない事情がありました。
 武蔵野市は平成16年10月にごみ袋の有料化を実施するのですが、それまでの間に平成9年10月からは事業系ごみの有料化、11年の10月からは生ごみの堆肥化、12年の7月からは容器包装プラスチックの分別、可燃ごみ収集回数の変更、粗大ごみのシール製の導入、埋め立てごみの焼却などいろいろな施策を展開し、平成15年10月から13万市民ごみ減量キャンペーンとして「ひとり一人が出す、自分のごみに責任を持つ」という運動を展開しました。
 武蔵野市もリバウンドが翌年にありましたが、事業系のごみに焦点をあてて、ごみ排出の指導、夜間の抜き取り調査などを行い、減量された初年度まで回復したそうであります。
 武蔵野市で本市の有料袋の価格を45リットルを50円と説明したところ「安いですね」と言われました。武蔵野市では40リットル80円でした。ごみ有料化制度の一番難しいところは、住民への負担が少ないといつの間にか慣れてしまいインセンティブが働かなくなります。一方、過度に負担をかければ不法投棄が増加したり、各家庭の所得の違いにより、負担の公平性が損なわれる可能性があります。ちなみに、全国的には平均を取れば60円ぐらいという金額であると言われています。
 武蔵野市はステーション収集から戸別収集に変えましたが、このようにごみステーションが設置できないところには戸別収集の導入も考えてはどうかと思いますがご所見をお伺いします。
 杉並区はこの4月からレジ袋の有料化に取り組んでいます。杉並区内で年間に使われるレジ袋は推計で約1億2000万枚(平成17年7月調査)で一週間に1世帯あたり平均8枚のレジ袋を受け取っていることになるそうです。石油換算で杉並区だけで年間にドラム缶11000本近くなり、これは小学校の25メートルプール9杯分あたります。
 平成14年に法定外目的税として「すぎなみ環境目的条例」を創設し、レジ袋に課税をするようにしたそうですが、施行できず、その後レジ袋削減に向けて区民運動を展開するため、協議会を設置して5年間で60%の削減目標をたてました。1年目の平成15年にはマイバック等持参率が26.4%で1年目目標の33%は達せできず、17年には持参率が35.2%と伸びるも目標の47%に届かず。そこでレジ袋有料化モデル事業として平成19年の1月から3月の間にスーパーで実施したところ、マイバック持参率が実施前の28%だったものが実施後に83%になり、その後2店舗にもモデル事業として実施をしたところ17.4%が79.9%。もう一店が10.3%が80.0%と素晴らしい結果を出しました。そこでこの結果を踏まえ、先に可決していた課税の条例は廃止し、レジ袋有料化の新たな条例を制定し、税でレジ袋に課税するのではなく、レジ袋使用事業者に協力してもらい、レジ袋1枚あたり3円から10円の価格をつけてもらい、その収益金を地域の環境教育に還元をしてもらうような仕組みをつくりました。

担当:則武宣弘 2008年6月16日

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6月13日(金) 6月議会個人質問

市民に最大のサービス機会を!

 1年間求めてきた市民窓口の土日オープンや時間延長については、8月より天満屋地下で第一日曜日を開くと答弁をいただきましたが、まあ随分と、サービスを小出しにするものです。さらに、中心部に見合う時間延長と、パスポートの受付など、事務の種類を増やすよう要望しています。
 また、土日にも活躍し、平日も待ち時間が少なくて済む自動交付機(住民票と印鑑証明)が区役所をはじめ、ふれあいセンターや岡山駅、天満屋などに設置されることになりました。これは昨年12月の提案が実ったものです。
 とはいっても、土日にオープンしている公民館やふれあいセンターで市民窓口サービスを開始すればずっと便利になるわけですから、区役所でできるようになるまでのつなぎとしての開設を引き続きプッシュしてまいります。

資産の最大活用を!

 「最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」と地方自治法第二条にあります。みなさまからお預かりした税金を最も効果的に使う、もちろんお金だけじゃなく、職員や不動産などの資産も同様な訳です。
 例えば、自動販売機を市民会館等に置くのは、行政財産の「目的外使用」といって、本来の目的ではないので、業者との設置契約は無料だったり、ものすごく安いわけです。資産を一事業から見るのか、それとも市民の利益から見るのかで全く収入は変わってきます。行政は「管理」ではなく「経営」しなければなりません。大阪府では3億円の増収を果たしているのです。
 また、みなさまに毎月お届けしている「市民のひろば」は、1年間に約1億円かかっています。自治体の中には企業と提携して情報誌の発行コストゼロを実現しているところもあります。
 稼ぐにしても節約するにしても工夫の余地はあるものです。
さらに、岡山市に3万7千軒あるといわれる「空き家」の情報提供・仲介をする「空き家バンク」事業をすることで収益の仕組みを作ることも可能です。他都市の試算ですが、100世帯の転入で20年間の経済効果が62億円に上るとの試算もあるのです。
 それぞれについて、岡山市も前向きに検討していただくことになりました。

課題解決の仕組みを作れ!

 瀬戸内海の海苔漁業がピンチですが、行政は救済するつもりがないようにさえ見えます。というのも、海の部署は川の部署(しかも県や国が管轄している)に権限がないので太刀打ちできないからです。タテ割り行政というのは、行政にとっても難敵なのです。
 組織をまたがる課題をトップが把握し、責任者を任命して、全市で取り組まなければ立ち向かえません。岡山市にはダムの権限はないかもしれませんが、本市の漁業者を守る責任はあります。事は死活問題なのです。
 そこで、今ある組織が課題に挑むのではなく、課題毎に責任者を決める仕組みを提案しました。課題を解決できないということは、市民を守れないということだからです。
 ともあれ、漁業者の要望をしっかり聞いた上で「今まで以上に弾力的な運用をするよう」県に要請していただくことになりました。

行政の意思で結果を導け!

 小学生が田舎に長期宿泊滞在し、豊かな自然の中で体験学習をする「子ども農山漁村交流プロジェクト」がスタートしました。5年後には全国すべての小学校(約23000校、1学年120万人)の参加を目指します。
 また、このプロジェクトはもう一つ、過疎化と高齢化が進む農山漁村に子どもたちを呼び込むことで地方を活性化する狙いもあります。
 小学校が行き先が足りなくて困らないよう、また元気な地域が数多く生まれるよう、事業をていねいに説明し、農山漁村の意欲を引き出すことが大事です。当局は、県とも協議し、予め整備個所数の算段をするよう求めました。

児童と学童、どちらも同じ子どもです!

 今、国は子育て世帯の要望を背景に、現状の3倍規模の「放課後子どもプラン」の推進を目指しています。岡山市は学童保育に積極的な先進市ですが、今でも、施設や指導員の確保に苦労しています。
 今後の増加に合わせて、福岡市では53ヵ所の増改築(1ヵ所・約3千万円)を試算していますが、費用が莫大な上、校庭は狭いし現実的ではありません。そんなムダをしなくても放課後の教室を開放することを真剣に考えるべきです。
 保育と教育が子育てを分断しないためにも、一本化した子ども局を創る時期がきていると思います。

判断にも計画にも、根拠と責任を持て!

 明らかに保育定員が不足しており、市の整備目標からも割り込んでいるにも関わらず、新規園が業界の各論反対で潰される現状を改善するよう強く求めました。
 また、今後の規制緩和を活用し、アンケートによるニーズ把握を基に、民営化を含めた短期中期の整備計画を早急に立てるよう要請しました。

全市でクールアースデー!

 福田総理から洞爺湖サミットの初日(7月7日)をクールアースデーにと表明があり、温暖化防止に向けて「七夕ライトダウン」運動が一層加速してきました。
 また岡山市においても、6月11日に市長がライトダウンに取り組む宣言をし、前へ踏み出しました。私も4月30日には市長に要望書を手渡し、広く市民に協力を呼びかける具体策を提案してきました。
 7月7日当日、多くのみなさまのご参加をよろしくお願いいたします。

中央突破はできません!

 私は行政サービスの受益と負担の公平性という視点から、ごみ処理の有料化には一定の理解をしています。
 しかしながら今回の当局案については、設計図にも市民合意のあり方にも難点が目立ちます。
市民が負担する手数料の3割が流通コストに消えるのも、燃やす袋を油から作るのもムダ(が多い)と言わざるを得ませんし、市民負担額と処理費の節約分が逆ザヤになっているのもNGです。まして、市民に選択肢のない説明会は言うに及ばずです。
 今後も様々な行政サービスを変更する場面は続くはずです。しかし市民との協働以外に今後の自治体経営は前に進まないのですから、市民参画を前提に行政運営する以外に、理解も納得も得られるはずがありません。せめてこの事は学習して欲しいものです。

担当:竹之内則夫 2008年6月13日

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6月5日(木)『NPO法人あんしんネット』福祉用具 展示・体験コーナー視察報告

視察先 : 『NPO法人あんしんネット』福祉用具 展示・体験コーナー
         (岡山市南方2丁目 NPO会館きらめきプラザ内)
日 時  : 平成20年6月5日(木)

 上記視察先を景山県議、中原市議と私、酒見 寛の3人で訪問し、アドバイザー西田幸雄氏より、丁寧な説明を受けました。車いすや歩行補助用品などの日常動作サポート用品の他、視覚・聴覚サポート機器やワイヤレス徘徊お知らせ機器のほか、知的障害者の触覚、聴覚、視覚に働きかけるスヌーズレン(もとオランダ語・造語)感覚総合用品などについて学びました。一人一人の“個性”に応じた福祉用具の説明を聞き、あらためて一人を大切にする福祉のこころ・原点を再確認いたしました。今後も当市のさらなる福祉の向上にしっかり取り組んでまいります。

担当:酒見寛 2008年6月5日

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6月3日(火)公明党岡山市議団政策研究懇談会

 平成20年6月3日、公明党岡山市議団は「岡山市の都市交通とまちづくり」と題して政策研究講演会を開催いたしました。講師には岡山大学大学院環境学研究科教授の阿部宏史先生をお招きし、市議団10名と関係者の方々総勢28名で政策研究を致しました。
 阿部先生からは(1)経済社会の変化とまちづくり(2)都市の公共交通とまちづくり(3)岡山市の交通とまちづくり(4)岡山市の都市交通戦略について講演をしていただきました。
 特にコンパクトシティーへのまちづくりの流れの中で公共交通の重要性を説かれ、欧米ではまちづくりと交通手段が一体となり、LRT(Light Rail Transit)の路面電車を利用したパークアンドライド、トランジットモールなどで街に賑わいができている様子も紹介されました。その考え方の基には車優先の道路利用から車、路面電車、自転車、歩行者が対等の道路利用をしており、日本とは根本的にまちづくりの考え方の違いを指摘されました。
 一方、岡山市においては岡山駅東口のバス利用の不便さや路面電車の交通社会実験等で路面電車の環状化計画が頓挫しており、公共交通のネットワーク化や需要調査の不備が課題と指摘されました。
 現在、本市では都市交通戦略の策定に取り組んでおり、それらの課題解消と車社会からの転換で政令市にふさわしい公共交通のまちづくりをしていることも紹介をされました。私どもこれらの研究課題を踏まえ新しいネットワーク化が図れた交通システムを提案して参りたいと思います。

担当:則武宣弘 2008年6月3日

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5月21日(水)滋賀県湖南市・発達支援システムを視察

 市議団5名(則武、高月、松岡、竹之内、中原)で湖南市が実施している特別支援教育について視察し、社会福祉課・発達支援室参事の小西喜朗参事からお話をお聞きしました。

 湖南市では、「発達支援システム」という特別支援教育の仕組みを構築しています。平成14年、旧甲西町の時に発達支援センターを立ち上げ、発達に支援が必要な人に対し、行政の縦割りではなく、保育・福祉・医療・教育・就労等について関係機関の横の連携による支援と、乳幼児期~学齢期~就労期にわたって個別指導計画を作成し、縦の連携による支援を提供するシステムを作り、関係機関とネットワークを組みながら拡充してきました。
 子どもの支援のニーズを把握し、担当する人が変わっても支援が継続できるようなシステムという考え方が基本にあり、今後は就労支援を推進していくことが課題であるとのことでした。
 担当者の熱のこもったお話に2時間があっという間に経ちました。

担当:中原淑子 2008年5月21日

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5月16日(金)・17日(土)プロブディフ市訪問団来岡


17日朝には「ブルガリアフェアinおかやま」がRSKばら園で開催され、テープカットを行った。

 岡山市の友好都市であるブルガリアのプロブディフ市から、プロブディフ市長 スラフチョ・アタナソフ氏、プロブディフ県知事 トドル・ペトコフ氏、駐日ブルガリア共和国特命全権大使 ブラゴヴェスト・センドフ氏ほかが当市を表敬訪問した。
16日に行われた前夜祭では、議会を代表して挨拶にたった。

(挨拶文を紹介します)

 皆様、こんばんは。ただいまご紹介いただきました岡山市議会副議長の磯野でございます。
 駐日本ブルガリア共和国大使ブラゴヴェスト・センドフ様、プロブディフ市長スラフチョ・アタナソフ様をはじめとするブルガリア共和国の皆様、ようこそ岡山へおいでくださいました。岡山市議会を代表して、心から歓迎いたします。
 岡山市とプロブディフ市は、姉妹都市締結以来35周年を経ており、今回、皆様を本市にお招きすることができ、誠に喜ばしく思っているところでございます。
私も議長と共に9年前、貴市を訪問いたしましたが、その時、町の中央にある公園で、岡山駅前にある桃太郎像と全く同じ銅像を拝見したことは今でも鮮明に覚えております。
そしてこの度、明日、明後日と「ブルガリアフェア イン おかやま」を開催いたしますが、1人でも多くの市民にブルガリアの素晴らしさが伝えられますことを強く願いますと共に、ブルガリアの皆様と同じ時間を過ごす中で、これまでに増して両市の絆が強まるものと確信しております。
我々市議会といたしましても、両市友好交流の限りない発展のために、全力を傾注する所存でございますので、どうか関係者の皆様におかれましては、今後とも、より一層のご尽力を賜りますようお願い申し上げます。

 最後になりますが、本日ご参集の皆様のご多幸、ご活躍と、この度のご訪問が両市にとって実り多いものとなりますよう心からお祈りいたしまして、歓迎の挨拶といたします。

担当:磯野昌郎 2008年5月17日

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5月12日(月)岡山市藤田のタマネギ栽培の視察

 公明党岡山市議団5名(則武、田尻、高月、藤井、中原)は、5月12日午前、岡山市藤田のタマネギ栽培の視察を行いました。視察の目的は本市の農産物のブランド化と今後の課題と活性化策についてです。
 当日はJA岡山、藤田タマネギ部会(会長=茅原彰)の3名の方にタマネギ栽培の現状と課題について説明を受けました。藤田のタマネギは水田を利用して栽培を行います。従来の畑での栽培とは違い、水田に水を張ることによって殺菌効果や連作が可能となり、糖度の高いおいしいタマネギができて注目をされています。現在は20ヘクタールの栽培で48戸が行っていますが、将来は25ヘクタールで1億円を越える生産を目指し、産地化(ブランド化)を進めていく方針で取組みを進めています。
 今後は機械化の推進と施設の整備が産地化への課題であり、本市やJAを含め規模拡大への施策の充実を要望されました。特に年間を通じて出荷を図るには冷凍庫の整備は欠かせないことから新たな補助制度の創設を強く訴えられました。

担当:藤井義人 2008年5月12日

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5月8日(木)農業委員選出事前説明会

 岡山市は平成21年4月、政令指定都市実現を目指しています。政令指定都市は4区でスタートをします。本年7月の農業委員会の改選時に前倒しをして各区に農業委員会を設置し、4農業委員会体制になることが決まっています。農業委員の数は58人から71人に拡充されます。農業委員は、農地転用許可、農地の貸し借り相談などの必須業務と共に、農地の流動化や遊休農地調査と解消、農業相談など多岐にわたる任務を担っています。
 任期満了に伴い岡山市農業委員会委員の選挙が、7月20日に投票日を迎えます。
そこで、5月8日、高島JA支所に於いて、旭東地区協議会が事前説明会を実施されました。私(高月)も農業委員として説明会に参加し、地球温暖化と食物自給率、食の安全と食育・地産地消、女性農業委員の選出などお話をさせて頂きました。

担当:高月由起枝 2008年5月8日

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4月30日(水)~5月1日(木)相模原市、鎌倉市の視察

松岡、藤井、松田の3名で相模原市、鎌倉市へ視察に行きました。

1、相模原市 産学連携支援について調査
 「総合的な創業支援活動を通じて地域経済の発展に貢献する」ことを目的に相模原市、独立行政法人中小企業基盤整備機構、地域企業の出資により平成11年に設立された、「さがみはら産業創造センター(SIC)」を中心に、地域産業活性化のため、産学連携の素晴らしい効果を実現されています。

  • 独自の優れた技術、製品を有する中小企業
  • 特色のある学部を有する大学(青山学院大、北里大、麻布大、女子美術大、
    職業能力大、神奈川工科大、玉川大、等)

 企業、大学のネットワークや企業支援のノウハウをしっかり活用されています。 これを、相模原商工会議所・相模原市産業振興財団・県産業技術センター・町田商工会議所・TAMA協会・関東経済産業局、これらの機関が支援され素晴らしい連携で、地域資源と産業、企業が活性化に向け進まれています。
大変勉強になりました。

2、鎌倉市 発達支援システムネットワークについて調査
 発達支援システム推進協議会・発達支援システム連絡会議・発達支援活動チームの三つの組織がしっかり連携して、障害児、発達障害児及び支援を必要とする児童のライフステージに応じた生活全般にわたる一環した相談・支援体制の整備を図ることを目的に、平成18年1月に鎌倉市発達支援システムネットワークを設置され、効果的な運営をされています。
 特に、素晴らしいと思ったのは、福祉・教育の連携です。
5歳児健康発達相談事業では、教育委員会指導主事2名の市長部局併任をされて、福祉・教育のしっかりとした連携が築かれて、乳幼児期から青年期就労支援までしっかりとしたネットワークが築かれていることに感動しました。
本市での取り組みにしっかりと活かしてまいります。

担当:松田安義 2008年5月1日

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4月22日(火)~23日(水)全国都市緑化フェアの視察

 酒見・藤井の二人で、来年岡山市で開催されます、「第26回 全国都市緑化おかやまフェア」に向けた調査のため、本年群馬で開催中の前橋公園会場へ行ってまいりました。
 全国都市緑化フェアは、都市緑化意識の高揚、都市緑化に関する知識の普及を図り、緑豊かな潤いのある都市づくりに寄与することを目的に、建設省(現国交省)の提唱により、昭和58年から毎年開催されている花と緑の祭典です。
 最初に県庁舎の中の事務局の、鏑木 毅主任より説明を頂きました。
そして、県庁舎32階の展望室より、緑化フェア会場の全景が見え、その素晴らしさに、ただただ感動、感動でした。利根川や上毛三山の雄大な自然景観とさちの池、臨江閣、るなぱあくなどのバラエテイーに富んだ資源を活かして、群馬の歴史と美しい未来を緑と花で表現されています。その見事さと美しさに、あっといわせる感動・感動の連続でした。現場に下りてみますと、ひとつひとつがほんとうに素晴らしいものでした。企業、団体、造園関係者、個人の方、学校(小、中、高、大学)等の皆さんの出品の素晴らしさと、団結を感じました。音楽をテーマの庭では、近くに来るとセンサーで音楽が始まり庭全体が音楽会場を思わせびっくりしました。
 また、駅からの道路は、市民の皆さんがきれいに、花のプランタンで飾られ、市民全体でされていることを実感しました。来年のおかやま緑化フェアも是非このような取り組みをしなければと、強く感じました。まさに、おかやま国体のような県、市民一体となった団結で頑張らなくては、と強く強く思った次第です。

担当:酒見寛 2008年4月23日

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4月8日(火)三井造船株式会社 玉野事業所を視察

 玉野市議会のご紹介で、三井造船株式会社 玉野事業所の工場と進水式を視察しました。
好調な業績の中身を伺うと、主力は造船ではなく、船舶エンジンがその倍の売上を稼いでいました。
そして、世界のマーケットにおいて、船舶エンジンが圧倒的シェアを誇る理由の一つは、この事業所を支える地元協力企業の集積度が高く、しかもそれぞれの規模が大きいことだそうです。このコアコンピタンスを長年にわたり協働で積み上げてきたことが大きな強みになっていました。
馬鹿デカい10万馬力(鉄腕アトムと同じです)のエンジンを見上げながら、岡山市は、今後政令市として、どういう特色を打ち出し、強みを築いていくべきなのかを考えさせられました。
 続いて、今回の視察の目的である進水式を見学しました。約300人が見学に訪れた進水式はとてもにぎやかで、HONEST SPRINGという名のこの船は約56000t、パナマ船籍のばら積貨物船で、実に壮観でした。
 シャンパンが弾け、クス玉が割られ、紙吹雪が舞い、紙テープがなびきながら、船が海へと勢いよく進んでいく式典は珍しいそうで、5年位先まで予約が入っており、年に20回近く進水式を挙行していることから、三井造船では企業のイメージアップに、そして玉野市では、これを目玉とした観光企画の立案を目論んでいるのです。とても良い着眼です。
観光資源が充分に活かされていないといわれる本市においても、新しい視点で観光開発を急がなければなりません。一同、意欲をかき立てられて海をあとにしました。

担当:竹之内則夫 2008年4月8日

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